で、ロードショーでは、どうでしょう? 第2263回。
「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」
『ザ・フラッシュ』(2023)
心優しき青年にして超高速移動の能力を持つ地上最速ヒーロー“フラッシュ”が過去を変えてしまったことで、トラブルが起きるSFアクション・コメディ・アドベンチャー。
DCコミックスの人気スーパーヒーロー“フラッシュ”のDCEUとして、『ジャスティス・リーグ』に続く実写映画化。
主演は、『少年は残酷な弓を射る』、『ウォールフラワー』のエズラ・ミラー。
共演は、サッシャ・カジェ、マイケル・シャノン、ロン・リヴィングストン、マリベル・ベルドゥ。
1989年の『バットマン』シリーズのバットマン役を演じたマイケル・キートンが約30年ぶりに同役に復帰、『マン・オブ・スティール』でスーパーマンの宿敵ゾッド将軍を演じたマイケル・シャノンも同役で戻ってきている。
監督は、『MAMA』、『IT/イット』シリーズのアンディ・ムスキエティ。
物語。
地上最速のヒーロー、フラッシュであるバリー・アレンは、ジャスティスリーグの最年少として、雑用的な仕事をやらされていた。
普段の生活への圧迫だけでなく、妻(母)殺しで裁判を待つ父親の裁判が明日に控えているが、裁定は覆りそうもない。
抱えきれない気持ちを振り払うようにバリーは、超高速で世界を走る。
すると、彼の前に過去の時間が回り広がって見えはじめる。
原案:ジョン・フランシス・デイリー、ジョナサン・ゴールドスタイン、ジョビー・ハロルド
脚本:クリスティーナ・ホドソン
出演。
エズラ・ミラー (バリー・アレン/フラッシュ)
ベン・アフレック (ブルース・ウェイン/バットマン)
マイケル・キートン (ブルース・ウェイン/バットマン)
サッシャ・カジェ (カーラ・ゾー=エル/スーパーガール)
ジェレミー・アイアンズ (アルフレッド)
ガル・ガドット (ダイアナ/ワンダーウーマン)
ロン・リヴィングストン (ヘンリー・アレン)
マリベル・ベルドゥ (ノラ・アレン)
カーシー・クレモンズ (アイリス・ウェスト)
マイケル・シャノン (ゾッド将軍)
アンチュ・トラウェ (ファオラ=ウル)
ルーク・ブランドン・フィールド (アル・ファルコーネ)
ショーン・ロジャーズ (ゲイリー/ルームメイト)
テムエラ・モリソン (トム・カリー)
サオリース・ジャクソン (パティ・スピヴォット)
ルビー・マンキューゾ (アルバート・デズモンド)
イザベラ・ベルナルドー (アイリス)
イアン・ロウ (幼いバリー)
スタッフ。
製作:バルバラ・ムスキエティ、マイケル・ディスコ
製作総指揮:トビー・エメリッヒ、ウォルター・ハマダ、ゲイレン・ヴェイスマン、マリアンヌ・ジェンキンス
撮影:ヘンリー・ブラハム
プロダクションデザイン:ポール・デナム・オースタベリー
衣装デザイン:アレクサンドラ・バーン
編集:ジェイソン・バランタイン、ポール・マクリス
音楽:ベンジャミン・ウォルフィッシュ
『ザ・フラッシュ』(2023)を鑑賞。
近未来アメリカ、地上最速ヒーローが過去へ行ったことでトラブルが起きるSFアクション・コメディ・アドベンチャー。
DCコミックスの人気スーパーヒーロー“フラッシュ”のDCEUの『ジャスティス・リーグ』に続く実写映画化。アメコミの古株ヒーローの最新版。
未成熟ヒーロー、いわば、MCUにおけるスパイダーマンでというた立場となったフラッシュが、やはり同じようにマルチバースを開き、過去の自分と会う。面白いことに日本では、スパイダーマンのアニメ映画と同時日公開で対決。しかも、題材はマルチバースであり、テーマは運命にどう抗うかで、かなり似ているが、その解釈は違う。なのに、どちらもよくできているというなかなか稀有な状況だったりする。
個人的には、『ザ・フラッシュ』から見て、『アクロス・ザ・スパイダーバース』
実は、アメコミでは、フラッシュのシリーズがマルチバースの開祖だそう。
今のフラッシュと過去のフラッシュの一人二役同時出演を成し遂げたのは、エズラ・ミラー。煌めき目眩するほどの魅力を見せる。映画史上でも最高峰の一人同時二役をこなし、途中から本当に二人いるように見せ切る。二人フラッシュこそがこの映画の一番の見所とさえ言えるほど。
そして、マイケル・キートンとベン・アフレックのバットマン競演も見所。
今作で長編デビューを飾るサッシャ・カジェがなかなかいい。
あえて、CGの精度はそこそこにして、見たことない映像を展開しまくる。ここのところ映画で話題となる超高速の映像表現は、今作はそれがたっぷり。
それ以外にも、アクションとガジェットバトルと決め画を叩きこんでくる。
そこをつなぐのは、コミックならではのコミカルな軽さ。一気呵成に見せ切り、本当はかなりやばい事態を娯楽、エンターテイメントに楽しませてくれる。
監督は、『MAMA』、『IT/イット』シリーズのアンディ・ムスキエティ。
ホラーの新鋭ながら、やはり恐怖と笑いは紙一重と言われるのを体現してくれている。
音楽も少しずらしていて、センスあり。テーマ曲はしつこいほど流して、キャラの混乱をさせない。
だが、シナリオには少々穴があり、気づかせない演出で乗り切っているのだけど、気づくとモヤモヤが残る。特にシリーズならではの困ったところを扱えてないので。
あと、特異点という言葉を頭の片隅に置いておくと最後の行動は理解しやすいです。
