薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

2022年の超過死亡数は約11万人、これいかに

2023年06月30日 | 風邪・インフルエンザ・コロナ

2022年の超過死亡数は約11万人、これいかに

 超過死亡数とは、過去のデータから統計学的に推計される死亡者数を実際の死亡者数がどれだけ上回ったかを調べる手法であるが、その算定方法は定まっておらず、発表者によって数値に違いが生じているようである。国立感染症研究所の発表では、2022年の超過死亡数は最大約11万3千人に上ったとの推計値が出されているが、最小値も示され、それは約4万7千人と、かなり大きな幅をもっている。
 これじゃあ、なんの意味するところはない。
 しかし、2022年は死亡者総数があまりにも増えすぎている。2021年とてそうだ。これはコロナ関連としか考えられない。厚労省の集計では2022年のコロナ死亡数は約3万9千人で、前年の約1万5千人より大幅に増えた。けっこうな数である。ところが、コロナとは別の原因で死んでも、死後にPCR検査で陽性反応が出たらコロナ死とするという水増が行なわれているいるから、これもあてにはならない数値ではある。
 確かに言えることは、人口動態統計の死亡者の確定数だけとなる。これを2001年から示そう。各年ごとに前年比増減を併せて記した。
 まずは、これをご覧いただきたい。

 全体に、毎年増加傾向にあるが、これは、言うまでもなく、高齢化が急激に進んでいることに原因しているのであるが、2010~2019年までの死亡者数(震災死を除く)の毎年の平均増加数は約22,000人である。

 年  総死亡数  対前年比 
2022 1,568,961  (+129,105)←コロナ死亡数:約3万9千人
2021 1,439,856 (+67,101)←コロナ死亡数:約1万5千人
2020 1,372,755 (ー  8,338)←インフルエンザが影を潜めた
2019 1,381,093 (+18,623)
2018 1,362,470 (+21.903)
2017 1,340,567 (+32,409)
2016 1,308,158 (+17,648)
2015 1,290,510 (+17,485)
2014 1,273,025 (+  4,587)
2013 1,268,438 (+12,079)
2012 1,256,359 (+  3,291)
2011 1,253,068 (+56,054)←東日本大震災で関連死を含めて約2万人死亡
2010 1,197,014 (+55,149)←原因不明なるも、前年の反動か?
2009 1,141,865 (ー    542)
2008 1,142,407 (+34,073)
2007 1,108,334 (+23,883)
2006 1,084,451 (+    745)
2005 1,083,796 (+55,194)←インフルエンザ流行(死亡推定15,000人)
2004 1,028,602 (+13,651)
2003 1,014,951 (+32,572)
2002   982,379 (+12,048)
2001   970,331 (+  8,789)

 こうしてみると、年ごとの変動はけっこうある。ここ10年の毎年の平均増加数(約22,000人)の倍以上となる年の死亡増加を探ってみた(それを上表に付記した)が、気象も影響しているようである。たとえば、対前年比5万人を超えた年、
 2005年は、6月、9月、10月には記録的な高温、12月の記録的低温と大雪
 2010年は、夏の平均気温は過去 113 年間で最も高く猛暑となった
といった具合であり、冬が寒く、夏が暑いと総死亡者数が増えようというものである。逆に2020年のように暖冬であれば総死亡者数が減るということにもなろう。

 2021年の総死亡者数の増加(+67,101)は過去最大を記録したが、2022年ともなると、対前年比で倍増(+129,105)し、これは異常な増加だ。両年とも気象の影響はどれだけかあろうも、2005年や2010年に比べると、それほどのことはなかったように思われる。
 考えられる原因はコロナ関連しかない。コロナ死約3万9千人と平均自然増約2万2千人を差し引いた約6万6千人が“謎の死”を遂げている勘定になるのだ。
 その一つの原因として、新型コロナの流行による医療の逼迫が挙げられているが、病院が次々とパンク状態に陥り、助かる命も助からなかったという事態はどれだけも生じていないから、これは原因にならない。
 2つ目の原因として、高齢者は外出制限によって運動不足になるなど、これが元で健康を害して早死にしたというものであるが、これを根拠づけるデータは何一つない。
 小生思うに、まあ言えることといったら、施設に収容された寝たきり状態の老人に対して家族であっても直に会えない、スキンシップもできない、となると、死期が早まるのは確かであろうが。

 厚労省や医師会、そして大手マスメディアは以上の二つの原因しか言っていないが、2021年から大半の人がすることとなったワクチンが引き金となった可能性は否定できないであろう。
 特に3回目、4回目の接種が問題である。幾人ものベテランの医師が患者に接していて、“これはおかしい。今までに経験したことがない。”と言っておられる。小生とて薬屋稼業をしていて、顧客数は少ないものの、3回目か4回目の接種で、81歳の方が死にそうになったし、90歳でがんが見つかった方(この年なら、がんは大きくならず、往生するまでがんと共生できよう)が、あっという間にお亡くなりになった。考えられるのはワクチンしかないのである。

