で、ロードショーでは、どうでしょう? 第1295回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』
様々な種族が共生する28世紀のアルファ宇宙ステーションを舞台に、宇宙の平和を守る特殊エージェント、ヴァレリアンとローレリーヌの活躍を壮大なスケールで描き出すSFアドベンチャー超大作。
監督(脚本も)は、リュック・ベッソン。
バンド・デシネの巨匠ジャン=クロード・メジエールとピエール・クリスタンの伝説的グラフィック・ノベル『ヴァレリアンとローレリーヌ』シリーズを、長年の悲願を実現させ、ついに実写映画化した。
物語。
西暦2740年。
宇宙連邦捜査官のヴァレリアンは、平和を守るべく銀河を飛び回りながらも、相棒のローレリーヌを口説くことに余念がない。
ある日、ヴァレリアンは、とてつもなくリアルな夢を見る。それはある星の悲劇だった。
新しい任務に駆け付けた二人は、他の捜査官を合流する。その任務がまさか “千の惑星の都市”と呼ばれる超巨大宇宙ステーション“アルファ”の存亡、ひいては銀河を揺るがす恐るべき陰謀の始まりとはまだ誰も知らなかった。
原作は、ピエール・クリスタン (作)/ジャン=クロード・メジエール (画)。
出演。
デイン・デハーンが、宇宙連邦捜査官のヴァレリアン。
カーラ・デルヴィーニュが、相棒のローレリーヌ。
ジョン・グッドマンが、アイゴン・サイラス(声の出演)。
リアーナが、バブル。
イーサン・ホークが、客引きジョリー。
クライヴ・オーウェンが、フィリット司令官。
ハービー・ハンコックが、国防長官。
クリス・ウーが、ネザ軍曹。
サム・スプルエルが、オクト=バー将軍。
ルトガー・ハウアーが、世界連邦大統領。
スタッフ。
製作は、ヴィルジニー・ベッソン=シラ。
製作総指揮は、マーク・ギャオ、ジン・ドン、グレゴリー・ウェノン、JC・チェン。
撮影は、ティエリー・アルボガスト。
美術は、ユーグ・ティサンディエ。
衣装は、オリビエ・ベリオ。
視覚効果監修は、スコット・ストクダイク。
音楽は、アレクサンドル・デスプラ。
2740年、有能な宇宙連邦捜査官ヴァレリアンは相棒ローレリーヌへの求婚に失敗したがそのままコンビで陰謀潜む任務に急行するスペースオペラ。
1967年生まれの伝説的バンドデシネの実写化。
リュック・ベッソンの夢のプロジェクトは詰め込み過ぎた思いが爆発している。素晴らしいところとどうしようもないところが同居。この躁の層状態を大らかに祭りとして楽しめれば。
音楽がデスプラなのにパワーがない。全体的にテンポがもたついている。
昔風の演出が少々キツイ。『フィフス・エレメント』よりも遡る。
アバンタイトルは映画史に残る名シーン。
カーラ・デルヴィーニュ好きなら満足。
映画三本を130分に入れたせいで味が混ざっちゃった増築作。
おまけ。
原題は、『VALERIAN AND THE CITY OF A THOUSAND PLANETS』。
『ヴァレリアンと千の惑星の都市』。
原作は、『ヴァレリアン&ロールリンヌ』として、日本でも知られていますが、今回は Laurelineはローレリーヌになっていた。アニメもあるようです。
『スター・ウォーズ』にも影響を与えていることでも知られており、作者ジャン=クロード・メジエールは当時かなり憤慨したそうです。
のちに彼は『フィフス・エレメント』のコンセプト・デザインを手掛けている。
原作ではヴァレリアンは時空間捜査官でもあるので、タイムトラベルをします。ロールリンヌは11世紀のフランス生まれ。なので、もしかすると藤子・F・不二雄先生の『T・Pぼん』にも影響を与えている可能性があります。
上映時間は、137分。
製作国は、フランス。
映倫は、G。
キャッチコピーは、「宇宙で、ブッ飛べ。」。
中身の無さをきっちり表してますね。
ネタバレ。
リアーナ演じるバブルのダンスシーンは、『フィフス・エレメント』のオペラシーンに匹敵するが、その前後が・・・。そして、イーサン・ホークはいつでも本気。
遊びの部分は本当に面白いんだけど、本筋がちょっとゆるいんだよね。
製作費が約200億円あってもCGっぽさが強いのは狙いなんだろうな。