一期一会

日々是好日な身辺雑記

読書メーター

2020年02月01日 | 雑記
書店や新聞の書評で興味を引いた本は、読書アプリの(読書メーター)に登録しておいて図書館の予約状況を確認した上で予約するが、蔵書になっていなくても評判の高い本であれば予約票を出しておくと、遅かれ早かれ蔵書になる。
「反日種族主義」もその方法で予約順位2番で読むことが出来たが、「ミレニアム6」も年末に予約票を出しておいたら年明けに蔵書になり、同じく予約順位2番となった。
予約本でも昨年3月に予約した横山秀夫「ノースライト」と宮部みゆき「昨日がなければ明日がない」は、ようやく20番台の予約待ちになったが、その後には100人以上の待ち人がいる。2冊ともBookoffに行けば中古本があるのだろうが、断捨離で本を増やしたくないので買わない。

「緒方貞子回顧録」を読み終えたら、図書館に予約しておいた本が立て続けに届き、手元に4冊となった。それも全てミステリー本で「そしてミランダを殺す」、「わが母なるロージー」、「ブラック•スクリーム」、「カッティング•エッジ」で、全て次の予約が入っており2週間で返却しないといけないので、先週からミステリー本の読書三昧となった。

「そしてミランダを殺す」は年末に発表になる文春ミステリーベスト10の2018年の海外部門で2位で、「わが母なるロージー」は2019年の8位、「カッティング・エッジ」は10位にランクされている。週間文春は文春砲なるどうでもいい記事が多いが、この年末ミステリーベスト10だけは読む。まぁ、買ってまで読む雑誌でもないので図書館で見るのだが。
「そしてミランダを殺す」の作者ピーター・スワンソンの最新作「ケイトが恐れるすべて」は2019年の文春ミステリーベスト10の3位のランクで、図書館での待ちは1人だが「ミレニアム6」の上下が1番になってるので予約は出来ないが、ミステリーは国内本の方が人気はあるようだ。

ネタバレにならないようにミステリーを説明するのは難しいが、「そしてミランダを殺す」のあらすじは、IT会社の若き実業家テッドがヒースロー空港のBARで知り合った謎めいた美女リリーに、妻のミランダが浮気をしている事を知り殺すつもりでいる事を話すところから始まる。
初対面の相手に、妻の浮気と殺意を話すのは不自然な感じがするが、意外にスンナリ入っていける。この空港での出会いと機中での話しでミランダ殺害計画がテッドとリリーの間で練られるのだが、このリリーがサイコパスのような人間で、男性を2人殺害している。
そしてリリーとミランダの繋がりや、殺害を計画した者が殺害され、完全犯罪殺人を実行したと思われたがラストでそれが崩れるのを暗示して終わるという展開になっている。
ランク3位というのはともかく、謎解きの複雑さはないので一気に読める。
「ミレニアム6」の次に「ケイトが恐れるすべて」を読んでみよう。

ピエール・ルメトールの「わが母なるロージー」は「悲しみのイレーヌ」「その女アレックス」「傷だらけのカミーユ」のカミーユ・ヴェルヴェーン警部シリーズでは中編とも言うべきもので、145cmのカミーユ警部、若く優秀で富豪の刑事ルイという特徴ある登場人物のその頭脳での事件解決力で読ませるのだが、前3作と比べると事件も単純で短いが、面白さは変わらない。
ピエール・ルメトールの本は11月に「天国でまた会おう」とその続編「炎の色」を読んだがカミーユ警部シリーズとは違った切なさと重さが心に残る本だった。
この本は3部作らしいので、次の作品が待ち遠しい。



そして日曜日から読み始めたのがジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムシリーズの「ブラック・スクリーム」で、シリーズ13作目だが前作「スティール・キス」を読んだのが読書メーターを見ると2018年4月なので久し振りだ。
ミステリーは筋立てや謎解きで読ませるものと、登場人物のキャラクターで読ませるものがあるが、前者がリンカーン・ライムシリーズで、カミーユ警部シリーズが後者だろう。
このシリーズはどんでん返しが定番になっており、それが二重三重のどんでん返しなので、その伏線としての話が並行して進むのと、主人公リンカーン・ライムが元NY市警の名捜査官の科学捜査の天才である事から、犯罪現場の遺留品採集やその分析がディテールに描かれているのが長過ぎるように感じ、読むのが少し面倒になる事がある。