 コロナは終焉したと言っていいのだが、やれ第9波が来るだの、新たなワクチンを打てだのと喧しい。たとえ第9波が来たって、ワクチンはもう止めにしてほしいところである。

 ところで、これだけの超過死亡が出ているものの、死ぬ方はほどんどが年寄りであり、高齢になればなるほどそうで、単に死期が早まっているというのが、実態である。
 30代の方はどうか、40代の方はどうか、といった年齢階層別で超過死亡を見てみると(正しくは人口補正して死亡率を見なければならないが)、けっこう多くの方がワクチンを打っておられるものの、そうした働き盛りの階層では超過死亡は増えていないようであり、その点、救われる思いがする。もっとも、今すぐ死なないだけであって、ワクチン接種によって血栓症を持病で持つことになる恐れがあるようでもあり、決して安心できないが。

 ここのところ、超過死亡に関するネット情報(最近の毎月の超過死亡は全く増減がない、といったものもあり)がちょくちょく目に入ったので、本当のところはどうなのか、自分なりに統計データを整理してみたところです。 
 読者の皆様の参考になれば幸いです。

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夏は夏野菜を食べて健康、健康 ‼(三宅薬品・生涯現役新聞N0.341)

2023年06月25日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.341:2023年6月25日発行

表題:夏は夏野菜を食べて健康、健康 ‼

副題:地元産の旬の物を食べる「身土不二」も法則に従うべし、です。

(表面)↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。以下同様です。

      

(裏面)瓦版のボヤキ

    野菜は無肥料でも育つのだが…

    

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24節気の健康と食養:夏至から小暑まで

2023年06月20日 | 24節気の健康と食養

 24節気の健康と食養:夏至から小暑まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 夏至 初候 乃東枯(なつかれくさ かるる)夏枯草(うつぼぐさ)が枯れる
    次候 菖蒲華(あやめ はな さく)あやめの花が咲く
    末候 半夏生(はんげ しょうず)烏柄杓(からすびしゃく)が生える

 芒種(ぼうしゅ)の次にやってくる24節気が夏至で、毎年6月21日頃(2023年は6月21日)になります。
 気温もどんどん高くなって、この先、小暑そして大暑でもってピークを迎えるというのが、中国中心部の気候で、梅雨はありません。中国で梅雨があるのは、長江下流域とその西方の中国南部だけです。北海道を除き、全国的に梅雨がある日本ですから、中国とは季節の捉え方が随分と変わったものとなります。
 芒種の頃から夏至、小暑、大暑と3つ先の節気までの1か月半、ジメジメとし、気温も梅雨明け後にグーンと上がり、まるで季節感が違いますから、日本における対処法は異なったものとなります。

 芒種から夏至そして小暑までは昼の長さは1年で最も長くなる時期です。よって、活動時間はとても長くなり、夏:心の季節ということもあって、心臓の働きも活発になります。人の体は、夏:心の季節に十分に対応していることでしょう。
 
これを踏まえた夏の養生法を下記の記事で紹介しています。参照なさってください。
  
立夏は夏の入り、五味を上手に夏食に。先ずは「心」が求める苦味です。

 ここでは、夏至から小暑までの養生について、前回の芒種とかなり重複しますが、夏の季節として特徴的なものを紹介することにしましょう。
 昼がとても長くなりますから、その分活動量が増え、心臓も長時間働かされます。よって、エネルギー代謝をスムーズにしてあげる必要があります。
 芒種の頃から旬となるのがタマネギです。タマネギにはこれといった栄養価はないものの、特有の刺激臭「硫化アリル」がビタミンB1を活性化させ、これによってエネルギー産生回路を円滑に回す、つまりスタミナ食になりますから、心臓にとって実に望ましい食品といえます。旬のタマネギを大いに食したいものです。
 つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、夏は<主・苦味、従・辛味、添・甘味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。

 次に、夏至の頃には既に梅雨入りしており、梅雨時の養生について説明します。これの詳細な解説は、次をご覧いただくとして、ここでは簡潔に要点を述べます。
  梅雨時の健康法は「湿熱」疾病と「冷たい物中毒」の合併症からの脱却
 梅雨に入ると「湿熱」で「脾=胃」が弱ってきますから、胃に負担がかからないよう、油っこいものを避け、よく噛んで食べるのが第一となります。また、この時期、通常はエネルギーの消耗が少ないですから腹八分とし、食欲も落ちてきますから、美味しく食べられるものを少しずつあれこれ食べるのが良いということになりましょう。
 そして、梅雨の晴れ間には少しはお日様に当たりたいものです。骨を丈夫にする活性化ビタミンDは皮膚で太陽光線により作られるのですからね。特に朝日を浴びるのは重要です。というのは、「幸せホルモン」セロトニン(これは「睡眠ホルモン」メラトニンに変化)を体内で十分に作るには、先ずは朝日を浴びるに限るからです。これについては「セロトニンとメラトニンを十分に出す生活習慣を」で解説しましたのでご覧になってください。
 しかし、晴れた日の屋外は、蒸し暑さが相当なものとなります。体に熱がこもることもありましょう。軽い熱中症です。よって、この時期は旬が盛りとなったキュウリを毎日いただくと良いです。体の芯を冷やしてくれる夏野菜の一番手として登場するのがキュウリです。

