で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2290回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『マイ・エレメント』
火水土風というエレメントが共に暮らす都市エレメント・シティで交われない火の女と水の男が出会うファンタジー・ラブストーリー・ファミリー・ドラマ・アニメ。
ピクサーの久々の劇場公開作品。
監督は、『アーロと少年』のピーター・ソーン。
物語。
この世界では、元素生命が暮らしている。
大きくは4つの元素、水、火、土、風のエレメント。
エレメントシティは、水のエレメントがつくり出した街だった。
エレメント・シティに暮らす移民二世の火のエレメントの女性エンバーは、短気でアツくなりやすいけど家族思い。両親が海を渡ってたどり着き、苦労して築き上げた店を継ぐことが自分の夢と頑張っていた。
ある日、ひょんなことから、店の地下から水が噴き出すという、ありえない事態が発生する。
そこに検査官で、水のエレメントの青年ウェイドがやってきてしまう。
彼により、店が古く違法建築であることを見つかってしまう。
エンバーはなんとかその報告を遅らせてもらわねばと彼を追いかける。調査が入る前に修繕することで店を救おうと考えたのだ。
ストーリー監修:ジェイソン・カッツ
原案:ピーター・ソーン、ジョン・ホバーグ、キャット・リッケル、ブレンダ・シュエ
脚本:ジョン・ホバーグ、キャット・リッケル、ブレンダ・シュエ
声の出演。(オリジナル・ボイスキャスト)
エンバー (リーア・ルイス)
ウェイド (マムドゥ・アチー)
バーニー (ロニー・デル・カルメン)
シンダー (シーラ・オンミ)
ゲイル (ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ)
ブルック (キャサリン・オハラ)
クロッド (メイソン・ワートハイマー)
ファーン (ジョー・ペラ)
ハロルド (ロノビル・ラヒリ)
アラン (マシュー・ヤン・キン)
声の出演(日本語吹替版)
エンバー (川口春奈)
ウェイド (玉森裕太)
ファーン (伊達みきお)
ゲイル (MEGUMI)
バーニー (楠見尚己)
シンダー (塩田朋子)
ブルック (山像かおり)
クロッド (大谷育江)
ハロルド (高木渉)
アラン (間宮康弘)
レイク (濱口綾乃)
スタッフ。
製作:デニス・リーム
製作総指揮:ピート・ドクター
撮影:デヴィッド・ビアンキ、ジャン=クロード・カラシュ
プロダクションデザイン:ドン・シャンク
編集:スティーヴン・シェイファー
音楽:トーマス・ニューマン
『マイ・エレメント』を鑑賞。
火水土風という元素生命が共存する都市で交われない火の女と水の男が出会うファンタジー・ラブストーリー・ファミリー・ドラマ・アニメ。
ピクサーならではの大人向けでも児童向けでもあるアニメーションならではのストーリーになっている。
これは一人の移民二世女性の自立と恋の物語。
エレメントに例えているが、それぞれが人種の隠喩となっており、見る感じ、火は韓国アジア系寄り、水はイタリア欧州系寄り、雲は黒人系寄り、木はヒスパニック系寄りというところか。あなたにはどう見えるだろうか。
(ピーター・ソーンは韓国系の移民二世でもある)
実は、この元素生命体は裏設定ではジブリと名づけられている。あのスタジオ・ジブリからだそう。『ハウルの動く城』のカルシファーとか思い出すよね。
興味深いのは人種問題にはあまり切り込まず、家族関係、移民二世の悩みが中心になる。
だが、上手いのは、人物が元素なので、そこで起きる出来事が丸ごと大きな比喩としてもみれる。
火と水という究極の『ロミオとジュリエット』な設定ゆえに、そこへ盛り上がりがあるかと思うが、そこではない展開をするのが、消化不良の人もいるかもしれない。
おいらは、あえて、そこからずらした多様性と現代性を評価した。
全体の構成では少々前半が駆け足に感じるが、後半はリズムがあってくる。
監督は、『アーロと少年』のピーター・ソーン。
オイクサーがコンピューターをかなり追加したほどの計算能力が必要になったほどの街の描写が素晴らしい。
なんといっても、5年ぶりのスクリーンでのピクサーですから。
収穫を心配しちゃう辛作。
おまけ。
原題は、『ELEMENTAL』。
『元素的』、『基本要素である』、『すさまじい』。
2023年の作品。
製作国:アメリカ
上映時間:101分
映倫:G
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
同時上映の短編は、『カールじいさんのデート』。
ややネタバレ。
韓国からアメリカに移民し、英語を一言も話さず、ブロンクスに定住した両親とのピーター・ソーン監督の生活に基づいている。
ピーター・ソーンの家族も、エンバーの家族と同じように、ソーンズ・フルーツ・アンド・ベジタブルという名前の食料品店をオープンした。
ピクサー映画として言語分野でPGに指定されたのは、『ミスター・インクレディブル2』(2018年)、『ソウル』(2020年)、『ルカ』(2021年)、『ターニング・レッド』(2022年)に次いで5作目となる。
4つの元素は、水火土風というものと水火木風、水火木雲という書き方がされている。
でも、雲は水が元じゃないのかね?
木だけだといろんなのが生えてきたりしないので、土なんだろうね。
風は見えないから水を纏って雲と。
水と雲と土はつながりがあるけど、火だけ繋がりがないということね。