薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

24節気の健康と食養:清明から穀雨まで

2020年04月04日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:清明から穀雨まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 清明 初候 玄鳥至(つばめ きたる)燕が南からやって来る
      次候 鴻雁北(こうがん きたへ かえる)雁が北へ渡って行く
      末候 虹始見(にじ はじめて あらわる)雨の後に虹が出始める

 春分の次にやってくる24節気が清明です。毎年4月4、5日頃(2020年は4月4日)になります。清明の語源は「万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれるなり」と言われたことによるようです。
 この時期、草木は勢いよく芽吹き始め、様々な花が咲き乱れて、お花見シーズン
となります。誰しも、本当に春が来たと実感できます。代表的な桜ソメイヨシノが散っても青葉が一斉に芽吹いてきますし、他の花々が咲き乱れたりしてきます。
 年度も変わり、仕事や学業は一年の始まりであって、大きな希望を持って、人は気力が満ちて、やる気も起き、いっそう
心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになります。(もっとも今年は新型コロナ騒動で、とてもそんな気分になれないでしょうが、ビクビクしていてもらちが明かず、ここは開き直るしかないです。)
 
人の体は、命生まれる、つまり新陳代謝を活発にする態勢がピークを迎えています。
 立春以来、毎回紹介していますが、今回も春の養生法全般について、まずは下記の記事を参照なさってください。
 春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 なお、以下の記事は、これらの一部を重複して紹介します。

 清明からの1か月間は、1年のうちで一番過ごしやすい季節ではないでしょうか。
 朝の冷え込みは弱く、日中に汗をかくこともなく、実に快適な一日を過ごせます。
 最近の中医学(中国)では、この時期、「保養と心の安寧に注意し、異常な心の反応を抑え沈め、のびのびとして気持ちのよい心の状態を保つようにするとよい」と言われます。特に、春は肝の季節で「血が騒ぐ」ことにもなり、「血熱(けつねつ)」があふれ出て、それが肩こり、頭痛、めまい、耳鳴りなど春に特有の症状を呈することがあります。そうした場合には、余分な熱を外へ放出する作用に優れた、動物性生薬「牛黄(ごおう)」が効果を発揮します、と紹介されています。
 なお、中国は進学・就職が9月ですから、この時期、単にこうした春特有の生体反応だけを考えればいいのですが、日本の場合は4月始まりですから、新年度が始まったこの時期、生活環境の激変が重なって「異常な心の反応」が増幅されます。尋常ではない緊張感、不安感に襲われることも多いでしょう。
 このことに関しては、前回の春分のときにも申しましたが、初めて行う仕事は分からないことだらけで、簡単なものであっても間違うことはしょっちゅうあり、誰しも最初はそうしたものですから、失敗を恐れず、積極的に新しい仕事に取り組んでいきたいものです。
 なんせ「失敗は成功の元」といいますから、そう考えれば気が楽になりましょう。
 こうしたことを心がけ、「のびのびとして気持ちのよい心の状態を保つようにする」ことを目指しましょう。そうしないと、この先の節気「穀雨」(4月20日頃)の頃から季節は春の土用となり、脾胃が高ぶって深刻に思い悩むことになり、もう一つ先の節気「立夏」(5月5日頃)には、文字どおり「五月病」を病んでしまうことになりかねませんからね。

 緊張感で心が高ぶったり、逆に落ち込んだとき、呼吸を整えると往々にして平穏を取り戻すことができます。誰でもどこでもその場でできる呼吸法を紹介します。
 それは、丹田腹式呼吸法(2014.11.06投稿の2つの呼吸法のうちの1つ)

 花粉症などアレルギー症の方は、この時期、とてもお気の毒です。
 スギ花粉の飛散が終わり、ホッとされたことでしょうが、今度はヒノキ
花粉がピークを迎えましたから、これに反応する方はうっとおしくなります。お花見どころではありません。
 しばし我慢を強いられますが、前々から申しておりますように、
アレルギー症状を呈する方は、たいてい低体温になっていますから、引き続き体の芯を温めることが重要です。温めのお風呂にゆっくり浸かれば症状が和らぐことでしょう。重症の方は、寒い日の日中は引き続き貼るカイロをお尻の両脇(「気をつけ」の姿勢を取ったとき凹む位置)あるいは下腹部に貼られるといいでしょう。
 また、アレルギー症状を呈する方は、油を控え目にしましょう。油は腸内環境を悪化させますから、なるべく使わないようにしたいものです。また、体を温める食事、体を温める食品を取るように心がけることが重要です。

 清明から穀雨までの食養について、特徴的なものを2つ紹介することにしましょう。
 一つはヨモギです。旧暦3月3日の「桃の節句」を「草餅の節句」とも呼びました。年によってだいぶずれますが、清明の頃が「桃の節句」となり、草餅はヨモギで作ります。
 ヨモギの新芽が出る時期がこの頃で、草餅のみならず旬の野草としていろいろな料理に使えるものです。ヨモギの薬効もいろいろ言われていますが、旬の野草だから間違いなく人の体にもいいことでしょう。手に入るのであれば食したいものです。
 もう一つは、
タラの芽です。ソメイヨシノの満開と概ね一致するタラの芽の芽吹きです。山菜の王様と言えるタラの芽。おひたし、味噌和え、てんぷらなど、おいしくいただける山菜です。
 この時期に入手が容易な露地もの野菜で旬のものとなると、菜の花、春キャベツぐらいなものでしょうか。少々寂しくなりました。

 立春以来、毎回紹介していますが、春は肝の季節になりますから、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、春は<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
 清明から穀雨までの春にふさわしい料理としては、初物のタラの芽なり菜の花を彩りに加えた酢豚などいかがでしょうか。タラの芽、菜の花はほどよい苦味がありますからね。彩りに季節はずれのピーマンを使うのは考えものです。
 なお、酢豚にはタケノコが付き物です。タケノコはこれからが旬となります。

 次回は、「穀雨」(4月20日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:春分から清明まで

2020年03月19日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:春分から清明まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 春分 初候 雀始巣(すずめ はじめて すくう)雀が巣を構え始める
       次候 桜始開(さくら はじめて ひらく)桜の花が咲き始める
       末候 雷乃発声(かみなり すなわち こえを はっす)遠くで雷の音がし始める

 啓蟄の次にやってくる24節気が春分です。毎年3月20、21日頃(2020年は3月20日)になります。これより昼が夜より長くなる(厳密には異なりますが)のですから、春も本番となります。
 「
暑さ寒さも彼岸まで」と言います。寒さで体が縮こまることもなくなり、過ごしやすい季節の到来です。
 
野山に本格的な春が来た、これを実感することによって、ますます人は、気力が満ちて、やる気も起き、いっそう心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになります。特に、間もなく桜の開花を迎えますから、心がウキウキしてきます。
 
人の体は、もう完全に、命生まれる、つまり新陳代謝を活発にする態勢へと生理変化しきっています。人の体は、暖気運転、試運転が終わり、本格稼動に入ったのです。
 ここにきて有り難いことに、マスコミが煽りに煽っている新型コロナも、厚労省の各種発表資料からすると鎮静化の方向に向かっています。ぜひその傾向で今後推移することを期待したいです。今日(3月19日)に最新記事追記した「新型コロナウイルス COVID- 19驚くに当たらず。日本では下火になってきました。」の最下段をご覧ください。
 
 立春以来、毎回紹介していますが、今回も春の養生法全般について、まずは下記の記事を参照なさってください。
 春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 なお、以下の記事は、これらの一部を重複して紹介します。

