一期一会

日々是好日な身辺雑記

トランプ一般教書演説

2020年02月05日 | 雑記
今日5日(水)はトランプの議会での一般教書演説がNHK BSで11:00から実況中継されていたので日課のジョギングを止めそれを見ていた。
上院での弾劾裁判のボルトン前補佐官の証人喚問を否決し、トランプの罷免も否決されるだろうから、余裕を持っての演説のように見えた。
大統領就任演説から今日で3回目の一般教書演説と4回見ているが、相変わらずの理念も格調の高さもない演説で、再選ファーストの岩盤支持層向けの内容と演出の政治ショーのようだった。

演説の冒頭から好調な経済を株価や失業率など、細かな数字をあげて信じがたい結果だと自画自賛するもので、それが延々と30分も続き、その合間に(前の政権・・)(前任者・・)とオバマ政権否定の話を何回も交えて話すという、いかにもこの男らしい内容だ。
そしてドヤ顔で演説を中断すると、共和党議員のスタンディングオベーションが何回も続き、民主党議員は座ったままという現在のアメリカ分断を象徴するような映像だった。
あの顎をひいてのドヤ顔は(さぁ立って拍手をしてくれ)の催促サインなんだろう。
そしてゲスト紹介の演説と続くのだが、路上生活の黒人男性、シングルマザーの母娘、軍人の留守家族、テロの犠牲になった兵士の家族を紹介と続き、その後でISのバグダディ指導者、イランのソレイマニ司令官殺害を誇るという我田引水振りだ。

極右のラジオ司会者に勲章を授け、その勲章を隣に座っていたメラニア夫人がかけてやるという、過剰演出だった。
犯罪対策の話をしながら、銃を持つ権利は守るという、何とも矛盾にみちた演説だ。
アメリカ大統領としての年一回の演説だが、世界のリーダーとして直面する地球温暖化問題や難民問題も語ることもなく、選挙キャンペーンのような演説だったが、こんな演説はこれを最後に見たくないので、11月の選挙ではトランプへのNOを突きつけてほしいものだ。

それにしても、(あと4年、あと4年)とシュプレヒコールをあげる共和党議員の姿は北朝鮮の映像を見ているようだった。




11月の大統領選に向けて、民主党の候補者選びの初戦となるアイオワ州の党員集会が行われ、集計の不手際でまだ結果が出ていないが、バイデンとサンダースの首位争いとの予想だったが、中間集計の段階ではブティジェッジが僅差での首位となっている。バイデンとサンダースでは年齢的に2期8年は難しいと思うのと、トランプには勝てないような気がする。
ブティジェッジにはトランプが絶対的に持ってない理性と知性、そして若さがあるが、全米での支持が広がるだろうか。
現在のアメリカの行き過ぎた金融資本主義や格差問題からすると、エリザベス•ウォーレンの言う富裕層への増税などでの再分配政策が必要だとも思うがどうなるか。

今回の一般教書演説は11時からだったので、ワシントンとの14時間の時差からすると、21時というゴールデンタイムに中継放送されたのだが、どのくらいの視聴率だったのか興味がある。
中身のない1時間20分の演説だったが、最も印象的だったのが、演説が終わった後で、トランプから渡された演説原稿をペロシ下院議長が3回にわたって破り捨てた事と、その演説原稿のフォルダーをペロシ下院議長に渡す時に、手を差し出した彼女の手を無視して握手をしなかった事だ。

身体は大きいが、人間の器は小さな男だ。