薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

食欲の秋、一度は夕食だけに(三宅薬品・生涯現役新聞No.236)

2014年09月27日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞No.236:2014年9月25日発行。
表題:食欲の秋、一度は夕食だけに
副題:中国古典医学書では「暮れ食」だけを食べると良いとのことです

食欲の秋です。飽食にお気を付けください。
以前、別立てブログ(so-net)で書いた「中国語の古典が読めた!」を元にして作成しました。紀元前の中国では1日1食の生活をしていて、1日2食にすると体調を崩したようです。

(表面) ↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。

(裏面) 瓦版のボヤキ
昨年に引き続き、今年も2日断食を行いました。その結果は…

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向精神薬の断薬・減薬に伴なう禁断症状その他心身のトラブルを減らす方法

2014年09月12日 | 心の病から脱却

向精神薬の断薬・減薬に伴なう禁断症状その他心身のトラブルを減らす方法

 向精神薬は麻薬と同列のもの、最初から飲んではならないもの、だから飲んでいる人は断薬するしかない。そもそも心の病に薬はいらない!
 内海聡著「心の病に薬はいらない!」を読んで、あらためてこれを強く感じました。
 その著の中で、向精神薬の抜き方について、内海医師は、「一気に抜くのかダラダラ抜くのか」、そのどちらがいいのかについて、次のように述べておられます。

(P.89~)私は理想的には一気に抜くのが最もいいと思っています。これは…海外にある麻薬離脱施設(※)の治療実績や経験に基づくものです。…(※ナルコノン:違法ドラッグから離脱するシステムで、一部の国では向精神薬患者にも)
 でもそれは日本では可能でしょうか? 到底無理であるというのが現実です。だから妥協案として少しずつ抜くという選択になってしまうのです。
 なぜ一気に抜くのが一番なのか。…覚醒剤やヘロインを微調整して量を減らしながら断薬しようとするでしょうか? もちろんそんなバカなことはしません。…
 そしてもう一つ重要な問題は、向精神薬を減量している時間が長くなればなるほど、自殺のリスクが高まります。これらは素人であっても思い浮かべることで、何も間違ってはいないのです。しかし一気に抜くにはハードルが高すぎるという現状があるのです。
海外にあるナルコノンなどは、ただ頑張れというだけで一気に断薬する場所ではありません。きれいな建物で、中には保護室のような場所もあり、運動スペースやサウナなどもあります。栄養学的にも考えられた食事が出て、サプリメントを何種類も使って禁断症状を緩和します。一気に断薬すれば暴れたりモノを壊すくらいは当たり前です。だから保護室も必要になるのですが、その中でサポートを受けながら断薬するからこそ、…社会復帰する可能性が格段に高まり、80%以上の高確率を示せているのです。
 では日本はどうでしょう? もちろんそんな施設はどこにもありません。ただの一つもです。そうすると日本の中では二つの選択肢を迫られます。つまり、
①自分で医者顔負けに勉強し、栄養学を学び、サウナを見つけ、家族の理解をとりつけ、自分の部屋がボロボロになっても全責任を自分でとる覚悟で一気に断薬する。
②禁断症状と依存が長引くことを覚悟の上で少しずつ減薬していく。
 一見すると後者のほうがよさそうですが、実際全体を眺めてみるとそうではありません。単純に言って社会復帰する時期が大幅に遅れますし、新たな依存を形成する恐れも飛躍的に増し、その期間の自傷他害の可能性も増します。(引用ここまで)

 なお、孤軍奮闘されておられる内海氏は、向精神薬を抜くためのより良い治療に取り組むため、2103年に Tokyo DD Clinic を開院されておられます。
 そして、受診する場合においても、本書とその姉妹書「精神科は今日も、やりたい放題」と「大笑い!精神医学」の3冊を読んでくださいと言っておられます。

 さて、小生は薬屋稼業をしており、向精神薬をお飲みのお客様が若干名おみえです。この分野に関しては不勉強でしたが、お客様から内科医でこの分野について本を書いておられる内海聡氏の名を聞きましたので、冒頭に挙げた書を早速入手し、そのポイントをつかむとともに、そこには書かれていなかったことで、他に手助けになりそうなことがありますので、それらをまとめて本稿をつづることにしました。なお、姉妹書の2冊は、その後も購入しておらず、不勉強で申し訳ありません。
 かなりの長文になりますが、最後までお付き合いください。