 「暑さ寒さも彼岸まで」とは言え、「花冷え」という言葉があるように、朝晩かなり冷え込む日もあります。こんなとき、風邪を引きやすいですからご用心あれ。
 そして、スギ花粉はピークを過ぎたものの、ヒノキ花粉が飛び始めていますから、両方に反応する方には実にうっとおしい季節ですね。また、アトピーの悪化もまだしばらく続きましょう。
 啓蟄のときにも申しましたが、これらアレルギー症状を呈する方は、たいてい低体温になっていますから、まずは体の芯を温めることが重要です。温めのお風呂にゆっくり浸かれば症状が和らぐことでしょう。重症の方は、寒い日の日中は引き続き貼るカイロをお尻の両脇(「気をつけ」の姿勢を取ったとき凹む位置)あるいは下腹部に貼られるといいでしょう。
 また、アレルギー症状を呈する方は、油を控え目にしましょう。油は腸内環境を悪化させますから、なるべく使わないようにしたいものです。また、体を温める食事、体を温める食品を取るように心がけることが重要です。

 今回も体操を一つ紹介します。
<どこでもできる、体が温まる「8の字書き体操」>
 40肩、50肩の改善、予防にもなりますし、思いのほか体が温まります。
 立ったままの状態で、両手の掌を頭の上で合わせます。
 両足を4、50センチ開いて、腰を少し落とします。
 胴体を左右に動かさないようにして、頭の上で左右方向に大きく「8の字」を書きます。
 連続10回、これを繰り返します。
 かなり、きついです。
 少し休んだ後、逆回転で、また1セット。だんだん体が温まってきますよ。
(注)言葉が似ている「8の字引き締め体操」というのがありますが、これは、産後に行う体操で、全く別物です。女性の外陰部を取り巻く筋肉が8の字を描くように分布しているから、そう呼ばれるだけで、これは、膣と肛門を引き締める体操のことです。

 ところで、この時期は、年度替りし、新しい職場、進学などで生活環境がガラリと変わり、何かと緊張し、精神状態も不安定になりがちです。
 そんなんでは、初めから負けです。新しい年度にはきっと何かいいことがある、きっとワクワクすることが起きる、と前向きに考えましょう。そして、夢は開く、あたかも桜が開花するように、と大いに期待しましょう。こう考えた方が楽しくなりますからね。
 そして、失敗は成功の元、です。初めて行う仕事は分からないことだらけで、簡単なものであっても間違うことはしょっちゅうあります。でも、誰しも最初はそうしたものですから、これは何も恥ずかしいことではなく、少しずつ覚えていき、以後は同じ間違いを繰り返さないように注意すればよいだけのとこです。失敗を恐れず、積極的に新しい仕事に取り組んでいきましょう。

 春分から清明までの食養について、特徴的なものを一つ紹介することにしましょう。
 この時期は、
菜の花です。冬野菜にとうがたち、花芽が吹いてきます。蕾の塊にほんの少々花が開きかけたもの、これは見た目にいいですし、ものすごい生命力がいただけそうで、実際、そうだと思われるのですが、そのいのちをいただきたいものです。
 市販のものは、菜の花を摘む専用のアブラナ系統のものですが、一般的な冬野菜で菜の花として大いに使えるのは白菜と小松菜です。
 うちでは小松菜を多めに作付けし、残ったものはとうだちさせ、花芽を摘んで料理に使っています。この時期、啓蟄のときに紹介しましたツクシ、まだいっぱい摘むことができます。これと菜の花を混ぜた卵とじがおいしいです。ツクシ特有の灰汁がこれでソフトになり、両方の味が楽しめます。

 この時期に入手が容易な露地物の野菜で、旬のものとなると、春菊、遅蒔きのホウレンソウ、キャベツ、ブロッコリーの脇芽ぐらいなものでしょうか。少々寂しくなります。

 立春以来、毎回紹介していますが、春は肝の季節になりますから、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、春は<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
 おすすめの料理を一つ紹介しましょう。この時期に出回る
菜の花のおひたしです。菜の花の蕾は若干の甘味があり、開きかけた花は苦味があります。ゆでてポン酢をかければ、<主・酸味、従・甘味、添・苦味>となります。酢味噌和えもいいですね。
 そして
今が旬の甘夏。<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせになっています皆さんも食後のフルーツにどうぞお召し上がりください。

 次回は、「清明」(4月4、5日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:啓蟄から春分まで

2020年03月04日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:啓蟄から春分まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 啓蟄 初候 蟄虫啓戸(すごもり むし とを ひらく)冬蘢りの虫が出て来る
       次候 桃始笑(もも はじめて さく)桃の花が咲き始める
       末候 菜虫化蝶(なむし ちょうと なる)青虫が羽化して紋白蝶になる

 雨水の次にやってくる24節気が啓蟄です。毎年3月5、6日頃(2020年は3月5日)になります。冬籠りの虫が這い出るようになることから、啓蟄と言われます。
 新暦(西暦)でも3月は春とされ、自然界は至る所ではっきりと春の兆しが見られるようになりましたね。

 野山に春が来た、これを実感することによって、人は、気力が満ちて、やる気も起き、いっそう心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになります。
 
人の体は立春の頃以降、冬ごもりの態勢から、命生まれる、つまり新陳代謝を活発にする態勢へと既に生理変化してきていて、これがますます高まってきます。
 立春以来、毎回紹介していますが、今回も春の養生法全般について、まずは下記の記事を参照なさってください。
 春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 なお、以下の記事は、これらの一部を重複して紹介します。

 啓蟄以降、天気がいい日は朝晩まだまだ冷え込むものの、日中は気温が上がり、暖かさを感じて、皮膚の筋肉が緩み、ホッとする日もあります。でも、油断大敵。気温差が大きいために、このような日には風邪を引きやすいですからご用心あれ。
 そして、スギ花粉が盛んに飛ぶようになる時期でもあります。花粉症の方には憂鬱な季節です。また、アトピーの悪化もこの時期に進む傾向にあります。
 これらアレルギー症状を呈する方は、たいてい低体温になっていますから、まずは体の芯を温めることが重要です。温めのお風呂にゆっくり浸かれば症状が和らぐことでしょう。重症の方は、日中は貼るカイロをお尻の両脇(「気をつけ」の姿勢を取ったとき凹む位置)あるいは下腹部に貼られるといいでしょう。これでお腹が温まります。
 また、アレルギー症状を呈する方は、油を控え目にしましょう。油は腸内環境を悪化させますから、なるべく使わないようにしたいものです。そして、体を温める食事、体を温める食品を取るように心がけることが重要です。

 今回も体操を一つ紹介します。
 口呼吸は万病の元。鼻で呼吸するのが正常なのですが、知らず知らず口で呼吸している方がけっこういらっしゃいます。花粉症の方は日頃からこうした傾向が強いです。
 今の時期に“鼻で呼吸しなさい”と言われても“鼻づまりでできないわ”となってしまいますが、毎日、次の体操をやり続ければ、だんだん鼻呼吸することが多くなってきますから、来季に備えて根気良く実行なさってみてください。
 その体操は「あいうべ体操」で、当店新聞2017年2月号で紹介したものです。
 
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 この時期は、まだ寒気団がやってくることもあり、急に寒くもなり、また暖かくもなり、体調不良を起こしやすいです。加えて、間もなく年度末となり、職場の異動発表をひかえ、不安にもなります。それらに伴って、精神状態も不安定になりがちです。
 ここは、開き直り、“何とかなるだろう”でいきましょう。異動がまだ発表されなくても、もう決まっていることでしょうから、ジタバタしても始まりませんからね。

 啓蟄から春分までの食養について、特徴的なものを一つ紹介することにしましょう。
 この時期に道端の土手で一斉に芽吹いてくる野草、ツクシ。
 まだまだ朝晩の冷え込みはきついですから、啓蟄といえども、とてもじゃないが虫が這い出るような気配は全然ないのですが、ツクシは、さも虫が這い出るように地中から頭を出し、そして伸び始めます。一雨降れば、辺り一面がツクシだらけになる所もあります。啓蟄とは、ツクシのことではないの?と疑いたくもなります。

 ツクシの栄養価なり薬効はいろいろ言われていますが、あまり定かではないものの、これといったものはなさそうです。でも、冷えた大地から一気にグンと伸び出すのですから、その生命力は大したものです。ツクシを食べることによって、人もその生命力がいただけるのではないでしょうか。
 我が家のツクシ料理の定番は、小松菜をたっぷり加えた卵とじです。こうすると、ツクシのアクが弱まりますし、とても美味しいです。そればかりではありません。
 暖かさが実感できるようになると、肝の機能がぐんと高まって“血が騒ぐ”ようになり、冷え体質の方は“血が滞る”状態を引き起こします。その“血の滞り”を改善するのに良いのが小松菜なのです。

