カルシウム(+マグネシウム)は天然の精神安定剤(Ca:No.3)
カルシウムとマグネシウムは同属の元素で、共役関係にあって、そのバランスで生命活動がなされていますから、摂取するには3:1(学者によっては2.5:1)の比率が望ましいとされています。そして、カルシウム(適正比率でマグネシウムも)を摂取すると、イライラ感を鎮める効果があることは、過去記事の「 大きな心の財産、それは“許す心” 」の中で、人体実験からも明らかであることを説明しました。
さて、昨日、とある製薬メーカーのセミナーに出席し、精神科医(滋賀県立精神医療センター病院長)の辻元宏先生の講演を聞いてきました。その中に、精神疾患にカルシウムが大きく関わっており、カルシウムは「天然の精神安定」であるとのお話がありましたので、それをここで紹介しましょう。
ヒトは海から生まれた生物の子孫で、赤ちゃんが育つ子宮の中の羊水は海水の成分と酷似しています。そして、受精後1~2か月はエラ呼吸をし、10か月間を太古の海での生活をしているのです。誕生後も、血液・体液という海の中に細胞は浮かんでいるのであり、細胞は海水の成分なくしては生きていけません。
その中で、摂取不足となるのがカルシウムで、恒常的な不足は、様々な障害を引き起こします。特に問題となるのは、血液中のカルシウムが大幅に減ったときです。
そうなったときには、カルシウムの貯金箱の骨を溶かし、大量にカルシウムが血液中に放出され、生命活動が維持されます。しかし、このとき、あまりにも多くカルシウムが溶かし出されますので、これが繰り返されますと、余ったカルシウムは、体内のどこかに沈着するしかなくなります。血管壁、尿路、胆管に沈着すれば、動脈硬化、尿路結石、胆石ですし、内臓の細胞に沈着すれば、内臓の働きを少しずつ悪くしていきます。そして、骨はだんだんスカスカになり、骨粗鬆症になります。
このように、カルシウム不足がカルシウム過剰を生み出してしまうという現象、これを、カルシウム・パラドックスといいます。
血液中の濃過ぎるカルシウムが余計者扱いされるのには訳があります。カルシウム濃度は、細胞外1万個に対して細胞内1個の割合でバランスを取っているからです。このように細胞内はカルシウムが極めて低濃度ですから、細胞外のカルシウム濃度が高くなり過ぎると、細胞内に余分なカルシウムが入り込む恐れがでてきます。そうなっては大変なことになりますから、早急に細胞外カルシウム濃度を正常化させねばならないのです。
摂取した余分なカルシウム(ほんの少し血液を濃くするだけで過剰には吸収されない)であれば、ほんの少しずつ骨に沈着させることができるのですが、骨から溶け出したあまりにも過剰なカルシウムは、残念ながら骨に戻す時間的余裕はなく、早速どこかに沈着させるしかないのです。
そして、骨以外に一旦沈着したカルシウムは、生涯溶かし取ることは不可能です。
さて、カルシウム・パラドックスは、脳内でも起きます。血液中のカルシウム濃度が濃過ぎれば、神経細胞に沈着し、神経細胞が死んでしまいますし、また、神経細胞内に入り込むことがあり、神経細胞を狂わせます。認知症は、こうようにして起きることが多いです。
また、統合失調症や鬱(うつ)の場合は、ストレスが原因して、神経細胞内に入り込んだカルシウムを放出する機能に障害を起こしていることが多く、神経細胞が狂ったままの状態に置かれて、不安感、焦燥感を極度に高めさせてしまい、それが延々と続きます。
こうしたことから、生活習慣病にしろ精神疾患にしろ、カルシウム・パラドックスを絶対に起こさせてはならないのです。特に、精神疾患においては、神経細胞を狂わせますから、手の施しようがなくなります。
カルシウム・パラドックスに至らなくても、恒常的にカルシウムが不足していると、ストレスに対する反応が過敏となり、また、その回避能力が低下し、よって、絶えずストレスの影響を強く受けるようになります。これは、動物実験から明らかなことです。
ですから、統合失調症や鬱(うつ)のみならず自閉症、神経症などあらゆる精神疾患に対してカルシウムの補給は、精神安定剤として、極めて有効に働くのです。
なお、カルシウムとマグネシウムは、そのバランスで生命活動がなされますから、カルシウム単剤ではなく、2.5:1の比率のものが望ましいです。そして、カルシウムは吸収効率が悪いですから、カルシウムの吸収を妨げるリン化合物、例えばリン酸、リン酸塩の摂取(食品添加物やインスタント食品に多い)を控えたいものです。
日本の国土は、火山灰、火成岩で覆われた土壌ですから、水道水や野菜に含まれるカルシウム濃度は低く、食品からだけでは、どうしても摂取不足になります。