 汗をかきますから、毎日入浴したいですね。
 でも、長湯すると体が熱くなってしまうからと、烏の行水で終わっていまっている方が多いようです。
 しかし、胃腸がけっこう冷えていることが多く、長湯して体の芯まで温めたいです。そのためには、のぼせそうになる前にあがり、冷水シャワーをたっぷり浴びましょう。これで体にこもった熱が取り除けます。
 なお、この時期から冷房が入り、そうした環境で丸1日仕事をなさる方は、体の芯が冷え切っていることが多いです。そうした方も、この入浴法がベストで、温めの湯に長く浸かり、汗が出だしたら体の芯が十分に温まったことでしょうから、湯上がりに冷水シャワーを気持ちいい程度に浴びます。すると、皮膚がしまり、熱を閉じ込めてくれます。
 いずれの場合も、初めて全身に冷水を浴びると心臓麻痺を起こしそうになりますから、先ずは手足だけ、次に下半身だけ、といった具合に少しずつ体を慣らしてください。
 初めて冷水シャワーに挑戦なさる方は、次の記事を参照ください。
 今がチャンス!始めましょう、冷水シャワー。万病に効果あり。ただし、夏を過ぎても毎日実行。

 なお、冷房で体が冷える方は、日中は貼るカイロをお尻の両脇(「気をつけ」の姿勢を取ったとき凹む位置)あるいは下腹部に貼られるといいでしょう。これで、特にお腹が温まり、結果、全身を温めてくれます。下痢症の方にもお勧めの方法です。

 次回は、「小暑」(7月7日頃)からの健康と食養です。

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今日は「入梅」、梅雨時の健康法は「湿熱」疾病と「冷たい物中毒」の合併症からの脱却

2023年06月11日 | 漢方五季の食養

今日は「入梅」、梅雨時の健康法は「湿熱」疾病と「冷たい物中毒」の合併症からの脱却

 主として農業歴となる24節気は中国で作られ、日本でもそのまま使われているのですが、これだけではイマイチ不十分であるがゆえ、雑節が幾つか設けられています。「八十八夜」と「二百十日」がよく知られていますが、「入梅(にゅうばい)」もその一つです。
 「入梅」は、太陽の視黄経が80度に達した日とされ、太陽暦の6月11日頃にあたり、2023年は6月11日です。今年は既に梅雨入りしていますが、毎年、概ね「入梅」の頃に梅雨入りします。

 中国大陸の中心部は梅雨がないですから、中医学(漢方)には「梅雨」の季節の健康法なるものは基本的には登場しません。せいぜい「湿熱」による疾病への対処の仕方が書かれているだけです。もっとも、小生は漢方にからきし弱くて、よう見つけないだけかも分かりませんが。
 何にしても、「5」にこだわる中国人ですから、漢方の季節区分も「春夏秋冬と土用」の5つです。これは間違いないです。でも、土用は四季の間に毎回入りますから、実質は8区分。「夏」は5月5日頃の立夏から始まって7月18、19日頃まで、「夏の土用」は7月19、20日頃に始まって8月7日頃の立秋の前日まで、といったぐあいです。
 でも、日本には、6月上旬から7月中旬まで約1か月半の「梅雨」があります。「梅雨」が明けるのは、だいたい「夏の土用」入りの頃。そうなれば、細かく季節を区分すれば、9つになります。何もかも複雑に分類する傾向が強いインド哲学が日常生活に深く浸透しているインド人、彼らであれば、日本の気候は9区分にすべきだ、と言うでしょうね。
 インド哲学を少々かじり、百姓仕事に精を出している小生ですから、インド人の主張に賛成したいです。のちほど述べますが、身をもって体験していますからね。

 さて、漢方の世界での「夏」は「心(しん)」の季節で、夏至を中心として昼間の時間帯が非常に長くなり、原始時代からつい最近まで、ずっと、毎日長時間活発に動き回ったことでしょうから、この季節には「心=心臓」が活動的となるのは理解できます。
 そして、夏の食事は、「心」が求める「苦味」を主体にして「辛味」と「甘味」を添えると良い、「酸味」はほどほど、避けるのは「塩味」、ということを
過去記事(「 立夏は夏の入り、五味を「上手に夏食に 」)で述べました。
 日本においても、梅雨入りまでは、これで良いでしょう。
 しかし、梅雨入り後においては、その気候は、中国大陸中心部とは全く様相を異にします。雨や曇天で気温は真夏ほどには上がらないものの、やたらと蒸します。
 