 この時期に入手が容易な野菜で、旬のものとなると、雨水の食養で紹介しましたように、もう旬が終わりそうな冬野菜ばかりです。それも、暖かさで質が落ちてきます。
 その中で、イキイキしたものとなると、ブロッコリーです。主蕾は既に摘み終わっていますが、暖かくなったこの頃、脇芽からどんどん蕾が出て、摘んでも摘んでもなくならないほど収穫できます。ツクシ同様にイキイキ元気の生命力がいただけることでしょう。

 立春以来、毎回紹介していますが、春は肝の季節になりますから、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、春は<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
 おすすめの料理、これを紹介しましょう。前回紹介しました、うちの料理「春菊入りホウレンソウのポン酢かけおひたし」以外に、通年食べられる酢の物があります。酢の物は<主・酸味、従・甘味>であることはご存知のとおりですが、ここに苦味を添えるのです。料亭で出される酢の物にはユズの皮が彩り良く乗っていますが、ユズの皮に苦味があるからです。これで<主・酸味、従・甘味、添・苦味>の三味となります。
 
果物では、<主・酸味、従・甘味、添・苦味(薄皮)>この三味の組み合わせになっている甘夏です。皆さんも食後のフルーツにどうぞお召し上がりください。 

 次回は、「春分」(3月20、21日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:雨水から啓蟄まで

2020年02月19日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:雨水から啓蟄まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 雨水 初候 土脉潤起(つちの しょう うるおい おこる)雨が降って土が湿り気を含む
      次候 霞始靆(かすみ はじめて たなびく)霞がたなびき始める
      末候 草木萌動(そうもく めばえ いずる〉草木が芽吹き始める

 立春の次にやってくる24節気が雨水です。毎年2月19日頃(2020年は2月19日)になります。氷や雪が融け、雨水が増えることから、雨水と言われます。
 日増しに気温が上がり、
日射しも強まってきます。大自然の変化で誰しも目に付くのは梅の花です。満開になっている所もあちこちにでてきます。
 これによって、人は、気力が満ちて、やる気も起き、よりいっそう
心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになります。
 
人の体は立春の頃以降、冬ごもりの態勢から、いのち生まれる、つまり新陳代謝を活発にする態勢へと生理変化しています。冬:腎の季節(厳密には冬の土用:脾の季節を経由して)から春:肝の季節への生理変化です。
 前回、立春のときに、このことについて説明しましたが、今回も春の養生法全般について下記の記事を紹介しておきますので、参照なさってください。
 春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 この時期は、まだ寒気団がやってくることもあり、急に寒くもなり、また暖かくもなり、体調不良を起こしやすいです。それに伴って精神状態も不安定になりがちです。
 間もなく年度末の決算期を迎えることになり、ノルマ達成のために忙しく動き回り、心はあせり、不安にもなります。管理職であれば、頭に血が上り激怒することにもなります。心身の季節は既に春になっていますから、肝が高ぶってこうなりがちですが、ここは「激怒」するのではなくて「奮起」する程度に止めたいものです。

 前回も申しましたが、ヒトの体は、立春の頃に暖気運転を始め、雨水の頃に試運転し、啓蟄の頃に本格稼動に入り、春分以降はフル運転といったところでしょうか。
 このように、節気を一つ一つ迎える度に体が順々に動くようになる、と捉えていいのではないでしょうか。
 そこで、前回、まずは立春から朝起きて直ぐ行うとよい体操を一つ紹介しました。
  “金魚体操”で内臓と背骨にも運動を
 今回は、これと同じく既に戦前に編み出され、完成を見た「西式健康法」の一つで、今でも根強いファンが大勢いらっしゃる、おすすめの健康体操の2つ目を紹介しましょう。
 暖気運転に引き続く試運転として、朝の起き掛けにおやりになるといいでしょう。
  毛管運動“ゴキブリ体操” はじめッ!

 雨水から啓蟄までの食養について、特徴的なものを一つ紹介することにしましょう。
 一番最初に芽吹いてくる野草、それはフキノトウです。早春の最も代表的な野草で、雨水の頃に盛んに芽吹きます。なお、フキノトウは、どういうわけか春の七草に含まれておらず、なんとも不思議なことなのですが、これは強い苦味がために七草粥に馴染まないからでしょうかね。
 フキノトウは、冬眠していた熊が最初にあさる食べ物と言われます。熊も人も雑食性ですから、人もこれを見習いたいものです。
 フキノトウの栄養価なり薬効はいろいろ言われていますが、あまり定かではないものの、概ね次のようですから、春の食養として理にかなっているのではないでしょうか。
・カリウムを豊富に含み、ナトリウム(塩分)とのバランスを整え、血圧の正常化、むくみを取るのに効果的
・苦味成分はアルカロイドと抗酸化物質で、肝機能を強化し、解毒の促進、新陳代謝の促進に効果的に働く。
・苦味成分と芳香成分は、健胃薬として働く。

 フキノトウは、栽培ものも出回っておりますが、野生のものとどれだけも有効成分量は違わないと思われますので、大いに食したいものです。
 ただし、けっこう灰汁(あく)が強いですから、たくさん食べるときはどれだけか灰汁抜きが必要になるかもしれません。もっとも、てんぷらにすれば高熱でそれを殺せますから、その必要は
ないです。

 この時期に入手が容易な葉物野菜で旬のものとなると、立春の食養で紹介しましたように、もう旬が終わりがけのものばかりですが、ホウレンソウ、小松菜、春菊そしてネギが主なものとなりましょう。それ以外の淡色野菜も免疫力をアップさせる力がありますから、大いにとりたいです。

 これも立春の食養で紹介しましたが、春は肝の季節になりますから、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、春は<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
 おすすめの料理、これを紹介せねばいかんのですが、ネット検索するも、あまりらしいものがなくて、うちで作っている料理を参考までにあげておきます。春菊を少々混ぜたホウレンソウのおひたしにポン酢をかける、というものです。ポン酢の酸味、ホウレンソウの甘味、春菊の苦味という組み合わせです。
 年中出回っているホウレンソウですが、本当の旬は真冬以降です。寒締めホウレンソウといい、甘味が増し、一番おいしくなります。当然に露地ものです。
 ところで、市場に出回っているホウレンソウの中には、えぐみや苦味を感ずるものがあるようです。これは化学肥料の多用によるもので、なかでも苦味は、窒素肥料の撒きすぎで、溶けた肥料がまだそのままホウレンソウの中に残っていると考えていいでしょう。
 ホウレンソウは化学肥料、有機肥料で味が大きく異なってくる代表的な野菜です。有機肥料だけ(苦土石灰は使いますが)で栽培すると、えぐみや苦味はなく、甘味が強くなります。そして、うちの畑は沖積層で鉄分が少ないと思われ、使い捨てカイロから取り出した酸化鉄をホウレンソウの畝作りのときに撒いています。ホウレンソウが欲しがる鉄をこうして補給しています。使い捨てカイロは金属類のゴミ出しのときに集積場へ行って監視員の方にお願いすればいくらでもいただけます。難点は、金槌で叩いて粉々にせねばならず、けっこう手間が掛かりますが、これもおいしい野菜作りのため、労力を惜しまず、です。もっとも、近年は年を食ったせいで、夫婦で使ったものだけを少々処理するだけですが。
 

 柑橘類は、これからが旬の甘夏が出回ります。うちの畑に1本植わっており、すでに収穫を始めました。<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせになっている甘夏です。皆さんも食後のフルーツにどうぞお召し上がりください。 

 次回は、「啓蟄」(3月5、6日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:立春から雨水まで

2020年02月04日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:立春から雨水まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 立春 初候 東風解凍(こち こおりを とく)東風が厚い氷を解かし始める
      次候 黄鶯睍睆(うぐいす なく)鶯が山里で鳴き始める
      末候 魚上氷(うお こおりを いずる)割れた氷の間から魚が飛び出る

