薬屋のおやじのボヤキ

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1日3食でもって皆が「エネルギー変換失調症」になっています

2017年07月12日 | 朝食抜き・断食で健康

1日3食でもって皆が「エネルギー変換失調症」になっています

 日本では「1日3食しっかり食べなさい」と政府・医学界はじめあらゆる所で口やかましく言われ続けていますが、こんなプロパガンダがまかり通っているのは日本ぐらいなものです。1日2食(朝食を抜く)が何といっても体に良く、出来れば1日1食が望ましいのですが…。このことについては、何本かの過去記事で書きました。例えば次の記事です。
 朝食有害論の歴史的推移=皆が健康な時代は古今東西「朝食抜き」

 近年になって、こうした「1日2食(朝食を抜く)」が健康にいいことを、何人もの医師が本を書かれたりして、少しずつ知れ渡ってきているようなのですが、その広がりはどれだけのこともないようです。
 というのは、朝食抜きにチャレンジしたものの、午前中の空腹感に耐えかねて仕事がはかどらなかったり、仕事は何とかできても昼食のドカ食いで午後の仕事に支障が出たりといった状態になってしまい、“やっぱ朝食抜きは無理だわ”と1日3食に戻ってしまう方が多いような気がします。
 これは、“よし、今日から朝食を抜こう”と、いきなり朝食を抜いてしまうから失敗するのでして、体を順々に慣らしていくよう、日数をかけて漸減していかねば成功しないことでしょう。あるいは、意志の弱さがけっこう影響しているようでもあります。
 でも、なかには朝食を抜くことが無理な方もいらっしゃいます。といいますのは、人によっては、朝食抜きで長時間エネルギー供給が断たれると、極端な低血糖に陥り、立ちくらみがしたり、最悪、意識を失うという事態になりかねないケースもあるからです。

 ところで、空腹感というものは、胃が空っぽになったからといって生ずるものではなくて、血液中のブドウ糖が底を突いたことによって感ずるものなのです。
 しかしながら、ヒトの体は実にうまくできていて、これは動物皆そうですが、極端にやせ細って飢餓状態にならない限り、空腹感は生じないものなのです。
 “そんなバカな話はない”と思われるでしょうが、ここ10年以上、1日1食(夕食のみ)の生活をし、時々短期断食もしている小生ですが、夕食前や断食期間中に空腹感を覚えた経験は一度もないです。(若干の例外はありますが、それは最後に説明します。)
 これが普通です。ただし、成長期の子供は体づくりに、妊婦や授乳中の母親は赤ちゃんへの栄養補給に、その分よけいに体が欲しますから、食事量が通常よりも少なければ、きっと空腹感が出てくることでしょう。

 テレビで動物ものがよく放映されていますが、例えば、野生のライオンが狩りに何度も失敗し、苦しそうに喘(あえ)いでいる場面がよく登場します。ナレーションで“空腹に耐えかねています”と解説されるのが常ですが、それは走り疲れて息が弾んでいるだけのことです。彼らライオンは基本的に1週間に1食であって、胃腸が空っぽ状態のときに最も力が出るのですし、そういう状態になってから狩りをします。そして、そのときに空腹感というものは感じていないに違いありません。
 このことは、冬眠中に出産した白熊のメスにも言えましょう。彼女らは冬眠に入る前は丸々と太っています。冬眠中から赤ちゃんに授乳し、冬眠が明けてから獲物探しを始めるも、そう易々とは獲物が見つからず、最終的に体重は冬眠前の半分ほどに落ちるのですが、授乳に支障をきたすほどに痩せてきた場合は別として、特段に空腹感を覚えることはないでしょう。体重が減った分、身軽になれて狩もしやすくなり、“体が軽くなって助かったわ”としか感じていないと思われます。

 野生動物が滅多に空腹感を覚えないと考えられるのは、彼らは、欲しても長時間獲物が捕らえられないのが普通で、そんなときは、日頃の狩りで体にいったん蓄えられた脂肪を、獲物が捕らえられない期間のエネルギー源として順次取り崩しているからです。
 いったん捕った獲物から得られた栄養は、ダイレクトにエネルギー源にする一方、内臓脂肪・皮下脂肪として備蓄し、のちほどゆっくりエネルギー源として利用する、という繰り返し、つまり、エネルギー変換をスムーズに行って、日常活動におけるエネルギー失調が生じないようにしているのです。
 ヒトも動物ですから、本質的にはライオンや白熊と同じで、原始人は2、3日間、台風や吹雪で餌あさりができないときは、じっと天候の回復を待ち、体内に蓄えられている内臓脂肪・皮下脂肪を取り崩してエネルギー源にしていたことでしょう。原始時代にはこうしたことが頻繁に起きたと思われ、年がら年中、1日なり、2、3日断食を幾度も行うも、空腹感を味わうなんてことは全く経験したことないに違いありません。
 小生のここ10年来の1日1食、たまの短期断食からして、そう考えるしかありません。

 ところが、現代人となると、特に朝食をしっかり食べる習慣を持った日本人は、悲しいかな、そのようにはまいりません。
 エネルギー源となる三大栄養素(炭水化物、脂肪、たんぱく質)の余剰分は全ていったん脂肪に変換されて備蓄されます。
 一番わかりやすいのは炭水化物ですから、これを例にして説明しましょう。
 ご飯なりパンを食べると、その主成分のデンプンは小腸で消化されてブドウ糖となり、ダイレクトにエネルギー源になりますが、一部は肝臓や筋肉で貯蔵も取り崩しも容易なグリコーゲン(お金でいえば普通預金のようなもの)に作り替えられます。それでもまだまだ余剰分があれば、これは内臓脂肪や皮下脂肪(取り崩しが容易ではない定期預金のようなもの)として蓄えられます。

 食事をしてしばらくすれば、消化されたブドウ糖が血液中に入ってきて血糖値が比較的高い状態になり、ブドウ糖は細胞に取り込まれ、活動エネルギーとしてダイレクトに利用されます。時間の経過とともにだんだん
血液中のブドウ糖が減ってくると、ここで、肝臓や筋肉に保存されているグリコーゲンがブドウ糖にスムーズに変換されて、血液中に放出され、しばらくはこれでもって活動エネルギーに利用されます。ところが、グリコーゲンが底を突くと、現代人は急激に血糖値が下がります。ここで激しい空腹感に襲われます。「血糖値の大幅な低下=空腹感」なのですからね。
 本来であれば、この段階が訪れる前に体内脂肪をスムーズに分解して、一部はブドウ糖に、多くはケトン体にしてブドウ糖の代替エネルギーにするのです。こうして、本来はエネルギー変換がスムーズに行われるのです。よって、血糖値が大幅に低下することなく、空腹感も湧かないのです。小生の体はそのように反応していると考えられます。

 現代人は1日3食どころか小腹が空いたからといって、おやつに夜食までとったり、のどが渇いたからといって砂糖入りの清涼飲料水を飲んだり、コーヒーに砂糖を入れたりしますから、ダイレクトに利用できるエネルギーが絶えず補給されていて、脂肪分解の出番がなかなかやってこないのです。
 もうお分かりでしょうね。「体内脂肪を分解してケトン体などにしてブドウ糖の代替エネルギーにする」という「エネルギー変換」機能、現代人は、この機能の出番がありませんから、使わない機能は、さび付くしかなく、いざという時に働きにくくなっていまっているのです。この状態を「エネルギー変換失調症」と呼んでいいでしょう。
 ですから、朝食をいきなり抜くと、異常な空腹感に襲われたり、低血糖になり過ぎて立ちくらみを生じたり意識を失うことさえあるのです。
 そのさび付きぐあいは、空腹感をどんな程度に、何度経験しているかによって違ってくると思われるのですが、小生とて、1日3食から1日1食へもっていく途中の段階で、最初は無性に空腹感に襲われました。幸い、その状態のときに仕事でぼいまくられていましたから、食事を口にする暇がなくて食べずじまいに終わり、やがて「エネルギー変換」機能がスムーズに働きだしてきたのでしょう、だんだん空腹感が薄れてきて自然に1日2食にそして1日1食になってしまったというのが実情です。

 ところで、「エネルギー変換」機能のさび付きを「エネルギー変換失調症」と呼んだのですが、これは小生が勝手に名付けたもので、この名称は存在しません。
 通常、エネルギー変換というとミトコンドリアにおけるエネルギー産生回路の一場面を指す言葉になりましょうが、その点、お許しください。
 いずれにしましても、この「エネルギー変換失調症」から1日も早く脱却したいものです。体内脂肪を頻繁にエネルギー変換させる、その利点は、空腹感を感じなくなることの他に数多くあります。大きな効能は次の2つです。
 一つは、ブドウ糖の代替エネルギーとなるケトン体は脳細胞にとってブドウ糖よりも優れたエネルギー源になるというものです。断食すると頭が冴えわたるのがいい例です。
 と言いますのは、脳の働きを円滑にするためにはブドウ糖を絶えず供給する体制を整えておかねばならないと言われていますが、これは間違いです。脳細胞はブドウ糖よりもケトン体を欲しているのです。ちなみに、母乳には、これがかなり含まれていて、赤ちゃんの記憶力強化に大いに役立っていると考えられています。
 もう一つは、体内に溜まった有害物質の排出です。体内脂肪が分解されてケトン体などに変換されるときに解毒が一気に進み、体がスッキリするのです。
 参照記事:
冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し

 こうしたことからも、「1日2食(朝食を抜く)」ことが「ミニ断食」(「プチ断食」)となり、「エネルギー変換失調症」から脱却できる、良き方法となります。
 「1日2食(朝食を抜く)」生活に慣れると、胃が元気を取り戻すばかりでなく、いろいろと体調が良くなるのは、多くの経験者の語るところです。
 皆さんに、ぜひともお勧めしたい「1日2食(朝食を抜く)」です。ただし、冒頭で申しましたように、いきなり朝食を抜いてしまうと失敗するケースが多いですから、次の参照記事の末尾の「追記」に従っていただいたほうがいいです。
 参照記事:
朝食抜き、1日2食で健康!昔は皆がこれで驚くほど元気…

 最後に説明することにしました例外の件。
 「朝食抜きのミニ断食」なり「1日断食」などに慣れきっていて、普段は空腹感を覚えなくても、まれに空腹感が襲ってくることがあります。
 これは、朝食抜きや断食指導50年超の大ベテラン甲田光雄先生(故人)がおっしゃっておられるのですが、「普段粗食で済ませているところを、付き合いで宴会料理を食べた翌日は空腹感を感じるようになる。原因は胃が荒れたことによるもので、これは“偽腹(にせばら)”であって、脳がそのように錯覚させられるのである。」とのことです。
 小生の場合は、毎晩、晩酌しながら肉や魚を少々食べているのですが、ときに美食し過ぎたときなど、たぶん胃が荒れたのでしょう、そうしたときに翌日の夕方に何となく空腹感らしきものをを覚えることがあります。この1、2年、それが少々気になりだしました。これは、きっと加齢(今68歳)により胃弱が進んだからでしょう。

(補記)
 先日、3日間断食を行い、漸減食・漸増食を含めると8日間の食事制限となりました。
 体重は48kgから45kgへと約3kg減となったのですが、宿便の排泄が主であって、体脂肪の減少はせいぜい1kg程度のことと思われます。(体脂肪率の測定をやっておれば、もう少しはっきりしたことでしょうが、測定忘れしてしまいました。)
 断食終了2週間後の測定値は次のとおりです。
  身長:157cm 体重:47kg BMI:19 体脂肪率:10%
 身長、体重、年齢、身体活動レベルから、基礎代謝量:1038kcal、1日消費カロリー: 1816kcalと出ました。(計算方法がいろいろあるようで、これは1例)
 1kgやせるには7000kcalを消費する必要があると言われますから、今回の断食による食事制限で、大ざっぱに言って概ねこの程度のカロリー不足が生じて、1kgの体脂肪が燃焼したのではなかろうかとも推察されます。
 ところで、小生の体脂肪量は体脂肪率から約5kgですから、断食によって脂肪は約2割減った計算になり、かなりの減りようであると言えましょう。そして、脂肪に取り込まれていた有害物質の約2割が体外排出されたことになりますから、これは健康改善にけっこう大きく影響したものと考えられます。
 このことは、1日3食の方が朝食抜きをはじめられて1か月後の状態とほぼ同様でしょう。というのは、朝食抜きを1か月続ければ1kg程度の体脂肪の減量が可能だからです。なお、体脂肪率が10%ではなくて20%の方であれば、減量は2kgになるかもしれません。その場合も有害物質の排出量は同じく約2割となります。
 では、体重が安定した以降の有害物質の排出はどの程度進むでしょうか。つまり、毎日のミニ断食の効果についてです。
 朝食を抜いて空腹感を感じる(これは最初だけで、慣れれば空腹感は消える。ただし、胃が荒れている方はなかなか空腹感が抜けない。)のは午前9時から正午までの3時間ぐらいでしょう。この間、脂肪の分解が進むと考えていいでしょうね。1か月続けると90時間となり、これは小生が行なった3日間断食(断食前の漸減食、断食後の漸増食、合わせて8日間の食事制限)とほぼ同じですから、1か月間で体脂肪の約2割は「エネルギー変換」される計算になります。よって、有害物質の排出は同じく約2割となります。
 これが繰り返されて、どんどん有害物質が排出されてクリーンな体になっていく、ということになりますが、けだし、毎日の食事で新たな有害物質が取り込まれ、それが脂肪に沈着しますから、完全にクリーンになることはありません。
 でも、1日3食の方に比べれば、体内脂肪の新陳代謝がうーんと進みますから、かなりクリーンな体になり、イキイキ元気な健康体に変身していく可能性がとても大きいと思われます。小生(68歳)、それを実感しています。 

 1日3食召し上がっておられる皆さんにおすすめの「1日2食(朝食抜き)」です。梅雨末期のあまりの蒸し暑さで食欲が落ちた今こそ朝食抜きにチャレンジするいい機会です。

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人はどれだけ食べれば生きていけるのか?毎日生野菜150g(60kcal)で十分!!