 先ずは「心の病」をどう捉えるか、という根本的な問題をきっちり押さえておく必要があります。引き続き、内海聡著「心の病に薬はいらない!」から引用します。
(P.63)…重要なのは(心の)健康を求めることをやめることです。…現代人にとって健康でないことは、人間として当然であるという考え方を持てるかどうかは、精神科から卒業できるかどうかに直結してきます。人間は常に不調を感じ、愚痴をこぼし、その不調とつき合いながら自然に死んでいくものであることを念頭に置くことが重要です。
…精神症状はあなたのセンサーそのものであり、生きている証明でさえあり、当然の結果なのです。不安、うつ、強迫観念、さらには精神的に「狂う」ことさえ生きるうえでは必須なのです。
(P.188)そもそも治すという発想が問題なのです。さまざまな精神症状(うつや不安や不眠)など、それは治してはいけないものです。違う言い方をすれば医学が治すべきものではなく、治せないものでもあります。
(P.170)…(現代日本社会)において精神の安定を保ち、この世の洗脳に負けず生きていくための基本とは何でしょうか?
 実はこれは非常に簡単なことですが、自分に殉じること、特に自分が価値観として定めている道理にしたがうことです。敵を何人つくろうがどれほど中傷されようがそんなことは関係ないのです。
 しかしほとんどの人間は必ずこれを逸脱しています。嘘や誤魔化しを基準として行動するようになるのです。そうすると自分の中にジレンマを生じるようになり、精神的な不調を呈するようになります。さまざまな抑圧にも打ち勝つことができません。
(P.173)次に言えることは、抑圧や不都合と闘うことです。
 これらはよく精神的諸症状をもたらします。…(これらは)普遍的な出来事であり、自分にだけ降りかかってくる災難ではありません。誰にでもある普通のことだという理解なくして、自分の精神的安定を取り戻すことなどできないのです。
 このとき一人でやる必要はありません。これらのことを相談したり助けを求めるのは当然にありうることです。ただ、それらに依存するのではなく、活用するという考えが重要です。
(P.175)…人がうつになったり不安状態になったりする一番の理由は、なぜそうなるかを知らないことです。本質という言葉をよく使いますが、社会構造や人間心理も含めて本質とは何かについて考えない人が多すぎます。
 逆に言えばあらゆる物事について、常に本質とは何か、その裏に隠れているものは何かを考えるようにしていれば、個人レベルでに大きな間違いは起こらなくなります。…その理由や背景に目を向け、しっかり解決することこそ最も必要な行動なのです。…
 また言葉で終わらせてはなりません。必ず行動で終わらせることです。人の言葉を安易に信じてはなりません。人間の言葉が人間の質を表すと考えている人は、何が本当かをまったく知らない人々です。言葉ではなくその人の行動がすべてです。逆に言えばその人の行動が有意義なら、言葉は下手でもそれは言葉以上のものになるでしょう。
(P.179)被害者意識を捨てる
 精神科にかかる患者はすべて被害者です。それは間違いないでしょう。しかし、自分の意志でかかったなら、それは詐欺に引っかかっただけでしかないのです。…
…その詐欺にかかった己の甘さを恥じて反省し、完全に精神科と向精神薬と決別しうる者だけが、被害者という枠から逃れることができます。…
 まずは被害者意識を捨てることです。その意識を捨てることから、精神的問題の正常化は始まります。しかし受け身やひがみ、妬みやそねみにだけ陥ってしまうのが、被害者意識の怖いところです。
 権利意識だけが肥大し「自分が守られて当然」と考えていること自体、すでに社会奴隷洗脳が終了しているも同じです。人はまず自分で生きていく力を身につけねばなりません。それなくして社会がさまざまなシステムを構築しても、ほとんどが奴隷栽培に終わるでしょう。奴隷根性は名前を変えればそれは被害者意識なのです。
(P.19)向精神薬と決別するための心構え
 知識と同じく重要なことは向精神薬との完全なる決別の意志です。…
 次に重要なのは精神や心は自分でよくするものだという、完全なる理解です。…
 この世の物事は自分の思想と選択により解決する、その大前提を持てないかぎり、やはり薬はやめられないのです。…
 精神を扱う以上根本的な解決方法とはただ一つ、心と向き合うとか自らの思想を省みるとか哲学を追求するとか、そういう類のことでしかありません。(引用ここまで)