 立春(2月4日頃:2020年は2月4日)は春の始まり。
 数日前に最低気温が底を打ち、気温が上がり始める
時期が立春です。
 この時期、昼間の時間がけっこう長くなり、日射しも随分と強まってきています。
 野山では動植物が早くも春の訪れをキャッチし、活発に活動を始めています。
 人も、気力が満ちて、やる気も起き、心が大きくなり、楽観的で前向き、喜びの気持ちが持てるようになります。
 
それと同時に、人の体は冬ごもりの態勢から、命生まれる、つまり新陳代謝を活発にする態勢へと順次生理変化します。冬:腎の季節(厳密には冬の土用:脾の季節を経由)から春:肝の季節への生理変化です。
 これを踏まえた春の養生法を下記の記事で紹介しています。参照なさってください。
 
春は肝の季節、肝臓は少食と運動を願っています。食味は酸味主体の三味で。

 ヒトの体は、立春の頃に暖気運転を始め、雨水の頃に試運転し、啓蟄の頃に本格稼動に入り、春分以降はフル運転といったところでしょうか。このように、節気を一つ一つ迎える度に体が順々に動くようになる、と捉えていいのではないでしょうか。
 そこで、まずは立春から朝起きて直ぐ行うとよい体操を一つ紹介しましょう。体全体の暖機運転をする、といった体操です。既に戦前に編み出され、完成を見た「西式健康法」の一つで、今でも根強いファンが大勢いらっしゃる、おすすめの健康体操です。
 “金魚体操”で内臓と背骨にも運動を

 次に、春の始まりである立春から雨水までの食養について、まず特徴的なものを一つ紹介することにしましょう。
 七草粥(かゆ)というものがあります。今では、西暦の1月7日に7種類の野草を入れた粥を食べる習慣ができていますが、これから冬本番という時期に、そうそう何種類もの野草が野山で手に入るわけがありません。ちょっと時期がずれています。
 七草粥の起源は、中国の華南において旧暦の正月七日に野草を摘む習慣があり、5世紀頃に書かれた歳時記に「正月七日…七種の菜を以って羹を為る」とあります。
 つまり比較的温暖な地域にあっては、この頃に幾種類かの野草を摘んできて、これを入れた羹(あつもの:熱い汁物orとろりとしたスープor雑煮)を食べていたというものです。一般に野草は葉が硬くて消化に悪いですから、これをすり潰して他の食材に混ぜた雑煮(必ずしも餅が入ったものではない)を食べていたのではないでしょうかね。
そんなふうに思われます。
 旧暦の正月七日は、年によって随分と変化しますが、大ざっぱに言って立春の前後になります。季節感からすれば、立春に七草粥を食べたいものです。

 これは、立春の食養として理にかなっています。
 野生の動物で、草食性なり雑食性であれば、冬越ししている野草なり、早々に芽吹いてきた野草の葉や芽を食べるのは当たり前のことであり、これでもってイキイキ元気になっていくのです。
 ヒトは、本来は草食性で、その後に雑食性になりましたが、原始人は季節折々の旬の野草を盛んに食べていたに違いなく、5世紀の人たちと同様に現代人も、これを見習うことによって、はじめて健康になれるといえましょう。
 そして、野草は現代栄養学で言えば、ビタミン・ミネラルが濃厚ですから、新陳代謝の大いなる助けになりますし、ミネラルは肝臓での解毒作用を促進してくれます。
 また、近年注目されるようになったポリフェノールなどのフィトケミカルが春の野草には多く含まれ、抗酸化作用など有用なものが多いです。なお、アルカロイドを含むものもけっこうあり、これは適量なら薬になります。
 漢方の面から言えば、この時期の野草は苦味があるものが多く、総じて健胃薬になります。また、野草の中には酸味があるものもあり、特に春は肝の養生に酸味が必要ですから、これが最適なものとなりましょう。

 今日では野山の野草はめったに手に入るものではなく、入手が容易な葉物野菜で立春の時期が旬のものとなると、もう旬が終わりがけのものばかりですが、ホウレンソウ、小松菜、春菊そしてネギが主なものとなりましょう。
 この中で、最近の中医学(中国)で立春に最も適したものとしてすすめられているのが、ネギ、加えてニラです。「ネギは、発汗して邪気を取り除き、寒を散じて陽を通わし、殺菌解毒、血液循環を促進し、消化液の分泌を増やし、食欲を高める。ニラはまたの名を起陽草と言い、古くから長寿の野菜とされ、肝臓を温め、陽を助け、精を固め、脾臓や胃を強め、逆気を降ろし、鬱血を散じ、元気をつける。」と言われます。

 こうした葉物野菜や、それ以外の淡色野菜もこの時期は大いにとりたいです。
 と申しますのは、前回の「
大寒から節分」で書きましたように、この時期も厳しい寒さがためにインフルエンザに罹患することがまだまだ多くなりますから、免疫力をアップさせること、体の抵抗力を落とさないこと、これが重要になり、そのためには免疫力をアップさせる力がある淡色野菜が大切な食材になってくるのです。

 さて、立春から春となり、肝の季節ですから、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため、春は<主・酸味、従・甘味、添・苦味>この三味の組み合わせを最適としています。料理は、この三味を頭に置いて行っていただきたいものです。
 特に、酸味は肝に効き、肝が喜びますから、酸っぱい梅干を朝に1粒いただきたいものです。梅干が広まったのは鎌倉武士からです。「梅干を1個食べ、いざ出陣!」 これで、活動的になれます。春、活発に動き回るようになるのですから、おすすめです。梅干の主成分であるクエン酸は、血液をサラサラにして血流を良くし、エネルギー産生回路に働いてエネルギー産生を円滑にし、活動的にしてくれるのですからね。
 ところで、鎌倉武士は出陣に当たって「腹が減っては戦ができぬ」とばかり、梅干入りのおにぎりでも食べたのでしょうか。いえいえ、胃の中を空っぽにして、つまり空腹状態で挑んだのです。当時は武士も庶民も1日2食の朝食抜きでしたから、前の晩に食べて以来、何も口にせず、そうであっても少なくとも午前中は目一杯の活躍ができたのです。
 これは現代人にも言えることであり、そうしているスポーツ選手もいます。下記記事で、それを紹介していますので、ご覧ください。皆さんにおすすめします、朝食抜き。
  不謹慎ですが、被災は断食のチャンス

 次回は「雨水」(2月19日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:大寒から節分まで

2020年01月19日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:大寒から節分まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 大寒 初候 款冬華(ふきの はな さく)蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出す
      次候 水沢腹堅(さわみず こおり つめる)沢に氷が厚く張りつめる
      末候 鶏始乳(にわとり はじめて とやに つく)鶏が卵を産み始める

 大寒(1月20日頃:2020年は1月20日)は読んで字の如しで、一年で寒さが最も厳しく、朝の冷え込みで震えあがります。ちなみに当地岐阜(濃尾平野の奥地)の気温(岐阜気象台観測値:平年値)は、1月終わり頃に最高気温8.5度、最低気温0.0度になります。この傾向は全国的に同じです。

 大寒の頃から、厳しい寒さがためにインフルエンザに罹患することが多くなります。この時期に免疫力をアップさせること、体の抵抗力を落とさないこと、これが重要になります。
 インフルエンザについては次の記事をご覧ください。
 インフルエンザは単なる風邪の一種ですから、むやみに医者の薬を飲んではなりません

 この時期の健康法として、ひなたぼっこがおすすめです。晴れた日には、できればお昼に1時間です。風邪やインフルエンザ予防にビタミンDがけっこう効果的なことが分かってきました。最も効率よくビタミンDを合成してくれるのがお日様ですから、一番寒い時期ですが晴れていたらお昼には屋外へ出たいものです。
 そして、体操するなり、散歩するなりなさるといいです。そこで、体操を一つ紹介。
 両手振り運動がおすすめです。単に両手をぶらぶら振るだけ。後ろへしっかり振るのを意識するといいです。(「両手振り運動」で検索するとYouTubeで見られます。)