2013年10月17日 | 朝食抜き・断食で健康

人はどれだけ食べれば生きていけるのか?毎日生野菜150g(60kcal)で十分!!

 今や飽食時代。いかにも食べすぎである。
 でも、厚生労働省や栄養学者は「1日3食きちんと取り、男〇〇〇キロカロリー、女〇〇〇キロカロリーは必要」と言う。しかし、この数値も根拠レスである。
 じゃあ、どれだけのカロリーを取れば十分と言えるのか。残念ながら理論的に計算することは不可能と言える。
 よって、経験で言うしかなくなる。江戸時代に貝原益軒が“腹八分に医者いらず”と言ったが、これは満腹に食べては体に悪いというだけのことであって、最低どれだけ食べれば健康に生きていけるかということとは別問題だ。
 少食健康法については、このブログで過去3回記事にした。それを列記してみると、

 a 腹七分 小林博:元北海道大学医学部教授
 b 腹六分 小山内博:元労働科学研究所長
 c 腹五分 南雲吉則:ナグモクリニック総院長
 d 腹4分の1 エジプトの格言(堀泰典博士の紹介)

 e 腹二分(400キロカロリー) 甲田光雄:甲田医院
<参照>
 a,b,e 過去記事:腹「X」分目健康法
 c      〃  :最適食事量は「腹五分」よって「1日1食」にするしかない!
 d      〃  : “腹八分”どころか“腹4分の1”健康法というのがあります   

 なお、腹五分以下は「朝食抜きの1日2食」ないし「1日1食」生活となる。
 現代、特に日本においては、「1日3食」でなければならないことが当然に必要なことであり、「1日2食」は体に悪いとされているのだが、これは根拠レスどころか、とんでもない誤りである。つい最近(江戸時代初期)までは日本人は皆「朝食抜きの1日2食」であったし、中国で既に紀元前に完成している医学大典「黄帝内経素問」の第40編「腹中論」には「1日2食にすると消化器系の病気になる」と記されてもいる。
(このことについての詳細は、過去記事:朝食有害論の歴史的推移 を参照ください。)
 

 以上のとおり、過去記事で書いた。小生はというと、腹五分・1日1食生活を目標としているのだが、1日1食ドカ食いになってしまい、腹七分程度のカロリー摂取である。「1日3食」時代に比べて格段に体調が良くなったから、当分このままの食生活でいくことにしているが、もし体を壊しそうになったら腹五分にしようと思っている。

 さて、表題にした「ヒトはどれだけ食べれば生きていけるのか」であるが、極論すれば「何も食べなくても、水だけ飲んでりゃ生きていける」ようだ。
 「仙人は霞だけで生きている」と言われるのは嘘ではないようである。
 実例としては2例ある。まず、長期断食の経験が豊富なインドの職人が仕事をしながら、何と411日間にわたって断食を行い、仕上げに山登りまでした。これは米国の調査チームの観察の元で行われたから間違いない記録である。次に、インドの青年が衆人環視の元にほこらに入って座禅修行し、同じく411日間の断食をしたのだが、これも信憑性が極めて高い。
 この2例について、どうしてこのような超長期断食が可能であったのか、科学的解析が
行われているかもしれないが、残念ながら小生は知らない。

 日本においてはどうか。超長期断食ではないが、毎日「青汁1杯」で20年このかた働いてみえる女性がちゃんといらっしゃるのである。
 この女性については、冒頭で、腹二分健康法:甲田光雄氏をあげたが、
  甲田光雄監修「奇跡が起こる「超少食」」(2007年マキノ出版)
の中で紹介されているし、ご本人の著書、
  森美智代著「食べること、やめました」(2008年マキノ出版)
で詳しい。
 また、彼女のドキュメンタリー映画も2010年に作られている。
  白鳥哲監督「不食の時代~愛と慈悲の少食~」
 そして、テレビ報道もされた。
  TBSテレビ「最新人体ミステリーシンドロームX」(2013年4月14日放映)
  (オムニバス形式:その中で「腸内細菌が牛!? 20年間青汁だけを飲み続ける女」)
 以上については、小生が読んだり見たりしたものである。

 そこで、この女性について紹介しよう。
 森美智代さん 1962年生まれ 1984年(21歳)のときに「脊髄小脳変性症」を患う。平衡感覚に異常をきたして歩行困難となる。治療法がない難病であり、発症してから通常5~10年の寿命しかないと言われている。
 彼女は、甲田光雄氏の甲田医院で、少食(玄米菜食)と長期断食療法を受けて改善するも、通常食に戻すと直ぐに再発。これを繰り返す中で完全な葉菜食にし、それも量を順次減らして、1996年以降は現在の量となる。
 その量は、5、6種類の野菜総重量150gで、水200ml、塩少々、時折ユズを加え、これをミキサーにかけて、絞り汁を抹茶茶碗に入れ、ゆっくり一口ずつ飲んで、お終い。これが1日の食事の全部である。
 なお、2002年からは、夜目が利きにくくなって、これにサプリメントとしてスピルリナ(青藻)20粒、エビオス錠(ビール酵母)20粒、ビタミンC1錠を飲んでおられる。
 たったこれだけの食事なのだが、身長153cm、体重60kg超と太り過ぎである。体脂肪率は25%程度とのこと。(なお、ここ14年間で何と10kgも体重増加したとのこと。)
 病状が改善してからは鍼灸師の資格を取り、たったの4時間睡眠(これ以上寝る必要はなく、自然に目が覚めるとのこと)で、毎日ちゃんと働いておられる。
 さて、彼女について生理学的調査が幾つかなされている。
・通常の大人女性の基礎代謝は1200キロカロリーであるが、43%少ない。
 別の調査でも、生菜食者5人(彼女を除く)の平均値は、40%少ない。
 なお、安静時の呼吸数は5~6回(通常は16回程度)と、ヨガや瞑想時と同程度。
・血液中のインターフェロンα(免疫力に関係)は通常の4倍量ある。
 なお、他の生菜食者3人も、2~4倍と高い。
・腸内細菌のうち「クロストリジウム菌」(腸内のアンモニアと食物繊維からアミノ酸生成)が9.8%を占め、通常の100倍あり、これでもって必須アミノ酸を調達しているようだ。
 なお、彼女の腸内には、通常は人間にはほとんどいない細菌がたくさんいたり、何倍もいたりする。
・ミネラルの摂取量は、カルシウム22%、鉄29%など所要量を大幅に下回っているが、骨量は平均以上、ヘモグロビン量は基準値内で、その他検査項目も異常なし。
 なお、他の生菜食者も同様な傾向にある。
・超少食でありながら、握力は同年代女性では強い方に位置する。

 いかがでしょうか。
 ところで、このような超少食は、森美智代さんただ一人だけではありません。彼女は、甲田氏によって「仙人2号」と呼ばれていて、先輩の女性に「仙人1号」さんがいらっしゃいますし、甲田氏の指導を受けて「仙人」に近い少食を実行しておられる方も数多いのです。
 こうした超少食者や少食者の存在を知って、小生は、ヒトというものは、ビタミン・ミネラルがある程度摂取できればカロリー源となる3大栄養素(炭水化物、脂肪、たんぱく質)の摂取は不要で、どれだけかの食物繊維だけをとっていれば十分に生きていけるんだ、と強く感じたところです。
 なお、甲田氏は、超少食の彼女がそれでも丸々と太ってきたことに対して、「これはいったいどうなっているのでしょうか。長い間、栄養学の研究を続けてきましたが、最近は、ますますわからなくなってきました。」とこぼしてみえます。
 少々蛇足になりますが、甲田氏が、ある学会で彼女のことについて発表なさったら、彼の親友(大阪大学名誉教授)がやってきて、「甲田君、今の話はもう二度とするなよ。そんな青汁一杯だけの食事を何年も続けられるとは誰も信じないよ。その患者さんは、きっと陰で隠れて食べているに違いないよ。それをまともに信じていたら、あとになって恥をかくぞ。」と、親切に忠告してくれたそうです。
 また、彼女はじめ幾人かの少食者の生理学的調査をなさった大阪市立大学奥田豊子准教授(現大阪教育大学教授)は、彼女について、非常に特殊な一例として栄養学会で発表するつもりで論文を提出なさったところ、こんな論文が発表されたら現代の栄養学では説明がつかないから困るということで、門前払いされたとのことです。

 さて、森美智代さんの例のような現代の栄養学では説明ができないことについて、どれだけかのアプローチを試みたいと思います。
 食物繊維はヒトには消化能力がないとされていますが、彼女のように消化できることは何も不思議なことではないのです。
 ヒトと近種のゴリラは草食動物で主食は草であり、後腸発酵動物に分類されます
。つまり、大腸で腸内細菌に働いてもらい、食物繊維を発酵させて有機酸を作ってもらい、それをエネルギー源としているのです。もっとも、ゴリラの腸内細菌には完全に発酵させる能力はとてもなく、食物繊維の多くを無駄に排泄させてしまいますから、時には(ウサギも同様)何のためらいもなく糞食することがあり、再度発酵させています。
 なお、牛などの反芻動物は、前胃で細菌の助けを借りて食物繊維を発酵させ、反芻させることで更に発酵が進み、多量の有機酸を作り出してもらって、これをエネルギー源にしています。
 よって、ゴリラ(メスで体重100キロ程度)ほどには大きくないヒトですが、生理機構は類似していますから、適正な腸内細菌が住み着いてくれれば、誰もがゴリラに近い後腸発酵が可能になろうというものです。
 ただし、穀類(これには脂肪が多い)はもとより芋(炭水化物のかたまり)も食べず、肉食(たんぱく質と脂肪)もしないという、3大栄養素抜きの食生活をずっと続けないことには、後腸発酵に適する腸内細菌が住み着いてはくれないことでしょう。
 単なるベジタリアンではダメで、完全な“草食”動物になりきらねばならないのです。
 なお、たんぱく質をほとんど全く摂取しなくても、アミノ酸を腸内細菌(牛では胃内細菌)が作ってくれるのは、彼女の例のみならず、毎日ほとんど芋しか食わないニュギニアの山岳民族がそうであることが知られています。その彼らは、重い荷物を背負っていても苦もなく山の斜面を駆け足で登っていくほどの「イモ力」を発揮するから驚きであると、朝日新聞調査隊の本多勝一氏が言っておられます。
(2016.12.7挿入追記)
 今年、ノーベル賞(医学生理学賞)を取られた大隅良典氏はオートファジー研究の先駆者で、生体内におけるたんぱく質の分解も大事な現象であると捉えておられます。
 
ヒトの体内では1日に合成されるたんぱく質は約300グラムとされているのに対し、ヒトが1日に摂取するたんぱく質の量は約80グラム程度ですが、この差について、東工大の大隅栄誉教授は「たんぱく質は合成されるのと同じだけ分解されており、体内でバランスが取れている。合成されることと同じぐらい、分解は生物学的に大事な現象だ」と、おっしゃっておられます。
 こうしたことからも、生体内でたんぱく質の造り替えがスムーズに行われれば、たんぱく質をほとんど全く摂取しなくても、生きていけるのです。
 (挿入追記ここまで)

 ところで、彼女の摂取カロリー(サプリメントに含まれるものを除く)を計算すると、数十キロカロリーあるいは60キロカロリーになるとのことです。
 これだけのカロリー摂取があれば生きていけるのか、と思われるかもしれませんが、この数値は全く無意味なものです。なぜならば、食物繊維から有機酸が作られ、それがエネルギー源になっていて、かなりのエネルギー量になると思われるからです。なお、有機酸のエネルギー量は炭水化物の3分の1程度のようです。
 逆に、3大栄養素の摂取量をこの程度に抑えないと、有機酸を合成してくれる腸内細菌が十分に繁殖してくれないと考えた方がよいのではないでしょうか。

 このように、森美智代さんや仙人1号さんのような超少食の例があるほかに、それ以上の少食、1週間に1回果物1個だけという食生活で生きてみえる人が米国に存在します。(先にあげたTBSテレビ番組)
 しかし、それ以上に驚かされるのは、411日間の超長期断食は、どこからどうやって生命活動に必要なエネルギーを調達しているのか。これは全くの謎です。
 また、地球上の動物は絶えず酸素を吸ってそれに見合う二酸化炭素を吐き出しているのですから、呼吸のたびに質量は減り、何らかの炭素化合物を体内に取り込まないことには体重は減り続けるのであり、超長期断食をすれば体がガリガリになりそうなものが、そうならないのですから、全くもって不可解です。

 ここまで来ると、ヒトの栄養素というものは、近代栄養学の3大栄養素のみならず5大栄養素(+ビタミン・ミネラル)で語ることさえもが全く無意味となってしまいます。
 そこで、栄養素という概念を取っ払って考えてみることにしましょう。
 長期断食すると、何日かして宿便が大量に出るようになるようです。断食前に腸をカメラで見て綺麗な腸壁であったとしてもです。じゃあ宿便はどこから来るかとなると、甲田氏の解釈は次のようです。

(森美智代著「食べること、やめました」P.42)
 現代人の大部分は、自分の胃腸の消化吸収能力を超えて、食べ過ぎています。そのために、消化吸収能力を超えた分は腸に停滞してしまいます。
 このことを、甲田先生は、よく交通渋滞にたとえます。道路に走れる許容量を超えて車が入ると、交通の流れが悪くなり、車は進めなくなって道にあふれてしまいます。便が車だとすると、そうやってあふれた分が宿便になるというのです。
 あふれて収納できなくなった便を、腸は伸びることで収納します。腸が伸びると、ますます働きが衰え、麻痺して、宿便が溜まるという悪循環に陥ってしまいます。
 宿便の中身は常に入れ替わってはいるけれども、消化吸収能力を超えた過食が続く限り、宿便はなくならないというわけです。…

 ということになると、備蓄栄養は何も皮下脂肪や内臓脂肪ばかりでなく、腸管の筋肉や腸壁という腸管組織そのもの、更には胃袋の組織そのものに随分と溜め込まれているのであって、まれに長期断食する人の場合には、消化器官に溜まったものが宿便としてドーッと出てしまうのに対し、断食慣れした人が上手に断食を行えば、それらの備蓄栄養を少しずつエネルギーに変えていくことができるのではないかと思われます。
 次に、個々の細胞に関することについて興味ある解説があります。

