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「幸せホルモン」セロトニンと「睡眠ホルモン」メラトニンを十分に出す生活習慣を

2016年06月28日 | 心に安らぎを

「幸せホルモン」セロトニンと「睡眠ホルモン」メラトニンを十分に出す生活習慣を

 近年ますます注目されるようになってきた2つのホルモン、「幸せホルモン」セロトニンと「睡眠ホルモン」メラトニンです。
 ともに重要でありながら不足がちなホルモンです。なお、セロトニンからメラトニンが作られ、どちらも加齢により分泌量が減っていくと言われています。

☆セロトニン
 脳内では、
三大神経伝達物質(広い意味でのホルモン)である「ノルアドレナリン」「ドーパミン」「セロトニン」がバランスをとって働いています。
 ノルアドレナリンは、神経を興奮させ、やる気や意欲を高める反面、不安、恐怖、緊張といった感情を引き起こします。別名「怒りのホルモン」と言われ、
「ストレスホルモン」の一種です。
 
ドーパミンは、快感を引き起こし、やる気を出させ、学習能力、運動機能、記憶力をアップさせる「報酬系」と言われる神経伝達物質です。
 セロトニンは、精神面に大きな影響与え、心の安定や心の安らぎなどに関与することから「幸せホルモン」と呼ばれます。セロトニンが十分に機能していると、精神が安定し、不安になりにくく、穏やかになり、幸福感が続きます。逆に不足したり機能しなくなると、鬱病や慢性疲労症候群のような症状を引き起こすようです。
 そして、
セロトニンは、他の2つの神経伝達物質のブレーキ役も担当しています。よって、セロトニンが不足すると、暴力的(キレる)になったり、暴走することもあるようです。
 なお、セロトニンは脳幹の縫線核という場所で合成されますが、メラトニンは別の場所である松果体(松果腺)でセロトニンを化学変化させて作られます。

 そのセロトニンは、脳内で作られるだけではなく、その数十倍もの量が腸で作られるのですが、血液脳関門を通過することができず、これを脳で利用することはできません。
 なお、
腸には全セロトニンの90%が存在し、腸の蠕動運動や消化を助ける役割を果たしており、腸で作られたセロトニンの一部が血液中の血小板(存在比率8%)に取り込まれ、血液凝固や血管収縮
作用に関与しています。
 残りのわずか2%が脳内で作られて中枢神経に存在し、これが精神面に大きな影響を与えていると考えられています。なお、脳内セロトニンの働きは多義にわたり、気分のほか、睡眠、痛みの認知、食欲抑制などにも関与しています。

 「幸せホルモン」セロトニンが脳内でたくさん作られるようにしたいものです。
 先ずは、原材料の補給ということになります。セロトニンは、トリプトファン(必須アミノ酸の一種)がビタミンB6の助けを借りて合成されますから、この2つが重要です。
 トリプトファンを多く含む食品は、必然的にタンパク質を多く含む食品となり、肉・魚・豆に多いのですが、白米にもけっこう含まれており、不足することはないでしょう。
 ビタミンB6も同様な傾向にあり、これも不足することはないと思われます。
 ただし、食べ物を十分に咀嚼(そしゃく)し、腸内環境が健全でないと、これはたいていの食品に言えることですが、不十分にしか吸収されません。

 2つ目が、「ゆっくり、よく噛んで食べる」ことです。
 
「リズムを刻む運動」がセロトニンの活性化を促進します。そうした運動を30分間行うのが理想のようですが、“運動なんてとてもできない”というのが一般的で、小生とて無理です。でも、よい方法があります。食事の際にゆっくりよく噛んで食べるだけで、ちゃんとしたリズム運動になるのです。1口30回噛むのを目標にすれば、少なくとも夕食は30分は噛み続けねばならないでしょう。これでセロトニンの分泌が随分と促進されます。
 また、よく噛むことで、先に言いましたセロトニンの原材料であるトリプトファン(必須アミノ酸)やビタミンB6の吸収率をアップさせることができ、一石二鳥です。
 加えて、唾液の分泌が増え、唾液に含まれる成長ホルモンの一種「パロチン」の分泌も増えて身心の若返りにもなりますから、高齢者の場合には加齢による
セロトニン・メラトニンの分泌減少をけっこう食い止めることができるのではないでしょうか。