 正月気分もすっかり抜けきり、普通の生活を毎日繰り返す日々が続いていることでしょう。正月におかしくなった胃腸も普段どおりに回復し、過食気味になっています。
 加えて、動物性たんぱく質を過剰にとるようにもなります。肉は一般に体をうーんと温めますから、体の寒さを抜くのに適してはいるものの、腸内環境を悪化させ、これが免疫力を低下させますから、ほどほどにしておきたいです。

 よって、大寒の食養としては、肉をなるべく避け、体を温める味噌そして冬野菜を十分にとることが大事です。(参照 → 立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。) 
 ところで、味噌は塩分が強く、体に良くないと一般に言われていますが、小寒のときにも説明しましたが、これは大きな間違い。(参照 → 塩を摂りすぎると高血圧になる?心配ご無用!…) 塩味は、おいしいと感じる程度に楽しめばいいのです。
 季節は冬(正しくは冬の土用に入っていますが、これについては後ほど説明)ですから、塩味は腎が喜びます。減塩しすぎると、腎が弱りますし、体も温まらず、免疫力も低下し、何一ついいことはないです。

 冬野菜は濃緑色のものと白色のものに大きく2分されます。濃緑色のものはビタミンもミネラルも豊富で栄養がある、白色のものはビタミンもミネラルも少ないから食べても意味がない、と一般に思われていますが、そうではありません。
 栄養素を比較するとそのような傾向になりますが、白物野菜には免疫力をアップさせる大きな働きがあり、大根、カブ、白菜、白ネギはこの時期
に大いに食していただきたいものです。これで、インフルエンザを吹き飛ばしましょう。
(参照記事) 冬場の淡色野菜・白物野菜はすぐれもの、薬効多し

 そこで、大寒からの夕食は、味噌鍋が一番となります。肉・魚を少なくし、大根、白菜、白ネギをたっぷり入れてください。
 小生は鍋物が大好きで、女房に毎日鍋でもいいよと言っているほどですが、味付けは味噌であったり、味付きのたれを鍋に入れたり、味付けなしでポン酢でいただいたりして変化をつけてくれています。
 肉・魚はそのときそのときで
何かを少量、といっても女房はほんの少ししか肉・魚を食べませんから、けっこうな量を小生一人でいただいてしまっていますが。
 野菜はうちの畑でとれたもの、白菜、ネギ、菊菜が主体となり、茸と豆腐を少々買ってきて入れています。なお、うちの特徴は、栽培している山芋も鍋に入れることです。冬の滋養強壮によい山芋です。
 そして、鍋のあとで食べる雑炊には漬物がことのほか合い、たっぷり食べています。

 小寒のときにも説明しましたが、5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるために、冬は<主・塩味、従・苦味、添・酸味>この三味の組み合わせを最適としています。
 その代表的なものが、冬場の保存食である漬物です。当然に塩味が利いていますし、発酵して酸味があります。足りないのが苦味ですが、カブ(特に葉っぱ)は苦味食品ですし、ユズやスダチの皮が苦味食品です。こうすると漬物の味も良くなるのです。
 鍋物とて同様でして、味噌なり、味付きのたれなり、ポン酢に塩分が十分に含まれています。苦味食品はゴボウ、春菊といったところになります。酸味はポン酢です。
(注:場合によって、ゴボウは「辛味」「酸味」、春菊は「辛味」「甘味」に分類されることもあります。)
 4つ目の味である唐辛子などの辛味は、お好みでとっていただいてよいです。
 しかし、5つ目の味である甘味(炭水化物や肉・魚も大半が含まれます)はうんと減らしたいです。冬の時期は、腎に悪影響する甘味を極力抑えるのが漢方養生法です。

 さて、小寒の解説のとき、「朝食抜き」にされては、と、次のとおりおすすめしました。
 朝食を「野菜たくさんの餅なし雑煮」でしばらく我慢し、それに慣れたら量を半分、これにも慣れたら一口だけ、といった塩梅で進めて、最後は朝食抜きにするのです。朝食を抜くなんて身体に悪い、と一般に言われていますが、それは逆です。
 (参照 → 朝食有害論の歴史的推移
 なお、時期は冬で腎の季節、塩気が必要ですから、朝、白湯で梅干を1粒いただきましょう。小生がもう10年以上前から実行している健康法です。
 まだ取り組んでおられない方、今からでも遅くありませんから挑戦してみてください。

 ところで、大寒ともなると、季節は冬の終わりの時期でして、実はすでに「冬の土用」に入っています。大寒の約3日前から節分までの約18日間が冬の土用です。
 土用とは、元は農業歴からきていて「土に用がある」から土用と呼ばれ、この時期に畑の寒起こしをすれば、越冬中の害虫が凍死するから、ビッチュウで粗起こししておけと、亡きおふくろによく言われたものです。面倒で滅多にやりませんでしたけどね。
 農業に関係なく、冬の土用は、冬が終わり春を迎える季節の変わり目であり、自然界も春間近の様相を示してきます。高度文明社会に暮らす我々も、誰もが日が長くなり日差しが強くなってきたことを感じます。
 これによって、ヒトの体も内臓の働きの中心は腎から脾(消化吸収を中心とした働き)へと移ってきます。もっとも、これは毎日屋外で重労働をする場合に限りましょう。普通一般の人はまだまだ腎の季節と捉えた方がいいでしょうね。
 でも、毎日屋外で重労働をする方にあっては、これに該当します。
 詳細は、「冬の土用、季節の変わり目です。土用は甘味が重要ですが、重労働をするときだけ。 」をご覧いただくとして、ここでは普通一般の人にも言えることを述べます。
 注目すべき五味ですが、五臓のバランスを整えるため土用は<主・甘味、従・塩味、添・辛味>この三味の組み合わせを最適としています。
 よって、今日はよく体を動かしたからお腹がすいた、というときには、厳冬期であることから、「甘酒」がベストでしょう。酒粕(甘味)に少々の塩を加え、これで甘味が引き立ちます。そして、おろし生姜(辛味)をほんの少し加えます。これで、不思議と深みのあるうまさが出ます。
 これでも足りないとなれば、甘味(よく噛んで甘味を感ずるもの、つまり、ご飯)をお代わりしていただき、塩味と辛味のあるものをおかずにされるとよいでしょう。例えば、辛子明太子です。

 次回は、「立春」(2月5日前後)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:小寒から大寒まで

2020年01月05日 | 24節気の健康と食養

 24節気の健康と食養:小寒から大寒まで 

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 小寒 初候 芹乃栄(せり すなわち さかう)芹がよく生育する
      次候 水泉動(しみず あたたかを ふくむ)地中で凍った泉が動き始める
      末候 雉始雊(きじ はじめて なく)雄の雉が鳴き始める 

 小寒(1月5、6日頃:2020年は1月6日)は本格的な冬の訪れで、寒さはこのあとの24節気「大寒」(1月20日前後)以降に最も厳しくなります。ちなみに当地岐阜(濃尾平野の奥地)の気温(岐阜気象台観測値:平年値)は、小寒の日には平年値で最高気温9.1度、最低気温0.8度でして、最も寒くなる1月終わり頃の最高気温8.5度、最低気温0.0度に比べてまだ幾分高めです。これは全国的な傾向です。

 さて、日本では、小寒というと、正月休みが終って仕事始めの時期と重なります。
 年末年始に毎日ご馳走を食べまくり、胃も腸も相当疲れていて、胃もたれ、便秘などの胃腸障害を訴える方が多くなりますし、この頃に検診を受けると食後高血糖(過血糖)で糖尿病の疑いありとなったりします。

