漢方五行論の時間割に沿った健康生活
前稿の「漢方五行論の時間割を無視すると、こころも病む」で、五臓と五刻(時間割)と五志(精神)はそれぞれ密接な関係にあることを述べました。
そして、五行論の時間割については、現代社会に応用が利く別のものがあり、次稿で説明するとお約束しましたので、まずそれを以下に示すこととします。
なお、最初にお断りしておきますが、時間割が2つもあるのは矛盾しているのではないか、と思われるでしょうが、捉え方の違いや時代変遷によって、こうしたことは起きるのでしょう。現に、おおむね2千年前に完成されたと思われます古代中国の医学大百科事典「黄帝内経素問」は複数の者によって編纂され、のちほど表で示します五志に矛盾したものが登場しますし、土用は長夏(年に1回?梅雨時?)とする記述があったりします。
いずれにしても、現代社会は、こ忙しい世の中になっていますから、たぶん比較的新しい時代になって作られたと思われます“新・時間割”は、現代人の体やこころの健康作りに大いに役立つものと思われます。
前稿の時間割(五刻)
朝=肝(5~7時)、昼=心(7~11時)、夕=肺(13~19時)、夜=腎(19~5時)
午=脾(11~13時)
今稿の時間割
朝=肝(3~7時)、昼=心(9~13時)、夕=肺(15~19時)、夜=腎(21~1時)
時間の変わり目=脾胃(1~3時、7~9時、13~15時、19~21時)
両者の大きな相違点は、後者は時間の変わり目として、脾胃を2時間ずつ4箇所に入れ込み、合計8時間としたことと、そして、肝、心、肺、腎を各4時間と同じ長さにしたことです。なお、2時間単位の区切りとしたのは、昔は1日12刻であったことによります。
ただし、昔は、日の出から日の入、日の入りから日の出までをそれぞれ6等分するという不定時法でしたから、夏至の頃は、昼や夕が1時間程度長くなり、冬至の頃は逆に1時間程度短くなります。本稿で示す時刻も不定時法に基づく時刻とお考えください。この方が、ヒトのバイオリズムに合います。
脾胃を4箇所に入れ込むという、この考え方は、1年の巡りについて、季節(春夏秋冬)の変わり目に脾と密接な土用を4箇所入れたことと共通し、また、五志(怒、喜、思、憂、恐)も、怒→思→喜→思→憂→思→恐→思と、脾と密接な思を中心にして移り変わるものであるとされていますし、五臓(肝、心、脾、肺、腎)の中心は脾であるとされていることからも来ています。
ここで、脾胃とは何かについて説明しておきましょう。前稿でも書きましたように、脾とは、消化吸収の要であるだけでなく、栄養を全身に運び、水分代謝を調節する働きを言い、造血作用も持つとされています。胃は、脾の命を受けて働く臓器(=腑)です。
よって、脾は、他の四臓(肝、心、肺、腎)を養う働きを持っているのです。
なお、単に脾とせず、脾胃と、あえて胃を持ち出したのは、食事の時刻との絡みがあるからではないかと思われます。しかし、短絡的に1日4食と考えるのは間違いです。これについては、前稿で解説し、この後も順次取り上げますが、1日2食が基本となり、できれば1日1食としたいものです。
本稿では、これらに五味(み=あじ)を加えて、後者の時間割に沿って説明することにします。まず、それを2つの表で示しましょう。(2016.2.6 2つ目の表を挿入)
(臓) (刻) (志) (味)
肝 朝 怒 酸
心 昼 喜 苦
脾 変わり目 思 甘
肺 夕 憂 辛
腎 夜 恐 塩
まず最初に、夜と朝の変わり目。
その時刻は1時から3時(丑(うし)の刻)で脾胃の時間帯です。
“草木も眠る丑三つ時”がここに入ります。なお、三つとは、1刻を4分割した3番目のことで、丑三つ時とは、2時から2時半を指します。
この時間帯に、ヒトの生理機構の変化は、脾の働きによって、腎から肝へ重点を移すのです。腎の活動を弱め、肝の活動を高める準備をする時間帯と言えます。
これは、就寝中に行われますから、この時間帯に飲食するものではありません。
