薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

百歳までボケない方法(三宅薬品・生涯現役新聞No.233)

2014年06月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞No.233:2014年6月25日発行。
表題:百歳までボケない方法
副題:アルツハイマー病の脳になってもボケない人もいるのです

白沢卓二(順天堂大学医学部教授)著「100歳までボケない101の方法」より、これは面白いという5つの方法を紹介したものです。
詳しく紹介したのが、別立てブログ「ボケ・認知症の改善法あれこれ」にあります。併せてご覧ください。

(表面)  ↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。

(裏面) 今回は瓦版のボヤキに替えて、生涯現役健康貯金箱バックナンバーVol.905の紹介です。なお、これはこのブログで紹介済みです。
表題:今がチャンス!! 始めましょう、冷水シャワー

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脂肪肝は万病の元、フォアグラ状態が続いていいわけがない

2014年06月07日 | お疲れさん状態の肝臓

脂肪肝は万病の元、フォアグラ状態が続いていいわけがない

 中性脂肪が異常に蓄積した肝臓、これを脂肪肝と言いますが、近年急増中のようです。
 人間ドック受診者の2、3割から脂肪肝が見つかっている、日本人成人の3人に1人が脂肪肝になっている、などと言われています。男は40歳前後、女は40代以降に多くなるようです。

 検査は簡単。腹部超音波(エコー)検査をすれば判明します。正常な肝臓は黒っぽく写り、脂肪肝であればフォアグラがそうであるように白っぽく写りますからね。なお、脂肪肝の定義は、日本消化器病学会によれば、「肝細胞の30%以上に脂肪空胞が認められる状態」を言うとのことですが、これを調べるには組織採取せねばならず、大変なことですから、エコー検査で類推するわけです。
 血液検査で、ALT(GPT)が高いとか中性脂肪が高いという場合には、脂肪肝の可能性が高いと言われますが、実際、脂肪肝であればその傾向が高いようですが、脂肪肝でなくてもそれらの数値が高い人もあり、これは当てになりません。検査値の出方には個人差がありますし、ちょっとした体調の変化で数値が大きくぶれますからね。
 脂肪肝かどうかは、検査するよりもBMI値から類推したほうがいいでしょう。BMI値25~30で50%、BMI値30以上で75%が脂肪肝という報告がありますから。
 脂肪肝はフォアグラであると考えれば合点がいきます。ダチョウやアヒルを運動させずに毎日たらふく餌を食わせればフォアグラができるのですから、人間とて同じで、運動不足で飽食し、体重が増えてメタボ体型になれば脂肪肝が出来上がろうというものです。
 男が40歳前後に最も脂肪肝が多くなるのは、そのころは脂の乗り切った年代であり暴飲暴食によるものでしょうし、女が40代以降に脂肪肝が多くなるのは、子供に手がかからなくなりますし、体型を気にしなくなって甘い物を食べ過ぎるようになるからでしょう。
 よって、運動不足の上に飽食し、だんだん肥満体になってきたという方は、誰もが脂肪肝が進んでいると考えるべきです。

 ところが、単なる脂肪肝の状態では何ら自覚症状が出ないとされています。
 まれに「疲れやすくなった」「体がだるく足が重い」「頭が重く根気が続かない」「寒がりになったし、暑さにも弱くなった」「肩がこるようになった」「腹が張ってお通じが悪くなった」といった諸症状が、人によっては部分的に出ることがあるだけだと、簡単に済まされてしまい、無視される傾向にあります。
 これは、男女ともに中年ともなれば体重が増加傾向にあることが多く、男であれば「厄年になったからなあ、若いときのようには無茶が効かなくなった」と年のせいにしてしまいますし、女であれば「更年期障害だわ、やっぱり年ね」と、これまた年のせいにしてしまいますからね。
 肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、急性肝炎は別ですが、肝臓全体が多少病んでもなかなか悲鳴を上げるところまでは行かず、少しずつだるさなどが出てくるだけのようでして、肝臓が原因と思わせられるような自覚症状が出ないのです。ですから、年のせいにされてしまうのです。
 しかし、さにあらず。先に挙げた諸症状がどうやら脂肪肝そのものの症状と思われるのです。