 よって、小寒の食養としては、何よりも少食にし、「胃腸に負担を掛けないものを少量」ということになります。朝食をとられるのであれば「野菜たくさんの餅なし雑煮」でしょうね。お昼は軽くうどんかソバ。夕食はお節料理の残りを少し入れた味噌おじや、といったところでしょう。おじやには冬野菜の大根や小松菜などをたっぷり入れたいものです。
 季節は冬ですから、腎が喜ぶ塩味を楽しみたいです。詳細は「 立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。 」で書いていますが、ここではその概要を述べます。
 ところで、高血圧防止に減塩すべきなどと言われていますが、これは大きな間違い。
 (参照 → 塩を摂りすぎると高血圧になる?心配ご無用!…) 
 塩味は、おいしいと感じる程度に楽しめばいいのです。その点、味噌料理や後から述べます漬物は冬期には望ましいものです。
 そして、冬野菜や味噌・塩は身体を温める食品ですから、この時期に最適です。
 お節料理が片付けば、味噌料理ばかりではなんですから、野菜たっぷりの湯豆腐でもいかがでしょうか。あるいは魚の切り身や魚肉のつみれを少々入れた魚すき鍋です。
 こうした食事でもって胃腸の元気を取り戻してあげてください。

 5つの味「五味」についても頭に置いといてください。漢方では、五臓のバランスを整えるため冬は<主・塩味、従・苦味、添・酸味>この三味の組み合わせを最適としています。
 その代表的なものが、冬場の保存食である漬物です。当然に塩味が利いていますし、発酵して酸味があります。足りないのが苦味ですが、カブ(特に葉っぱ)は苦味食品ですし、ユズやスダチの皮が苦味食品です。高級料亭ではさりげなくこれらの皮が添えられていますよね。こうすると漬物の味も良くなるのです。
 なお、苦味食品は健胃薬にもなりますから、苦味食品に分類されるゴボウ(不思議と味噌に合います)、春菊(煮すぎてはダメ。しなーっとなったら直ぐ食べればおいしい)も意識して摂取したいものです。
(注:場合によって、ゴボウは「辛味」「酸味」、春菊は「辛味」「甘味」に分類されることもあります。)
 4つ目の味である唐辛子などの辛味は、お好みでとっていただいてよいです。
 しかし、5つ目の味である甘味を付けるのは避けたいです。冬の時期は、腎に悪影響する甘味を極力抑えるのが漢方養生法です。

 冬の時期に甘味を抑えるということは、摂取カロリーを思い切って減らしなさいということです。身体をあまり動かさない冬場は、炭水化物(噛めば唾液で消化されてブドウ糖となり甘く感じる)と肉(噛めばうまみ成分のアミノ酸が出てきて甘味を感じる)の摂取をうんと減らし、体重が減るぐらいがちょうどいいのです。

 そこで、おすすめしたいのが朝食抜きです。朝食を先ほど例として示した「野菜たくさんの餅なし雑煮」でしばらく我慢し、それに慣れたら量を半分、これにも慣れたら一口だけ、といった塩梅で進めて、最後は朝食抜きにするのです。
 朝食を抜くなんて身体に悪い、と一般に言われていますが、それは逆です。
 (参照 → 朝食有害論の歴史的推移

 なお、時期は冬で腎の季節、塩気が必要ですから、朝、白湯で梅干を1粒いただきましょう。小生がもう10数年以上前から実行している健康法です。皆さんにもおすすめ。

 これからの時期、インフルエンザがはやりますし、風邪を引くことも多くなります。ウイルスをやっつけるだけの免疫力を高めたいものです。
 淡色野菜、白物野菜には免疫力をアップさせる大きな働きがあり、白菜、大根、カブ、白ネギはこの時期に大いに食していただきたいものです。これで、インフルエンザを吹き飛ばしましょう。
(参照記事) 冬場の淡色野菜・白物野菜はすぐれもの、薬効多し
 そして、お昼には「ひなたぼっこ」がおすすめです。晴れた日には、できれば1時間です。風邪やインフルエンザ予防にビタミンDがけっこう効果的なことが分かってきました。最も効率よくビタミンDを合成してくれるのがお日様ですから、寒い時期ですが晴れていたらお昼には屋外へ出たいものです。そして、体操するなり、散歩するなりなさるといいです。
(参照記事) 冬はお日様に当たって健康づくり

 最後に、寒くなって体を動かさなくなるこの時期におすすめの、誰でもどこでも簡単にできる体操を紹介しましょう。手、肩、足の筋肉がほぐれますし、内臓の働きも活発化します。
 
足踏み体操(その場で足踏みするだけ)
 足踏みに合わせて手もしっかり振りましょう。そして、ももをなるべく高くあげましょう。連続100回を目標に、できれば倍の200回。

 次回は、「大寒」(1月20日前後)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:冬至から小寒まで

2019年12月22日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:冬至から小寒まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 冬至 初候 乃東生(なつかくれくさ しょうず)夏枯草が芽を出す
      次候 麋角解(おおしかの つの おつる)大鹿が角を落とす
      末候 雪下出麦(ゆき わたりて むぎ いづる)雪の下で麦が芽を出す

「大雪」の次にやってくる24節気が「冬至」で、毎年12月22日頃(2019年は12月22日)になります。冬至でもって昼の時間が一番短くなり、これからは少しずつ昼の時間が増えてきますから、冬至はお目出度い日でもあるのです。
 しかし、気温はまだまだどんどん下がります。冬至が過ぎても小寒、大寒と気温は下がり続け、最低気温が底を打つのは立春の数日前ですから、気温の上昇は日照時間の転換より1か月ちょっと遅れます。厳しい本格的な寒さはこれからと心得ねばなりません。

 冬至から小寒(12月22日頃~1月5、6日頃)という時期は、忘年会、クリスマスパーティー、大晦日の一家団らん、正月3ガ日の食っちゃ寝、食っちゃ寝、といった不摂生になりがちな日々が続きます。
 こうしたことから、体調を崩しやすいですし、何よりも飽食しすぎになりがちですから、くれぐれもご用心なさってください。特に、1月の定期健診で高血糖になっていて、糖尿病と判定される方が案外多いですから、ご注意なさってください。
 ここで、糖尿病予防にとても効果的な体操を一つ紹介しましょう。
 「かかと落とし」体操です。かかとをストンと落とすだけのことなんですが、これによって骨に衝撃を与えられ、骨から作られる「オステオカルシン(骨ホルモン)」が分泌されて、そのオステオカルシンが膵臓のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促し、血糖値を下げる働きがあるのです。これは高血圧、骨粗しょう症対策にもなりますし、ダイエット効果もあります。より効果的な「レベルアップ編」も紹介されている下記サイトを参照なさってください。
 私のおすすめする「かかと落とし」です。【解説】鎌田實(諏訪中央病院名誉院長)

 本格的な寒さの訪れとともに、食においても体を温めるものがより求められます。
 冬野菜がどれもこれも旬となっており、基本的に体を温める効果がありますから、毎日の食卓に欠かせません。間違っても時期外れの夏野菜は常食されませんよう、ご注意ください。夏野菜は体の芯を冷やしてしまいますからね。
 前回、前々回の繰り返しになりますが、冬に共通する食養生をまずご説明しましょう。
 冬の食味は「塩味」です。塩っ辛すぎてはいけませんが、おいしいと感ずる程度に塩味をお楽しみください。減塩ブームになって久しいですが、その必要は全くありません。
 詳しくは、次の記事をご覧ください。
 立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です