「湿熱」地帯と化します。
 
「湿」と言えば「土用」で、これは、土を掘り返すことが多くなる時期であって、土中の湿気に中(あた)ることが多くなり、この季節に対応する臓器は「脾=胃」です。
 「土用」は農作業が忙しい時期ですから、高カロリー食を摂ることになり、「脾=胃」が活動的になるのはうなづけますし、「湿」に対して「脾=胃」を労(いた)わらねばならないのも分かります。

 「梅雨」入り後の農作業は田植えは別にして、それ以外はさほど多くないですから、「脾=胃」がさほど活動的になることはないでしょうが、明るい時間帯が1年で一番長くなり、「心」は活動的と考えて良いでしょう。
 つまり、心臓は毎日長時間、元気に働こうとし、その結果、汗もかきます。空気が乾燥していれば、少しの汗で体熱を十分に放散してくれますから、水分補給はたいして必要ないですが、「湿熱」地帯にあっては、気化熱の放散がままならず、たらたらと汗をかくことになり、水分補給がたっぷり必要です。
 しかし、汗を大量にかいたとしても、どれだけの効果も上がらず、「湿熱」が体内にこもってしまい、冷蔵庫が普及した今日にあっては、「冷たい物」でもってダイレクトに体の芯を冷やしたくなります。
 さあ、こうなると大変。「脾=胃」がビックリ仰天!
 
「脾=胃」は「湿」の季節に対応していますから、水分代謝の機能もどれだけか備えているのですが、その「土用」の期間は半月ちょっとです。ですが、「湿」が1か月半も延々と続く「梅雨」ですし、限度を超えて水分が体内に入ってくるのですから、「脾=胃」の処理能力を超えてしまい、何ともなりません。ましてや、昭和の高度成長以降は、異常に「冷たい物」が「胃の腑」に入ってくるようになったのですから、大変なことになります。つまり、梅雨時の日本人の体内は、「冷たい物の大洪水」で、ギブアップの状態になってしまいます。
 「湿熱」の疾病と「冷たい物中毒」の合併症です。
 中医学においては、大陸南部に「湿熱」地帯を抱えていますから、「湿熱」の疾病にも十分に対応できましょうが、「冷蔵庫文化」が普及しきった今日情勢は想定外のことですから、「冷たい物中毒」には対応できていません。もっとも、「冷たい物中毒」が高ずれば「冷え症」となり、これは昔からありましたので、「湿熱を伴う冷え」として、複合的に対応する処方を用いることができ、症状の改善を図ることはできます。
 でも、残念ながら中医学においても、「冷たい物中毒」がいかに恐ろしいものであるかは、まだ十分には認識されていないようです。もっとも、中国人は冷蔵庫文化が広まっている大都市にあっても、夏に日本人のように氷を浮かべた冷たい飲み物を飲むのはまれで、特に女性は暑くても水分補給はお湯で済ませる習慣が定着していますから、「冷たい物中毒」とは無縁かもしれません。
(参照→暑くなった5月半ば、“冷たい物中毒”から脱却するチャンス!

 さて、どうしたらいいものか、日本の「梅雨」ほど厄介なものはないですね。
 最優先せねばならないのが、何と言っても「冷たい物中毒」からの脱却でしょう。暑くっても「冷たい物」を絶対に摂らないことです。先に中国人のことを書きましたが、40度を超すアラビアでは皆さん「熱い物」をチビチビ飲んで水分補給しています。カラッカラに乾燥していますから、汗の蒸散効果が高く、この方法がベストとのことでして、少しは見習いたいですね。
 でも、
湿度が異常に高い日本では、しっとり汗では済まず、たらたらと汗をかくことが多くなります。そんなときは、大量に水分補給せねばなりませんが、たいていは、飽食によって体の中が洪水を起こしていますから、「汗」即「水」とせず、「のどがカラカラ」となってから、チビチビと小まめに水分補給するだけで良いでしょう。
 これであっても、「脱水症状」を起こすことはないと思います。
 次に「湿熱」の除去です。可能であれば、日中に「水風呂」に入ることですし、夜の入浴時には、前後にたっぷりと冷水シャワーを浴びることです。

 ここで、さきほど日本の気候を9区分すべきと言った訳を述べましょう。
 だいぶ前のことになってしまいますが、
小生が2011年6月19日に梅雨の合間に行なった農作業。午後3時から6時過ぎまでの3時間強でしたが、土が湿っていて鍬を動かすのにその重かったこと。汗たらたら。
 終了後に冷水シャワーをたっぷり浴びたものの、湿気に中(あた)って「湿熱」のこもりが抜け切っていなかったようでして、軽めの晩酌(焼酎の湯割り)が回りに回り、夕食はいつもの半分しか喉を通り
ませんでした。
 これは、軽い熱中症にかかっていたところへ、アルコールで追い討ちをかけたものですから、「脾=胃」が拒否反応を示したからと思われます。
 小生のこんな経験は、記憶になかったのですが、このとき63歳の老体であったがゆえとも思えず、これはやはり「湿熱」が原因でしょう。

