で、ロードショーでは、どうでしょう? 第662回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ワイルドカード』
ジェイソン・ステイサムがラスベガスの裏社会に生きる凄腕用心棒を演じるクライム・アクション。
監督は『メカニック』、『エクスペンダブルズ2』で、ジェイソン・ステイサムとタッグを組んだサイモン・ウェスト。
実は、男泣き映画をきっちり作ってきた職人肌。
物語。
特殊部隊の元エリート兵士、ニック・ワイルド。今はラスベガスの片隅で用心棒稼業の日々。
そんなある日、何者かに暴行され大怪我した元恋人ホリーから、犯人を見つけ出して復讐して欲しいとの依頼を受けるが、どうやら相手は大物のようで・・・。
脚本は、『明日に向かって撃て』、『大統領の陰謀』などの名脚本家ウィリアム・ゴールドマン。
実は、原作もウィリアム・ゴールドマン自身の小説『HEAT』。
脚色になります。
実は、リメイクです。
二回目の映画化で、前もウィリアム・ゴールドマン自身の脚色。
こちらの詳細はおまけで。
出演。
警備コンサルタントのニック・ワイルドに、ジェイソン・ステイサム。
カジノに来た青年サイラス・キニックに、マイケル・アンガラノ。
ギャングのダニー・デマルコに、マイロ・ヴィンティミリア。
コイツのいい感じの小物感がこの映画をハードボイルド感を盛り上げてもいるのです。
娼婦のホリーに、ドミニク・ガルシア=ロリド。
このキャラと芝居がこの映画のもう一本の軸になっています。
ロキシーに、アン・ヘッシュ。
ドリスに、ソフィア・ベルガラ。
メイドのカサンドラに、ホープ・デイヴィス。
この映画、こういうちょい役が実に豪華。
ギャングのボスのベイビーに、スタンリー・トゥッチ。
もうけものの役です。
ほかに、マックス・カセラ、ジェイソン・アレクサンダー、フランソワ・ヴァンサンテッリ、クリス・ブラウニング、マシュー・ウィリグ、ダヴェニア・マクファデン、マイケル・パパジョン、ジャン=クロード・ルーイエなど。
製作は、スティーヴ・チャスマン。
製作総指揮は、ニック・マイヤーとマーク・シャバーグとカシアン・エルウィズとロバート・アールとブライアン・ピット。
撮影は、シェリー・ジョンソン。
プロダクションデザインは、グレッグ・ベリー。
衣装デザインは、リズ・ウォルフ。
編集は、パドレイク・マッキンリーとトーマス・J・ノードバーグ。
音楽は、ダリオ・マリアネッリ。
アクションコレオグラファーは、コリー・ユエン。
ハードでワイルドでリアルでクイックにトリッキーでゾクゾク。
小物の使い方がいいのよ。
アクションに詩情を持ち込む男、ステイサムの新作は、ハードボイルド短編連作小説の味わい。
アクションはキレキレ。
存在感ありまくりで、芝居が光るキャスト陣は、顔の味わいも深い。
強く優しくダメな男の意地の見せ方に心をぐっとつかまれる、趣ある小品的佳作。
おまけ。
原題も、『WILD CARD』。
上映時間は、92分。
製作国は、アメリカ。
ワイルドカードとは、トランプなどにおいて他のカードの代用が可能な特殊なカードで、万能カードのこと。またはその代用できる能力を表すそうです。
ややネタバレ。
『イコライザー』のステイサム版であり、『リービング・ラスベガス』のアクション版だとも言える。
設定説明をサラっとする潔さがいいのよね。
身の丈の中で済ますので、地味なんですが、それも味わい。
ハードボイルドといえば、やせ我慢の美学ですから、こういう地味さこそいい味出すもんです。
実は、リメイク。
『ビッグ・ヒート』(1986)
こちらも原題は、『HEAT』。
上映時間は、98分。
製作国は、アメリカ。
スタッフ。
監督:R・M・リチャーズ
製作:カシアン・エルウィズ/エリオット・カストナー/ジョージ・パパス/キース・ロットマン
原作:ウィリアム・ゴールドマン
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影:ジェームズ・A・コントナー
音楽:マイケル・ギブス
出演。
バート・レイノルズ
ピーター・マクニコル
カレン・ヤング
ダイアナ・スカーウィッド
ハワード・ヘッセマン
ニール・バリー
ジョセフ・マスコロ
アルフィー・ワイズ
デボラ・ラッシュ
ウェンデル・バートン
ジョアン・ジャクソン
ジョー・クレッコ
物語。