次に、朝。朝は早起きに限ります。
「早起きは三文の徳」、「早寝早起き病知らず」と、ことわざにもあります。
空が白み始めるより前に起きるのが理想でしょうが、就寝時刻との兼ね合いもあり、睡眠不足になっては元も子もないですから、無理は禁物です。
スッキリとした自然の目覚めが何よりも重要です。
朝(3時から7時)は、肝が一番働く時間帯です。
肝は、腎で養われた気と脾で作られた血を全身に巡らせる役割を持ち、今日1日を元気にスタートさせる重要な働きがあるのです。早朝は、新鮮な外気に触れ、大きく深呼吸し、軽く体操でもすれば、それがより促進されて最高です。
ただし、朝は体のアイドリング運転をする時刻ですから、こ忙しく動き回るのは禁物で、先ず、ゆったりすることを優先させたいものです。
そして、前号で強くお勧めしましたように、朝食抜きにします。また、この時間割でも、食事をしてよい脾胃の時間帯は過ぎてしまっているからです。
でも、夜間にかなりの量の水分が蒸散していますから、目覚めたら、早速水分補給が必要となります。熱いものか温いものをチビチビ飲みます。白湯なり番茶が良いです。
決して冷たい物をがぶ飲みしてはなりません。お通じが良くなるからと、そうされる方がありますが、それは下剤と同じで体に毒となります。胃腸を冷やすことほど体に悪いことはないですからね。
何も食べないのが基本ですが、小生は白湯をすすりながら、「酸っぱい梅干」を1粒食べることにしています。上の表で、肝に酸となっているように、肝は酸味を欲するからです。
これは、実に理にかなっていて、酸っぱさの元であるクエン酸が血液をたちどころにサラサラにしてくれますし、クエン酸が細胞に取り入れられればエネルギー産生回路を円滑に動かしてくれるからです。なお、キムチも少し酸っぱいから口にして良さそうですが、辛い物は肝に触りますから駄目です。
朝は4時間(3時から7時)あるのですが、現実には、せいぜい2、3時間しか取れないでしょう。でも、この時間帯が今日1日の勝負を決めるのですから、重要です。
健康体であれば、肝が正常に働き、精神は奮起の状態となり、やる気が湧いてきます。
そして、肝は、考えを巡らしたり、感情を動かす働きがありますから、今日1日のアクションプランを具体的に立てることにします。これによって、1日の時間を効率よく使うことができますし、何か新しいことに挑戦しようという意欲も湧いてきて実行に移せます。
注目されるのは、この時間帯での受験勉強です。肝が働き、円滑に考えを巡らすことができるのですから、最高に効率があがるのです。暗いうちに起きて4時間勉強すれば、東大合格間違いなしとも言われます。鳩山家(元首相)はそうして兄弟そろって東大合格。小生の師の大師である漢方の大先生のご子息もそうして東大に合格されました。
まさに「早起きは三文の徳」です。ただし、これは早寝して十分に睡眠時間を取ることが前提になるようですが、受験勉強はこの方法に限りましょう。
さて、朝が過ぎ、脾胃の時刻(7時から9時)になります。この時間帯は、ヒトの生理機構は、脾の働きによって、肝から心へ重点を移すのです。肝の活動を弱め、心の活動を高める準備をする時間帯と言えます。
また、こころ(志)は、怒=奮起から喜への変わり目、思の状態にあって、こころが健康であれば正常な思考ができるのですが、思い悩んでいると朝から苦悩することになりますから、ここは、嫌なことは忘れて、今日はいいことがあるさと、前向き思考しましょう。
脾胃の時刻になったから、さあ朝食を取ろう!では決してありません。脾は、心への栄養補給をする時間帯であるのです。現代医学で言えば、この時間帯は、前日摂った食物が消化吸収されて順次血液中に入り込み、ブドウ糖が筋肉などにグリコーゲンとして蓄えられる最中でして、体内は栄養で満タンの状態にあり、この段階で食事を摂る必要はどこにもないのです。