「ブラック・スクリーム」はコンポーザー(作曲家)を名乗る統合失調症を病む誘拐犯人が、NYでの誘拐監禁場所をライムに割り出され、すんでのところで被害者は助けられ、コンポーザーはイタリアのナポリに逃れる。それを追ってライムとアメリア、介護士トムがナポリに渡るが、読み進めていくとマンネリ気味だったいつものリンカーン・ライムシリーズとは何か違うなと感じる。
それは共同捜査をする国家警察ナポリ本部の警部や巡査、女性科学捜査官、捜査に関してライムと鞘当てをする検事など新しいキャラクターによるものだろう。
ヨーロッパへの難民の玄関口のナポリらしく、難民も二重三重のどんでん返しの重要なファクターになっている。2017年10月にナポリを旅行しているので懐かしさもあり、日曜日は部屋にこもって読み続け、月曜日も小雨降る天気だったので読み終える事が出来た。
「ブラック・スクリーム」はシリーズの中では毛色の変わった一篇だが、登場人物のキャラクターのウェートが高いという事では私の好みだ。

そして大雪予報となった火曜日から読み始めた「カッティング・エッジ」は、貸出期限が迫っていたのと、予約しておいた「ミレニアム6」の上巻が図書館に届き、その確保期限も迫っている事から悪天候も幸いとばかり家に籠って読み続けた。
NYのダイヤモンド店で、ダイヤモンドの加工職人である店主と婚約指輪を受け取りに来たカップルが殺害され、その犯人を目撃した店に勤めるインド系の青年が現場から逃げ、それを追うロシア人の犯人という逆逃亡劇のような形で話は展開する。
読み進めていくと、いつものリンカーン・ライムシリーズだと感じ、全てがラスト50ページの二重三重のどんでん返しに向かって描かれていると思い、その一つに善人が悪人に変わるというパターンがあるので、その該当人物を予想していたらそれが正解だった。

火曜日に半分くらいまで読み進めたが、水曜日は3ヶ月に1回の大学病院での定期検診で6時過ぎには家を出て、8時から始まる採血、そして超音波検査、その結果を受けての問診と続くが、その待ち時間にも読み続ける。
毎年1月の定期検診にはカミさんが担当医への挨拶に同行するので、問診の予約時間に合流した。問診の担当医は7年前の執刀医でもあり、カミさんいわく(今、生きてられるのは先生のおかげ)と。カミさんの職場関係の繋がりでの紹介の先生だという事もあるのだろう。
検診の方はセーフで、職場に戻るカミさんとは別れ、麹町で働く知人2人とランチをしてから帰宅した。

いつものシリーズに戻った「カッティング・エッジ」は、ダイヤモンド市場におけるロシアや南アフリカも絡み、どんでん返しも健在でそれなりに楽しめるが、その展開がある程度読めてしまうのがシリーズ本の定めだ。
何とか返却期限前の昨日に読み終え、明日には返却して「ミレニアム6」上巻を受け取れるが、同じくシリーズ本で原作者が亡くなりシリーズ4以降を別の作家が引き継いでいる。このシリーズ6が契約上の最終出版となるが、その内容の方はどうだろうか。

それにしても2週間で文庫本2冊単行本2冊は多過ぎる、貸出期限からきているので仕方ないが、予定している囲碁の勉強やギターの練習が出来なくなり、日課のジョギングもサボるようになってしまうので、週一冊が適性だ。
ミステリー本はエンタメとして楽しめるが、読後感として心に残る本の方が良い、最近読んだ本では「君の膵臓をたべたい」がそんな本だった。
ぎょっとするような題名に手が伸びなかったが、読んでみたら高校生世代の感性と会話がみずみずしく描かれた一冊だった。

ライムシリーズを読んでて思いだしたのは、同じ科学捜査というジャンルの検屍官ケイ•スカーペッタシリーズで、いつも年末の発売と同時に読んでいたが暫く読んでいない。調べてみたら24作が発売されており、2013年12月発売の20作目「死層」以来読んでなく、書棚にあったシリーズ本も処分されていた。長い機中で読むには最適の本なので、次の旅行用として取っておこう。
シリーズ本で書棚に残っているのはロバート•B•パーカーのスペンサーシリーズだけたが、これは懐かしのボストンが舞台なのと、探偵小説というジャンルでは括れない深さがあるので、読み返す事もあるだろうと思い取ってある。
何よりスペンサーをはじめ、パートナーの医学博士スーザン、相棒のホークと登場人物が魅力的である。
もう一冊読み返してみたいと思っているのが司馬遼太郎の「坂の上の雲」で、日経朝刊に連載の(ミチクサ先生)を読んでそう思った。
読みたい本が尽きる事はないのだ。