(甲田光雄監修「奇跡が起こる「超少食」」P.210~安保徹元新潟大学医学部教授)
 マクロファージ(注:白血球、貪食細胞、免疫細胞)は…栄養処理もやっています。ですから、栄養をたくさん摂取している人の場合、マクロファージがコレステロールなどを処理して分解し、血管を掃除して動脈硬化を防いでくれたりします。…
 逆に、飢餓状態になったときはどうなるかというと、…マクロファージは自分の体の構成成分を食べて栄養に変えるのです。…最初に食べるのは、まず老廃物を食べて、ポリープを食べて、シミを食べて、ガン細胞を食べる……。…しかし、そういう無駄なものを処理してもなおかつ飢餓状態が続くと、今度は筋肉を食べたり、骨を食べたりします。…
(同上P.221昇幹夫日本笑い学会副会長・麻酔科医)
 千島喜久男医師のクラゲの逆進化という実験もあります。クラゲを絶食状態にすると触手がどんどん縮んで、最後には胚細胞のようなところまで戻るのだそうです。進化というのは一度進んでしまうと元に戻らないと言われていました。触手まで分化した細胞が逆進化という道をたどった
という今までの学説をひっくり返すような実験ですね。
 もう一つ、1997年…クローン羊ドリーの誕生です。乳腺にまで分化した細胞を使って1頭の羊の個体を作ったのです。その手法はというと、これがクラゲと同じ絶食状態にすることだったのです。(注:
いったん細胞を飢餓状態にしてやらないとクローンは作れない。)…

 このことから言えるのは、体の中には余分な栄養がそこら中にあり、その栄養を少しずつエネルギーに変えていけばよく、かなりの長期断食が可能になろうというものです。
 さらには、個々の細胞内に存在する通常必要とされる有機物までもが、かなりかなりエネルギー変換されて、超長期断食を苦もなく続けられることになるのであり、加えて、眠っていた能力が表出する可能性があるというオマケまで付いてくるのです。このオマケは人にあっても表出することが珍しくないようで、超長期断食ではありませんが仙人2号の森美智代さんにも現れ、鍼灸師の仕事に役立てておみえです。
 なお、超長期断食しても体重がさほど減らないのは、体中の細胞が一定の大きさを維持しようとして、消費した有機物のボリューム分を水に置き換えていると考えてよいのではないでしょうか。
 インドの職人が毎日仕事をしながら
411日間もの超長期断食を行い、仕上げに山登りまでして平気な顔で断食を終えることができたのは、現代科学のエネルギー論で語るとなると、以上のように考えるしかないでしょう。
 こうしてみると、「仙人は霞だけで生きている」というのは、どうやら本当のことのようですね。

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完全野菜食でイキイキ元気!頭が冴える!

2013年08月07日 | 朝食抜き・断食で健康

完全野菜食でイキイキ元気!頭が冴える!

 日本の夏、真っ盛り!熱帯の夏と変わらん、蒸し暑~い!
 今年、当地岐阜では7月8日に梅雨明けし、数日の猛暑。梅雨の戻りがあって、8月1日に本格的な梅雨明け。でも5日から6日にかけて豪雨。これが終わって、やっと夏。そこでまた猛暑。うだるような暑さが再びやってきそうです。今日、8月7日は暦の上では立秋ですが、これからが本格的な夏でして、熱帯のような夏がまだまだ続くでしょう。
 ところで、現生人類は十数万年前に熱帯で誕生したと言います。彼らはそこで何を食べていたのでしょうか。その辺りには今はチンパンジーやゴリラが住んでいます。その類人猿は果物と葉っぱを食べています。ご先祖様もきっと同じだったことでしょう。
 今や飽食時代。メタボ人間になっています。熱帯の夏が続くしばらくの間、思い切って類人猿やご先祖様と同じ「完全野菜食」にしてみませんか。
 夏野菜は体の芯を冷やしてくれます。今の時期、体に熱がこもりがちな気候ですから、内なるクーラーとして好都合です。胃腸の負担も少なくて済みますし、ビタミン・ミネラルが十分に摂取できて、だるさが吹っ飛びます。そして、食物繊維たっぷりで整腸効果抜群。おまけにダイエット効果間違いなし。いいことずくめです。

 ところで、皆さん、たんぱく質の摂取不足を心配されるでしょうが、ご安心あれ。
 体内にたんぱく質の原料が十分にストックされていることでしょう。しばらくは全く摂取しなくても大丈夫です。

 加えて、古くなった細胞が分解されて新しい細胞が作られるとき、つまり新陳代謝では古いたんぱく質を分解してアミノ酸に戻し、再利用して新しいたんぱく質を合成できます。
 類人猿はそうしていることでしょう。(追記:より草食性のゴリラは、腸内にアミノ酸を合成する細菌がいます。)よって、彼らは少ないたんぱく質摂取でもイキイキ元気。
 もっとも、ヒトの場合、毎日たんぱく質をたっぷり摂っていると、再合成能力が錆び付いていて、たんぱく質欠乏症になる恐れはあるでしょうが。(追記:ゴリラと同様に、ヒトでもほとんど芋食しかしないニューギニアの高地民族は腸内でアミノ酸が合成されます。)
(2016.12.7挿入追記)
 今年、ノーベル賞(医学生理学賞)を取られた大隅良典氏はオートファジー研究の先駆者で、生体内におけるたんぱく質の分解も大事な現象であると捉えておられます。
 ヒトの体内では1日に合成されるたんぱく質は約300グラムとされているのに対し、ヒトが1日に摂取するたんぱく質の量は約80グラム程度ですが、この差について、東工大の大隅栄誉教授は「たんぱく質は合成されるのと同じだけ分解されており、体内でバランスが取れている。合成されることと同じぐらい、分解は生物学的に大事な現象だ」と、おっしゃっておられます。
 こうしたことからも、生体内でたんぱく質の造り替えがスムーズに行われれば、たんぱく質をほとんど全く摂取しなくても、生きていけるのです。
 (挿入追記ここまで)

 たんぱく質ほど体に悪い栄養素はありません。余分に摂ったたんぱく質はどうなるでしょうか。エネルギー源として体内で燃やすしかありません。燃やすと、さあ大変。窒素酸化物と硫黄酸化物が大発生します。自動車の排気ガスと同じです。なぜならば、微生物の細胞内のたんぱく質が変性して化石燃料=石油になったのですからね。
 たんぱく質は毒ガスを発生させるだけで、体にいいわけがありません。少しは類人猿を見習いたいものですね。果物と葉っぱにわずかに含まれるたんぱく質で十分に足りているのですから。なお、雑食の霊長類(ニホンザルなど)や肉食動物は、たんぱく質から生ずる毒ガスを最終的に体に有用なアラントイン(皮膚や粘膜を修復する薬になる)に変性させる酵素を持っていますから、まだ救われますが、肉食を全くしなくなった類人猿そしてヒトはその酵素を失っています。

 次に、「完全野菜食」はカロリー不足になりますが、この点はご存知のとおり問題ありません。たっぷり体内備蓄してある内臓脂肪や皮下脂肪が燃えてくれ、その代わりをしてくれますからね。脂肪燃焼のメリットを幾つか紹介しましょう。
<血液サラサラ>
 エネルギー源となる3大栄養素(炭水化物、脂肪、たんぱく質)の摂取がガクンと減ると、血液中のブドウ糖、中性脂肪、コレステロールなどがエネルギー源として利用されます。ベトベト、ドロドロの血液が直ぐに「石清水のごとき清流」に大改善。
<有害物質の排出>
 重金属、環境ホルモン、残留農薬、食品添加物などの体に害のあるものは、細胞の脂肪中に潜り込み、そこから出たり入ったりして全身で悪さをします。
 毎日の食事がカロリー不足の連続となると、飢餓に備えて備蓄していた体内脂肪を分解してエネルギー源として使うようになります。
 そのとき、有害物質も大量に分解されて、一気に尿または汗として体外に排出されるのです。よって、体がスカッとしてイキイキ元気を取り戻せます。
<頭脳明晰(めいせき)>
 エネルギーにするために脂肪を分解したときに、ブドウ糖の他にケトン体ができます。脳細胞は通常ブドウ糖をエネルギーとしますが、ケトン体があればそれを利用します。
 これがスゴイ。赤ちゃんは母乳からケトン体を作り、これを脳の栄養にし、猛勉強して様々なことを学習していきます。ケトン体はブドウ糖の何倍ものスピードでものを覚えることができるようです。頭が冴える、理解が早い、記憶力もアップ!
 その効果を倍増するのが脳の冷却。湯上りに全身への冷水シャワーをお忘れなく。

 いいことずくめの「完全野菜食」ですが、一つ大きな難点があります。
 それは、“腹が減ってかなわん”です。
 でも、朝食ぐらいはそうなさってください。3か月も経てばスムーズに体内脂肪を分解する能力が身に付き、空腹感は生じなくなります。それができるようになったら昼食も。
 
蒸し暑さで食欲が落ちているこの時期を逃してはなりませんぞ。

(この記事は、当店「生涯現役新聞」2006年9月号を一部修正し、加筆したものです。)
(備考:文中(追記:)とした部分は2013.10.17に挿入しました。)

(関連記事)2014.1.13 完全生菜食で信じられない健康体に!

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“腹八分”どころか“腹4分の1”健康法というのがあります

2013年02月07日 | 朝食抜き・断食で健康

“腹八分”どころか“腹4分の1”健康法というのがあります

 “腹八分に医者いらず”と言ったのは、江戸時代の貝原益軒ですが、“これでは生ぬるい、もっともっと減食せねばだめだ”という健康法がたくさんあります。
 誤解を招かないよう、あらかじめお断りしておきますが、貝原益軒の言っていることが間違っていると批判しようとするものではありません。ベースとなる食事量をどこに置くかで、“腹八分”になり、“腹五分”にもなるのです。多分、貝原益軒は飽食を前提にはしておらず、江戸時代における通常の粗食に対して“腹八分”と言ったことでしょう。

 さて、“腹何分”が理想的か、ということに関しては、過去記事で2回書きました。
・20111.1.18 腹「X」分目健康法(カテゴリー:メタボ・糖尿病)
 ここでは、日本人の平均的カロリー摂取量(男2100、女1700)に対して、“腹八分”は糖尿病健康法の摂取カロリー(男1600、女1400)と同じとなり、これが一つの目安になるとしました。
 そして、“腹七分”健康法を小林博:元北海道大学医学部教授が提唱されていたり、“腹六分”あたりがちょうどいいと生活習慣病予防の第一人者:小山内博氏が主張されていることを紹介しました。
 
極め付けは、少食健康法で難病治療に当っておられた甲田光雄先生が“腹二分”(1日400Kcal)でよいとする極端な考え方も披露しました。

・2012.11.20 最適食事量は「腹五分」、よって「1日1食にするしかない!」(カテゴリー:朝食抜き・断食で健康)
 南雲吉則氏の著“「空腹」が人を健康にする”で紹介されている飼育動物の最適食事量から、自然の状態で暮らしている動物がどの程度の食糧を摂取しているかを推計すると“腹五分”となり、人にとってもこれが理想であろうと自論を述べました。
 そして、紀元前中国の基本古典医学書「黄帝内経素問」のなかで「1日2食にすると鼓張(消化不良による腹部膨満感?)という病気になることがある」と記されており、大昔は“1日1食”であったと書きました。

 このように、時代を遡っていくと、“1日1食の少食”が人を健康にしてくれると教えてくれています。このことは、何も東洋だけで言われているのではないことを最近知りました。
 出典:医学博士・歯学博士・薬学博士 堀泰典オフィシャルサイト
 http://www.dr-hori.com
 その中の<アトピーについて「腹八分に医者いらず」>の記事で、食事量について興味深い次の紹介があります。

 「腹八分に医者いらず」という言葉は、江戸時代の貝原益軒がいった言葉ですが、古代エジプトのピラミッドには次のような碑文が残っているそうです。「我々は普段食べている食べ物の4分の1で生かされている。あとの4分の3で◆◆が生きている」。この「◆◆」の所は何だと思いますか。実は「医者」なのです。つまり、生きていくには「4分の1」でよいのに、「4分の3」は食べすぎで、病気をし、それで医者がもうかっているという意味です。
 これは大変重要な言葉だと思います。古代エジプトというのは奴隷制の時代で、…食べ物を吐くほどに食べられた人はほんの一部の支配階級だったはずです。この文を書いた人は支配階級の人のことを書いたと想像されます。現代の日本では…大部分の人が満腹し、吐くほどに食べて、食べ過ぎで病気をし、医者が繁盛しているのです。何とも矛盾した馬鹿げた現象です。
  

 古今東西、様々な健康法がありますが、こと食事の量に関しては、昔人の教えは数多くの臨床経験から導き出されたもので、それが皆の生活の知恵となり、正しい養生法であることは間違いありません。
 我々現代人に、その真似をせよ、とは言いませんが、少なくとも“腹が減ってもいないのに義務的に食べる”ということだけは止めるべきです。そして、たまには“しばらく何も食べないでいると空腹感というものがどのように変化していくのか”を観察なさってみてください。回数を重ねていくと、きっと思わぬ発見ができることでしょう。

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最適食事量は「腹5分」、よって「1日1食」にするしかない!

2012年11月20日 | 朝食抜き・断食で健康

最適食事量は「腹5分」、よって「1日1食」にするしかない!

