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菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

台本と脚本と戯曲とシナリオとスクリプトとプロットとドラマとシノプシスと愛しさと切なさと心強さと

2006年03月19日 04時41分28秒 | 映画のあれこれ

さて、脚本と台本のどう違うの?その3、てな感じでしょうかね。

脚本は台本よりも新しい言い方みたい。
なんとなくだけど、台本は実務的に必要な事だけが書いてあって、脚本はイメージも書いてあるときに使うようだ。
脚本家はいても台本家はいないのは、なぜでしょうね。

舞台の人は、戯曲家と言われますね。

実際の映像の現場では、この二つなんとなく使い分けているけど、どっち使っても通じます。
ただ、舞台の場合は、どうなのかな?
脚本よりも、台本て言われている気がします。

シナリオは、元は“即興劇のための短い説明の書いた台本”のことを表していたけど、今は脚本を指す様になってる。
これって、たぶん映画がサイレントであったことに起因しているというのもあるかも。
だから、ほとんど、セリフ無いわけですよ。
セリフって、台詞って、書くじゃない。
台詞がある本で台本かな、と。
でも、台詞って元は、舞台詞の略らしいしなぁ。
語源は、“競(せ)り言(い)ふ”と舞台での言葉の指示。
それが、短くなってセリフに。
世流布(セルフ)から、という説も有るが、これは江戸の当て字っぽいなぁ。

あと、セリフは科白とも書くけど、これは科白(かはく)といって、元は中国語。
科は俳優のしぐさ、白は言う言葉=セリフのこと。
でも、日本ではなぜかセリフの意味だけになっちゃった。

あと、台には、何時台のように、だいたいの範囲を示す意味もあるね。

古代中国(元・明時代以降)では、俳優の役割、それを指示した演劇の仕組書のことを脚色といったそうだ。
で、俳優を重視したものを脚本にしたんじゃなかろうか?
今は、脚色というと、別メディア(小説、ゲーム、カルチャーブックなどなど)から、もしくは、実事件を、映像メディアにすることを指しますね。

あと、戯曲は、上演曲目の指示から来た言葉みたい。


英語では、シナリオとも、SCREENPLAY(スクリーン・プレイ)とも、SCRIPT(スクリプト)とも、DRAMA(ドラマ)とも言う。
プレイは、演劇や演奏の事を指すんだけど、脚本そのものも指すのかな?
とすると、舞台の台本は、STAGEPLAY(ステージ・プレイ)?
TVの台本はTVPLAY(テレビプレイ)?いや、teleplay(テレ・プレイ)とかっていうみたいね。
ドラマは戯曲のことらしいんだけど、どうもしっくり来ないのは、和製英語が邪魔してる?

あと、スクリプトはテレビ用の脚本を指す事が多いようですが、映画用語では、あらすじというか物語だけを指す事が多いです。
語源はラテン語のSCRIBEREで、“書く”。
で、手稿だったり、手書きの原稿。スクリプター(撮影記録係)の書いた記録。てのも辞書にはありました。
余談ですが、スクリプト理論(script theory)というのがあって、心理学で、人間が日常の出来事をどのようにとらえているかを説明する理論の1つ。概念依存症の結びつきによって表された出来事のスクリプト(あらすじ)を用いて、知識や理解の枠組みを説明する。
とはあるが、実際どういうことかはよく分かりませんが。


プロットは、英語で陰謀とか策略の意味で、映画とか演劇とか小説とかの構想や筋、仕組み。


シノプシスは、ギリシャ語の一覧て意味。
梗概とか、あらすじ。あらましってのもあるね。
あらましってのは、おおよそ、大体とか、概略。

ストーリーは話、物語。ラテン語でhistoria(歴史)が語源。
小説、劇、映画などの筋、筋書き、構想。


フランスじゃ、セリフと筋は別の仕事になっていたりもしますね。
セリフはダイアローグと言います。
ギリシャ語のdia(‥‥を通して)+logos(言葉)から。
対話とか、会話、問答という意味ですね。
もちろん、セリフという意味にもなってます。
モノローグは独白、一人台詞のこと。独演劇(一人芝居、モノドラマ)も指す。
ギリシャ語で、monos(単独の)+logos(言葉)
今度はナレーションとかもまとめてみようかしら。


インプロビゼイション(即興曲、即興演奏の意から派生)みたいな、台本なく、セリフも無く設定だけだったり、(まぁそれぞれいろいろある)演出法(諏訪敦彦、マイク・リーなど)の方法論もあります。に用いているのは、脚本というよりは、台本て感じですね。




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5 コメント

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ブルーのパーカー (ちょび)
2006-03-19 21:57:18
『ブロークバック・マウンテン』見てきました。

羊、歪んだテント、ロデオとトラクター、感謝祭のターキー、階級社会の底辺で生きる人々、変わりゆくものと変われない者、そして「居場所」の物語でした。

とても咀嚼しきれませんでした。
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セリフと筋 ()
2006-03-20 00:32:16
フランスではセリフと筋が別になってるってあったけど、それはすごい理に適っている気がする。あたしその場合セリフ係がいい!っていうかつづくはそういう趣きがありましたよね。
返信する
ブロッケン (ひし)
2006-03-20 01:04:42
>ちょびさん

アン・リーは居場所探しがテーマなとこありますね。

デビュー作『推手』はもろにそれですし、『ブロークバック・マウンテン』につながる『楽園を下さい』も

そういう映画でした。

未見でしたら、ぜひ。



>翠くん

ああいうのは、インプロヴィゼイションになるそうな。

ダイアローグって仕事は、ああいう生の言葉じゃなくて、筋を活かす生かつ台詞的言葉を作る仕事みたいよ。

でも、会話好きのフランス人ぽいわよね。

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DVD (ちょび)
2006-03-20 18:32:36
『推手』、『楽園を下さい』、教えて下さってありがとうございました。

旧作のDVDは、TUTAYAのDISCASを利用しているのですが、残念ながらリストにはありませんでした。

DVD化されていないのでしょうか。

ビデオで探してみようと思います。

見つかるといいのですが…
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アン・リー (ひし)
2006-03-20 22:07:38
アン・リー監督作品は、『ハルク』以外は、かなりオススメです。

ゲイを題材にした『ウエディング・バンケット』は、必見の名作。

家族を題材にした『アイスストーム』『恋人たちの食卓』も。

おいらは『ハルク』も好きなんですけどね。













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