 いかがでしたでしょうか。
 現代社会において生きていくということは、たいそうつらいことであり、相当に強い意志を持っていなければ押し潰されてしまいそうです。現代社会はストレス社会と言われるゆえんでしょう。そうしたあらゆるストレスや苦悩に真正面から闘いに挑んでいかねば、向精神薬との決別はできないやに思われる、内海聡氏の話ぶりです。
 これは先に記事にしましたカン・サンジュン氏の生き方(その著「悩む力」)と同じ感がします。両氏の置かれている立場が類似しているからでしょうか。
(参照:カン・サンジュン氏の生き方を半分批判的に紹介した記事→「 悩まないで、何事にもひたすら「ありがとう」「愛してる」という言葉を投げ続ける 」)
 確かに向精神薬を抜く過程においては、真正面から立ち向かっていって何が何でも成し遂げてやる、という
固い意志が何よりも必要でしょうが、平生の思想については別であってよいと小生は思います。例えば、このブログで何度も取り上げています小林正観さんのような「やわらかい思想」です。でも、これであっても決して“楽して怠ける思想”ではありません。物事の捉え方の違い、例えばストレスに真正面から立ち向かうか、ストレスを逸らすかといった手法の違いがあるだけで、「道理に従い、自分に正直に生きる、ゆるぎなき思想」という面では変わりありませんからね。(参照:先の参照記事及び小林正観さんの思想の一端→「 ドンマイ、ドンマイ&ノープロブレム… 」)
 いずれにしても、まずもって自分の心と向き合い、自分で生きていく力(ゆるぎなき思想)をしっかりと身につけねばならないのは万人に言えることであり、それなくして楽しい人生を送るなぞ出来っこありません。
 ここで、附言しておきたいのは、統合失調症(この言葉は腑に落ちないのですが、以前は精神分裂症と言われ、この方が理解しやすい)と診断された方は、自分は他人と違う異常な考えの持ち主という恐怖感にさいなまされるでしょうが、でも相矛盾した言葉を発し、それが正しいとする考え方は、大なり小なり誰にでもあることでして、これがあればあるほど素晴らしい能力が秘められているとも言えるのでして、卑下するのではなく威張っていいことなのです。他人から“おかしなことを言う人だ”と白い目が向けられようと、自分は“変人だから”と笑っていればいいのです。このことを解説するとなると、かなり長文の論文となり、ここでは説明しきれませんので、別の機会に譲ることにします。

 さて、これより、断薬なり減薬に入ってからの心の持ち方について説明します。小生には、そうした指導経験はありませんので、引き続き、同著からポイントを引用します。
(P.163)向精神薬を抜いている人は、とかく自分の体ばかり気にします。自分の禁断症状がどう出ているかということばかりに意識が集中してしまうので、その意識を他に向けることが大切なのです。
(P.162)禁断症状を緩和するための重要な意識づけ
…典型的な例を示すなら「あなたが何かに夢中になっているときは、痛みを感じない」とか、「他のものに意識が集中しているときは別の苦痛を感じなくなる」ということです。老人がひざの痛みで悩んでいたとしても、カラオケを楽しんでいるときはひざの痛みは忘れています。これは禁断症状にも応用できるのです。
(P.97)脳梗塞後の麻痺のリハビリでも、病気のつらさ、関節の痛さや手足が動かない苦痛があるのに、あえてつらいリハビリをするのです。薬物リハビリもこの原則を重視しなければいけません。
(P.153)断食も一定の効果があるようです。…経験者によると、一つの壁を乗り越える感覚があるそうです。これも苦痛を乗り越える経験を身につけたからこそ、種々の精神的症状に対処することが可能になるかもしれません。
(P.184)…苦しみや悩みがなければ、人間の成長も精神状態からの卒業もありえないでしょう。常に注目すべきは向精神薬の禁断症状に苦しんだ人たちの成長です。向精神薬を抜くということは麻薬や覚醒剤を抜くことと同義であり、それを成し遂げるには相当の根性と知識を要します。つまり向精神薬と闘うこと、断薬に取り組むことはそのまま修行になっていて、それをなし終えた患者たちはちょっとしたことでは動じないのです。「あの禁断症状に比べれば、こんなこと楽勝」と考えることができます。これは修行が厳しければ厳しいほど、精神症状が改善する理由と符号します。(引用ここまで)