 このように、日本の梅雨は、暑い上に異常な湿り気がありますから、尋常な方法では健康を維持するのが困難になります。
 今はエアコンが普及し、これでもって体熱を放散させれば良いと、安易な方法に頼るのは考え物です。先の小生の例では、これが有効な手段となるでしょうが、熱中症でもないのにエアコンを恒常的に使うと、体内温度が下がってしまい、「冷え症」と同じ状態になって様々なトラブルを引き起こすのは、皆さん経験済みのことでしょう。
 よって、エアコンの使用は、我慢の限界を超えたときに、やむを得ず使うといった気構えで当たっていただきたいものです。お勧め法は、しっとり汗をかきつつ扇風機で涼を取り、その風が苦になりだしたら切り、また付けるという方法です。
 この時期は、やはりどれだけかは汗をかきたいですからね。尿としては出ない老廃物は汗として出るのですから。

 最後になりましたが、梅雨時の食事を漢方栄養学から説明しましょう。
 と言ったものの、冒頭で言いましたように、小生ただいま漢方を勉強中でして、手元にある書物には、これが書いてありません。書いてあるのは、次の2つ。

 夏の食事は、先に述べましたように、「心」が求める「苦味」を主体にして「辛味」と「甘味」を添えると良い、「酸味」はほどほど、避けるのは「塩味」、これが基本です。なぜ夏に「塩味」を控えるかといえば、「塩味」の強い物を摂ると、塩は体を温める最たるものですから体に熱がこもってしまうからです。
 土用、これは各季共通ですが、「脾=胃」が求める「甘味」を主体にして「塩味」と「辛味」を添えると良い、「苦味」はほどほど、避けるのは「酸味」、これが基本です。
ここで注意すべきは、「甘味」は、砂糖など甘い物だけを指すのではなく、主として「よく噛むと、ほのかな甘味が出てくる物」を言うのでして、ご飯(米)や肉のようにエネルギー源となるものを言います。

 単純に考えれば、「梅雨」は「湿」ですから、「土用」と同じで良いとなります。
 なお、季節は「夏」ですから、「心」を考慮して、避けるべきものは「塩味」となりますが、大汗をかけば「ミネラル=塩分」が失われますから、これを補給せねばならず、敢えて「塩味」避ける必要はないと考えて良いです。
 こうしたことを総合的に考えてみますと、「湿熱」で「脾=胃」が弱っていますから、胃に負担がかからないよう、よく噛んで食べるのが第1となり、この時期にはエネルギー消耗が少ないですから腹八分とし、五味の使い分けは土用を基本としつつも、さほどこだわる必要はないということになります。食欲も落ちていますから、美味しく食べられるものを少しずつあれこれ食べるのが良いということになりましょう。

 以上、中医学(漢方)に基づき、栄養学を説明しましたが、先に述べましたように「冷たい物中毒」は、中医学でも想定外の出来事でして、「梅雨」の時期の食事の摂り方で注意すべきは、繰り返しになりますが、決して「冷たい物」を摂らないことです。
 その昔には、「冷(さ)めた物」も摂りすぎは要注意、と言われました。つまり、「常温」であっても胃腸に差しさわりがあると言っていたのでして、ましてや「冷(つめ)たい物」となったら論外なのです。

 梅雨時には、うちでは「むしシャブ」をやることが多いです。様々な野菜と茸を中心にして、豚肉を少々乗せます。「胃」に負担を掛けず、「胃」を温めるという、「胃」に優しい料理です。食事中に汗をかきましょうが、日中に汗をほとんどかくことがない女性にとっては、こうでもして汗をかかねば健康を維持できませんから、おすすめです。
 ところで、「酸味」は避けるべしですが、「むしシャブ」に「ポン酢」は付き物、これなしでは美味しくありません。顔から汗が噴出すほどに濃いポン酢
は胃にもよくないでしょうが、ほどほどであれば、気にする必要はないと思われます。ただし、食事の最後に、漬物は「酸味」が強い梅干とするのは避けるべきでしょうね。梅干は朝に1粒で十分です。  

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なんと98%の日本人がビタミン D 不足

2023年06月08日 | 健康情報一般

なんと98%の日本人がビタミン D 不足

 ビタミンDの摂取基準(厚労省「日本人の食事摂取基準」(2020年版))というものがありますが、その中で述べられていることを詳しく見てみますと、「ビタミンDは1日必要量として20µg(マイクログラム)とし、適切な日照曝露を受けることを推奨し、食事からは実現可能性に鑑みた目安量として8.5µg/日を定めた」とあります。
 よくよく考えれば、ビタミンDの摂取基準8.5µgは全く意味がありません。なぜならば、お日様に当たれば皮膚でコレステロールを原料としてビタミンDが作られるのですし、これのほうが食事からよりもずっと多くのビタミンDが作られるのですから、これをもっと強く推奨すべきです。もっとも、お日様に当たれない、遮光を要する色素性乾皮症患者に限って(そして寝たきりの病人も)は20µgの摂取を推奨する、とすべき性質のものです。