 3つ目は、「朝日を浴びる」ことです。
 午前中に太陽の光を浴びると、それが刺激となってセロトニンの分泌が活性化します。特に朝日を浴びるのがポイントのようで、浴びる時間は30分が理想のようですが、5分程度でもかまわないようです。1日のスタートは朝日からです。
 できれば、そのときにラジオ体操(リズム運動です)をなさるとより良いです。
 冬季の日射量が少ない北欧では、「冬季うつ病」の発症が知られています。これは、日射量が少ないことによってセロトニンの量が不足するためと言われています。
 日本でも、梅雨時や冬季は日射量が減るため、セロトニンが不足しがちになりますから、その時節には意識してお日様に当たりたいものです。

 4つ目が、「笑い、泣き、微笑む」ことです。
 まずは「笑う」ことです。心の底からの笑いではなく、作り笑いでもセロトニンの分泌を促し活性化させてくれるようです。一番いいのは、当然、腹を抱えて転げまわるような面白いものを見て、苦しいほどに笑うことですがね。
 次に、感動のあまり「泣く」というものです。何度見ても「泣ける映画」があります。“セロトニンがもっと出て欲しい”といった状況にあるときは、そうした映画を見て、感動のあまり号泣するとよいです。セロトニンがドバッと出ること間違いなしです。
 そして、親しい
人や生き物との触れ合いを通じて「微笑む」ことです。一家団らん、気が許せる友人との懇談、可愛いペットや動物との触れ合いがセロトニンの分泌を活発にしてくれます。これにスキンシップが加わればより効果的です。(←投稿8日後に追記:この段落で書きました触れ合いやスキンシップで生ずるのが、別名「抱擁」ホルモンなどといわれるオキシトシンで、その癒しの効果は大きなものがあります。)
 こうした「笑い、泣き、微笑む」ことは、ストレスを解消してくれることにもなります。
 精神的ストレスのみならず肉体的ストレスであっても、これらが溜まりすぎると、セロトニン分泌の働きが弱まります。そうなると、悪循環が始まり、ますますセロトニンの分泌を鈍らせてしまいます。

☆メラトニン
 「睡眠ホルモン」メラトニンは、光の刺激と体内時計からの指令で、日中は分泌が抑えられ、日が落ちてしばらくしてから分泌が急上昇します。
 セロトニンから作られるメラトニンですから、セロトニンが十分に作られないと、メラトニン不足になってしまい、メラトニン不足は不眠症などの睡眠障害の原因となります。
 また、メラトニンの分泌は、体内時計がコントロールしているので、体内時計のリズムが狂っていると、メラトニンの分泌リズムにも狂いが生じます。

 よって、メラトニンの分泌を適正化するには、セロトニン生産にとっても必要な3つ目の「朝日を浴びる」ことが、体内時計のリセットのためにも重要になります。
 そして、日中に強い光を浴びていると、その間はメラトニンの分泌が大きく抑えられ、その反動でもって、暗くなってきたら分泌量をグーンと増やす態勢が整えられるのです。
 ただし、夜の蛍光灯の寒色系はメラトニンの分泌を妨げます。いまだに昼だと脳が感知してしまうからです。ですから、自然な睡眠に入っていくためには、就寝1、2時間前には弱い暖色系照明に切り替えるとよいです。

 メラトニンは「睡眠ホルモン」と呼ばれますから、睡眠導入剤のような効果を持っているのですが、これだけでスムーズに眠りにつけるものではありません。
 睡眠に入るには、それなりの準備が必要です。日中はしっかり覚醒し、交感神経優位で活動的でなければなりません。暗くなって、日中の活動による程よい疲労感がなによりです。そして、夕食、リラックスタイム、入浴など一連の副交感神経優位の状態が一定時間続いた後、脈拍・血圧・体温が低下していき、ここではじめて眠りの準備ができ、自然と眠気がでてきて、スーッと睡眠に入っていくことができるのです。

