人が病気しやすいのは、そもそも低体温動物だから
低体温になると、免疫力が低下し、様々な疾病を呼び込むことになります。
そして、アレルギー症状を持つ人や癌(がん)を罹っている人は、まず間違いなく低体温になっています。
近年、日本人の体はその傾向が強まり、標準的な体温である36.5℃に届かない人が多くなっているようです。
その原因としては、運動不足で、かつ、飽食しているからと言われますが、実は、このブログで何度も取り上げていますが、西原克成氏がおっしゃておられる「冷たい物中毒」が最大の要因でしょう。
冷蔵庫で冷やしたものを毎日のように口にし、腸を冷やし過ぎることによって、腸内免疫のバリアが働かず、そのために、全身が腸内細菌などにより細菌汚染されてしまい、ミトコンドリア(細胞内“発電所”)の機能が落ちることによるものです。
(2016.9.14挿入追記 注:2014年6月、順天堂大学の研究グループが、“腸内細菌が血液中に移行することを初めて発見した”と発表し、糖尿病との関わりだけを論文にしていますが、既にその10年前、西原氏は著「究極の免疫力」の中で、腸内細菌が血液中に移行することを様々な疾患との関わりの中で述べておられます。<挿入追記ここまで>)
これに口呼吸が輪をかけます。口呼吸も、同様な現象を引き起こすからです。
さて、体温が低下すると、どの程度免疫力が低下するでしょうか。
測定方法や評価の仕方によって違いが生ずるようでして、幾例か挙げれば、
体温が0.5℃下がると、免疫力は35%落ちる。
体温が1度下がると、37%、30%、40%落ちる。
逆に、体温が0.5℃上がると、免疫力は35%アップする。
体温が1度上がると、60%、数倍アップする。
などと言われています。
そして、風邪を引いて熱が出れば、つまり、体温が上がれば、免疫力がアップし、ウイルスや病原菌をやっつけてくれ、自然治癒することになるのです。
ところが、標準的な体温である36.5℃以上あって、運動もし、腹八分で止めている人でも風邪を引いたり病気することも多いです。
“人は病の器”とも言われ、他の動物に比べて、あまりにも病弱過ぎます。
その最大の原因は、直立二足歩行にあることは、先に記事にしたところですが、これ以外にも大きな原因がありそうです。
それは、ヒト特有の“生まれながらにしての低体温”です。
哺乳動物の体温について、ネット検索して調べてみました。その詳細については、小生の別立てブログで記事にしていますので、ご覧頂くとして、その結果は次のようです。
別立てブログ記事→ http://ameblo.jp/nagatukitouka/entry-11173256595.html
陸生哺乳動物の一般的な体温 38±0.5℃
水生哺乳動物の一般的な体温 36±0.5℃
これは、人類が水生進化(詳細は同上別立てブログで紹介)した状況証拠の一つになるのですが、それはさて置き、陸生哺乳動物に比べて、ヒトの体温は1.5℃ほど低く、チンパンジーに比べても1℃低いのです。
ヒトとチンパンジーは極めて近い種で、免疫機構は同一と考えられ、また、相互輸血が可能なほどですから、免疫細胞(白血球)は同一と考えて良いでしょう。
よって、チンパンジーは、生まれながらにしてヒトより免疫力がグンと高いと言えます。
こうしたことから、ヒトは、“生まれながらの低体温”によって、“恒常的な免疫力の低さ”というハンディーを抱えていると考えざるを得ないのです。
“人が病の器”と化し、様々な疾患を呼び込むことになるのも、ヒトがチンパンジーより免疫力が3、4割低い“低体温症”の状態にあるからというのは、うなずける気がします。
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