 自然の状態で暮らしている動物の生息数は、基本的に許容限度いっぱいいっぱいになっています。生息数が許容限度を超えてしまうと、1個体が生きていく上で必要な食糧が絶対的に不足し、子が生まれなかったり育たなかったりして生息数が少しずつ落ちます。そして、何かの事情で生息数がガクンと減ると、1個体が生きていく上で必要な食糧が十分に得られるようになりますから、子が次々と生まれ、皆育ち、あっという間に許容限度に達します。こうして、生息数は一時的に増減しながらも、許容限度いっぱいのラインにずっと張り付くことになります。
 ですから、自然の状態で暮らしている動物は、通常、生きていく上で必要な食糧がギリギリ得られるだけですから、体の生理機構もそれに適応したものになっています。
 よって、摂取した食糧は無駄なく吸収され、余剰栄養分は飢餓に備えてしっかり備蓄されます。でも、備蓄能力には限界があり、それもかなり低いレベルのものになっています。これは、際限なく余剰栄養を体内備蓄できるという状態が歴代にわたって延々と続くような自然環境を経験したことは全くなく、大量備蓄に適応した生理機構を作りようがなかったからです。

 さて、動物園で飼われていたり、実験用の動物には、定期的に餌が与えられます。どの程度が適量なのかは経験的に分かっているようで、過剰には餌を与えないようにしているようですが、動物は、飢餓に備えて体内備蓄可能な限度いっぱいまで、食べられるときに食べておこうとし、餌を欲しがって暴れるでしょうから、経験的な適量値というものは、どうしても過剰投餌傾向になるでしょうね
 そこで、これは別の目的でなされたのですが、どの程度餌を減らしたら、どの程度寿命が変わるかの実験が行われました。その結果は、どんな動物も、餌を4割減らしたときが最も長生きし、寿命が4~6割も伸びたのです。そればかりでなく、毛並みが良くなり皮膚の張りも出てくるというオマケ付きです。
(2016.3.14挿入:こうした動物実験は今までに幾つか行われており、概ね同じような結果が出ているようですが、2009年にウィスコンシン大学が発表したアカゲザル[25年以上の観察結果で継続中]の中間報告が有名になり、広く知れわたったのですが、その数か月後に米国国立老化研究所から発表された同じアカゲザル[20年以上の観察結果]での実験結果では「効果は認められなかった」というものになっています。同研究所の見解では「環境や食事の質など様々な要因が影響するのではないか」としています。)
 たぶんこれは、自然の状態では、飼育下と比較すると、いつも(平均すれば)4割減の食糧しか入手できていなかったからでしょう。自然の状態で生きていくのに過不足ない量、つまり、もっとも生理機構が円滑に働く最適な量が、4割減の餌であったと言えます。
 この最適量をベースに置けば、いつもは7割増しの餌を与えられていたことになります。
 7割も多く餌を食べれば、当然にして体がおかしくもなろうというものですよね。

 さて、我々現代の日本人が摂っている食事は、ヒトの生理機構が円滑に働く最適な量になっているでしょうか。
 1日3食、欲しいだけ食べて飽食しています。
 たぶん、飼育動物より多めに食べていることでしょうね。飼育動物には過剰に餌を与えないようにしているでしょうから、きっと腹八分程度に留め置かれているのではないでしょうか。それでも飼育動物は餌の与えすぎであることがわかったのですから、ヒトの生理機構が円滑に働く最適な食事の量は、2割減のさらに4割減、これを計算すると、0.8×0.6=0.48となり、5割減が最適量となることでしょう。
 ヒトも動物でして、飽食時代なんてものは、近代に入って暮らしが豊かになって初めて経験するようになっただけですから、ヒトの生理機構は、とても過栄養に適応できているはずはなく、最適量の2倍量もの食事を取っていては、毛並みも悪く皮膚もたるんだ不健康体になってしまうのは、当然の報いでしょう。
 それにもかかわらず、人の平均寿命が延びたのは、別の要因によります。
 一昔前までは、平均寿命は今より随分低かったですが、これは乳児死亡率が高かったり、子供の疫病が大きな原因となっていて、また、大人は感染症でどれだけか平均余命を縮めていましたから、そうなったのですし、昨今では老人医療が丁寧に行われるようになりましたから、寝たきり老人が多くなって、それでもって平均寿命を延ばしているだけのことです。

 我々現代の日本人が、最適量の2倍量もの食事を取っているがために、必然的に不健康となり、様々な生活習慣病を抱え込む羽目に陥ります。
 単に、肥満は体に悪いと経験的に言われてきましたが、新たな知見を紹介しましょう。もっとも、これは随分前に分かっていたようで、小生が知らなかっただけのことですが。
 これも、前号に引き続き、南雲吉則著“「空腹」が人を健康にする 「1日1食」で20歳若返る”からの抜粋です。

 メタボが寿命を縮める本当の理由
 …本来、内臓脂肪は一時的な「飢えや寒さ」に備えて体内に蓄えておくべきものでした。ところが飽食の現代では、過剰に蓄えられた内臓脂肪が、四六時中、燃え続けるようになってしまいました。
 そのため、余分な内臓脂肪をため込んでいる人は、季節を問わず、しょっちゅう汗をかくわけですが、ここで問題になるのは、それだけではありません。
 物が燃えるときには、必ずスス(煤)が発生します。内臓脂肪も例外ではありません。このススが、じつは私たちの体に、大きなダメージを与えているのです。
 内臓脂肪が燃焼する際に発生するススを、医学的には「サイトカイン」と呼びます。このサイトカインはそもそも原始的な動物に備わっている免疫物質です。
 外から菌や毒物などが体内に入ってきたとき、リンパ球はこのサイトカインという攻撃物質を出して、それらの敵に立ち向かいます。サイトカインは、外からの悪者に体の中から対抗するためのいわば「武器」ともいうべきものなのです。
 ところが、このサイトカインには、自己と外敵との見分けがつかないという弱点があります。そのため、敵が体内に入ってきたときに、敵に向かって放った弾で、自分自身も傷つけてしまうということになるのです。
 体中で内臓脂肪が燃焼している最中にも、内臓脂肪から「アディポ・サイトカイン」といううススが発生し、私たちの血管の内皮細胞をさかんに傷つけます。傷ついた血管にできたかさぶたは血管を硬く硬化させて「動脈硬化」を起こすのです。
 アディポ・サイトカインには、血管の柔軟性を保ち、動脈硬化を予防する「善玉アディポ・サイトカイン(アディポ・ネクチン)」と、血栓(血液のかたまり)をつくりやすくし、動脈硬化を促進させる「悪玉アディポ・サイトカイン」があります。
 正常な状態では、それぞれの分泌量はバランスよく保たれていますが、内臓脂肪が蓄積した状態では、善玉の分泌量が減り、悪玉が過剰に分泌されてしまいます。
 メタボの体型の人が動脈硬化を起こしやすく、心臓病や脳卒中を起こす割合が非常に多いというのも、内臓脂肪を燃やす際に出るススである悪玉アディポ・サイトカインが、自らの血管を痛めつけているからにほかなりません。
 人類が飢えや寒さから身を守るために発達した内臓脂肪が、飽食という新たな環境下で燃焼した結果、寿命を縮めるというのは、本当の話なのです。
 何万年もかけて獲得した遺伝子の最適化は、急激な環境の変化には、すぐに適応できないというのが一番の欠点だといえるでしょう。

 長い引用となりましたが、メタボの本当の恐さをご理解いただけたでしょうか。
 メタボの方が健康体を取り戻すには、今現在、ヒトの生理機構が円滑に働く最適量の2倍量を食べている
のですから、食事の量を半減させるしかありません。
 それには、「1日1食」以外に取るべき方法はないでしょう。
 一般的に、メタボの方は、朝食2、昼食3、夕食5の比率でしょうから、「夕食だけの1日1食」にすれば、最適摂取量に半減されることでしょう。なお、朝食3、昼食3、夕食4の比率の方であっても、夕食だけにすれば、普段の夕食より食べる量が増えましょうから、やはり半減することになります。そして、メタボの方は、今は20キロ、30キロにもなる重い脂タンクを腹の周りに巻いて動き回っているのですが、脂タンクがだんだん軽くなるにつれ、エネルギー消費量も減りますから、腹いっぱいと言えども、食事の量は順次減ってくることでしょう。
 小生も「夕食だけの1日1食」にしており、夕飯を腹いっぱい食べています。
 
それでもって、健康、健康!皆さんにもお勧めします。
 一時の空腹感を乗り越えれば誰でも出来ます。もっとも、いきなり1食にすると、体を壊しかねませんから、まず朝食を少しずつ減らし、次に昼食を少しずつ減らすなどの方法で、体を慣らす必要がありましょう。

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「1日1食」で20歳若返る!南雲吉則氏

2012年11月07日 | 朝食抜き・断食で健康

「1日1食」で20歳若返る!南雲吉則氏

 “「空腹」が人を健康にする”(南雲吉則著:サンマーク出版)の副題に、“「1日1食」で20歳若返る!”とあります。20歳も若返るなんてクエスチョンマークですが、著者は10年も1日1食で通してみえますし、今56、7歳のようですが、顔写真を見る限り36、7歳に見えますから、決して嘘ではありません。
 

 (上記著作のブックカバーにある写真)
 
経歴も立派なもので、現在、ナグモクリニック総院長、慈恵医大などの非常勤講師、乳腺専門医、医学博士。
 小生も1日1食生活になって、間もなく10年になろうとしているのですが、たしかに1日1食生活は、体も心も健康にしてくれますし、どれだけか若返らせてくれるのも実感できていますから、1日1食は理想的な食事回数であると自信を持って言えます。

 “1日3食しっかり食べてはじめて健康体になる。”と、厚生労働省も文部省も農林水産省も大キャンペーンを張っていますが、“朝食を摂るのは体に悪い。朝食を抜いて1日2食の生活にしなさい。”と主張する医学者、生態学者など数多くいらっしゃって、本もたくさん出されています。このブログでも、このことについて何度も紹介してきました。
 でも、時代は進み、今や“1
日1食でなければ健康は確保できない。”という論が数多く登場してきているようです。

 世はまさに飽食時代。美味しい食べ物が安く簡単に手に入り、調理も短時間で簡単にでき、食べるに当たって、よく噛む必要はなく、短時間で食事が済ませられます。こうして、難なく1日3食を1日の生活の中に組み込むことができます。
 しかし、どんな動物でも“食べたら休む”という生活を絶対に崩しません。もっともサバンナに住む野生の草食動物は、小さな草の葉を少しずつ少しずつ齧り、一日中食べていますが、彼らは目の前の草を齧ったら半歩前進し、また齧るというふうに、ほんの少しずついざって行くだけですから、“食べつつ休む”という生活です。

 唯一の例外である“食べたら直ぐに動く”という動物は、ヒトの中でも日本人ぐらいのものです。西欧では朝食は口の寂しさを紛らわす程度にしか食べませんし、イタリア人ともなると昼食後はたっぷり2時間は休憩しますからね。
 “食べたら直ぐに動く”という生活は、筋肉系への血流が多くなりますから、どうしても消化器系への血流を細くしてしまい、真っ先に胃がやられてしまうのは必然で、コマネズミのように早朝から動き始める日本人の生活習慣からして、朝食がよくないのは論を待たないところですし、昼休み時間が短い日本の労働時間パターンからして昼食をたっぷり摂るのも問題です。

 こうしたことから、まず「朝食抜き1日2食」をよしとする論が登場し、これは既に戦前において西勝造氏が科学的に立証されたものですが、この「西式健康法」の流れをくむ何人かの医師が本を出されています。その中から、自らも1日1食を実践し、患者に指導して実績を上げ、この方がより健康に良いと主張されているのが甲田光雄氏です。

 次に、小山内博氏が、日本人はアメリカ人に比べて胃がんの死亡率が10倍高い原因を調査する中で、日本人の中で最も胃がん死が多い奈良県吉野地方の「きこり職人」、その食生活は茶粥「一日数十食」にもなるのですが、これが胃がん死の原因と特定され、“食べて直ぐ動く”ことがいかに体に悪いかということから、自らも1日1食を実践され、本を出しておられます。

 3つ目が、食生態学入門を著された西丸震哉氏です。
 動物の採餌行動は、休息ー興奮ー労働ー食事ー休息という順序しかなく、生理機構がそれに適応しているのであるからして、ヒトも1日1食あるいは1日断食しか取りようがない。ヒトの祖先たちはそうしていたのであり、1日2食の習慣も比較的新しいものであって、ヒトの生理機構からして望まれるのは1日1食である。このように論じておられます。

 そして、今回知った南雲吉則氏の著“「空腹」が人を健康にする”ですが、この本を読んでみますと、著者ご自身に急激に起こった肥満・便秘症・不整脈からの脱却のために、どうしたら良いかと試行錯誤する中から、自己流で編み出されたのが1日1食で、これは、万人に勧められる健康法だとして紹介されておられます。
 なお、著者が1日1食生活を自信を持って勧められるようになったのは、「延命遺伝子(長寿遺伝子)」が発見されたのが切っ掛けとのことで、その辺りの解説として次のように述べておられます。

…人類滅亡の危機を何とかかいくぐって、生き延びてきた者の子孫である私たち現代人には、飢えや寒さや感染症のときこそ生きる力が湧いてくる「生命力」というものがあるのです。その生命力の源こそが、私たち人類が危機を乗り越えることによって獲得してきた「生命力遺伝子」なのです。
 生命力遺伝子は一つの遺伝子ではありません。飢餓に打ち勝つ「飢餓遺伝子」、飢餓状態において生き残る「延命遺伝子」、飢餓状態のときこそ出生率を高める「繁殖遺伝子」…など数え切れないほどの遺伝子が、私たちの体には備わっています。
 ただやっかいなのは、飢えや寒さの状態におかれないと生命力遺伝子は働かないこと。さらに飽食状態では逆に、体を老化させ、出生率を下げ、免疫が自分の体を攻撃するように働いてしまうということです。
…「飢餓遺伝子」は、わずかな食事から最大のエネルギーを蓄えることができる、いってみれば「省エネ遺伝子」です。この遺伝子とともにもう一つ、人類の生命を維持するために働いてきた重要な遺伝子があります。
 それが、最近にわかに注目を集めている「延命(長寿)遺伝子」、正式名「サーチュイン遺伝子」です。…この遺伝子は、空腹状態におかれたとき、人間の体内に存在している50兆個の細胞の中にある遺伝子をすべてスキャンして、壊れたり傷ついたりしている遺伝子を修復してくれる、ということが明らかになりました。
 これは、寿命だけでなく、同時に「老化や病気をくい止める働き」にも関与しているということを示しています。…

