(1週間ほど投稿を忘れており失礼しました)
24節気の健康と食養:穀雨から立夏まで
24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
穀雨 初候 葭始生(あし はじめて しょうず)葦が芽を吹き始める
次候 霜止出苗(しも やんで なえ いづる)霜が終り稲の苗が生長する
末候 牡丹華(ぼたん はな さく)牡丹の花が咲く
清明の次にやってくる24節気が穀雨です。毎年4月20日頃(2025年は4月20日)になります。穀雨の語源は「春雨降りて百穀を生化すればなり」と言われたことによるようです。百穀といっても中国のことですから麦が中心で、秋に種をまいた麦類の生長を助ける雨のことで、麦は穂が出て実を着けるようになる、というものです。
なお、穀雨の季の終わり頃に八十八夜がやってきます。立春を起算日(第1日目)として88日目で、5月2日頃になり、次の節気である立夏の3日ほど前になります。
八十八夜は日本独自の雑節の一つで、「♪夏も近づく八十八夜…」の唱歌で有名ですが、「八十八夜の別れ霜」と言われるように、山間地では遅霜が発生する最終の時期になります。そして、この日に摘んだ茶葉は上等なものとされ、茶摘を行うイベントが催されるようになりました。
穀雨を過ぎれば新緑真っ盛りで、日によっては汗をかき暑さを感ずるほどになります。歌にあるとおり「夏も近づく」という感覚に至ります。
実はこの時期は「春の土用」に当たります。「春の土用」は、穀雨の3日ほど前から立夏の前日までです。春と夏の季節の変わり目である「春の土用」です。
よって、『24節気の食養:穀雨から立夏まで』は、投稿済みの次の記事と大きく重複しますから、これをご覧ください。
春の土用がやってきました。食事の内容も変えたほうが良いです。
この記事で触れなかったことについて、ここで記すこととします。
この時期は、目まぐるしく「肝」→「脾」→「心」と働きの中心が移る「脾(=消化吸収の要)」の時期に当たり、また、年度替りしたばかりですから、心身ともにあわただしくなっています。
こうしたことから、精神も不安定となり、人によっては挫折感を味わったり、落ち込んだりと、五月病の前触れ症状が出てくることが多くなり、朝起きて“今日は出勤したくないなあ”という滅入った気分になることも往々にしてあることでしょう。
これは、五月病の黄信号かもしれません。
そこで、お勧めなのがラジオ体操です。朝の日射しを浴びながら、ラジオ体操を第1だけでいいですから、都合のいい時間にマイペースで行ってみてください。
これによって「幸せホルモン」セロトニンの分泌が促され、精神が安定し、気分が穏やかになり、幸福感が湧き上がってきます。
(参照)「幸せホルモン」セロトニンと「睡眠ホルモン」メラトニンを十分に出す生活習慣を
食養に関して、旬の野菜を一つ紹介します。
この時期に入手が容易な露地物の野菜となると、その代表は、何と言っても「絹さやエンドウ」です。皆さんも旬のエンドウをお召し上がりください。
エンドウは晩秋に発芽し、小さな草で冬越しした、たくましい野菜です。暖かくなってグングン生長し、花を咲かせ、気候が平年並みであれば、ちょうど概ねこの期間中に収穫できます。ただし、絹さやエンドウの実り方は4月の気温と日照に大きく左右されますし、ピーク時に気温が高くなりすぎると一気に食べ頃のものばかりとなり、アッという間に終わってしまい、栽培農家泣かせの作物です。もし、生鮮野菜売り場に山積みになっていましたら、ぜひ買ってあげてくださいね。
次回は、「立夏」(5月5日前後)からの健康と食養です。