まぁ、DCEUは、あと2本で終わり、新体制となるので、そこのごたごたを取り込んで、逆に取り込んで、面白みに変換できている。離れ業。あだ花。これもまたいつか何かの映画で話題にされるのだろうか。
DCEUやDCの映画群がマルチバース化しているしね。
うまく『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を引用し、話を広げています。他にもいくつかの映画を取り込んでいますので、気づく面白さも。比べるなら、開けた『ザ・フラッシュ』、閉じた『アクロス・ザ・スパイダーバース』。
アメコミ映画の最高傑作という宣伝がハードルを上げたのではないか。期待に半分は応えているのだけど、半分は裏切られるからね。オリジンのやるけど、やっぱり説明の少ない続きものだし。でも、アメコミ映画としての解釈としては、かなりの出来なのは確かなのですから。
人助けシーン、スーツづくりシーンとか理解ってるねぇと嬉しくなる。
好きものにはたまらないし、画面の動きを楽しむコメディだと思ってみれば、楽しい時間を過ごせるでしょう。
SFとして、かなり難しいテーマを扱ってもいるあたり好みです。
フラッとな気持ちで見るのは難しい犬作。
おまけ。
原題は、『THE FLASH』。
『煌めき』。
2023年の作品。
製作国:アメリカ
上映時間:144分
映倫:G
配給:ワーナー・ブラザース映画
最初に、ワーナーブラザーズとDCの歴代のロゴが出ます。
ややネタバレ。
Supergrass - Alright (Official HD Video)
https://www.youtube.com/watch?v=qUE4oDunYkc
The Raconteurs – Salute Your Solution (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=7lL1CW140FQ
ネタバレ。
アメコミで、マルチバースをはじめて描いたのは1961年の『ザ・フラッシュ』#123だそう。
追加クレジット。
クリスファー・リーヴ(CGI) (スーパーマン)
ヘレン・スレイター【アーカイブ映像】 (スーパーガール)
ニコラス・ケイジ (スーパーマン/カル=エル)
ジョージ・リーブス【アーカイブ映像】 (スーパーマン)
アダム・ウェスト【アーカイブ映像】 (バットマン)
ジェイソン・モモア (アーサー・カリー/アクアマン)
ジョージ・クルーニー (ブルース・ウェイン)
テティ・シアーズ【CGI?】 (ジェイ・ギャリック/初代フラッシュ)
アンディ・ムスキエティ (ホットドッグ男)
ヘンリー・カヴィル(スーパーマン)はロングの映像でCGI、レイ・フィッシャー(サイボーグ)は名前だけ出てくる。
マイケル・ガフ(アルフレッド)は死んでいる設定らしく、文字(ペン)だけ。
コミックでは、『バットマン89』という『バットマン・リターンズ』の続きが出ている。
笑い袋はジョーカーのの小道具。
部屋には、『Vフォー・ヴェンデッタ』のポスターが貼ってある。
犬の名前がアーサーなのは、『インディ・ジョーンズ』のネタかな。
『インセプション』などのポスターもある。
『スターウォーズ』のネタもある。
アンディ・ムスキエティは、次のDCUの『バットマン:ブレイブ&ボールド』の監督就任が決定している。これは原作ではロビンがメインの話でもある。
となると、『ザ・バットマン』シリーズとは別ユニバースらしい。
エリック・ストルツの『BTTF』。
ケビン・ベーコンの『トップガン』。
マイケル・J・フォクスの『フットルース』。
ロバート・ゼメキスの『ザ・フラッシュ』なんて企画もあった。
『バタフライ・エフェクト』も引用。
チョコバーを投げさせているのに、地面に落ちてしまう。
すべては救えないを示す。
シナリオは少し弱さがある。
最初に、エネルギー不足が弱さであると出しているのに、後半は忘れてしまう。
バットケイブで秘密を聞きながら若いバリーが食べてるのが最後。
若いバリーは相談しないのよね。
自分に殺されるが、分岐された未来を書くとしているので、消えない。
犯人を止めないのは。大きく変えることには問題があると思ったのだろうが、ブルースとの会話で小さなものでもどうなるかわからないとバタフライエフェクトの話をしている。
それでも帰るのが人間だが、その罪を追う。
運命からは逃れられない。
時間戻れるんだから、バリーは犯人を知ろうとしない。
差r無い被害者が出る可能性は考慮しない。
すべてを救えない、ヒーローだってただの人。
スーパーガールは負け、死ぬ。
バットマンも死ぬ。
あの若いバリーの地球は滅びる。
子供と父親は死ぬ。
諦めを知る。
母も死ぬ。
それでも出来ることを探す。
何かを失っても。
『エンドゲーム』でも同じことやってるのよね。
ストレンジは未来を知ってから現在を選ぶ。
5年消えたことである程度は死ぬけど半分よりはまし。
上を見たってことはトマト缶をバリーがを並べ替えた。
セリフでも「スパゲッティがまっすぐになって、トマト缶は下から上に移動した」と言っている」
時間の改変は、特異点でなければ、おおきなことにはならない。
自分が諦めれば、ある程度までは過去の改変はできる。
だが、また未来は分岐した。
実父をとったら、疑似の父を失ったわけだ。
『ザ・フラッシュ』は、これからDC新シリーズが始動するにも関わらず、続編の可能性がある。すでに脚本も書き上げられており、ムスキエティ監督はもしも実現するなら主演エズラ・ミラーを再び起用したいと語っている。