ベニスで暮らす事を夢見るニックは、仕事を頼まれた相手から金を受け取らなかったり、カジノで儲けた十万ドルを一発勝負でスッたりと破滅指向全開バリバリのニヒルでマッチョな男。
ある日、昔の恋人ホリーから自分をレイプした犯人を探し、復讐の手助けをしてほしいと頼まれる。
もちろん、ニックは仕事をこなし、マフィアのボスのドラ息子が犯人だという事をつきとめ復讐を手助けし、奪った金をホリーに全部渡し、逃亡させる。
しかし、逆恨みされたドラ息子がニックに襲いかかり、ニックにボディガードの仕事を頼んでいたサイラスが殺されてしまう・・・。
こちら未見です。
サイラス、死んじゃうのね。
同じ脚本家のウィリアム・ゴールドマンなので比べてみたい。
原作、オリジナル、リメイクと三回も手がけていつつ、違うキャラクターになってるんだろうなぁ。
ちなみに、似たタイトルに『ビッグ・ヒート/復讐は俺にまかせろ』(1953)なんてのも。
こちらは、名匠フリッツ・ラングの娯楽作で、原題も『BIG HEAT』。
ネタバレ。
ワイルドカードは、ニックの能力を指すんでしょうし、彼自身の先頭での灰皿やスプーンで戦える、道具がなんでも武器になるという意味もあるのかしらね。
逆に言えば、なんでもないという意味も含ませていあるのかも。
娼婦の彼女にとっては、愛する相手ではあっても、一緒を求められない相手でもある。
求められているが、目的を果たしてくれれば、彼でなくてもいいというアイデンティティの希薄さも示すんでしょね。
そして、賭博中毒のニックがはまっているブラックジャックでは、使わないカードでもある。
うがってみれば、彼にトラブルを持ち込んでくる相手も、彼にとってはワイルドカードとも言える。
彼自身が向き合わな帰れば、ただのカードに過ぎない。
代用可能なカードだが向き合えば、重要な人に変わる。
ワイルドカードから、数字のあるカードに自分なる話ともいるし、相手がそれぞれのカードだと認めるようになる話だとも言える。
だから、短編連作小説のような構成が選ばれたのだろう。
でも、原作のタイトルは『HEAT』だから、ワイルドカード関係ないんよね。
なんと言っても、ラスベガスという街そのものがワイルドカードなのだ。
代替可能な自分から、唯一無二な自分に。
スペード、ダイヤ、クラブ、ハート、1~10、J、Q、Kの強さはあれど。
例えば、ブラックジャックで2で勝つ時があるように。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ワイルドカード』
ジェイソン・ステイサムがラスベガスの裏社会に生きる凄腕用心棒を演じるクライム・アクション。
監督は『メカニック』、『エクスペンダブルズ2』で、ジェイソン・ステイサムとタッグを組んだサイモン・ウェスト。
実は、男泣き映画をきっちり作ってきた職人肌。
物語。
特殊部隊の元エリート兵士、ニック・ワイルド。今はラスベガスの片隅で用心棒稼業の日々。
そんなある日、何者かに暴行され大怪我した元恋人ホリーから、犯人を見つけ出して復讐して欲しいとの依頼を受けるが、どうやら相手は大物のようで・・・。
脚本は、『明日に向かって撃て』、『大統領の陰謀』などの名脚本家ウィリアム・ゴールドマン。
実は、原作もウィリアム・ゴールドマン自身の小説『HEAT』。
脚色になります。
実は、リメイクです。
二回目の映画化で、前もウィリアム・ゴールドマン自身の脚色。
こちらの詳細はおまけで。
出演。
警備コンサルタントのニック・ワイルドに、ジェイソン・ステイサム。
カジノに来た青年サイラス・キニックに、マイケル・アンガラノ。
ギャングのダニー・デマルコに、マイロ・ヴィンティミリア。
コイツのいい感じの小物感がこの映画をハードボイルド感を盛り上げてもいるのです。
娼婦のホリーに、ドミニク・ガルシア=ロリド。
このキャラと芝居がこの映画のもう一本の軸になっています。
ロキシーに、アン・ヘッシュ。
ドリスに、ソフィア・ベルガラ。
メイドのカサンドラに、ホープ・デイヴィス。
この映画、こういうちょい役が実に豪華。
ギャングのボスのベイビーに、スタンリー・トゥッチ。
もうけものの役です。
ほかに、マックス・カセラ、ジェイソン・アレクサンダー、フランソワ・ヴァンサンテッリ、クリス・ブラウニング、マシュー・ウィリグ、ダヴェニア・マクファデン、マイケル・パパジョン、ジャン=クロード・ルーイエなど。
製作は、スティーヴ・チャスマン。
製作総指揮は、ニック・マイヤーとマーク・シャバーグとカシアン・エルウィズとロバート・アールとブライアン・ピット。