 ところで、ビタミンDの1日必要量として20µgは正しいか、という問題があります。幾つかの研究報告によれば、ビタミンDは1日当たり30µgが必要とあります。これは、ビタミンDの血中濃度と疾患との関連性から、そのように推測されるというものでして、大いにお日様に当たりなさい、ということになります。

 さて、ビタミンDの血中濃度は、日本代謝内分泌学会・日本整形外科学会によれば、30ng(ナノグラム)/ml以上が望まれます。
 (n:ナノは、µ:マイクロの1000分の1)
 また、今般の新型コロナで、ビタミンDの血中濃度が30ng/ml以上の方はほとんど感染せず、かつ、重症化することはない、という論文が幾つか発表されました。
 ビタミンDが充足していれば、骨粗しょう症だけでなく感染症や心血管疾患や神経筋疾患、自己免疫疾患に罹りにくいことは、幾つもの研究報告で明らかになってきています。
 もっとも、厚労省は、今般の新型コロナにはビタミンDに効果があることは、根拠がないとして否定し続けてきましたが。

 で、ビタミンDの血中濃度が30ng/ml以上の人の割合はとなると、これが少ないことは以前から分かっていたのですが、5,518人を対象とした東京慈恵会医科大学の調査報告(2023年6月5日発表)によると、
 98%の日本人が「ビタミン D 不足」に該当 (←クリック<報道発表資料>

とあります。

 「お日様に当たると健康にいい」、これは昔から言われている言葉ですが、現代人はいかにお日様に当たらなくなったか、それを如実に示している、今回の調査報告です。

 特に女性はこの傾向が強い感がします。1966年「小麦色の健康的な肌」がトレンド。「色白が美人」というそれまでの社会通念を覆し、資生堂「ビューティケイク」のポスターで小麦色に焼けた前田美波里さんのビジュアルが話題になりました。その後、小麦色肌ブームは順々に静まり、1970年代は「夏は小麦肌、冬は白肌」が新たなトレンドとなり、1980年代以降は「美白化粧品」が続々と登場し、日焼け止め化粧品も必須のアイテムになるなど、“紫外線に当たらない=お日様に当たらない”ことがいいこと、となってしまっています。
 これじゃあ健康に良くないです。「小麦色の健康的な肌」に戻りたいものです。
 東アジア人は日本人と同様な受け止め方になりますか、欧米人や南米人の受け止め方は、色白よりも小麦色の肌のほうが良い印象を与えることが多く、「肌が焼けている=アクティブで健康的」というイメージになるそうです。
 これが健康上は正しいのですが、日本人を含む東アジア人は白人コンプレックスが強くて、色白志向になってしまいます。残念なことですが。

(関連記事)
2018.1.23 
冬はお日様に当たって健康づくり
2020.12.19 新型コロナこれからの時期の自衛策はビタミンDに頼るしかなさそうです

2022.9.10 新型コロナのリスクに備えるサプリの両横綱はビタミンDと亜鉛なんですが…

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まともな記事は昔は新聞、今は週刊誌。血圧・コレステロールがそう。

2023年06月07日 | 生活習慣病一般

まともな記事は昔は新聞、今は週刊誌。血圧・コレステロールがそう。

 昔の週刊誌というと、あることないことを面白おかしく、どぎつい内容の記事にし、読者を引き付け、売り上げを伸ばす、というものでして、記事の内容は嘘八百、信用のおけないものでした。その点、新聞はさして面白くない内容の記事だが、かなり信用がおける、というものでした。
 ところが、近年は、若者の新聞離れが進み、読者は中高年ばかりとなり、いかにして購読者をつなぎ留めておくか、これに主眼を置き、あることないことをどぎつく記事にして読者を脅し、恐怖感を抱かせる傾向が強くなった感がします。コロナ騒動が典型的な例でした。これにはうんざりさせられました。

 さて、生活習慣病一般について、「高血圧は危険」とか「高コレステロールは危険」といった特集が、新聞ではときおり組まれているようです(小生は数年前から新聞を読まなくなりましたから、不確かですが)。
 しかし、本来は「血圧は測る必要なし」「血液検査からコレステロールは外すべし」が正しいのでして、「高血圧症」とか「高コレステロール血症」という病名まがいの名称を付けるのは、健康人を病人扱いして、投薬(毒を盛る)でもって医療関係者が銭儲けする以外のなにものでもないのです。
 こうしたことを新聞では一切言わないようなのですが、近年、週刊誌が特集を組んで、これを展開し始めました。
 最近の記事では、週刊現代の次のものです。
 2023.06.02 血圧の大ウソ:「血圧が高くても無理に下げてはいけない」と断言できる「衝撃」の理由
 2023.06.03 アメリカでも問題になった…日本で「高血圧症」の国民が爆増した「衝撃のワケ」