よって、この脾胃の時刻は、心の準備運動のために多少体を動かして仕事の段取りでもするのが一番良いことになります。通勤・通学で歩いたりすることも、これに相当するでしょう。
どうしても食事を摂りたいという方は、この後の時刻に働く心は、苦味を欲しますから、苦味食材を意識してお摂りになると良いでしょう。小生は、朝と午前中にホット・コーヒーをブラックで少しずつ何杯か飲んでいます。
なお、塩は心に負担を掛けますから避けたいです。塩分の摂りすぎで高血圧を呈する方がみえますが、特に午前中は気を付けたいです。
そして、くどいようですが、野菜ジュースなど胃を急激に冷やす冷たい飲み物は、夏でも厳禁です。熱いものや温かいものを摂れば胃腸の働きが良くなり、便通もスムーズです。間違っても、下剤代わりに冷蔵庫で冷やした牛乳や豆乳、野菜ジュースを飲むのは止めてください。毎日、これを繰り返していると、低体温症となり、アレルギー体質、ガン体質になってしまいます。
このことは、冷蔵庫文化による悲劇なのですが、詳細は、このブログのカテゴリー「冷え・アレルギー」の中で何度も記事にしていますから、例えば「アトピーの本質的な原因について考える(その2)」をご覧いただくとして、漢方においても、冷え症の人は胃腸を冷やしてはならぬとなっていますので、十分ご注意ください。
そうこうしていると、昼=心(9~13時)の時刻となります。
心が一番働く時間帯です。心つまり心臓は、血液を力強く全身に巡らせてくれます。体を動かす仕事はこの時間帯が一番です。小生は薬屋稼業ですが、1反歩近い畑があり、この時間帯を中心に暇を見ては百姓仕事をするようにしています。
筋肉や肝臓に蓄えられたグリコーゲンはやがて底を付き、そこで、皮下脂肪を分解してケトン体などのエネルギー源を作ってブドウ糖の代替とし、活動は続けられます。
こころは、喜の状態にあります。仕事でも勉学でも、前向きに取り組めば何か楽しいことがあるはずで、それを探しながら進めれば歓喜することができ、こころは健康になります。
昼が終わると、再び脾胃の時刻(13時から15時)になります。この時間帯は、ヒトの生理機構は、脾の働きによって、心から肺へ重点を移すことになります。心の活動を弱め、肺の活動を高める準備をする時間帯と言えます。
やっと、ここで食事を摂ります。脾は、肺の活動を高めるために肺に栄養を送らねばなりませんが、その栄養は昼に使い果たしており、脾のもう一つの役割である消化吸収の要としての働きを開始し、胃は脾の命を受けて盛んに活動します。そして、即吸収できる栄養から順次肺に送り込むことになります。
なお、昼食は正午からというのが一般的ですが、脾胃の時刻(13時から15時)からして可能であれば遅飯にした方が良さそうです。
ところが、現代社会は、昼食を含めて1時間で昼休みが終わるのが普通です。
でも、ヒトの生理機構からすれば、胃の活動が1時間で終わるわけがなく、2時間の昼休みがどうしても必要です。しかし、現実は、1時間で昼休みは終わります。
加えて、勤務時間はまだ半分終わっただけで、あと4時間もあって、それが肉体労働ともなると、残酷極まりないことになります。
休んでいいはずの心は再び活動を強いられますし、胃は少ししか回って来ない血液でもって必死に消化に勤めざるを得ないですし、肺は準備不足で機能を発揮できません。
1つの体で3つもの仕事を同時にこなすことなど、どだい不可能なことです。
よって、午後は軽作業にさせていただきたいものです。
それが無理とならば、昼食は消化の良いもので軽く済ませるしかありません。朝食抜きが習慣化すれば、皮下脂肪を分解してケトン体などのエネルギー源を作る回路がスムーズに動くようになりますから、空腹感を全く感じることなく、午後も肉体労働を続けられるからです。
現代においては、丸一日肉体労働という仕事は少なく、接客業となると、たいした肉体労働ではないですし、デスクワークともなると、体を使わなすぎになってしまいます。