 ですから、リラックスタイムに心配事を抱えて悩んだり、イライラしていると、交感神経優位になって覚醒してしまいますから、スムーズな眠りにつくことは不可能です。また、日中に過剰な刺激を受け続けていると交感神経が異常に高ぶり続け、疲労感があっても副交感神経優位とならず、これまた眠りにつけません。
 逆に、日中だらだら過ごして覚醒していないと、夜になって交感神経、副交感神経のメリハリの利いた切り替えができませんし、疲労感もないですから、なかなか眠気をもよおしてきません。
 こうした場合、何とか早く眠りたいとあがけばあがくほど覚醒してしまいますから、横になって「地球の重力から体を開放し、単に体を休めるだけ。これで十分だ。」と決め込めば、そのうち遅かれ早かれ眠りにつけるでしょう。なお、眠りにつくまで考えごとをすることが多くなりますが、今日一日の「3つの小さな幸せ探し(=別立てブログの<小さな幸せに気づくレッスン>」をし、それを思い起こしていると幸せ感が出てきて、セロトニンの分泌も高まることでしょう。

 ところで、セロトニンが足りていても、高齢者となるとメラトニンの分泌が随分と落ちるようでして、これによって寝つきが悪くなったり、夜中に目を覚ました後はなかなか寝つけなかったりします。こうした不眠症は、特に女性に多い傾向があります。
 これは、先の述べました「日中だらだら過ごして覚醒していない」ことが最大の原因ですし、高齢者は一般に眠る時間が短くなってくるのが正常ですから、気にする必要はないです。なお、女性の場合、若い頃は子育てを通じて細切れ短時間熟睡ができる体質になっていますが、高齢となるとその体質を失い、昔のようなバタンキュー睡眠ができなくなり、より不眠症を意識しやすくなりますから、その点、ご承知おきください。

 最後に、仕事柄、「幸せホルモン」セロトニン、「睡眠ホルモン」メラトニンの恩恵を受けられない、昼夜逆転生活を余儀なくされている方はどうしたらよいでしょうか。
 不完全にしかできませんが、就業前に可能な限りお日様に当たり、セロトニンの分泌を少しでも促したいものです。なお、お日様は丈夫な骨作りに不可欠なビタミンDの活性化にも欠かせませんから、全くお日様に当たらないと、くる病(骨軟化症=筋肉痛、筋力低下、骨の痛みなどの症状が出ます)になってしまう恐れが大です。

 ここのところ、うっとおしい毎日が続いています。梅雨真っ盛りで気分も滅入ってきます。これは、朝、お日様に当たることができず、セロトニン不足になっていることも原因していましょう。それがために不眠症ぎみにもなります。
 季節の話題として、本稿を投稿した次第です。どれだけか参考になれば幸いです。

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梅雨時の健康法(その2)(三宅薬品・生涯現役新聞N0.257)

2016年06月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.257:2016年6月25日発行。
表題:梅雨時の健康法(その2)

副題:体の外側を冷し、
体の中へは温かい物を入れましょう

(記事を一部抜粋)
 日本料理の大きな特徴として「冷(さ)めた物」が大変多いことです。これに誰もが慣れていますから、暑くなると更にこれを冷蔵庫で冷やした「冷(つめ)たい物」が平気になってしまっています。これが落とし穴になって、腸を極度に冷やしてしまうのです。こうなると大変なことになります。腸壁のセンサーが冬眠状態になって、異物の侵入を許してしまうのです。腸内細菌を含む各種細菌や未消化たんぱく質が体内侵入して、難病の発生や食物アレルギーを引き起こします。このことはまだまだ知られておらず、下痢しなきゃ大丈夫というのが一般の捉え方ですが、心していただきたい課題です。


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(裏面)瓦版のボヤキ
表題:楽しみが多いのは男のほう?女のほう?

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