 ここで、肝臓の機能をおさらいしておきましょう。
 肝臓は働き者です。24時間戦っています。このことについては、2011.04.06 「 肝臓病の元凶は飽食暖衣… 」で述べましたが、その一部を以下に抜書きしましょう。
 ①腸で吸収されたものを分解・再合成し、栄養として全身へ配給します。
 ②過剰なエネルギーや鉄などのミネラルを飢餓に備えて貯蔵します。
 ③アルコール、食品添加物、薬など人体にとっての異物を解毒します。
 肝臓は昼夜休まず、たいそうな仕事を強いられ、飽食によって疲労困ぱいし、弱ってきています。酒豪の方は、アルコールそのものよりも、酒のつまみに高たんぱく、高カロリー食を摂ることにより肝臓がやられると言った方が正解です。(抜書きここまで)
(注:肝臓の機能として、これらの他に、脂肪の消化を助ける胆汁の生産がありますが、これの出の良し悪しは、脂っぽい物を食べたときに自覚できますから、以下、本稿ではこの機能に関する記述を省略します。)
 肝臓の役割として飢餓に備えての栄養貯蔵があり、脂肪肝がその一つの形態なのですが、肝細胞に脂肪空胞が数多く認められるとなると、肝細胞本来の重要な働きが落ちるのは必然です。
 飽食して栄養過剰であっても、全身の細胞が必要とする形の栄養物質が肝臓で十分作れず、内臓諸器官・組織の所々で栄養不足になって十分な機能が発揮できないことになりましょう。また、アルコール、食品添加物、薬などの解毒が思うに任せない状態となり、全身を蝕むことになりましょう。

 その結果が、先ほど例示しました諸症状となって現れてくると考えた方がいいです。
 一般的にはこれらの諸症状は生活が不自由になるまでのことはなく、長い年月をかけて徐々に肝臓のお疲れさん状態が進んでいくだけですから、自覚症状としては気が付かないだけのことで、年のせいだと勘違いしてしまう、ということになるのです。
 ちなみに、子供の頃は学校までの道のりを毎日歩いて往復するのは苦にならなかったでしょうし、20代に同窓会で学校に歩いて集合してもどってことなかったでしょうが、PTAの行事で出かける年齢となると、歩くのはおっくうだ、何とか車で行けないものか、少なくとも自転車だ、と考えるようになります。
 これは足腰の弱りだ、と片付けてしまう傾向にありますが、肝臓の弱りが大きく影響しているように思われます。腰を上げるとき、「どっこいしょ」とつい口に出してしまうのも、例示しました諸症状の最初の2つ「疲れやすくなった」「体がだるく足が重い」からで、肝臓がたいそうお疲れになられたからだと考えるべきです。

 さて、この脂肪肝ですが、格別気になる症状が出ないからといって、放置しておく、つまり、同じ生活習慣を続けていくと、取り返しの付かない肝臓病になる恐れがあるようです。
 近年、脂肪肝は万病の元と言われるようになってきました。脂肪肝は非アルコール性肝炎を引き起こし、
これが高じて肝硬変や肝臓がんに進む、あるいは、糖尿病を発症させる、動脈硬化が進み血管性疾患になる、加えて脂肪肝がベースにあるとそれらの進行が早い、といったことが指摘されています。
 それだけに止まりません。小生思うに、慢性疲労症候群の多くは、その症状からして、肝臓が疲労困ぱいし、ついに肝臓本来の機能の多くが大きくダウンしてしまった状態にあると考えざるを得ません。(この件については後日記事にしたいと思っています。)

 それじゃあ、脂肪肝を解消し、それが起因する肝臓病、糖尿病、血管性疾患、慢性疲労症候群を予防するにはどうしたら良いでしょうか。
 その答は、説明するまでもないくらい明らかなことなのですが、医学界はじめ巷では、かなり間違ったことが言われています。「肝臓病には高たんぱく食が良い」という間違った考えが定着していますから、たんぱく質の摂取を減らせとは決して言いません。逆に、タウリン(アミノ酸の1種)は肝臓の働きをよくするから積極的に摂れとまで言います。つまり、炭水化物や脂肪を制限し、たんぱく質は今までのまま、あるいはそれ以上に摂れというのですから、これは「美食せよ」と言っているのと同じです。 
 これでは肝臓はたまったものではありません。特に日本人は、です。
 なぜならば、高たんぱく食にすると、主としてたんぱく質をエネルギー物質に変換するわけですから、その分解(肝臓が担当)の過程で極めて有毒な物質「アンモニア」が大発生するからです。これは、肝細胞が速やかに解毒して尿素に変えてくれるものの、肝細胞に大きな負担が掛かるのは必然です。アルコールが肝臓に悪いというのは、アルコールも有毒物質であるから肝臓で解毒せねばならず、肝細胞に負担が掛かり過ぎるのと同じことです。(注:アルコール分解酵素の強弱は日本人の場合、かなりの個人差がありますから、酒豪であっても肝細胞にどれだけも負担が掛からない方も多いです。)
 高たんぱく食に何万年(大雑把に2千世代)も慣れ親しんできた西欧人ならまだしも、たったの2世代(戦後以降)しか高たんぱく食を経験していない日本人に、ネコ科の動物のようにアンモニアを即応的に軽々と解毒する能力が備わっているかとなると、これは大きな疑問と言わざるを得ないのです。