撮影は、シェリー・ジョンソン。
プロダクションデザインは、グレッグ・ベリー。
衣装デザインは、リズ・ウォルフ。
編集は、パドレイク・マッキンリーとトーマス・J・ノードバーグ。
音楽は、ダリオ・マリアネッリ。
アクションコレオグラファーは、コリー・ユエン。
ハードでワイルドでリアルでクイックにトリッキーでゾクゾク。
小物の使い方がいいのよ。
アクションに詩情を持ち込む男、ステイサムの新作は、ハードボイルド短編連作小説の味わい。
アクションはキレキレ。
存在感ありまくりで、芝居が光るキャスト陣は、顔の味わいも深い。
強く優しくダメな男の意地の見せ方に心をぐっとつかまれる、趣ある小品的佳作。
おまけ。
原題も、『WILD CARD』。
上映時間は、92分。
製作国は、アメリカ。
ワイルドカードとは、トランプなどにおいて他のカードの代用が可能な特殊なカードで、万能カードのこと。またはその代用できる能力を表すそうです。
ややネタバレ。
『イコライザー』のステイサム版であり、『リービング・ラスベガス』のアクション版だとも言える。
設定説明をサラっとする潔さがいいのよね。
身の丈の中で済ますので、地味なんですが、それも味わい。
ハードボイルドといえば、やせ我慢の美学ですから、こういう地味さこそいい味出すもんです。
実は、リメイク。
『ビッグ・ヒート』(1986)
こちらも原題は、『HEAT』。
上映時間は、98分。
製作国は、アメリカ。
スタッフ。
監督:R・M・リチャーズ
製作:カシアン・エルウィズ/エリオット・カストナー/ジョージ・パパス/キース・ロットマン
原作:ウィリアム・ゴールドマン
脚本:ウィリアム・ゴールドマン
撮影:ジェームズ・A・コントナー
音楽:マイケル・ギブス
出演。
バート・レイノルズ
ピーター・マクニコル
カレン・ヤング
ダイアナ・スカーウィッド
ハワード・ヘッセマン
ニール・バリー
ジョセフ・マスコロ
アルフィー・ワイズ
デボラ・ラッシュ
ウェンデル・バートン
ジョアン・ジャクソン
ジョー・クレッコ
物語。
ベニスで暮らす事を夢見るニックは、仕事を頼まれた相手から金を受け取らなかったり、カジノで儲けた十万ドルを一発勝負でスッたりと破滅指向全開バリバリのニヒルでマッチョな男。
ある日、昔の恋人ホリーから自分をレイプした犯人を探し、復讐の手助けをしてほしいと頼まれる。
もちろん、ニックは仕事をこなし、マフィアのボスのドラ息子が犯人だという事をつきとめ復讐を手助けし、奪った金をホリーに全部渡し、逃亡させる。
しかし、逆恨みされたドラ息子がニックに襲いかかり、ニックにボディガードの仕事を頼んでいたサイラスが殺されてしまう・・・。
こちら未見です。
サイラス、死んじゃうのね。
同じ脚本家のウィリアム・ゴールドマンなので比べてみたい。
原作、オリジナル、リメイクと三回も手がけていつつ、違うキャラクターになってるんだろうなぁ。
ちなみに、似たタイトルに『ビッグ・ヒート/復讐は俺にまかせろ』(1953)なんてのも。
こちらは、名匠フリッツ・ラングの娯楽作で、原題も『BIG HEAT』。
ネタバレ。
ワイルドカードは、ニックの能力を指すんでしょうし、彼自身の先頭での灰皿やスプーンで戦える、道具がなんでも武器になるという意味もあるのかしらね。
逆に言えば、なんでもないという意味も含ませていあるのかも。
娼婦の彼女にとっては、愛する相手ではあっても、一緒を求められない相手でもある。
求められているが、目的を果たしてくれれば、彼でなくてもいいというアイデンティティの希薄さも示すんでしょね。
そして、賭博中毒のニックがはまっているブラックジャックでは、使わないカードでもある。
うがってみれば、彼にトラブルを持ち込んでくる相手も、彼にとってはワイルドカードとも言える。
彼自身が向き合わな帰れば、ただのカードに過ぎない。
代用可能なカードだが向き合えば、重要な人に変わる。
ワイルドカードから、数字のあるカードに自分なる話ともいるし、相手がそれぞれのカードだと認めるようになる話だとも言える。
だから、短編連作小説のような構成が選ばれたのだろう。
でも、原作のタイトルは『HEAT』だから、ワイルドカード関係ないんよね。
なんと言っても、ラスベガスという街そのものがワイルドカードなのだ。
代替可能な自分から、唯一無二な自分に。
スペード、ダイヤ、クラブ、ハート、1~10、J、Q、Kの強さはあれど。
例えば、ブラックジャックで2で勝つ時があるように。