菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

命の水増し。 『ウイスキーと2人の花嫁』

2018年04月13日 00時00分39秒 | 映画(公開映画)

で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1278回。


「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」

 

 

 

『ウイスキーと2人の花嫁』

 

 

 

 

第二次世界大戦中に、スコットランドのある島の人々にとって何よりも大切なウイスキーの配給が途絶えてしまうという一大事が起こるが、偶然にも大量のウイスキーを積んだ貨物船が座礁したことから巻き起こる大騒動の行方をほのぼのとしたタッチで綴る人情喜劇。



驚きの実話を映画化した伝説のコメディ映画をリメイク。

 

監督は、『グッバイ・モロッコ』のギリーズ・マッキノン。

 

 

 

 

物語。

1941年、第二次世界大戦中のスコットランドの小さな島、トディー島。

戦局が悪化する中、ついに島民が愛してやまないウイスキーの配給が止まってしまう。人々はすっかり元気をなくし、死者まで出る始末。

島の郵便局長ジョセフも、結婚したがっている2人の娘に、「結婚式は“ウイスキーなしでは挙げられない」と一喝してしまう。

そんな中、島の近くで貨物船の座礁事故が発生する。島民は、沈没寸前の船から乗組員を救い出す。その時、乗組員から聞いた、船の積荷はなんとニューヨーク輸出用の5万ケースのウイスキー。
そこで、島民は夜の闇に紛れて、沈没する前に船からウイスキーを救出しようとするが、島に常駐する英国軍の隊長や神父の眼が光っていた。はたして、彼らのウイスキー救出作戦はどうなるのか?

 

原作は、コンプトン・マッケンジーによる小説。
オリジナル脚本は、コンプトン・マッケンジー、アンガス・マクファイル。

脚本は、ピーター・マクドゥガル。

 

 

 

 

出演。
グレゴール・フィッシャーが、郵便局長のジョセフ・マクルーン。
ナオミ・バトリックが、長女のペギー・マクルーン。
エリー・ケンドリックが、次女のカトリーナ・マクルーン。

 

エディ・イザードが、ワゲット大尉。

フェネラ・ウールガーが、ドリー。

 

ショーン・ビガースタッフが、オッド軍曹。

ケヴィン・ガスリーが、ジョージ・キャンベル。
アニー・ルイーズ・ロスが、ミセス・キャンベル。

 

ブライアン・ペティファーが、アンガス。
ジェームズ・コスモが、マカリスター牧師。

イアン・ロバートンが、サミー。

ティム・ピゴット=スミスが、ウールゼイ。

アントニー・ストラチャンが、ビファー。

ジョン・セッションズが、医者のマクラーレン。

 

マイケル・ナルドーンが、ミスター・ブラウン。

ケヴィン・メインズが、関税消費税庁のファーカーソン。

 

ほかに、シアロン・ケリー、など。

 

端々を飾る子どもたちがいいんですよ。

 

 

 

 

 

スタッフ。

製作は、イアン・マクレイン、アラン・J・ワンズ。
製作総指揮は、ピーター・ドレイン。

撮影は、ナイジェル・ウィロウビー。

 

プロダクションデザインは、アンディ・ハリス。
衣装は、ギル・ホーン。

 

編集は、アン・ソーペル。

 

音楽は、パトリック・ドイル。

スコットランド風味のあある音楽が素晴らしい。さすがの手腕を発揮している。

 

 

 

 

第二次大戦中、ウイスキー配給停止に嘆くスコットランドの島でウイスキー輸出船が座礁する戦時コメディ。
実話を基にした49年の伝説的コメディ映画のリメイク。
悲惨な戦争の裏で牧歌的に生きる喜びを歌う緩さが人の強さを感じさせる。
スコッチウイスキーを飲みたくなる、というか飲みつつ見るのに最適な肴映画。
敵役までも愛おしい、キャラ愛が素晴らしい。
これぞ人間賛歌。
シラフで作ってれば傑作になったかもしれないが愛すべきほろ酔いの出来なのもよい。古き良き時代に、映画で乾杯。
天使の分け前をもらう琥珀作。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ。

原題は、『WHISKY GALORE』。

『ウイスキーがいっぱい』、『あふれんばかりのウイスキー』てなところ。

2016年の作品。 

オリジナルは、伝説的なコメディ映画『WHISKY GALORE!』(1949)。

こちらは、日本公開されていません。 

この島の名前と花嫁が関係しているので、邦題はそちらをとったようです。

 

 

 


上映時間は、98分。
製作国は、イギリス。
映倫は、G。

 

 


キャッチコピーは、「人生は、奇跡(ミラクル)。」。

エミール・クストリッツァの『ライフ・イズ・ミラクル』感を狙ったのか、偶然か。

けっこう多くの映画に当てはまる、ある意味、手抜きコピーなのだが、この映画ならこれくらいでもいいかなって気もしてくる。

 

 

 

 

 

 


 
プロデューサーのイアン・マクレインはこの島の出身で、オリジナル映画に惚れこみ、経済界から映画界に転身し、10年かけて、この映画を完成させたそうです。
 

 

 

 

 

同じく実話の『ウェールズの山』を思い出したり、微妙に『人生はシネマティック!』を思い出したり。

 

 

 

 

ややネタバレ。

半世紀以上過ぎた現在も島から当時のウイスキーの瓶が出てくることがあるそう。

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ。

せっかくなら引きの画で島自体や自然をもっと見たかった。現代的になってて難しかったのかな。雰囲気はだいぶあるのだが。

実際に島で撮るとあまりにも撮影が大変で、予算超過してしまうので、 スコットランド本土のアバディーンシャーで撮影されたからかも。

 

 

 ラストの一文「撮影中はお酒を飲んでいません」がこの映画の気分を表している。

見る方は、酒飲みながらくらいがちょうどいい感じ。

 

 

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