 これが、本書のテーマである「1日1食健康法」の根拠となっています。
 少々長い引用となりましたが、いかがでしょうか。あなたも一度ここに紹介した本を読まれ、1日1食生活に取り組んでみられたらどうでしょうか。

 参考までに、古代中国においては、1日1食であったことをうかがい知る記述があります。それは、前漢時代(紀元前206年~紀元8)に完成した基本古典医学書「黄帝内経素問」の第40編「腹中論」の中にありますが、「1日2食にすると、“鼓張”(消化不良による腹部膨満?)という病気になることがある」というものです。

 世の中が平和で豊かになるにつれ、飽食するようになり、かつ、食事回数も増えるという流れが、歴史を振り返ってみるとよく分かります。
 今、NHKの大河ドラマで栄華を極めた平家が没落し始め、田舎武士の源氏が天下を取ろうとしていますが、その源氏は、出陣に当たっては食事を取らず、「梅干と水」だけで戦に出かけています。「腹が減っては戦ができぬ」は、大ウソなのです。

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“異常に”疲れを知らなかった室町時代の日本人(キリスト教宣教師の布教報告通信文による)

2011年12月07日 | 朝食抜き・断食で健康

“異常に”疲れを知らなかった室町時代の日本人(キリスト教宣教師の布教報告通信文による)

 人食い人種がニューギニアにいました。この地方で奇怪な病気が発生していました。
 その後、英国で狂牛病が出現。何とニューギニアの奇怪な病気と酷似。
 牛に、牛の骨や内臓を飼料として与え、共食いをさせていたのが原因です。
 肉食動物は、同種や近種間では、殺しはしても食べることは極めてまれです。食べたら毒だということを本能的に知っているからでしょう。
 さて、ライオンは、草食動物を殺して食べます。かなり離れた種ですが、同じ哺乳類ですから、かなり毒になります。よって、ライオンは大きな獲物を食べた後は、腹ペコになるまで約1週間、何も食べません。この間、断食をしているのです。
 “体から毒を放出するには断食しかない”ことを本能的に知っているのでしょう。

 古代ローマ帝国が繁栄を極めていた頃、ご馳走を腹いっぱい楽しんだ後で、風呂に入り、全部吐き戻していました。“美味なるご馳走が体に毒である”ことを経験的に知っていたからかもしれません。そして、腹ペコになった翌朝、軽い食事を摂ったようです。
 そのなごりが、英語の“breakfast”(朝食)です。“fasting”(断食)を“break”(破る)という意味で、古代の英国人も何らかの形で断食をしていたのでしょう。
 次に、イスラム世界では、宗教行事として定期的に断食を一斉に行います。
 乾燥地帯で誕生した宗教ですから、毒消しになる野菜は少なく、また、豚肉(牛は人に比較的近い種であるのに対し、豚は少し遠い種になり、毒性もそれだけ少ない)は禁忌ですから、必須の健康行事です。
 なお、北朝鮮の脱北者が韓国に招き入れられ、牛肉のステーキでもてなされても、決して箸を付けなかったことは有名な話です。その臭いから、本能的に毒だと判断したのでしょうね。“韓国は北朝鮮より怖い国だ。よそ者は毒殺される!”と、思ったことでしょう。

  さて、日本では、殺生するなという仏教の教えから、肉は少々の魚介類程度に抑えて、雑穀、芋、野菜だけを食べてきました。それも、朝食抜きの1日2食です。
 室町時代に、キリスト教の宣教師が布教のため日本に来て、たいそう驚いたことがあります。“日本人は異常に疲れない民族だ。どれだけ力仕事をしてもケロッとしている。おまけに、皆、賢い。”と、本国への布教報告通信文にいくつも書かれています。
 これは、日本人が毒のない健康食をしていたからにほかなりませんし、プチ断食(朝食をとらず、午前中は水を飲むだけで、胃が空っぽの状態で労働)していたからです。
 戦後の日本において、“背が低く、腕力が弱いのは、和食にあり。”とばかり、政府のプロパガンダ(宣伝)のもと、畜産振興に多額の税金を注ぎ込み、牛肉や牛乳・乳製品こそ体に良いとされ、これらを常食するようになった今日の日本人です。
 その結果が、立っていることすら苦痛になり、ジベタリアンなる若者が増えてきました。

 どっか間違っていません?
 日本人は、仏教を信じなくなったんだから、牛肉を食べるんなら、イスラム教徒に習ってラマダン(断食)を定期的になさったら。
 もっとも、ラマダンの教えも風化してしまい、今では、日が沈んだら大晩餐会を毎日開くようになり、断食効果が消えてしまっていますが。
 何にしても、古代から、断食は必須のものとして、あらゆる民族が生活の中に取り入れてきたのですから、現代人も、食が豊かになったからこそ取り入れなければならない必須の行事です。
 “1日3食しっかり食べなさい”が健康上必須のこととされていますが、これも政府のプロパガンダです。こんなことを言っているのは日本国政府だけです。
 “政府の言うことはウソであり、その反対がホントである”ことは、皆さんご存知のとおりでしょうから、決して信じてはあかんです。
 “いや、高名な学者がそう言っているから、それはホントだ。”と思われる方も多いでしょうが、この世は御用学者ばかりと考えた方が無難です。
 なぜならば、政府が任命した各種審議会の委員の先生方の言うことを、あなたは信じますか。これらは眉唾ものでしょう。まれに、任期途中で辞任される委員がみえますが、こうした方のおっしゃることが正論でしょう。原発災害対策がそれを物語っています。

(この記事は、当店「生涯現役新聞」2003年4月号を一部改変し追記したものです。)

関連記事:健康な食生活の原点は“朝食抜きの玄米菜食”

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冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し

2011年11月12日 | 朝食抜き・断食で健康

冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し

 6年前の夏のこと。おふくろが、「おめぇ、やせたなぁ。無理してでも食わんと、体に悪いわ。」と小生に申しました。実は、そのとき、女房を付き合わせて1日断食を月に3回実行していて、原因は断食にあったのですが、それをおふくろは知らなかったものですから、夏やせと勘違いされたてしまったのです。
 体重は変動しない方が健康と言われますが、果たしてそうと言えるでしょうか。
 野生動物は、夏やせしますし、冬やせします。特に冬にやせます。食い物がないからです。やせたり肥えたりを年に2回繰り返すのが普通です。
 実は、野生動物は、こうだからこそ健康が維持できて、病気にならないのです。

 一方、豊かになった日本人です。有り余る食糧に囲まれ、毎日毎日たらふく食べて“飢餓に備え”備蓄脂肪を腹の周りにたっぷり抱き抱えて、体重が年変化することなく、肥満の体を持て余まし気味にして、のそのそ動いています。
 小生とて、その12年前まではサラリーマンでしてデスクワークの仕事でしたから、体重は62キロもあり、のそのそ動いていました。でも、親父の跡を継いで店頭に立ち、一日中動き回らざるを得なくなり、また、その後1日1食にするようになって、体重は50キロまで減りました。
 それでも、体脂肪率は10%を切ることはなく、6、7キロ程度の備蓄燃料を持ち歩いている勘定になります。以前は、20キロ近い備蓄燃料を腹の周りに巻き付けて持ち歩いていたのですから、そりゃあ重かったに違いなく、のそのそ歩きになるのは当然のこと。
 “明日にも突然に飢餓が訪れて、当分の間、餌にありつけない。”とばかりに、“万一に備え”万全を期すのも良いでしょうが、果たして如何なものか。どんな災害に遭ったとしても、1週間分の備蓄、体脂肪が2キロ程度でもって事足りるでしょう。
 なお、小生は、当時、体脂肪率を何とかして10%を切るところまで持って行くことを目標とし、1日断食を繰り返したのですが、体重を47キロまで落として、やっとたどり着いただけです。ここまで減らすと、頬がこけ、薬屋の店主としては貧弱すぎてみっともなくなり、急ぎ体重を50キロまで戻して体裁を取り繕ったのですが、その間、健康そのもので、体重を増減させても決して健康に悪くないのを実感しています。

 さて、この断食、やり方はいろいろありますが、自分勝手にやると体を壊す元になりますから、正しく、できればその道のプロに指導してもらって行う必要があります。
 と言いますのは、断食すれば必ず体重が減りますが、やり方が悪いと筋肉を落としてしまい、脂肪が落ちないという結果にもなりますからね。そして、何よりも断食明けの復食のリバウンドが怖いです。(2014.4.19追記:ご紹介します⇒「家庭でできる断食健康法」)
 断食の目的は、宿便を取ることと備蓄脂肪を燃やすことにあります。宿便については別の機会に譲りますが、ここでは備蓄脂肪について説明しましょう。

 溜め込んでいる脂肪は、早々に燃やさなければいけないのです。溜めたら燃やすを頻繁に繰り返すことによって、実は、毒素がスムーズに抜けていくのです。野生動物は、だから健康であると言えるのです。
 体内脂肪は、飢餓に備えての備蓄燃料であると同時に有害物質の保管庫でもあるのです。体液中に有害物質がたくさんあると生命活動に大きな支障が出ますから、生体はそれを防止するために、常日頃は使わない場所に寄せ集めるのです。それが一般に内臓脂肪であったり、人では皮下脂肪(これを持つ動物は限られ、人は珍種です)であったりします。飽食すれば、保管庫も大きくなりますが、そこにしまい込む有害物質も必然的に多くなります。
 その保管庫は完全なものではありませんから、有害物質が少しずつ漏れ出し、体中で悪さをします。
 ですから、保管庫丸ごと外へ放り出す必要があります。つまり、体内脂肪を一気に燃焼させて、そのときに有害物質をドッと吐き出させ、尿中へ放出させるのです。
 これが、断食であり、動物であれば、夏やせ、冬やせです。また、肉食動物であれば、毎週の定期断食です。例えば、野生のライオンであれば、通常、1週間に1回狩をし、1週1食で済ませていますし、動物園では、1日1食、1週間に1日断食させています。
 季節ごとの断食であれ、週ごとの断食であれ、体内脂肪をまとめて燃焼させることによって…一気に全部ということではなく、部分的であっても…かなり多量の有害物質が体外に排出されるようです。

 これは、ヒトにおいて、実証されています。
 典型的な2例を紹介しましょう。昭和43年の「カネミ油症事件」と、それよりずっと前の昭和30年の「森永ヒ素ミルク事件」です。
 前者は、製造過程で混入したPCBが食用油に混ざり込み、これを摂取して体内でダイオキシンが発生し、吹き出物、頭痛、肝機能障害で苦しみました。被害者は1万4千人。後者は、幼児用ミルクへのヒ素の混入で、患者は1万2千人、死者130人。
 ともに有害物質が体内脂肪に蓄積され、それがじわりじわりと溶け出してきて、半永久的に体を蝕ばみ続けるという質の悪いものです。
 どちらの治療法も分からず、厚生省はお手上げ状態にあったのですが、「カネミ油症事件」の被害者を救われたのが、淡路島の小さな診療所の医師、今村基雄先生です。
 昭和47年に、患者に断食療法を勧め、体内脂肪を燃焼させて、ダイオキシンを尿として体外排出させることに成功したのです。厚生省も「今村式断食療法」を治療法として、正式に採用したほどの効果がありました。
 同じ年に、「森永ヒ素ミルク事件」の被害者を救われたのが、八尾市で医院を開設しておられた甲田光雄先生です。こちらも断食療法を採り入れ、期待以上の好結果を得て、世界中で反響を呼びました。断食で予想以上のヒ素が尿として排出されたのです。

 11月14日は「世界糖尿病デー」です。食べ過ぎ、肥満を戒める日です。
 小生は昨年の11月14日に1日断食に再度チャレンジしました。今年は遠慮しときますが、皆さんも断食をなさってみませんか。そして、今冬は、冬やせに挑戦してみてください。毒だしができて、健康を取り戻せますよ。そう言う小生も冬やせするよう、今から腹八分にせにゃいかんですね。
   

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朝食有害論の歴史的推移=皆が健康な時代は古今東西「朝食抜き」

2011年04月10日 | 朝食抜き・断食で健康

朝食有害論の歴史的推移=皆が健康な時代は古今東西「朝食抜き」

 古代、中世は、朝食抜きの1日2食が世界中で主流になっていて、現代でも一部地域ではそのような食生活になっています。そうした中で、いつの時代にも、1日3食となった時期がありました。それは、平和で豊かな時代となったとき、栄華を極めた階層の人たちです。そして、近代に入ると、総体に豊かになり、下層階級までが、軽い朝食を摂るようになり、順次1日3食が定着してきました。これが、1日の食事回数の世界的な傾向です。

*古文書に現れる最初の1日3食は古代ギリシャですが、ここでは朝食の害を著したものは見付かっていないようです。ただし、時々断食し、体調の改善を図ったようです。
 古代ローマ帝国は栄華を極めたのですが、1日2食で通しました。ただし、グルメ文化が花開き、ご馳走をたいらげたら、それを吐き戻して、また別のご馳走に舌鼓を打つという、とんでもない食文化を持っていました。
 中世に入って、イギリスでは、15世紀中頃に、ヨーク后妃が“朝、気を晴らされるために何かを摂られたという。”という記述が最初の記録で、これが順次広まり、16世紀中頃には、貴族の間で贅沢な朝食が摂られるようになりました。しかし、生活習慣病が蔓延したことにより、これは朝食に原因ありとして、簡素な食事に落ち着きました。
 フランスも同様な傾向にあって、16世紀の国王・アンリ3世は、侍医から1日2食の節制を課されていました。そして、「国王が朝食を摂る国よ、汝災いなるかな。」という格言が生まれました。
(以上*の段落は、渡辺正著「朝食をやめて健康になる」(光文社:知恵の森文庫)の中で紹介されているダーシー・パワー著「医学史の基礎」からの抜粋を孫引きして、その要旨を記載し、一部、小生が補足。)