 内海氏は、意識を自分の体のことから別のものにそらす一方で、苦痛を修行として捉えてあえて苦痛に挑み、それでもって、オマケとして自分を成長させることができる、とおっしゃっておられます。きっとそうだと小生も思います。
 (参照:何かに夢中になれる最高の方法は
トイレ掃除です。是非おすすめします。ただし、これは今からではなく、禁断症状に苦しみだしてから取り組まれるといいでしょう。初日の効果は絶大ですから。→「 不思議、不思議、トイレ掃除(その2):鬱病が治る… 」)
 ところで、断食については、他の項目と違って、断定した言い方ではなく、他から聞いた話として述べられており、なぜ効果があるかについて、幾つかの理由を推測で挙げられていますが、中にはピントはずれな面がありますし、また、長期断食(数日以上)をやると、健康な人でも命の危険にさらされる恐れもありますから、断薬や減薬中には絶対にやってはいけないことです。これについては、のちほど正しい断食のや
り方について説明することにしましょう。
 なお、極度の食欲不振で食べたくないときは無理に食べてはいけません。体が求めるだけの水分と塩分の補給(例えば味噌汁<塩分はホルモンづくり必須ですから無理な減塩は禁物>)をするだけでいいです。病気の動物はそうしていますから、それにならえばいいです。実質の断食状態です。

 次に、断薬や減薬中に活用する漢方やサプリメントなどについて、内海氏は、禁断症状の緩和のために積極的に使っておられます。しかし、「何かの物質に頼っているかぎりは精神的諸問題に根本的改善は望めない」とも言っておられ、あくまでも補助的手段であり、鍼灸も同様にうまく活用するとよいと述べておられます。
 これらに関しては、小生が少々得意とする分野でもあり、内海氏の解説を踏まえて、紹介することにします。
 まず、漢方薬。内海氏も「抑肝散」をよく使われるようで、これはイライラを抑える代表的なものですが、それよりも、イライラをスコーンと抜く(といっても向精神薬ほどの効き目はありませんが)動物生薬のレイヨウカクが配合されたもの[能活精(救心製薬)<54日分:40,500円(税抜き)]が効果的と思われます。逆に不安感や落ち込みが激しい時には麝香(ジャコウ)製剤[感應丸氣(救心製薬)<33日分:28,000円(税抜き)]が適していると思われます。いずれも非常に高価なものですが、あくまでも補助的手段としての効果しか発揮できません。
 そして、これは食生活との係わりもでてきますが、向精神薬を飲んでおられる方は冷え体質、低体温症になっていることが多く、いわゆる自律神経失調症の傾向にあります。
 これが精神を不安定にする元ですから、体の芯を温め、冷えを改善する漢方薬が、先に挙げた2種類の漢方薬の効果を後押ししてくれるものと思われます。代表的なものが「刺五加(シゴカ)」(別名:シベリア人参、エゾ・ウコギ)製剤[双参(JPS製薬)<15日分:4,800円(税抜き)、ただし症状がきつい方は倍量とし、15日分で9,600円(税抜き)]です。
 以上が代表的な3品でして、併用するなり、その場に応じて飲み分けるとよいのではないでしょうか。
 次にサプリメント。内海氏も言っておられるようにマルチビタミン・ミネラルは必須でしょう。向精神薬によって脳内ホルモンバランスが崩れていますから、これを均衡させるためには不足しているホルモンの生産を促進させねばならず、それには各種ビタミンやミネラルがどれだけかは効果的に働くからです。内海氏は高濃度栄養療法を取り入れ、微量ミネラルは1日所要量の3~5倍にしておられますが、ミネラルの過剰摂取は体に障害が出ることがあり、基本はあくまでも食べものから取るべきともおっしゃっておられます。
 これはそのとおりですが、今日市場に出回っている野菜のミネラル含有量は落ちており、野菜をたくさん摂ったとしても1日所要量に不足することもあり、サプリメントから5割程度の補給をしたいです。市販されているマルチビタミン・ミネラルは、目安量を1日所要量の30%なり1/3量としていますので、目安量の5割増を飲まれるといいでしょう。そして、これは今すぐ飲み始めることです。特に夏から初秋はかすかな発汗でもミナラルが流出し、体内備蓄も底をつき、大半の人が不足気味になっている恐れがあるからです。なお、マルチビタミン・ミネラルはドラッグストアなどで有名メーカー品が安価で販売されていますから、それをお飲みになればいいでしょう。
 3つ目が、ビオフェルミンなどの整腸剤。漢方薬もサプリメントも腸内環境が整っていないと十分には吸収されません。よって、それらをお飲みになる場合は、整腸剤をおすすめします。そして、食べものに含まれるビタミンやミネラルとてそうです。加えて、断薬や減薬中には食欲不振になり、偏食しがちでしょうから、腸内環境が悪化するのは必至でしょう。よって、整腸剤は欠かせないと思います。これも、ドラッグストアなどで有名メーカー品が安価で販売されていますから、それをお求めになればいいです。
(参照:良好な腸内環境に保つことの重要性→「人と腸内細菌、どちらが主人? 」)