また、牛乳は、カルシウムが多いですが、ミネラルバランスが悪く、かつリン(これも骨の原料)が多いですから、成人には不向きなカルシウム食品です。
以上、ベテランの精神科医である辻元宏先生の豊富な臨床経験に基づくお話ですから、信用がおけるものです。
ただし、小生は、日本人がカルシウム摂取不足になることは滅多にないと考えるのですが、何らかの形で体内のカルシウムが不足する場合が往々にしてあると捉えています。
いずれにしても、カルシウムとマグネシウムを一緒に補給することは、生活習慣病や精神疾患の治療の大きな手助けになり、また、その予防になると言えましょう。
ぜひ皆さんもサプリメントとして毎日摂っていただきたいものです。
なお、当店では、これ以外にも摂取不足が心配されている、亜鉛やセレンなど各種ミネラルが配合された総合ミネラル剤をお勧めしています。亜鉛やセレンその他のミネラルについては、別の機会に紹介しましょう。
(2018.4.7追記)
摂取したカルシウムの吸収にあたってはビタミンDの存在が不可欠なのですが、ビタミンDの経口摂取あるいは日光による皮膚でのビタミンD生成が十分であるとの前提で本稿を書いていますが、部屋に閉じこもりがちな冬季はビタミンDが不足気味となる恐れがあることが判明しました。→冬はお日様に当たって健康づくり これを加味すると、精神疾患を抱える方は一般的に部屋に閉じこもりがちですから、ビタミンDが不足し、それによって、よりカルシウム不足となりそうです。
(カルシウム関連記事一覧)
カルシウムは、やっかいもの?!(その1)
カルシウムは、やっかいもの?!(その2)
カルシウム不足の米国人、充足の日本人(Ca:No.1)
カルシウム不足はなぜ起きるのか(Ca:N0.2)
カルシウム(+マグネシウム)は天然の精神安定剤(Ca:No.3) (このページ)
こうすれば骨粗鬆症は防げる(Ca:No.4)
その中で、文末に「世間のカルシウム不足という風潮は、間違っています。その逆、まさしくパラドックスです。」とありますが、こうした見解を持つ方がいらっしゃるとは知りませんでした。強い味方を得て、心強くしております。
小生も、貴方と同様、日本人は基本的にカルシウムは充足していると思っており、先日、別途「カルシウム不足の米国人、充足の日本人」を記事にしました。しかし、カルシウム不足も往々にしてあるのも事実で、続編として「カルシウム不足はなぜ起きるか」を書きました。
これでもって、カルシウムの全てを説明できたわけでもなく、カルシウムについては奥深いものがあり、また、未解明な部分も多いようですし、何よりも小生の勉強不足で、まだまだよく分からない所が多いです。
まだ記事にしていませんが、日本人はカルシウムが充足されていると思われるものの、軟水地域と硬水地域での疾患の出方に有意な差があるようでして、カルシウムが深く関与していると考えざるを得ないです。そして、軟水地域はカルシウム不足が疑われることになり、小生の思いと矛盾します。
このように、突っ込んでいくと、わけが分からなくなってくるカルシウムです。
でも、ミネラルの中で最重要のカルシウムですから、これからもコツコツと勉強していかねばと考えています。
さて、カルシウムパラドックスについてですが、日本人の場合、カルシウム摂取過剰(厳密に表現すれば「吸収過剰」)は起こりえず、貴方の説明は、欧米人(特に北欧)に当てはまるケースではないかと小生は捉えています。
なお、骨吸収は、骨の全成分が溶け出すのですから、カルシウムだけでなく、マグネシウムも、そしてリン酸も溶け出すことは承知しているのですが、日本人の場合、マグネシウム摂取(吸収)不足になることも少ないですから、欧米人のように、マグネシウム不足でカルシウムパラドックスを引き起こすことは、まれでしょう。(ただし、ストレスなどで排泄されやすいマグネシウムですから、全否定はしませんが。)
しかし、日本人においても、現実にカルシウムパラドックスが起きており、複数の学者が、カルシウム摂取(吸収)不足で、急激な骨吸収が繰り返され、これは起きると言っていますので、小生は、これを支持したく、ここに取り上げた次第です。
はじめまして。いつもブログを拝見している大ファンです!さてぜひお聞きしたいことがありメールをしました・・・。恐れ入りますがどうか教えてください。
『 風化カルシウム ~ が難病を治す!川村』この北海道で発見された風化貝カルシウムは現在の救世主だそうです・・・。( 大量にソマチッド!が入っており難病を治すとか。)これは鍼灸治療院の川村先生が発見してその使用方法を研究して独自に開発しました。研究会も出来ており難病が治った!と一時期巷では流行っていました。この川村先生の説 ~ ① 全ての病気の根本原因は骨である! 骨が丈夫でないと病気になる!