朝食有害論が学術的に登場したのは、約100年前のウエーバー著「人間の健康」のようで、その中で次のように述べられています。
 「正午前には食事は摂らない方が良い。1日1回ないし多くとも2回の食事で満足すること。太陽が頂点に達するまでの朝の時間は、余剰物質を生体から取り除くために最も適した時刻である。もし、このとき朝食を摂ると、尿中には何ら余剰物の排泄の痕跡が見出されないであろう。朝食は単に習慣の問題に過ぎないのであって、いったん自らこの習慣を破ってしまえば、決して戻ってくることはない。」
(これを科学的に証明したのが、西勝造氏で、氏が行われた臨床データが掲載されています。それを、かいつまんで紹介しましょう。)
 ウエーバーが言う余剰物質、つまり毒素(指標としてインドール)の排出量は、朝食抜き1日2食の場合を100とすると、1日3食の場合は75に過ぎない。なお、昼食抜きの1日2食の場合は66と酷いものとなる。理想的なのは、昼下がりの1日1食で、この場合は、127と、排出効果が高いものとなる。
(以上*の段落は、昭和24年西勝造著、改題:早乙女勝元「原本:西式健康読本」(昭和54年:農文協)からの抜粋要旨)

 西勝造氏は、こうした臨床データや実体験そして患者の治療を通して、朝食がいかに有害かを同著で論じておられます。
 この「西式健康法」を、戦後において医療現場で実行しておられる医師が、何人かお見えで、前述の渡辺正氏や甲田光雄氏東茂由著、監修:甲田光雄「長生きしたければ朝食を抜きなさい」(河出書房新社)がおすすめ本。なお、甲田光雄氏は、朝食抜きの他に極端な少食または断食をすすめておられ、その著「断食療法50年で見えてきたもの」(春秋社)がおすすめ本。)す。
 その中で、渡辺正氏が行われた興味ある実験を一つ紹介しましょう。

*当時(昭和30年頃)、私は庄内地方の遊佐という町の農民たちの生活改善指導を行い、朝食を止めるよう説いたのですが、これはなかなか受け入れられませんでした。
 当時の農村は、機械化されておらず、重労働でしたから、皆、3食腹一杯食べます。
 「朝飯抜きでは、とても持ちませんよ。」と、採りあってくれません。
 「ごもっともだけど、朝飯を食べないと胃腸が休むことができるんですよ。皆さんは仕事に疲れると休むでしょ。手足を休め、休息しますよね。それと同じで、朝は水だけ飲んで、午前中に何も食べなければ、胃腸はその間十分に休めて丈夫になるんですよ。」と、根気よく説得を続けて、やっと何人かが実行に踏み切ってくれたのです。
 その人達は、10日から2週間くらいまでは、「とても腹が減ってダメだわ。」と、音を上げかけましたが、「もうちょっと、3週間続けると、腹が落ち着いてきて、フラフラしなくなりますよ。」と、励まし、続けてもらったら、3週間を過ぎる頃には、全員、私の言ったとおりになったのです。
 「いやー、先生、食べなくても平気だぞ。お腹の調子がとてもいい。」と、全員が驚きの声をあげました。そして、朝食を食べた人と一緒に農作業をすると、疲労が来ないということもあって、周囲の人達の理解も得ることができました。
 その結果、最も効果がはっきり現れたのが胃腸病で、慢性の胃腸病が治ったのです。
 朝食を摂って直ぐに働き始めると、血液は筋肉に回って、胃腸は少ない血液で消化せねばなりません。オーバーワークです。消化液の分泌が不十分であったり、胃酸のバランスが崩れたりで、消化不良や慢性胃炎になりやすいのです。
 それが、午前中、何も食べないと、胃腸が休養できる時間が約6時間増えます。この間に、衰えていた消化機能は活力を取り戻し、炎症も消えるのです。
 また、下痢や便秘にも効果てき面でした。
 一方、胃腸が休んでいる間、筋肉は十分な血液配分を受けて、力一杯活動できます。 よって、農作業をしても
、疲労が来ないのです。  
 集落のピクニックで山登りをした際、朝食を摂った組と朝食抜きの組と、どちらが疲れるかをみてみました。予想どおりの結果が出ました。
 これにより、農家の人達は、「朝食抜きの2食」に賛成し、実行する人が増えたのです。
(以上*の段落は、渡辺正著「朝食をやめて健康になる」(光文社:知恵の森文庫)からの抜粋要旨

 次に、朝食有害論を胃ガンの発生率から展開されたのが、元・(財)労働科学研究所長の小山内博氏で、これは昭和40年代の発見です。
*当時(今でも)胃ガンの発生率は、日本は欧米の10倍近い高率になっており、突出していました。 そこで、盛んに胃ガンの“犯人探し”が行われました。諸説が登場しては消え、そうした中で、奈良県の林業労働者に胃ガンが多いことが分かり、その彼らは、“熱い茶粥”を主に食べていましたから、“熱いもの”犯人説が登場しました。
 これも、従前のノコギリによる伐採からチェーンソーに変わったことにより、胃ガンの発生率が平均並に落ち着き、この説も立ち消えになってしまいました。
 しばらくして、チェーンソーによる白ろう病が発生し、その調査を進める中で、私は、「ノコギリ・茶粥・胃ガン」の関連を発見したのです。
 彼らは、以前は、茶粥を食べてノコギリを引き、また茶粥を食べる、を繰り返していて、少なくとも1日に40杯の茶粥を食べていたと言います。
 そうなると、茶粥が胃に入って胃から消化液と胃酸が出た途端に、筋肉に大量の血液が回されてしまいますから、胃には血液が回って来ず、消化不良になるのは元より
胃壁が荒れます。これが繰り返されれば、消化性潰瘍になり、胃ガンへ進む危険性が高まることでしょう。そして、ノコギリがチェーンソーに変われば、筋肉に集中していた血液が胃にも回ってきて、胃のダメージが弱まり、胃ガンも減ってきたと解されるのです。
 ここで、連想されるのが、日本人に胃ガンが欧米の10倍近くも高い理由です。
 食後直ぐに働き始めるという、働き蜂の習性です。昼食後は、通常、どれだけかの休憩を取りますからまだ良いとして、問題は朝食です。日本人ほどしっかり朝食を食べる民族は珍しく、かつ、あわただしく十分噛まずに飲み込み、直ぐに家を飛び出し、通勤・通学で早速筋肉運動を始めます。こうなれば、もうお分かりでしょう。
 “親が死んでも食休み”という諺に従わない限り、胃の健康は保てないのです。
 また、腸炎が多いのも日本人の特徴で、これは、せっかちな食べ方をしたり、食後直ぐに活動すると、胃酸の出方が不十分となり、バクテリアが胃酸で殺されずに腸に送り込まれてしまうからです。
 これは、小中学生に結構多く、朝礼で倒れる起立障害がよく発生します。
 原因は、“朝食を抜いたから腹ペコで倒れた”ということにされていますが、私の調べた限り、潜在的にあった腸炎が悪化し、脳貧血で倒れたというものでした。その子供たちは、ほとんど全員が朝食を摂っていて、たまたまその日は腸炎で食欲がなく、朝食抜きで登校し、朝礼で倒れたという羽目になったのでしょう。その現象だけを捉えて“朝食抜きは体に悪い”とされてしまっているのです。
 これでは、子供が可哀想です。何も朝の忙しい時に食事を摂らなくても飢え死にしません。夕食をゆっくり摂らせてあげればよいのです。そうすれば、胃も腸も、そして内臓全体が元気になり、健康になれるのです。
(以上*の段落は、小山内博著「生活習慣病に克つ新常識」(新潮新書)からの抜粋要旨)

 3つ目に、これで最後にしますが、食生態学からのアプローチによって、昭和50年代に朝食有害論を展開されたのが、西丸震哉氏です。
*自然界では、餌の量は、良くてギリギリ、通常は不足するのが当たり前。
 人間ないし動物の生きる姿を生体維持の観点から眺めれば、
   休息ーー興奮ーー労働ーー食事ーー休息
という順序で事が進行し、この方式で少なくとも1千万年が経過した。このくらいの時間があると、動物の生理機構は、この順序どおりに進行するときにうまく機能するように適応させられていて、順序を変えると調子が狂い、生理機構が乱れ、天寿を全うできない。
 身体を生活の糧とする力士は、この順序どおりにしないと調子が狂う。夜は、休息であり、朝、たたき起こされてビックリという興奮を味わい、直ぐに稽古という労働が始まり、それが終わると食事が摂れ、その後、昼寝の休息時間となる。理にかなっている。
 ところで、先の順序は理想型であって、餌にありつけないことも多く、
   休息ーー興奮ーー労働ーー[食事×]ーー休息
という失敗型を常時体験していたから、この型も生理機構は正常として組み込まれていると考えて良い。丸1日絶食しても、どってことないのである。
 人間の原始社会では1日にどちらかの型を1回まわり取っただけであったが、農耕社会に入ると理想型が安定して取れるようになり、歴史時代になって分業化社会になると生活に余裕が出てきて、これを2回まわり取ることができるようになった。つまり、昼食と夕食の2食を摂るようになったのである。
 平和で豊かになると、さらに生活にゆとりが出てきて、今は、1日3食摂るのが普通になっている。1日に3回まわり理想型が取れれば、それで良いであろうが、はたして、その順序どおりに行っているか疑問である。特に、第1クールに問題がある。
 休息(睡眠)-興奮(目覚時計)-[労働×]-食事(朝食)ー[休息×]-労働(出勤)
 これでは、順序がメチャメチャで生理機構に合わず、体調を崩すのは当たり前である。   
 ここは、失敗型を採用して、朝食抜きにするしかない。
 なお、歴史的にみて、1日3食摂るようになったのは、ごく最近のことであり、1日2食へ戻すことによって、より生理機構に合う方向へ修正すべきであり、できることなら、1日1食ときどき断食して、生理機構を正常化すべきである。
(以上*の段落は、西丸震哉著「食生態学入門」(角川選書)からの抜粋要旨)

 ここまで長々と朝食有害論を展開してきましたが、幾つもの朝食有害論が登場してきている一方で、それを大きく上回る、数多くの朝食有益論が存在するのも事実です。
 相反する2つの論が、にぎやかしく対立している今日の日本。これは、朝食をしっかりと摂る日本に特有のもののようでして、皆さんには、どのように感じられましょうか。
 小生は、7年前に、朝食有害論は絶対的に正しいものであると確信するに至り、当店の健康新聞で、お客様に朝食抜き健康法をお勧めしたら、何と、総スカンを食ってしまい、あわや店の信用を失うところでした。それほどまでに“朝食信仰”は根深く、そして、“聞く耳持たん”という方がいかに多いかに、ビックリされられました。“宗教とは怖いものだなあ”ということを、一見無関係な、こんな面から、つくづく思い知らされた次第です。
 小生も、最初に朝食有害論に接したときは、ビックリ仰天し、にわかには信じられませんでしたが、やはり、その論は正しいと”改宗”するに至った、その経緯を最後に紹介させていただいて、本稿を閉じることにします。
 今回も、お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

 小生は、朝食有害論を唱える渡辺正氏の著書に最初に触れたとき、大いに興味を引かれたものの、今まで自分が正しいと思っていたことと真逆の論であり、これは単なる一つの説として捉え、距離を置くことにしました。でも、気になって、頭から離れず、はたして、これは嘘か真か、その真偽のほどを確かめたくなり、文献をあさり始めました。
 ここで注意せねばならないことは、西式健康“学派”とは異なる論点から朝食有害論を唱えている方を探し出すことです。
 そして、ここに紹介しました小山内博氏を知り、また、西丸震哉氏を知りました。ご両人とも、西式健康“学派”ではなく、違った観点からアプローチされ、同じ結論に到達されています。これで、観念的には納得しました。
 しかし、実体験して確かめねば、真であるかどうか確かなことは言えません。特に、真逆の論の場合は、どちらかに巧妙に罠が仕掛けられていることが多く、これは必須でして、容易に実験可能な事柄ですから、早速取り掛かることにしました。
 そこで、まずは、朝食抜きの食生活を1年以上続け、次に、1日1食(夕食のみ)とし、これも1年以上続け、最後に、1日ときどき断食まで持って行きました。
 臨床実験は、1人でやるよりも2人でやった方が良いに決まっていますから、女房を説得し、付き合わせることにしました。
 ここで問題になるのは、空腹感との戦いですが、当時、店はけっこう忙しく、遅い夕食を摂っていましたから、空腹に耐える能力をかなり備えていて、乗り切ることができました。
 その結果、どうなったかと言いますと、小生は、すこぶる体調が良くなり、頭も冴えわたり、驚くことに風邪を引かなくなりました。免疫力まで大幅にアップしたのです。
 女房はというと、残念ながら顕著な効果は認めらなかったものの、体調がどれだけかは良くなったのは確かでして、今でも朝食抜きを続けています。ただし、1日1食は辛いようでして、数年前から、女房はごく軽い昼食を摂っています。
 小山内博氏も、還暦近くなってからはそうされており、これが自然かもしれません。
 還暦を過ぎた小生も、付き合いで昼食を摂ることがありますが、食べたいという欲求が出ることはなく、また、昼食後はやる気が失せてしまいますから、当面1日1食を
続けることになるでしょうし、また、そうしたいです。
 と言いますのは、何と言っても、仕事の段取りが合理的に出来るようになり、作業効率が非常にアップしたからです。1日のど真ん中での、昼食・休息による仕事の断絶をゼロにできますから、これほどスムーズに仕事をこなせる方法は他にありません。最も、休憩なしの連続作業はきついですから、どこか仕事が一区切り付いたところで小休止を入れていますが。おかげで、睡眠時間をたっぷり取ることができるようになりました。
 なお、1泊旅行に行ったときには、小生も女房も、朝食は食べたくないのですが、断るのもなんですから、無理やり食べるしかなく、食後1、2時間は、十分に休息することにしています。その日は、当然にして、2人とも、昼食抜きで、夕食も軽いものに止めています。これは、体が、そのようにしか反応しなくなっているからです。
 こうした臨床実験の結果や、体内での血液の流れに関する知見などから、朝食有害論は
絶対的に正しいものである、と確信するに至ったのです。
 ただし、口の卑しさは相変わらずのものがあり、“旨いものを食いてえ~!”という食欲煩悩は、1日3食であった頃と変わりません。それどころか、味覚感覚が鋭くなったのか、より食い意地が張ってきたようでもあり、1日断食するときには、相当の覚悟が要り、仕事に一心不乱になるしか気の紛らせようがない苦しい状態に置かされます。
 口の卑しさ、食欲煩悩、食い意地といったものの高まりを、冷静に捉えてみると、これは、日本が平和で豊かな社会にあるからこそ生まれ出るのであって、この世に生を受けていることに深く感謝せねばならないのでしょうね。