 最後に、減薬中における排毒が重要なものになるとのことで、内海氏は、毎日最低1時間のサウナを必須とし、併せて4種類の油脂、合計40mlの摂取をさせておられます。これは理にかなったものと言えましょう。というのは、向精神薬が汗からも排出されることが明らかになっており、サウナで盛んに汗をかかせることで排出が進むと考えられるからです。また、向精神薬の大半は脂溶性であり、一部が体脂肪に溶け込んでおり、これを追い出すにはオイル交換の要領で綺麗な油脂と置き換えようというものです。
 なお、排毒の目的は、同著に次のように書かれています。
(P.158)…つまり、脂肪をきれいにすることが大事なのです。…薬をやめて血の中からなくなったとしても、脂肪や脂質の中にはまだ残っているのです。…
(P.164)…向精神薬などの薬物を飲まなくなったとしても、数年後に影響が出ることがあるということです。なぜこうなるかというと、脂肪の中に隠れていた少量の昔の薬が脂肪分解とともに血中や脳に戻ってきて影響を与えるのです。…このような状態のことを「トリップ現象」や「薬物性フラッシュバック」と言います。…知識がないとこの状態を「精神疾患の再発」と誤認してしまうことがあります。(引用ここまで)

 これについては少々異論があります。紹介されている方法は欧米式であって、たぶんナルコノン・システムで行われていることでしょうが、日本人には適さないと思われます。
 
小生がおすすめする排毒のやり方は、甲田光雄氏などにより既に確立されている次のものです。
 先ず、汗のかき方ですが、サウナよりも湯治(長時間入浴)が日本人には合います。それも半身浴(夏なら腰湯)です。これでじっとり汗がでますから、薬物の排出は同程度に期待できますし、何よりも体の芯が温まり、冷え症、低体温症を改善し、それによって神経バランスを整える効果が期待できます。(参照:冷温交替浴に効果が高いです。→「 今がチャンス!始めましょう、冷水シャワー 」「 冷水浴(冷水シャワー)でストレス解消」 )
 次に、油脂を40mlも飲むのはいかがなものでしょうか。脂肪分解酵素の出がいい欧米人に比べ、その機能が落ちる日本人ですから、腸内環境を悪化させる恐れがあります。
 加えて、油脂の置き換えをするより、少食(ただし野菜は減らさず、むしろ増やす。肉・油脂は極力減らす。)にして体脂肪を減らしたほうが、より効果的と考えられます。
これは、脂溶性のPCBを抜き、カネミ油症の改善に優れた効果を挙げたのが断食療法であることから、そのように思われるのです。(参照:カネミ油症の改善→「 冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し」 )
 しかし、先ほど申しましたように、長期断食は適切な指導者の下で行うべきで、勝手にやってはいけません。そうした道場などは、そんなにありませんから、自分でやるしかないことになりますが、先ずはミニ断食から始めればいいです。
 朝食を抜くというものです。これは今すぐ取り組まれるといいでしょう。抜いた分だけ、少食になり、体脂肪は減り、その後の脂肪の入れ替わりも促進されようというものです。なお、内海氏も「1日3食はやめなさい!」という本を出しておられます。
(参照:「 朝食有害論の歴史的推移… 」)
 次の段階は、昼食も抜くというものです。それに慣れれば、1日断食を1週間か10日毎に行えばいいです。こうした繰り返しを行えば、長期断食と同じ効果が期待できましょう。
(参照:「 家庭でできる断食健康法に取り組んでみませんか 」)