こうした労働にあっては、心に負担をかけませんが、適度に体を使わないと、筋肉がやせて血液を全身に巡らせる力が落ちてしまいますから、考えものです。
運動不足の方は、心が活発に活動する昼(9~13時)の時間帯になさるのが良いです。平日にはこれは無理でしょうから、休日の運動はぜひ昼になさってください。
なお、こうした仕事の場合であっても、昼休みは1時間しかないでしょうから、昼食は、ごく軽く済ませるべきです。朝食抜きが習慣化すれば、これは簡単にできるようになりますし、これに慣れてしまえば昼食までをも抜くことも可能です。
小生が10年近く続けている1日1食健康法です。
こうすれば、本来の脾の働きが円滑に行われ、脾胃の時刻(13時から15時)に、心の活動を弱め、肺の活動を高める準備が円滑に進められるのです。
何よりもメリットが大きいのが仕事の効率がグーンと上がることです。正午になったら昼食で仕事を中断・休憩ということはないですから、13時(ときには14時)まで連続作業して仕事の切りを自在に付けることができるからです。
通常は昼食を摂ることになりますから、昼食はどんなメニューがいいか説明しましょう。
脾は甘味を欲し、続く時刻の肺は辛味を欲しますから、甘くて辛い物となります。
でも、甘味は、ほのかな甘味でよく、でんぷん質で十分です。ご飯もよく噛めば甘味がでてきますからね。つまり、唾液の力でブドウ糖が作られ、即吸収されるエネルギーになるからです。よって、ウドンかソバに一味か七味を適度にかけて食べるなり、カレーライスということになります。これらは、良く噛むにはあまり適さないものの、ゆっくり時間をかけて食べる暇がありませんから、これでよしと妥協するしかないでしょう。これ以外のメニューにあっても、キムチを少々口にするなど、辛味を補いたいものです。なお、苦味は肺に負担が掛かりますから、昼食の後や午後のコーヒーは避けたいです。
そして、脾胃の時刻(13時から15時)には、こころ(志)は、喜から憂への変わり目、思の状態にあります。こころは、今日の仕事は終わった、あとは今日の仕事の反省でもしようという状態にありますから、“昼飯を食ったから元気が出た。さあ、午後が本番だ、これから本格的に仕事をしよう!”などと意気込んでみても、こころは空回りするばかりです。
やはり、仕事は、肝が働く朝、心が働く昼に、効率良く一日の大半を片付けてしまう努力をしたいものです。
夕(15~19時)は肺の時刻です。本来は労働する時間帯ではありません。肺から綺麗な空気を取り入れ、全身に十分な酸素を供給する休息の時間なのです。
でも、たいていは午後にも仕事が残っています。できれば、午後の仕事は単純作業とし、可能であれば外回りの仕事をこの時間帯にしたいものです。
そして、仕事が定刻に終わったのであれば、そそくさと帰宅するのではなく、しばし屋外で綺麗な空気を吸われてはいかがでしょう。
1日に1回は、ゆったりと大自然に抱かれて、時間の流れを肌で感じたいものです。でも、毎日はとても無理でしょうから、休日には、ぜひ味わってみてください。
さて、こころは憂の状態にあり、往々にして悲嘆にくれることにもなりますが、暫し夕日を眺めていれば、陽が落ちていくのがはっきり分かりますから、“自分一人が頑張らなくったって、ちゃんと地球は回っていくではないか。何とかなるさ。”という気分にもなれることでしょう。例えばこのようにして、くよくよせずに気分を落ち着かせたいものです。
日が暮れて、また、脾胃(19~21時)の時刻がやってきました。
この時間帯は、ヒトの生理機構は、脾の働きによって、肺から腎へ重点を移すことになります。肺の活動を弱め、腎の活動を高める準備をする時間帯と言えます。
ここで夕食を摂ります。脾は、腎の活動を高めるために腎に栄養を送らねばなりません。軽めの昼食であれば、その栄養は午後の活動で概ね使い果たしていることでしょうから、脾のもう一つの役割である消化吸収の要としての働きを開始し、胃は脾の命を受けて盛んに活動します。そして、即吸収できる栄養から順次腎に送り込むことになります。