(追記:2012.9.21)
 本稿においては、1日2食から1日3食への変遷を中心にみてきましたが、1日1食から1日2食への移り変わりについては、西丸震哉氏の主張を少し取り上げただけです。
 ところが、1日1食から1日2食にすることの問題も発生していることが分かりました。
 これは最近知ったのですが、約2000年前に編纂された中国の基本古典医学書「黄帝内経素問」に、当時の支配階層が1日1食から1日2食にしたことによる胃腸病の発生とその治療法が記載されているのです。その内容については、小生の別立てブログで書きましたので、ご一読ください。→ http://miyake-2.blog.so-net.ne.jp/2012-09-20

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叩かれ続ける“朝食有害論”。そのわけは、畜産、食品製造、外食などの産業そして医者が儲けたいがため。

2011年04月08日 | 朝食抜き・断食で健康

叩かれ続ける“朝食有害論”。そのわけは、畜産、食品製造、外食などの産業そして医者が儲けたいがため。

 昨年11月19日に、食欲の秋の飽食を戒めるため、「朝食抜き、1日2食で健康!」と題して記事を書きました。その焼き直しの感が拭えませんが、春は1年で最も少食とすべき季節ですので、あらためて記事にすることにしました。今回は、かなりの長文となり、お時間を取らせて恐縮に存じますが、最後までお付き合いいただけたら有り難いです。
 なお、本稿は、これまた長文の「 朝食有害論の歴史的推移 」とセットになった記事で、併せてご覧いただけると幸いです。

 さて、健康づくりのために、“朝食をしっかり摂ろう”というキャンペーンが国を挙げて取り組まれているのは、世界広しと言えども、日本だけでしょう。
 いや、イスラエルでは朝食をしっかり食べているよ、という声がありますが、
確かに何事にも例外があるのでして、イスラエルのユダヤ人はそのようです。
 でも、これは、置かれている立場の特殊性にあります。彼らは、長く流浪の民を経験していますから、気が休まることがなく、よって、次の食事が全く保障されておらず、食べられるときに食べておかねばならないという食文化があるからです。
 さらに、アメリカ人もたくさん朝食を食べるよ、という声もあります。
 これもアメリカ人の特殊性によります。彼らの歴史を見てみれば明らかなことで、欧州からの飢餓難民で建国され、つい最近まで開拓また開拓で働き続けていましたから、食べて食べて食べ捲くるという食文化が定着してしまっているからです。
 この両国とも、日本とは違って、決して、健康になるために“朝食をしっかり摂ろう”というのではありません。“健康に良くないことは薄々知ってはいるが、昔からそうしてきているから、口の卑しさも手伝って、つい朝食をしっかり摂ってしまう”といったところでしょう。

 古代から中世にわたり、欧州では、何度か朝食文化が花開きました。
 太平な世となった江戸時代の武士や江戸町人(遅れて大坂町人も)に、朝食文化が生まれたのと、状況は類似しています。
 でも、欧州では、朝食をしっかり摂ったのは支配階層だけでした。そして、彼らに生活習慣病が蔓延したものですから、“帝王病”などと呼ばれ、原因は朝食にあることを誰もが知っていたのです。よって、戦乱の世ともなると、豪華な朝食文化は廃れていったようです。
 こうしたことから、今日でも、欧州では朝食はごく簡単なもので済ませています。欧州旅行を経験なさった方は、ホテルの朝食の酷さにびっくりされたでしょう。

 一方、日本の事情は大きく異なります。
 明治維新の頃、農民はまだ1日2食でした。朝食は摂らなかったのです。
 それが、倒幕のために軍隊が編成され、一部の農民も兵隊になっていきます。武士は1日3食でしたから、兵隊になった農民も1日3食になります。明治に入ると、富国強兵政策のもと、農民から兵隊の募集が行われ、売り言葉は、「1日3度白い飯が食え、嫁さんがもらえる」でした。こうして、全国各地の駐屯所が1日3食となりました。
 ここからは推測ですが、“兵隊は、1日3食摂ることによって強兵となる。腹が減っては、戦が出来ぬと言うではないか”と庶民は思ったのではないでしょうか。
 そして、任期を終えて除隊した者は、軍隊生活の1日3食の食習慣が恋しく、口の卑しさから1日2食に戻すのが辛くて朝食を要求し、その家では1日3食となり、これが瞬く間に全国各地の家々に伝播していったのではないでしょうか。
 いずれにしても、明治中期には、全国的に、どこもかも皆、1日3食の食生活になってしまったと思われます。

 ここで、心配されるのは、過去に欧州で起きた帝王病つまり生活習慣病ですが、日本では、これは違った形で発生したがために、覆い隠されてしまったと考えて良いでしょう。
 日本における1日3食は、通常、雑穀米から白米への切り替えと同時に行われましたから、発生した生活習慣病は、“脚気”
でした。既に、江戸時代に“江戸患い”と言う言葉が登場したほどです。しかし、これは、麦飯にすることによって防がれ、海軍は早くから、陸軍は大きく遅れて日露戦争後に導入しました。
 一方、農民や下層商人は、雑穀米の1日3食で、朝食は冷飯に味噌汁(冬季は雑炊)程度のものを軽く摂っていただけと思われ、生活習慣病は軽微なものとなり、“白い飯”は祭り事でもないと口に出来ませんでしたから、これは見過ごされてしまったのです。

 実は、このときから、日本人の“胃弱”が始まっています。朝食をしっかり摂るようになると、より“胃弱”になります。今日の日本人ほどに“胃弱”な民族はいません。
 “胃弱”は、検査データに出ないのですが、胃酸の出が悪くなるのです。
 これは、コレラ感染が如実に証明しています。東南アジアなどで日本人がコレラ感染することが多々あるのですが、現地の人や欧米人は感染すれど発病しないことが多いのです。胃酸に弱いコレラ菌ですから、日本人以外は、たいてい胃の中でコレラ菌がほとんど死滅してしまうからです。ところで、朝食文化を持つイスラエル人やアメリカ人は、どうかと言うと、彼らは、まだまだ胃酸が十分に出ているようで、コレラ菌に強いです。日本人に特有のあまりの胃酸の出の悪さについては、2段落下で述べることにします。

 1日3食の食文化が定着すれば、順次、豪華な朝食になり、多食するようになります。
 これは、世代にまたがって、ゆっくり進行しますから、“胃弱”になったことに全く気が付きません。逆に、胃が丈夫な人は、特異体質のオバケ扱いされるようになります。
 
生活習慣病の最悪の事例は、飲料水で起きました。紀元前のイタリア・古代都市ポンペイです。高度な科学技術により、家々に水道管を引き回し、蛇口が付けられ、居ながらにして水が飲めるようにしたのです。その配管を鉛で作ったものですから、全員が軽い鉛中毒になってしまったのです。1世代では障害が出なくても、子の世代、孫の世代となると、中毒症状が出てきます。ポンペイの末期には、住民は皆、背が低く、短命であったとのことです。きっと、体が重だるく、貧血症であったことでしょうが、皆がそうであれば、それが当たり前になってしまい、決して病に侵されているとは考えなかったことでしょう。
 特に“体の重だるさ”というものは、これが継続すると、感覚が麻痺してしまい、“自分は普通に健康だ”と、錯覚するようになります。
 そして、健常者に対しては、“あの人は、実に小まめによく動くな。あれは性分だ。”と、勘違いしてしまいます。たしかに性分もありましょうが、いつも無意識的に立ち上がって行動に移せるのか、“よっこらしょ”と重い腰を上げなければ行動に移れないのか、どちらなのかを思い起こしてみれば、“体の重だるさ”の程度は客観的に判定できるでしょう。

 さて、今日の日本では、戦後の高度成長に伴って、ますます“胃弱”が進んでいます。動物性たんぱく質と油脂をとんでもない量(それぞれ戦前の約20倍)摂取するようになったものですから、胃に負担が掛かり過ぎ、胃が悲鳴を挙げていると考えて良いでしょう。
 欧米人に近い食生活になったのは、まだ半世紀にもなっていません。ある調査では、日本人の胃袋の厚さは、ドイツ人のそれの3分の1しかないとあります。肉食文化の歴史が長いゲルマン人は、たんぱく質を消化する役割を担っている胃が発達していますから、胃が丈夫に出来ていて、胃酸の分泌も盛んと考えられるのです。
 ですから、多くの人が、朝は、胃が重だるく・・・この感覚を失っている人も多い・・・食べたいとは思わなくても、“朝食抜きは健康に悪い”と言われているから、無理して食べようとし、この悪循環で、どうしようもない“胃弱”になってしまっているのです。
 そして、この“胃弱”の原因は、ストレス社会にあると、見当はずれな見解が闊歩しているのですから、何ともならないのです。

 こうして、日本では、1日3食の弊害は覆い隠され、華やかな朝食文化が定着し切ってしまっています。そして、朝食は日本食のこともありましょうが、戦後順次アメリカナイズされて洋食化し、パン、マーガリン、牛乳、ハムという、戦前にはなかったものが普及していきます。これらは、今では大きな産業となっています。加えて、朝食に狙いを定めた外食産業も発展してきました。特に、旅館・ホテルともなると、その朝食は、夕食と見間違えるほどに豪華さを競い合い、これがグルメだと、もてはやされるほどになっています。

 近年、物質文明の豊かさから飽食が限度を超えてしまい、あまりの生活習慣病の蔓延から、1日3食を止めて1日2食に戻す、つまり、朝食を止めるべきとの医学者の主張が数多く登場してきているものの、もう、後戻りできないほどに朝食関連産業が大きく発展してしまっている状態にありますから、軌道修正が極めて困難になっています。
 加えて、政府官僚の保守体質から、一度決めた朝食推進キャンペーンの旗を自ら降ろすことは決してありません。これに、利権が絡んだ政治家も同調します。

 もし、“朝食有害論”を採択したら、どうなるでしょうか。
 小麦製粉業、パン製造業、マーガリン製造業、そして何よりも畜産業とその関連産業が大ダメージを受けます。外食産業や旅館・ホテル業も同様です。
 倒産続出、農地の荒廃。何よりも、経済の萎縮です。無関係の業態へも大きな影響を与えます。当然に景気は後退し、失業者が街にあふれ、時の政権も倒れるでしょう。
 日本国民全員、誰も喜ぶものはいません。たとえ健康が取り戻せたとしても、仕事を失っては元も子もないですから。なお、一番困るのは医者です。ダブルで損することになりますからね。
 よって、頭脳明晰なる政府官僚は、“朝食有害論”が正しいと知っていても、これを採択することは永遠にありえないのです。
 なお、資本主義経済の特徴は、一言で言えば無駄で成り立っているのですから、万一政府官僚が動こうとしても、それは絶対的に不可能です。

 ここまで大きく発達し切った資本主義経済というものは、“魔物”とでも言うべき生き物でして、この生き物の好むようにしか、世の中は回らなくなってしまっている感がします。
 その“魔物”には、数多くの尖兵がいて、これは“御用学者”と呼ばれていますが、“朝食有害論”に対しても、総力を挙げて潰しに掛かってきます。
 それを側面的に支援しているのが政府官僚ということになるのでして、日本国民には、正しい情報はアンダーグラウンドからしか入ってこないのが実情です。

 何が“真に正しい情報”か。たとえ、言論の自由が保障されていても、資本主義経済にとって都合の悪い情報はことごとく潰されていくということを重々承知の上で、取捨選択するしかないです。念のため、ここでお断りしておきますが、共産主義の計画経済が良いと言っているのではありません。中国や北朝鮮を見ておれば明らかなことで、そんなものを取り入れたら、とんでもないことになりますからね。

 こうしたことから、このブログは、努めて“健康に関する真に正しいアングラ情報”を提供していきたいと考えています。ご期待ください。

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不謹慎ですが、被災は断食のチャンス

2011年03月25日 | 朝食抜き・断食で健康

不謹慎ですが、被災は断食のチャンス

 三陸沖の巨大地震で被災された方々は、とんでもない禍をもろに受けられ、悲しみに打ちひしがれておられることでしょう。謹んでお見舞い申し上げます。
 
あまりにもお気の毒で、被災しなかった小生は、今の自分の幸せをしみじみと感じています。そうしたことから、出来る限り可能な支援をさせていただこうと思っていますし、毎日の生活において、現地で不足する物資は極力買わないようにしています。
 
たいした力にはなりませんが、それでお許しいただきたく存じます。

 “禍を転じて福と為す”という諺があります。
 被災された方々におかれましては、何ごとも前向きにお考えいただき、この大災害を乗り切っていただきたいです。
 小生は薬屋をやっておりますが、生活習慣病を抱えたお客様には、常日頃、少食、そして可能ならばミニ断食をお勧めしています。
 “食い物が底をついている上に、救援物資が来ない”という“禍”の状態に落とし込められているときに、このようなことを言うのは、不謹慎極まりないことを承知しつつも、何か一つでも前向きに捉えていただき、これを“福”と転じていただければと思い、記事にさせていただきました。

 さて、動物界においては、春は断食の季節です。昨秋に野山で植物がもたらしてくれた豊穣も冬には底を突き、春は、少々芽吹いた草や木の芽を食べるしかありません。
 少食を余儀なくされます。冷たい雨が降ればどこかで雨宿りし、その日は断食です。
 体に蓄えた脂肪を燃焼させて、日々のエネルギーにします。
 そして、このとき、体中の毒素を排出し、イキイキとした体を取り戻すのです。
 ヒトも動物で、春になると、生体反応は、そのようになります。
 解毒の仕事は肝臓が担っていますから、春には、肝臓の働きが強まります。
 中医学(漢方)では、その長年の経験から、「春は肝の季節」としています。