 冬至の食養生として有名なのが「冬至南京(カボチャ)」です。
 「冬至にカボチャを食べれば風邪を引かぬ」と言われます。カボチャは夏野菜で、夏野菜全般に体を冷やしますが、カボチャだけは例外的に体を温める食材で、かつ、長期保存できます。そして、各種ビタミンも多く含まれ、特に免疫力を高めるカロテンが豊富ですから、いつしかこのように言われるようになったのでしょう。
 しかし、「冬至南京」のいわれは、別のところにありそうです。冬至は、この日を境にして日照時間が長くなる、お目出度い日でして、運も上向こう から、この日に「冬至七種(ななくさ)」を食べると幸運が得られる、という縁起かつぎが随分昔からあります。
 その7つの食材は、名前に「ん=運」が1つではなく2つも入ったもので、これを食せば御利益がいっぱい転がり込んでこようというもので、次のものです。
 南京(ナンキン=カボチャ)、人参(ニンジン)、蓮根(レンコン)、銀杏(ギンナン)、金柑(キンカン)、寒天(カンテン)、うどん(ウンドン)
 うどんがウンドンとは少々?ですが、語呂合わせのお遊びとしては許されるでしょう。
 冬至の健康法としてもう一つ語呂合わせがあります。
 冬至に柚子湯に入るという風習が江戸時代にでき、今日まで引き継がれてきています。冬至(とうじ)=「湯治」、柚子(ゆず)=「融通が利く」に引っかけたものです。また、冬が旬の柚子は香りが強く、その強い香りでもって邪気を払うという意味合いもありました。これは、端午の節句の菖蒲湯も同様です。なお、参考までに、菖蒲湯の語呂合わせは、菖蒲は「尚武」に通ずるというものです。
 こうした信仰めいた健康法ではなく、真の健康法として前節でも紹介しました「ひなたぼっこ」がおすすめです。
 ビタミンDは紫外線を浴びることによって容易に生成されます。ビタミンDは骨作りだけでなく、免疫力増強に欠かせませんから、特に冬の後半には欠乏しがちで、それによってインフルエンザや風邪に罹りやすくもなりますから、ばかにできません。
 参照 → 冬はお日様に当たって健康づくり 

 冬至から小寒の時期におすすめしたい普段の食事としては、味噌煮込みうどんです。味噌は体を温める食材ですし、味噌に含まれる塩も体をグーンと温めてくれます。
 各種冬野菜をたっぷり入れればヘルシーな料理となりましょう。
 名古屋を中心に広く濃尾平野で盛んに食べられている味噌煮込みうどんは、赤味噌を使い、見た目は黒味噌で不気味かもしれませんが、これはとてもうまいです。ゴボウを入れるとよりおいしくなります。なぜか味噌煮込みうどんにはゴボウが合います。
 ついでながら、ゴボウと相性がいいものに鯛のかぶと煮、あら煮があります。鯛を丸ごと買ってきて、肉は鍋で鯛シャブにします。翌日、頭や骨の部分を煮込むのですが、ゴボウをたっぷり入れます。これが実にうまいです。鯛料理はお目出度い時期にいただきたいものですから、この節気にお召し上がりになることをおすすめします。
 また、ゴボウは苦味食品ですから、苦味をあまり取らなくなった今日、食味バランスを整える面でも、重要な食材になります。
 ここで、今が旬真っ盛りのゴボウの薬効について紹介しておきます。
 ゴボウは、便秘を改善して肌を整える美容食ですが、漢方では「余分な水分を排出し、血の巡りを良くし、風邪、咳、歯痛、腫れものを鎮める」とされ、利尿効果があることから、腎臓の機能アップにも役立つものです。なお、「腫れものを鎮める」
とは抗がん作用のことで、特に大腸がんの予防に適しています。
 これら薬効の主な要因となるのは、ゴボウに多く含まれているフラクトオリゴ糖の効果と思われます。その含有量はヤーコン芋(※当店ホームぺージで紹介)にはかないませんが、市場に出回っている食材のうち最もフラクトオリゴ糖が多いのがゴボウで、この糖は腸内善玉菌のかっこうの餌となり、腸内環境をグーンと改善してくれるすぐれものです。
 フラクトオリゴ糖は水溶性ですから、ゴボウを調理するとき、酢水に浸けてアク抜きすることが多いですが、これでは貴重なフラクトオリゴ糖がどれだけか逃げてしまいますので、あまりアク抜きしない方がいいです。なお、アクはポリフェノールですから抗酸化作用があり、こうした面からもアク抜きは少なめにした方がいいです。

 果物は前季、前々季でも書きましたが、今季もそのまま再掲しておきます。
 リンゴが出回っています。“リンゴが赤くなれば、医者が青くなる”という言葉があり、それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょう。リンゴは平性の食品に分類されていますが、食べ過ぎるとやはり体を冷やすようですから、ほどほどの分量としたいです。
 そして、みかんが旬となります。こちらは温性の食品に分類され、体を冷やすようなことはなさそうです。みかんは風邪に対する抵抗力を付けてくれましょうし、特に皮は漢方では陳皮(チンピ)と呼ばれ、風邪に薬効ありとなっています。みかんの皮を料理に入れたり、漬物に加えたりしていただきたいものです。七味唐辛子にも加えられています。

 次回は、「小寒」(1月5、6日頃)からの健康と食養です。

追記)
 2018年12月9日に、何気なく「「人民網日本語版」を久し振りに覗いてみたら、12月1日付けで次の記事が載っているのを偶然にも発見しました。
 中国の「二十四節気」ユネスコ無形文化遺産登録へ
 11月30日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産保護条約第11回政府間委員会で、中国が登録申請していた季節の節目を表す「二十四節気」が無形文化遺産に登録された。「二十四節気」とは、中国人が太陽の一年間の運動を観察し、一年の旬、気候、生物気象などの変化の法則を把握するために形成した知識システムと社会の実践だ。世界の気象界では、これを「中国の第五の大発明」と称賛している。新華社が伝えた。
(引用ここまで)
 お隣の中国から日本にも入ってきて定着している24節気です。喜ばしいことですね。
 これを知って、このブログの「24節気の健康と食養」をよりいっそう充実させていきたいと決意を新たにしたところです。
 まれにこうしたことがあるのですが、何か運命的なものを感じさせますね。

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24節気の健康と食養:大雪から冬至まで

2019年12月06日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:大雪から冬至まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 大雪 初候 閉塞成冬(そら さむく ふゆと なる)天地の気が塞がって冬となる
      次候 熊蟄穴(くま あなに こもる)熊が冬眠のために穴に隠れる
      末候 鱖魚群(さけの うお むらがる)鮭が群がり川を上る

 「小雪」の次にやってくる24節気が「大雪」で、毎年12月7日頃頃(2019年は12月7日)になります。「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」とのことで、「大雪」と言われるのですが、これは「小雪」のときに申しましたように中国大陸中心部でのことでしょう。
 ちなみに中国のとある旅行社の説明では、その昔、中国の中心地であった西安(昔の長安)の気候について「温和な気候と自然環境に恵まれた土地であり、原始先住民族が生活するのに理想的な土地でもあった。」と書かれていますが、
西安の12月の平均最低気温は-3.1度(東京:3.5度)ですから、降った雪は根雪になりましょう。
 ちなみに、当地:岐阜と東京の最低気温(平年値)も示しておきましょう。
  小雪(11月22日頃) 岐阜:6.2度 東京:7.0度
  大雪(12月 7日頃) 岐阜:3.8度 東京:4.8度
  冬至(12月22日頃) 岐阜:1.8度 東京:2.7度
 岐阜より寒いはずの東京のほうが約1度も高いのは、ヒートアイランド現象なのか、海との距離の関係なのか、両方あいまってのことか、よく分かりませんが、けっこうな差があるものです。(岐阜地方気象台:標高13m 
伊勢湾まで約40km)

 「大雪」の時期ともなると外気温はぐんと下がり、冬型の気圧配置が卓越して濃尾平野では“伊吹おろし”、関東平野では“からっ風”が吹き荒れる日が多くなり、ときに雪が舞うようにもなってきます。本格的な冬の到来を感じさせます。ちなみに岐阜地方気象台での初雪観測は平年で12月14日、「大雪」の7日後となります。
 植物は葉を落とし、すっかり休眠状態になっており、動物も冬眠したり、
あまり体を動かさなくなっています。ヒトも動物ですから冬ごもりの態勢に入り、生体反応は不活発になっています。そして、朝晩は室内暖房が欠かせなくなります。