 よって、正解はと言うと、「美食せず、粗食に耐えて腹八分。体をもっともっと動かしなさい。」つまり「生活習慣を少なくとも戦前の状態に戻しなさい。」ということになるのです。もっとも、これをいきなり行おうとしても、とても不可能なことですし、また、急激な変化は体を壊す元ですから、やってはならないものの、長期努力目標をそこに置いていただきたいものです。
 なお、脂肪肝を早急に解消しようとして、突然極端なダイエットに走ると、逆効果になることがあります。肝臓は飢餓が訪れたと感知して、肝臓の一つの役割であるエネルギー備蓄を止めようとはしないからです。これは、脂肪肝でない人が極端なダイエットを始めると、肝臓が体中から脂肪をかき集めて「低栄養性脂肪肝」になるのと同じです。急いては事をし損じる、ということわざどおりの結果になりますから、ご注意ください。
 ですから、脂肪肝を解消するには、これはメタボ解消と同じことですが、少しずつ気長に取り組む必要があります。生体を少しずつ順応させていくしかありません。
 先ずは、腹八分にして有酸素運動を毎日少しずつ取り入れ、短期目標とする最初の1か月は2~3キロ減で十分でしょう。その後はなかなか体重が減らず多少の増加もあったりするでしょうが、中期目標としては1年間で体重の10%減程度に持って行くよう生活改善なさると良いと思います。そして、翌年も更なる生活改善を実行して1年間で体重10%減といった具合にし、BMI値をだんだん「やせ」に近づけることでしょう。なお、長期努力目標は先ほど言いました少なくとも戦前の生活習慣です。
 そうすれば、脂肪肝も肝臓病も、そして糖尿病も血管性疾患も、さらには腎臓病なり各種がんも、といったぐあいにあらゆる生活習慣病が逃げていってくれるのです。

 この生活習慣の変更の中で一番難しいのは「腹八分」ではないかと思われます。それに変わるものとして、昼食、夕食を今までのままにして、朝食を抜くという方法がおすすめです。いまやデジタル時代。アナログ的な「腹八分」で止めることは、残り二分を口にしたいという食欲煩悩との壮絶な戦いをせねばならず、かえってストレスで肝細胞まで傷めてしまいかねません。
 「朝食を食べる、食べない」という「1かゼロか」の選択の方がストレスが少なくてすむのではないでしょうか。
 ところで、「朝食を抜くとは何事ぞ!」と、読者の方々から強いお叱りを受けることでしょうね。でも、このようなバッシングは日本人しか行いませんから、小生は全く気にしません。逆に、洗脳された可哀そうな人たちだ、諸外国の食事事情に触れられるといいのにな、そうすりゃ理解できるのにな、と思っています。
 日本政府上げて、そして医師会も、「朝食を抜くと体に悪い」と大キャンペーンを張っていますが、実はこれは大間違いなのです。逆に「朝食を抜かないと体に悪い」のが真実なのです。諸外国で日本のようなキャンペーンを張っている所はどこもないですから、くれぐれもお気を付けください。
 このことについては、たとえば「 朝食有害論の歴史的推移=皆が健康な時代は古今東西「朝食抜き」 」など過去記事(左サイドバーのカテゴリー「朝食抜き・断食で健康」の中にあります)で詳細に解説していますので、お時間がありましたら一度ご覧になってください。なお、これが実行についても、いきなり行うと急激な変化に体が着いていけず、体を壊す元ですから、まずは半分、それに慣れたらそのまた半分、最後はゼロ(ただし、白湯に梅干だけならOK)、といった具合に慎重に進められるといいでしょう。
 これは、小生が実行したやり方でして、もう15年ぐらい経過しています。たしか約5年間で10キロ減量(身長157センチで60キロ→50キロ)し、イキイキ元気になりました。その後、1日1食(夕食のみ)にして約10年。今の体重は、冬50キロ、夏47キロと変動しますが、これは主として農作業に使うエネルギー消費の大小が影響しています。そして、ずっとどこも悪くない健康体を高齢者(今65歳)になっても維持しています。ただし、若干、前立腺が肥大気味ですが、これはやっぱり年のせいでしょうね。

 少々余談が長くなりましたが、肥満気味で「疲れやすくなった」「体がだるく足が重い」などの症状が少しでも感じられるようになってきたら、肝臓が疲労困ぱいに近づいている、このままいくと「脂肪肝は万病の元」と肝に銘じていただき、生活習慣改善に取り組んでいただきたいです。

(主な参考文献)
・日本消化器病学会HP 一般のみなさまへ 検診で「脂肪肝」-安全?危険?
・NHKあさイチHP 2012.9.10 女性が危ない!脂肪肝
・甲田光雄著「断食療法 50年で見えてきたもの」(春秋社)

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