重い昼食であれば、腎に送る栄養はたっぷり残っていますから、軽めの夕食とすべきです。そうしないと、栄養の摂りすぎとなり、皮下脂肪として保存する一方です。
こ忙しい世の中ですが、1日に1回はゆっくりくつろぐ時間帯を設けたいものです。
この脾胃の時刻が一番ではないでしょうか。血液を脾胃に集中でき、消化吸収もスムーズに進行します。当店の閉店時間は19時としており、店を閉めれば、“グルメ・タイム”とし、2時間近くかけてチビリチビリと晩酌を楽しみながら“大晩餐会”を満喫することにしています。たとえ粗飯であっても、このように考えれば、リッチな気分になれますからね。
ここでも五味について触れておきます。脾は甘味を欲し、腎は塩味を欲します。
甘味はでんぷん質で十分ですし、減塩に神経質になることはありません。
塩分は、体が塩味を欲する程度に摂ってよいのです。でも、家族皆が一律に同量の塩分摂取をしてはいけません。
これは、汗のかき具合によって違ってきますからね。佃煮なり漬物をいつも食卓に用意しておき、汗をかいた人は、これを多めに食べればよいです。
脾に負担が掛かるのは酸味、腎に負担が掛かるのは甘味です。
でも、夕食はけっこうな量を食べますから、酸味を多く摂っても薄められますし、現代の日本人は、たいてい胃酸の出が悪くなっていて、その助けにもなりますから、別に気にすることはないです。甘味食材は、でんぷん質のほか肉・卵もそうで、エネルギー源になるもの全てと考えて良いですから、やはり腹八分にすることが求められます。
なお、小生のような1日1食生活であっても、本来は腹八分の夕食とすべきですが、悲しいかな口の卑しさのあまり、つい飽食してしまいます。
ところで、五味は季節によっても変化し、夏は心の活動が高まるから苦味を積極的に取った方が良いし、秋は肺の活動が高まるから辛い味付けにした方が良いとなったりします。これについては、このブログのカテゴリー「漢方栄養学」で、季節ごとの料理などを詳細に説明していますから、一度覗いてみてください。
一日の最後は、夜=腎(21~1時)の時刻です。
腎が一番働く時間帯です。脾と肺によって取り入れられた、生命活動の源となる精気を貯蔵し、元気を養うのが腎の役割です。また、腎と密接な関係にある体の組織は骨(骨髄を含む)で、丸一日、直立二足歩行で随分と骨に負担がかかっていますから、横になって骨休めする必要があります。そのためには、21時に床に就き、早寝するのが一番ですが、まだまだテレビを観ていたいです。そんなわけで、ゴロリと横になって骨休めをしつつ、半分眠りながらテレビを観ている小生です。そして、23時には就寝。
翌朝、6時に起きて7時間睡眠、これが小生の平均的な睡眠時間ですが、横になる骨休め時間は9時間、居眠りを含めると7時間半の睡眠で、朝の目覚めは良いですし、昼間に眠くなることはありません。できれば、もう1時間、早寝早起きしたいのですが、できそうにもありません。
夜のこころは、恐の状態にあります。
えてして恐怖の感情が湧いてきて寝付けなくなり、一睡もできずに夜が明けてしまうのではと焦りもし、目が冴えてしまって、とても眠れそうな状態ではなくなります。
でも、腎の時刻は午前1時に終わりますので、その時刻が過ぎれば恐のこころは消えて、すっと寝入れますから安心なさってください。
日付が変わり午前0時になっても目が冴えていたら、“昨日一日で何か楽しことはなかったかな”と、幸せ探しでもしていれば、知らぬ間に寝入っていることでしょう。
なお、夢の多くが恐いものとなるのは、夜のこころは、恐の状態にあるからです。
これにて、漢方五行論の時間割に基づく一日が無事に終わりました。
今回も、またまた長文になってしまいましたが、最後までお付き合いいただき、感謝申し上げます。
本稿が、あなたの一日の暮らし方の改善にどれだけか参考になれば幸いです。