特に現代人はカルシウム不足が深刻で骨がスカスカの状態である! カルシウムには善玉カルシウムと悪玉カルシウムがある! いくら悪玉カルシウムを摂取しても骨密度は改善しない! この貝から出来たカルシウムだけが骨に蓄積されて骨を強くして骨を治す!
それとお血(これもカルシウム不足で自分の骨からカルシウムが排出されて細胞にカルシウムが溜まる!)もカルシウムが原因だ!
唯一、この風化貝カルシウムだけがこの細胞や神経に付着したカルシウムを追い出すことが出来、それが原因によって起こった病気を治すことが出来る商品です!! 日本人の殆どがカルシウム不足が原因でこの様な仕組みが体内で起こり病気が発生している! これを解決できるのが風化貝カルシウムだけだ!と・・・。しかも難病の骨粗鬆症が見事に治っていると・・・・。管理人様、、いががでしょうか?この川村先生を知っていますか?北海度の鍼灸治療院の方で非常に一時期流行っておりました! しかし、、このサプリメントが高い!(1か月2万円+その他1万円)くて私は5か月くらいしか続けられませんでした。
但し、、骨の改善には3年かかるとか・・・。
この先生の説は本当でしょうか?
そんなに現代の日本人はカルシウムが不足していますか? 風化貝カルシウムだけが骨に蓄積されて難病を治し、細胞や神経に蓄積されたカルシウムを追い出す!力が本当にあるのでしょうか?
もしこの説が本当ならば、、アルツハイマー病で脳にカルシウムが溜まった方にも新治療法でしょうか❓私も彼の本は大体読みましたが、この川村先生の説の方が正しい気がします。現在の難病を治す救世主になるでしょうか?
長文をたいへんしつれいしました・・・・。
ぜひ尊敬する管理人様のご意見をお聞かせくれれば幸いです・・・・。どうかお願いします!
「風化カルシウム」と「善玉カルシウムと悪玉カルシウム」については承知しておらず、ちょっとだけネット検索してみました。
それによると、桜様がおっしゃるように優れもののカルシウム剤のようです。でも、これが唯一最高に優れているような書き方になっており、いただけません。
小生の知見では、「カルシウムであればどんなものでもいいわけではなく、原料なり製法の違いで吸収率が大きく異なってくる」、これは確かなことです。
加えて、『八雲風化貝カルシウムは「善玉カルシウム」』の解説のなかで、ボレイを善玉に分類し、焼成した貝殻を悪玉にしていますが、ボレイとは漢方生薬の一つで、牡蠣殻を焼成して砕いたもので、クエスチョンです。
漢方では、長年の経験の中から、カルシウム剤としては「牡蠣殻を焼成したもの」が最も効果があるとして、そうしていると考えられます。そして、そうして作られたボレイを配合した漢方薬が幾つもあり、主として精神疾患に使われています。また、骨折したときに体は大量のカルシウムを要求しますが、ボレイと鹿茸の組み合わせが一番効果的であると言われています。
なお、サプリメントのカルシウム剤は大半が沈降炭酸カルシウムであり、効き目は落ちるような感がします。
これ以外にもカルシウム剤の原料はあまたあるようなのですが、風化カルシウムは優れたカルシウム剤の一つなんでしょうね。
「風化カルシウムだけで骨粗鬆症が見事に治っている」とは、とても思えません。骨を丈夫にするには主として3つ(良質のカルシウム、ビタミンD、コラーゲン)が必須で、当店の治験例(数は少ないですが)ではコラーゲン補給が最も高成績を上げています。
「アルツハイマー病で脳にカルシウムが溜まった方」には、たとえどんな質の良いカルシウムを補給したところで、沈着したカルシウムを溶かしだすことは無理で、別途何らかの全く違ったやり方をもって対処するしかないですが、いまのところ方法はないようです。
日本人のカルシウム摂取量は不足しているとは思えませんが、吸収を阻害するような食生活に移行している傾向にあるのは確かでしょう。
そして、カルシウムとマグネシウムは共役関係にあり、この両方の摂取バランスと吸収効率が非常に重要なものと、小生は考えています。
それより重要なのは日常生活の乱れやストレス負荷により、体内のカルシウムイオン濃度、マグネシウムイオン濃度のバランスの崩れ、これによる生体維持機能の悪化が怖いです。
「カルシウム信仰」は戦後に日本で発生したものですが、世界広しといえども、こんなにカルシウムを突出して評価するのは日本だけです。カルシウムはあまたあるミネラルの単なる一種にしか過ぎず、将来的にはマグネシウム、亜鉛、セレンにカルシウムと同等、いやそれ以上に注目していかねばならないと小生は考えています。