 排毒について、内海氏は、これでもかこれでもかと、しつこいくらいに書いておられます。減薬によって体調が整ってきたら、有酸素運動をすすめてみえます。ある程度長い時間、毎日行い、汗をかき続けるのがポイントというものです。エネルギー消費で脂肪を燃やし、脂肪を入れ替えてクリーンにし、また、汗から残留薬を抜こうというものです。こうした運動が無理な状態なら、太極拳やヨガなどでもよく、これは別の効果、つまり、腹式呼吸を身に付けることによって、精神状態を良くすることができるというものです。
 これは、何も向精神薬を抜くだけではなく、食品に含まれる農薬、防腐剤、食品添加物などの有害物質も併せて取り除かねば、精神を支配するホルモンのバランスの適正化は図れないと考えられるからです。 
 なお、クリーンな食品が求められるのですが、このことについては内海氏は「あまり無理して意識しては逆にいいことはありません。一番の発想は、有害なものを完全に排除することはできないという現状を知ることであり、いかに有害なものを体の外に出すか、排毒的思想を持つことでしょう。」と言っておられますが、そのとおりです。

 随分と長文になり、また、所々で他の記事にジャンプさせたりしてお手間を取らせましたが、向精神薬の断薬・減薬に伴なう禁断症状その他心身のトラブルを減らす方法について、その解説や小生の提案は以上のとおりです。
 ここで、あることに気が付きました。
 これは、生活習慣病の改善方法と同じではないかと。
 特にがんに関しては、発症の要因も改善の基本も「こころ」にあり、「こころ」をしっかりさせないと改善もできないし、再発の恐れも高いです。「こころ」が占める割合は、7、8割にも及ぶと小生は考えています。糖尿病や血管性疾患とて、「こころ」が起因していることを無視できません。
 そして、少食(肉や油脂を減らし、野菜を多くする。米は玄米か胚芽米にして麦を入れる。)、適度な運動といった生活習慣改善が必須のものになるのも同じです。
 加えて、小生がこのブログでも力説している湯治「冷・温交替浴」は生活習慣病改善に万能ですから、当然に精神疾患にも大きな効果がもたらされるでしょう。

 この記事が、向精神薬から離脱したいと考えておられる方々に、どれだけでも参考になれば幸いです。なお、ご家族や身内にそうした方がおられる場合は、まずもって「自分が今までその方にどう対処してきたか」ということが出発点になり、えてして「犯人は自分」ということが往々にしてあるようです。それを踏まえて、どのような協力方法が最適であるのか、これをよく考えねばなりません。このことについては、ここで取り上げる余裕がありませんから、冒頭で紹介した本を熟読されることをおすすめします。

(2015.6.11追記)
  ここに紹介した3種類の漢方薬の製品名・価格のお問い合わせが多いですから、本文中に書き添えました。なお、試しに3種類を飲んでみたいという場合、10日分で税込み27,000円程度になりますからご承知置きください。
 また、断薬による体調不良の解消法のご相談も多いのですが、小生、いまだ不勉強なため適切なアドバイスができません。内海聡著「心の病に薬はいらない!」をしっかりお読みになり、その中で紹介されている、汗をかいての排毒、太極拳やヨガなどで腹式呼吸といった健康法を取り入れられることをおすすめします。

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