 ところで、肝臓の仕事は、真っ先に、胃腸で消化吸収された栄養を再分解・再合成することにあるのですが、これが連日大量に捌かねばならないとなると、解毒がお留守になりがちですし、また、余った栄養を肝臓で蓄えざるを得なくなり、脂肪肝となって、肝臓全体の働きを鈍らせます。
 こうした飽食生活を続けていますと、肝臓が酷使されて弱り、それが高ずれば、やがて肝臓の病気へと進展します。
 今日の日本人は、こうした傾向にある方がたいへん多いです。
 よって、春は少食にし、肝臓への負担を軽減させてやり、この時期の肝臓の最大の役割である解毒が円滑に進められるよう、配慮する必要が大です。

 日本人が1日3食取るようになった歴史は浅く、戦国時代までは、上から下まで1日2食で、朝食は取りませんでした。江戸時代に“太平の世”になって、武士や江戸町人が朝食を食べるようになりましたが、一般庶民は、明治初期まで、1日2食を通しました。
 朝起きて、水を飲むだけで午前中いっぱい力仕事をしたのです。
 室町時代や幕末・明治初期に日本を訪れた欧米人は皆、日本人庶民のあまりの健康さに驚きを上げ、その様を本国へ報告しています。
 その健康の源は、日本食の内容にもありますが、1日2食を通し、毎日、ミニ断食を行っていたことが大きな要因であったと思われるのです。
 なお、武士、これは鎌倉時代からですが、出陣に当たっては、梅干を食べるだけで、食事は取りませんでした。空腹であって、はじめて戦ができるのです。
 
これは、現代でも行われています。プロレスラーの力道山は試合の当日は食事を取りませんでしたし、最近ではスピード・スケートの清水宏保はレースの数時間前には食事を終え、空腹状態で臨んだなど、ミニ断食してこそ、はじめて人は活動的になれるのです。
 ちなみに、野生のライオンは、通常は1週間に1食で、獲物を食べた後、数日経って空腹状態になってから狩りを始め、2、3日獲物を追いかけて、やっと食事にありつけるという生活をしています。

 人も、2、3日断食をすると、非常に健康体になれるのですが、突然行うと、あまりの変化に生体が着いて行けませんから、体調を崩しやすいです。
 小生も、そうしたことから、1日断食しかやっていないのですが、最大の注意点は、復食にあります。いきなり通常食にすると胃腸を壊すことになります。
 よって、1日断食するに当たっても、復食は、肉は取らず野菜を中心にしたものとし、腹五分に抑えています。また、よく噛んで胃に負担をかけないようにしています。
 なお、小生は1日1食(夕食のみ)を10年近く続けており、1日断食するときは、前日もそのような食事とし、実質上は3日程度の準断食になります。
 こうすると、体調を壊すことなく、断食中に畑仕事も難なくこなせます。
 よって、被災地の皆様も、救援物資の食料が大量に入荷したとしても、その日は、消化に良いものを少量だけ食べるに止めてください。

 さて、被災者の皆さんは、被災のストレスから、胃が荒れていることが多いでしょう。
 消化に悪いものは、確実に胃を痛めます。ゆっくりとよく噛んでお召し上がりなさってください。目安として、1口30回噛むのが良いとされています。

 次に、中医学(漢方)では、先ほど申しましたように、春は肝の季節でして、肝臓の働きが高くなります。よって、中医学の“味学”からは、この時期、肝臓に良い酸味を補いたいです。ただし、酸味が強いと胃を荒らしますから、胃に良い甘味が欲しいです。
 これにぴったりなのが、「梅干入りのおにぎり」です。ご飯をよく噛めば甘味が生じますから、酸味に甘味が加えられるからです。そして、適度な塩味・・・これは腎臓に良い・・・もあります。欲を言えば、苦味・・・これは心臓に良い・・・を添えると理想的ですが、食材が限られているでしょうから、苦味健胃薬を1粒でもなめていただけると良いです。なお、お子さんは、胃も心臓も丈夫ですから、苦味は不要です。
 肝臓の働きを円滑にするために避けねばならないのが、肝臓が嫌う辛味です。もっとも、辛味は肺に良いですから、ゼロにする必要はありませんが。
 
よって、春の避難生活では、カレーライスは、なるべく避けたいです。もし、カレーしかないとなったら、薄めに調理していただきたいです。
 中医学では、こうした五味のバランスを重視します。季節ごとの五味のバランスにより、健康な体が作られていくことが分かっているからです。(詳細については、このブログのカテゴリー「漢方栄養学」の記事を、また、春以降の五味については、順次、このブログで取り上げます。)

 まともな食材がない避難生活で、漢方の五味のバランスを取るのも、絶対量を確保するのも、大変でしょうが、この“禍”は、少食による健康増進と、酸味で肝臓を生き返らせる絶好の機会でして、これが復興時には、きっと“福”に転じることでしょう。

 また、被災を免れた地域の方も、被災地の方々の食生活を頭に思い浮かべながら、贅沢もほどほどにし、この際、少食と酸味を意識した食生活を取り入れ、春の健康増進そして夏の健康飛躍を目指してください。(なお、少食健康法については、このブログのカテゴリー「朝食抜き・断食で健康」の各記事をご覧ください。)

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朝食抜き、1日2食で健康!昔は皆がこれで驚くほど元気だったんですがねえ…

2010年11月19日 | 朝食抜き・断食で健康

朝食抜き、1日2食で健康!昔は皆がこれで驚くほど元気だったんですがねえ…
(最新更新 2014.10.15)

 厚生労働省、文部科学省、農水省ともに、「1日3食しっかり食べましょう。朝食抜きは、健康を害する。」と、一大キャンペーンを張っています。我が国の大半の栄養学者、医学者も同様です。国民の大多数がこれを宗教のごとく信じ込んでいるから、恐ろしいです。

 *小学校の朝礼で倒れるのは、朝食欠食児童が大半というデータがある。
 *大学生に、朝食を取ったグループと朝食欠食のグループに分け、試験の成績を比較
  したら、朝食を取ったグループが好成績であった。

 こうした、1日3食を信奉させるのに都合の良い調査結果が、いくつも発表されています。しかし、前者ついては、荒れた家庭であって、夕食はコンビニ弁当にカップラーメンといった偏った栄養がために体力が落ちているのが本質的な原因でしょう。また、後者については、普段朝食を取っている学生に朝食抜きで登校させての試験比較のことが多く、試験中に空腹感に襲われて、試験に集中できなかったがためのことです。

 朝食有害説を唱えられている渡辺正さんは、「朝食をやめて健康になる」(光文社 知恵の森文庫)の中で、こうした調査が無意味なことを分かりやすく解説してみえます。
 540円の本ですから、一度お読みになるのをお勧めします。
 この本を中心にして、要点を説明しましょう。

 まず、「1日3食しっかり食べましょう。」というキャンペーンを張っているのは、日本だけのようです。西欧諸国では、朝食が有害であることを皆が知っています。西欧へ旅行された方は、ホテルの朝食のみすぼらしさに閉口されたでしょう。西欧人は、口寂しさに、ちょっと摘むだけにしているからです。
 日本においても、徳川政権が安定する前までは、天皇・将軍から庶民まで、完全に1日2食でした。もっとも坊主だけは、朝がゆを食べていたようですが。
 少々朝食を口にするキリスト教の宣教師が安土桃山時代に日本を訪れたとき、日本人の「異常な健康さ」に驚嘆していますし、明治初期に訪れた西欧の技術指導者たちも、同様な感想を本国に送っています。
 朝、水だけ飲んで重労働を昼まで続けて、平気な顔をしていたのです。
 これが、朝食有害説の大きな根拠の一つになっています。

 1日3食は、徳川政権が安定したのち、武家社会に広まり、ついで豊かになった江戸町人ついで大坂町人に広がったのですが、地方の町人や百姓は1日2食を明治初期まで続けました。
 なお、武家や江戸町人は、1日3食と合わせて、白米を多食したがために「江戸患い」という「脚気」で健康を害した人が多く出ました。これは、大坂町人も同様です。
 日本中が1日3食になったのは、明治政府が富国強兵政策を取り、兵隊に1日3食をさせ、除隊した兵隊によって、これが瞬く間に全国に広がったようです。
 幸い、その時代の朝食は、動物性タンパク質が少ない質素なものであったため、目立った生活習慣病が出なかったのですが、朝食を食べてから直ぐに重労働するものですから、胃を悪くする人が大発生したようです。今日の日本人の胃弱は、ここに端を発しているようです。

 食事を取ると、消化器系統に血液が集中してしまいます。合わせて重労働もするとなると、筋肉へも大量の血液を送らねばなりません。無理に体を動かすのですから、消化器系統への血流が不十分になり、真っ先に胃が荒れてしまうのです。頭脳労働の場合は、消化器と脳が血液の取り合いをしますので、頭が冴えることは期待薄となります。食後に眠くなるのは、それが原因しています。なお、病気したときに食欲がなくなり、体を動かすのがおっくうになるのは、免疫系統へ血液が集中して送られるからです。動物は、病気したら一切飲食を断ち、じっとしています。賢いですね。
 このように、血液は、必要な系統へ集中して送られますから、同時に違う活動をすると、体を壊すことになるのです。
 野生動物を見ていれば、これがはっきりと分かります。人間の体の生理状態も野生動物と全く一緒ですから、健康を維持するには、野生動物と同じ活動様式を取るしかないのです。なお、この動物的カンを自ら働かせて好成績を収めたアスリートがいます。プロレスラーの力道山とスピードスケートの清水宏保です。彼らは、競技が始まる時刻の少なくとも数時間前には食事を済ませ、胃が空っぽで腸での消化もあらかた終わった状態で試合に臨んだのです。

 そして、今日の食生活は肉食がメインになっていますから、ここは、野生のライオンの真似した方が良いでしょう。彼らは、基本的に1週間に1食です。獲物が捕れたら、たらふく食べ、ごろごろしています。消化に専念させているのです。何日かして腹が空いたら、狩りを始めます。2、3日狩りに失敗しても、「腹が減って死にそう。」などとは感じていないでしょう。空腹感は、1週間を超えてからしか出ないのではないでしょうか。そして、消化器系統が完全に休息状態にありますから、筋肉系統に血液が十分に回り、敏速な動きが出来るに違いありません。

 この真似をしましょうと、極端なことは言いませんが、少なくとも朝食を抜いてバリバリ仕事をし、軽い昼食と食後の休憩を取って、午後もそれなりの仕事をし、夕食をゆっくり食べてゴロゴロするというのが、理にかなった食生活となりましょう。
 なお、午後もバリバリ仕事をする方は、小生のように昼食も抜いて、脳や筋肉に十分な血液が回るようにしなければなりません。
 夕食に焼き肉をたっぷり食べるのであれば、少なくとも翌日は断食するのが、当たり前でなければなりませんよ。動物性タンパク質の過食は有毒物質を体内で発生させ、これを解毒するには断食しかないのですから。ライオンも、そうして解毒しているのです。
 なお、動物園で飼育されているライオンは、1日1食で、1週間に1回、断食日を設けています。人間も、これが理想でしょうね。(それでも、空腹感が出ないのは、前々号で申し上げたとおりです。)
 以上のことから、小生は1日1食にし、時々1日断食しているのです。極めて健康体で、体がだるいと思ったことはないですし、風邪一つ引きません。
 でも、何度行っても1日断食は何かとつらいものです。これ以上健康になると困ることのほうが多いですから、もう二度と断食はしないと心に決めました。(後日追記:その後、断食のすすめを記事にした手前、年に1回は断食することにしました。それも2日断食を。)
 読者の皆さんも、機会があったら1日断食に挑戦してみてください。ただし、自分勝手に行うと体を壊しますから、テキスト甲田光雄著「家庭でできる断食療法」(創元社)を読んでから行ってください。

(2014.10.15追記:朝食抜き1日2食のやり方)
 いきなりの朝食抜きであっても比較的簡単にでき、2、3週間で体が慣れてくると言われていますが、小生がおすすめした人たちは、とても無理だと途中で棒を折ってしまうケースが多いです。
 そこで、今は次のようにアドバイスしています。これなら成功率が高くなります。
 ・まずは、朝食の中でカロリーの多いものを半分にする。腹が減っても昼食まで何も食べず、昼食はいつもの量を絶対に超えないこと。朝食後のことは以下同様。
 ・これに慣れたら、野菜なども含めて朝食の全てを更に半分にする。
 ・これにも慣れたら、完全な朝食抜きにする。ただし、梅干1個はOK(実は小生はそうしています。その理由:鎌倉武士は朝食抜き1日2食で、出陣に当たっては梅干を食べたという史実が元。)
 
<注1>胃が荒れている方が朝食抜きにすると、午前中、胃が空っぽがために胃痛・むかつきなどがひどくなることが多いです。その場合は、ほんの少し口にするなりしてよいです。あきらめることなく気長に朝食抜きに挑戦し続ければ、やがて胃も元気になってきますから、そのうちに朝食抜きが定着してきます。
<注2>コーヒー好きな小生は午前中にブラックコーヒーを2、3杯は飲みます。嗜好品はいいのだ!と勝手に考えています。100%完璧を求めなくてもいいでしょう。
<参考1>朝食抜きの上をいく「1日1食」のやり方は、朝食抜きが完全に身に着いてから、朝食の減らし方と同様にして昼食を抜いていきます。小生の場合、案外簡単にできましたから、よろしかったらチャレンジなさってみてください。
<参考2>「1日断食」は「1日1食」が完全に身に着いてから行われると体の
トラブルが少ないようですが、朝食抜きが完全に身に着いてから行ってもさして体のトラブルはなさそうです。 

 その後に投稿した関連記事(主なもの)
 2013.11.9 家庭でできる断食健康法に取り組んでみませんか
 2011.4.10 朝食有害論の歴史的推移

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