 上の2つの記事をご覧になってください。
 ともに、正しいことを言っていますから。
 少々補足します。
 “「高血圧症」患者”に投薬する降圧剤の販売高ですが、10年ほど前には、世界全体の販売高の5割を日本人が占めているやに言われていました。そして、コレステロール値降下剤は世界全体の販売高の7割を日本人が占めている、と。その後の動向もきっと変わっていないでしょう。
 人口からすれば、アメリカでの販売高が一番大きくていいように思われるのですが、そこは保険制度の違いがあり、アメリカ人の高齢者は生活習慣病を保険対象に加えていない場合が多いのです。こうした高齢者で、どうしても降圧剤が欲しいとなれば、実費で高額な薬を買うしかなく、これはまれなことになり、よって、どれだけも降圧剤は売れないのです。
 日本では公的健康保険でもってあらゆる疾患を等しく対象にしているのに対し、アメリカは民間企業が健康保険事業を運営しており、年齢階層などによって様々なタイプの保険を用意しています。よって、高齢者が「高血圧症」や「高コレステロール血症」の治療薬も保険適用に加えようとすると、バカ高い保険料になってしまうのです。これは、車の任意保険と一緒で、あらゆる損害を全部対象にすればかなりの保険金額になるのに対し、損害のごく一部しか対象としない強制保険はうんと割安になるのと同じです。
 10年ほど前、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉が始まるとき、日本医師会などは米国の健康保険会社進出に恐怖して猛反発したものですが、中高年ともなると健康であっても多くの人は“「高血圧症」患者”、更年期過ぎの女性の多くの人は“「高コレステロール血症」患者”にされてしまう日本ですから、ぜひとも健康保険民営化をしていただきたいものです。
 そうすれば、若い人の健康保険料はうんと安くなりますし、高齢者は毒を盛られることがなくなり、イキイキ元気で暮らせて医者知らず、ピンピンコロリと逝けるのです。もっとも、多くの町医者は廃業を余儀なくされ、製薬会社は倒産となり、一時的に経済的大混乱は起きましょうが。
 しかし、医師会の力は強いですし、製薬会社は官僚の天下り先になっていますから、左様なことは実現しっこありません。ここは、日本人皆が、正しい情報はどこにあるか、個々に自分で判断し、週刊誌でも読んでみようか、と方向転換するしかないでしょう。

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24節気の健康と食養:芒種から夏至まで

2023年06月06日 | 24節気の健康と食養

 24節気の健康と食養:芒種から夏至まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 芒種 初候 螳螂生(かまきり しょうず)螳螂が生まれ出る
    次候 腐草為蛍(くされたる くさ ほたると  なる)
             腐った草が蒸れ 蛍になる
    末候 梅子黄(うめの み きばむ)梅の実が黄ばんで熟す

 小満の次にやってくる24節気が芒種(ぼうしゅ)で、毎年6月5、6日頃(2023年は6月6日)になります。言葉のいわれは「芒(のぎ=籾殻にあるトゲのような突起)ある穀類、稼種する時なり」からきています。
 これを早とちりしたのか、“現在の日本においては少々遅いと言われていますが、稲や麦など芒のある穀物の種まきをする季節とされてきました。”とか“実際には現在の種まきはこれよりも早い。”とか解説されているものが目立つのですが、「稼種」の「稼」は「
①穀物を植える、栽培 ②みのり、取り入れた穀物」と2つの意味があり、芒種の場合は後者の意味で使われているのです。つまり「この頃に、秋に播いた麦類の実が稔って刈り入れが行われる」というものです。なお、芒種の一つ前の節気である小満は、麦の実が次第に充実してきた様を言っていますし、24節気の発祥地は中国大陸中心部でして、穀類といえば米ではなく小麦ですから、このように解釈すべきです。

 気温もどんどん高くなって、この先、夏至、小暑と気温は上がり続け、大暑でもってピークを迎えるというのが、中国大陸中心部の気候で、梅雨はありません。中国で梅雨があるのは、長江下流域とその西方の中国大陸南部だけです。
 北海道を除き、全国的に梅雨がある日本ですから、中国とは季節の捉え方が随分と変わったものとなります。日本では、芒種の頃から1か月半、3つ先の節気である大暑の頃までジメジメとし、気温も梅雨明け後にグーンと上がり、まるで季節感が違いますから、対処法は自ずと異なったものとなります。

 芒種から梅雨入りまでのしばらくの間は、夏至に近いこともあって、昼の長さは1年で最も長くなる時期です。よって、活動時間は長くなり、夏:心の季節ということもあって、心臓の働きも活発になります。人の体は、夏:心の季節に十分に対応していることでしょう。
 
