スイス・ロマンド管弦楽団演奏会
指揮:大野和士
ソリスト:エリザベス・レオンスカヤ、ピアノ
ヨハネス・ブラームス:「大学祝典序曲」作品80
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調;
アンコール:ピアノ・ソナタ第17番 ニ短調 「テンペスト」 Op. 31, No. 2より 3楽章。
アントニン・ドヴォルザーク: 交響曲第7番二短調
、
ヴィクトリア・ホール、ジュネーブ 2020年2月12日収録。
大野和士氏は、ザグレブ・フィルの音楽監督時代から存じ上げており、
日本に戻られてからも都響の音楽監督監督や、新国立劇場の音楽監督
バルセロナ交響楽団の音楽監督など歴任。
ある意味八面六臂の活躍。
その指揮ぶりにも、個人的には共感が持てたりする。ブルックナーなど
振るようになってから、時折配信などで聴かせていただいてもいる。
時間はかかるが、このような音楽家は地道に応援するしかない。
確かに厳しい評も時折見られたりするけれど、音楽に、良い悪いでは
なく好き嫌いなら、個人的な思いは、この指揮者の作る音楽は好きなのかも
しれない。
番組表に目をやったときに、即座に録音設定してしまうくらいだから
彼の演奏は聴きたいと思っている。
客演に呼ばれたスイス・ロマンド管弦楽団は、アンセルメが作り出した楽団で有名。
耳はそのカラーになっていた。今はそれはないみたいだけれど、伝統のある楽団で、
近々では山田和樹氏が振っていたりする。さて、大野氏はどうかな。
ブラームスは愛らしく進んでいく。ニ長調の調性が、聴衆を引き込んでいく。
ベートヴェンは、ゆったりとつつむ。3番でも5番でもない、まさしく4番の
筋立ての感じ。ト長調の調性が、ベートーヴェンの中で完結していると感じさせる
ところがやはりすごい。レオンスカヤは音楽が流れる。堂々と完結。
アンコールはテンペストの第3楽章。協奏曲のあとのアンコールにしては、
長く重め。後半の二短調に雰囲気を繋げるか・・・。
このドヴォルザークはいいなぁ。集中してくる。引き込まれる。
鳴らすところは鳴らしている。細かく指示を出して音楽を作っているのかもしれない。
ボヘミアの森だけでない何かを感じる。知と情のバランスをさせているのかもしれない。
今は、それでいいのだろうとおもう。終演後はブラヴォ―も飛んでいる。
おなか一杯。ごちそうさまでした。