治療法がない難病が増えてきて久しい今日ですが、総合ミネラル剤(その前提として腸内環境の改善:ミネラル吸収の促進)の積極的投与で思わぬ改善が見られることが多々あるようです。
最後に、7年ほど前に投稿した本稿(数回のシリーズもの)を今一度目を通してみて気が付いたことがあります。
その当時は「ビタミンDはちょっとだけお日様に当たれば事足りる」と安易に考えていたのですが、さにあらず「日本人は冬季にはけっこうビタミンD不足になる」という事実を最近知ったところでして、それをこのブログで投稿したものの、関連記事までは気が回らず、これを機に追補させていただくことにします。
桜様からコメントをいただき、気がつきました。有り難うございます。
不十分な回答しか差し上げられなかったかと思いますが、以上、小生の見解を述べさせていただきました。
とても先生の大ファンでいつも拝見しております。
先生の非常に高い見識に感謝しております。
先生、、実はここの会( 鍼灸院 / 札幌 ~ 川村昇山先生 ⇒ このカルシウムの貝研究者 多数の難病をこの貝で治したと! / 本 ⇒ 出版 4冊読んだがこの先生の説が正しい!と初めは思った。
健康の根本=骨! 骨が薄い&骨密度が低い人ほど病気が多発! 骨の密度=免疫力が関与!
ガン患者 ⇒ 末期癌もこのカルシウムで治った!
人が多数います! 骨 ⇒ 免疫力 )でこのカルシウムを買う予定でした。しかし、ある方がこの本の通りにしたら極度の便秘になり酷い目に遭いました。( 毎日のカルシウムの摂取量 ~ この会では9400mgを推薦! )だそうです・・・・。私も先生が仰るように『 この川村先生の会は誇張しすぎているのではないか?』とネットでの販売( 川村先生の作った会 ⇒ 会員さんが主に商品を打っている!)にも少し??でした。しかし、、、川村先生の本を読むと『 この先生の説は正しい!』と洗脳されます。
( 多分、、、理論は正しいのではないか? )
しかし、、実際この先生の言われる通りのカルシウムを毎日摂取すると便秘と壮絶な戦いですよ。
真理は如何に・・・・。(この先生は気骨者で真面目な人柄だそうでもう90歳ですが・・。)
Q この川村先生の説は本当に正しいんでしょうか?( この会の方 ⇒ このカルシウムだけが自分の骨から出てきたカルシウムを排出させる事が出来る!&臨床実験で確認済み!、よって認知症も治った方がいる!、、と力説していました)
東洋医学に川村先生は精通しており日本全国から来た難病の方を多数治してきた札幌では非常に有名な先生だそうです。そして整形外科のレントゲンで確認済み!( 提携している整形外科 ⇒使用前と使用後の骨を撮影したら確実に骨が変わっている!&骨が厚くなっている!そうですよ!)
Q この極度の便秘に耐えて1年間頑張って摂取すれば本当に効果はあるでしょうか?( この会の人は骨は3年はかかると言われた!しかし体感は直ぐに出る!と言われた。)
Q 普通はカルシウムの一日の摂取量はどれぐらいですか?
Q 普通はカルシウムをこんなに大量に摂取したら副作用はないのですか?( この会の方々 ⇒この貝だけは特別だから大丈夫!とか・・・。)
先生、、、長文を失礼しました!
何か??な世界になってきましたね!
私はこの先生の説は本当に正しいと思うのですが何せ使用方法が難しくて毎日手軽に補えるサプリメントではないような?です。それと、、自然療法では有名なあのソマチッドが大量に入っている!とか・・・・。
本当にこのカルシウムで病気が治るのか??
先生、、、お手数ですがどうかご意見をお聞かせ下さい。
★ お血 ~ 体内のカルシウムが溶け出してお血となります!これは西洋医学では全く解明が出来てない分野です。長年の研究でお血はカルシウムパラドックスによって引き起こされる事が判明しました! 体内カルシウムが流出 ⇒ お血の部分には必ずこのカルシウムが発見される!例)動脈硬化 ⇒ 骨から排出されたカルシウムが原因!と判明しました。その他 ⇒ 緑内障など。
西洋医学では原因が判明していない病気の多くは、体内から排出されたカルシウムが原因です!よって、この貝のカルシウムを摂取すると同時にお血対策もしないと効果はありません!お血対策には、珊瑚草とスピルナが一番効果があると判明しました・・・。
Q このお血=カルシウムは本当でしょうか?