これを踏まえた夏の養生法を下記の記事で紹介しています。ご参照ください。
  
立夏は夏の入り、五味を上手に夏食に。先ずは「心」が求める苦味です。

 ここでは、芒種から夏至までの養生について、まず、梅雨入り前の特徴的なものを紹介することにしましょう。(今年はもう梅雨入りしましたが)
 昼が長くなりますから、その分活動量が増え、心臓も長時間働かされます。よって、エネルギー代謝をスムーズにしてあげる必要があります。
 芒種の頃から旬となるのがタマネギです。タマネギにはこれといった栄養価はないものの、特有の刺激臭「硫化アリル」がビタミンB1を活性化させ、これによってエネルギー産生回路を円滑に回す、つまりスタミナ食になりますから、心臓にとって実に望ましい食品といえます。旬のタマネギを大いに食したいものです。
 同じ頃に旬となってくるニンニクも、薬効成分アリシンが同様な働きをしますから、これも料理に取り入れたいものです。
 つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、夏は<主・苦味、従・辛味、添・甘味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。

 次に、梅雨入り後の養生について説明します。これの詳細な解説は、次をご覧いただくとして、ここでは簡潔に要点を述べます。
  梅雨時の健康法は「湿熱」疾病と「冷たい物中毒」の合併症からの脱却
 梅雨に入ると、「湿熱」で「脾=胃」が弱ってきますから、胃に負担がかからないよう、油っこいものを避け、よく噛んで食べるのが第一となります。また、この時期、通常はエネルギーの消耗が少ないですから腹八分とし、食欲も落ちてきますから、美味しく食べられるものを少しずつあれこれ食べるのが良いということになりましょう。
 そして、梅雨の晴れ間には少しはお日様に当たりたいものです。活性化ビタミンDは皮膚で太陽光線により作られるのですからね。
 慢性的に血液中の活性化ビタミンDになっている日本人と思われます。骨を丈夫にするほか、新型コロナやインフルエンザなどの感染症にも効果があるビタミンDです。ネットニュース(2023.6.5)で東京慈恵会医科大学の調査結果が流れましたが、そのプレスリリースは次のとおりです。ご覧になってください。
  98%の日本人が「ビタミン D 不足」に該当   

 また、朝日に当たると「幸せホルモン」セロトニンの分泌が促され、精神が安定し、気分が穏やかになり、幸福感が湧き上がってきますから、おすすめします。なお、リズミカルな運動を併せて行うと、よりいっそうセロトニンの分泌が促進されますので、日が昇るのが早くなったこの頃ですから、早起きして散歩を5分でも、できれば15分、最大30分、少々早足で行なうとよいです。ラジオ体操でもいいです。
 前季におすすめした「冷水シャワー」。皆さん、始められましたか。湯上がりにたっぷり冷水シャワーを浴びると、気分まで爽快となり、精神的ストレスも流しとってくれますよ。免疫力も高まり、風邪も引きにくくなります。

 ところで、精神的ストレスといえば、「五月病」を罹った方で6月になっても尾を引いている人も少なからずいらっしゃいますし、近年は新社会人に「六月病」なるものも現れるようになりました。どちらも「精神の高ぶりや心の落ち込み」という交感神経の緊張状態がずっと続いていると考えてよく、これが延々と続くと、そこから脱却できず、鬱病になったり、心の病が深刻なものになりかねません。
 そうした方々は、交感神経の緊張を緩め、副交感神経を優位にしてあげる方策、つまり精神をリラックスさせる何らかの手立てをとっていただきたいです。
 ネットニュースで、実に簡単でこれはいいなあ、というものを見つけましたので、それを紹介しておきましょう。
(2018.6.5配信『何かだるい梅雨の隠れ疲労 放置すると「夏うつ」に』 奥田弘美 精神科医(精神保健指定医)・産業医・労働衛生コンサルタント)
 軽く目を閉じて、鼻先を出入りする空気の流れをじっくり感じる「呼吸瞑想」(マインドフルネス瞑想の一種)を数分行うだけでも交感神経系の緊張を緩める効果が期待できます。空気が鼻孔から入っていき、また鼻孔から出ていく。呼吸瞑想では、この感覚を目を閉じてひたすら感じていくだけでOKです。何か思考や関係ないことが浮かんだら、「思考した」「考えた」と気づいて、また呼吸の感覚に意識を戻します。座禅のように無になろうと頑張る必要は全くありませんので、電車でもオフィスでも自宅でも一人になれる空間があればどこでも可能です。目まぐるしい外界の刺激からシャットダウンされますので、心が落ち着きやすくなるため筆者もしょっちゅう実践しています。ぜひ気軽に試してみてください。

 次回は、「夏至」(6月21日頃)からの健康と食養です。

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