苗苗老師的心言苗語

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☆ 従容優雅(cong2rong2 you1ya3)余裕

2006-10-16 23:18:08 | ☆ 苗苗言語生活

    外国語を勉強していくと、時々、翻訳不可能な言葉に出会う。一般的にそういう言葉がないと言うが、実は、その言葉が意味する概念がないという。

  余裕という単語もその中の一つ。

  「大辞泉」によると、余裕とは、

  ① 必要分以上に余りがあること。また、限度いっぱいまでには余りがあること。「金に―がある」「時間の―がない」「まだ席に―がある」

  ②ゆったりと落ち着いていること。心にゆとりがあること。「―の話し振り」「周りを見る―もない」

  日本語の余裕は財物的な面と精神的な面をもつ。

  中国語の場合、主に財物的な面をさす。

  「現代漢語詞典」によると、

  “余裕”yu2yu4とは、“富裕”fu4yu4(裕福、豊かである)。“余裕的時間”yu2yu4 de shi2jian1(時間の余裕がある)、“余裕的精力”yu2yu4 de jing1li4(体力の余裕がある)。

  ゆったりと落ち着いていることと、心にゆとりがあることとして使う余裕を中国語に無理に翻訳すると、“従容”cong2rong2(落ち着ちはらっている)になる。しかし、この落ち着きさをどうも心ではなく、振る舞いをさすと思う。

  もしかして、心にゆとりがあるという概念が中国にないかと思う。不勉強な人で断言はできない。

  ところが、心の余裕があることは大切だと思う。

  ゆとりのある心を持つと、一挙手一投足に落ち着きができ、より細かい心遣いができ、自分だけではなく、まわりの人々にもゆったりとくつろがせる。そこで、優雅と優美というものが生まれてくる。

  優・雅・美を求めるなら、もっと心の余裕が必要だとつくづく思ういまである。


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