Q 体内の骨&骨の密度 ⇒ 人間の免疫力を決める! この説は本当でしょうか?
Q それと本当にこの貝のカルシウムで自分の骨から排出されたカルシウムが解毒できればこれは大発見ですが、本当に取れるんでしょうか?
Q 巷で話題のソマチッドはどうでしょうか?
西洋医学では分からない事柄が多い人体ですが
この川村先生の説は如何でしょうか?
度々すいませんがどうかよろしくお願いします。それでは。。。
でも、いくら優良なカルシウム主体の物であっても万病に効くものではないでしょう。この世のいかなるものも万病に効くことは決してないです。
もし、そんなものがあれば、とっくの昔に発見されており、世界中の人々が病気知らずになっているはずです。
それが“ごく最近発見されて、今、広まりつつある“というのは、“奇跡”以外の何物でもなく、“奇跡”という言葉は自然科学の世界には一切ないですから、これは全否定される性質のものです。
そうしたことからも、「風化カルシウム」なるものは、一部の特定の体質の人なり、何かわかりませんが生命維持のどこか特定の所に欠陥がある方に、たまたまピタリと当てはまる、といったところではないでしょうか。
ソマチッドもまだ仮説の段階ですから、それを持ち出して理論構成すると、仮説の上に仮説を立てることになり、全く意味をなさない空論となってしまいます。
「極度の便秘」になる、これが一過性のものであれば問題ないですが、恒常的に続くのであれば、百害あって一利なし、ということになります。腸内環境の適正化は、幅広く健康体維持に非常に重要なものですから。
カルシウム摂取量はどれくらいがいいか、これの答えは残念ながらございません。吸収率の良し悪しがありますし、ビタミンDとの関わりもあります。当然にマグネシウムとの絡みもあります。
これは先人の智恵に素直に従うしかないです。日本人なら小魚、ジャッコなりイワシの干物、こうしたものを少々日常的によく噛んで食す。ジャッコなどは酢の物にするといいと言われますが、これは酸によって魚骨が脆くなって吸収が良くなるといった理にかなったものです。加えて、これらはビタミンDも豊富ですから、吸収効率アップと骨作りに好都合です。
また、小生は丸干しイワシが好きで、大量に食べることがありますが、大量にカルシウムを摂取したところで、体が全部を吸収するわけではなく、血液中に十分なカルシウムイオンが存在すれば、ほとんど吸収されない性質のものです。もっとも、度が過ぎればカルシウム吸収過乗の恐れはあるでしょうが。
臨床実験で効果があると言えるのは、二重盲目法<本薬と偽薬の2グループ(各グループ数十名以上)で同時服用し、症状の変化を見る>で比較し、著効、有効の比率が統計学的に明らかに有意となった場合に限られ、単に1、2例なり数例で著効であったとしても、認められるものではありません。偶然にそうなった可能性が捨てきれないからです。
次に、追加質問に関して、分かる範囲でお答えします。
血液がドロドロした状態を瘀血(おけつ)というのですが、砂糖をたくさん取ると、たちどころに瘀血になりますし、過食や運動不足でもなります。また、何か疾患を抱えている場合も瘀血傾向になります。
「体内カルシウムが流出」で瘀血になるかもしれませんが、小生には、そこのところは分かりません。
珊瑚草は知りませんでしたがスピルニナと同類のようですね。もっと広げればクロレラも同様です。こうしたものは野菜嫌いで偏食した方に、どれだけかは瘀血対策として効果的ではありましょう。
「体内の骨&骨の密度 ⇒ 人間の免疫力を決める!」とは、言いすぎです。因果関係が不十分ですから。
「自分の骨から排出されたカルシウムが解毒される」というのも不思議な言い方です。たしかに骨の中にも毒素が沈着しているでしょうが、骨は新陳代謝しますから、骨が溶かし出されたときには毒素も溶け出し、新たに作られる骨にまた毒素が入り込むことになります。毒素が入り込まず、クリーンな骨になったところで、それがどうした、ということになってしまいます。
不十分にしか説明できませんでしたが、単に健康維持のために「風化カルシウム」をお飲みになるのはあまりおすすめできません。
あらゆる手を尽くしても病気が治らないときに試してみる、といったところではないでしょうか。