 こうなりますと、屋外で体を動かすなんてことはおっくうになり、日頃の運動不足に拍車がかかります。ますます生活習慣病を呼びこむ、よろしくない生活態度。
 そこで、屋内でも簡単にできる体操を意識して取り組みたいものです。
 前節で紹介しました「膝(ひざ)屈伸運動」を引き続きやっていただきたいですし、上半身の筋肉のこわばりを解消し、体を温める次の体操(春分から清明の節気で紹介)もおすすめです。40肩、50肩の改善、予防にもなります。
・「8の字書き体操」
 立ったままの状態で、両手の掌を頭の上で合わせます。
 両足を4、50センチ開いて、腰を少し落とします。
 胴体を左右に動かさないようにして、頭の上で左右方向に大きく「8の字」を書きます。
 連続10回、これを繰り返します。
 かなり、きついです。
 少し休んだ後、逆回転で、また1セット。だんだん体が温まってきますよ。

 もう一つ実行していただきたいのは、お昼休みにでも「ひなたぼっこ」をすることです。といいますのは、ビタミンDは紫外線を浴びることによって容易に生成されます。ビタミンDは骨作りだけでなく、免疫力増強に欠かせませんから、特に冬の後半には欠乏しがちで、それによってインフルエンザや風邪に罹りやすくもなりますから、ばかにできません。今の時期から始められるといいでしょう。
  参照 → 冬はお日様に当たって健康づくり 

 本格的な寒さの訪れとともに、食においても体を温めるものがより求められます。冬野菜がどれも旬となっており、基本的に体を温める効果がありますから、毎日の食卓に欠かせません。間違っても時期外れの夏野菜は常食されませんよう、ご注意ください。夏野菜は体の芯を冷やしてしまいますからね。

 前回、前々回の繰り返しになりますが、冬に共通する食養生をまずご説明しましょう。
 冬の食味は「塩味」です。塩っ辛すぎてはいけませんが、おいしいと感ずる程度に塩味をお楽しみください。減塩ブームになって久しいですが、その必要は全くありません。
 詳しくは、次の記事をご覧ください。
  立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。

 次に、「大雪」からの節気の食養生について。
 特に留意すべき点は、これは「小雪」のときと同じですが、急激な冷え込みで、体の芯まで冷えきってしまうことがあります。
 
こんなときは、意識して少々塩味をきつくするとよいです。なぜならば、塩ほど体を温めるものはないからです。少し濃い目の味噌汁や豚汁になさるといいでしょう。
 そして、そうした冷え込んだ日の夕食にお勧めなのが鍋物です。外からも中からも体を温めてくれますからね。
 鍋物もいろいろありますが、我が家のトップバッターはキムチ鍋です。
 辛さはお好みに合わせればいいでしょう。鍋にはキムチを控えめに入れ、辛いもの好きであれば、お椀に取ってからキムチを足すなり、一味唐辛子を振ればいいです。
 冬の食味は<主・塩味、従・苦味、添・酸味>この三味の組み合わせが望まれますから、キムチが持っている塩味と酸味の他に苦味が求められ、うちでは苦味食材である「もやし」をふんだんに鍋に入れることにしています。なぜかキムチ鍋には「もやし」がよく合いますが、こうした三味の組み合わせが理にかなっているからかもしれません。
(注:もやしは漢方五味分類で甘味にも分類されることあり。)

 冬は、海の幸があれこれ旬になります。立冬以降、毎季、同じことを言っていますが、何がいいかとなると小生も分かりかねます。ここは、魚屋さんに聞いて買うのが一番。
 小生のお気に入りは何と言ってもズワイガニ。ここらでは「越前がに」のブランドで知られていますが、足が何本か取れてしまっている“わけあり品”で、まだ生きている新鮮なものが比較的近くにある土
日に開く市場で安く手に入ります。これをその場でゆで上げたものなり、生を買ってきて蟹鍋にしたりして、蟹味噌を食べるのが何よりの楽しみです。
 他にもあります。その市場で買ってきた生のアンコウ(冷凍品でないもの)も、これまたいいです。鍋にするのですが、わずかばかり付いている肝が何と言っても最高です。
 冬は、海の幸でグルメを満喫したいものです。

 果物は前季で書きましたが、今季もそのまま再掲しておきます。
 リンゴが本格的に出回っています。“リンゴが赤くなれば、医者が青くなる”という言葉があり、それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょう。リンゴは平性の食品に分類されていますが、食べ過ぎるとやはり体を冷やすようですから、ほどほどの分量としたいです。
 そして、みかんが旬となります。こちらは温性の食品に分類され、体を冷やすようなことはなさそうです。みかんは風邪に対する抵抗力を付けてくれましょうし、特に皮は漢方では陳皮(チンピ)と呼ばれ、風邪に薬効ありとなっています。みかんの皮を料理に入れたり、漬物に加えたりしていただきたいものです。七味唐辛子にも加えられています。

 次回は、「冬至」(12月22日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:小雪から大雪まで

2019年11月23日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:小雪から大雪まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 小雪 初候 虹蔵不見(にじ かくれて みえず)虹を見かけなくなる
      次候 朔風払葉(きたかぜ このはを はらう)北風が木の葉を払い除ける
      末候 橘始黄(たちばな はじめて きばむ)橘の実が黄色くなり始める

 立冬の次にやってくる24節気が小雪で、毎年11月22日頃(2019年は11月22日)になります。「冷ゆるが故に雨も雪と也てくだるが故也」とのことで、小雪と言われるのですが、これは中国大陸中心部でのことでしょう。
 ちなみに中国のとある旅行社の説明では、西安(昔の長安)の気候について「温和な気候と自然環境に恵まれた土地であり、原始先住民族が生活するのに理想的な土地でもあった。」と書かれ、
そして、西安の気温が月別に表示されており、平均最低気温を東京と比べると次のとおりとなっています。西安の緯度は紀伊半島の真ん中辺りになりますが、冬はとても寒そうです。
 11月:2.6度(東京:8.3度)、12月:-3.1度(東京:3.5度)
 このことからすれば、11月下旬には雪が舞うということになるでしょう。

 小雪ともなると、日は日増しに短くなりますし、日射しが弱まり、外気温もぐんと下がってきます。濃尾平野では“伊吹おろし”、関東平野では“からっ風”が吹き荒れるようになり、しぐれる日がでてきますから、とうとう冬が来たな、と実感できるようになります。ちなみに岐阜地方気象台での初霜の観測日は平年で11月20日、小雪の頃になります。
 植物はあらかた葉を落とし、すっかり休眠状態になりますし、動物も冬眠したり、
あまり体を動かさなくなってきます。ヒトも動物ですから冬ごもりの態勢に入り、生体反応は不活発になります。あわせて防寒対策をしっかり取るようになります。

 現代社会においては、常日頃から体をあまり動かさず、寒くなるとよけい体を動かさなくなりますから、体熱生産が落ちて、より寒さを感じるようになります。
 これでは体に良くないです。努めて体を動かしたいものです。
 お勧めなのは、どこでもいつでも簡単にできる膝(ひざ)屈伸運動です。これは、20年以上前からのことですが、女優の女優の森光子さんが、体力の衰えを感じた72歳のときから、膝屈伸運動を1日150回やられるようになって、ますます若々しく元気になられ有名になったものです。1回に30回やると、けっこう足にきます。小生にはこの回数が限界。でも、これで体が温まります。皆さんにもお勧めします。

 寒さの訪れとともに、食においても体を温めるものが求められます。
 これから冬野菜が旬となり、冬野菜は基本的に体を温める効果がありますから、毎日の食卓にのぼるようにしていただきたいものです。間違っても時期外れの夏野菜は常食されませんようにご注意ください。夏野菜は体の芯を冷やしてしまいます。

 前回の繰り返しになりますが、冬に共通する食養生をまずご説明しましょう。
 冬の食味は「塩味」です。塩っ辛すぎてはいけませんが、おいしいと感ずる程度に塩味をお楽しみください。減塩ブームが出てから久しいですが、その必要は全くありません。
 詳しくは、次の記事をご覧ください。
  立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。

 次に、「小雪」からの節気の食養生について、特に留意すべき点を記すこととします。
 この時期、急激な冷え込みがくることがあり、まだ体が慣れていませんから、体の芯まで冷えきってしまうことがあります。
 こんなときは、意識して少々塩味をきつくするとよいです。なぜならば、塩ほど体を温めるものはないからです。少し濃い目の味噌汁や豚汁になさるといいでしょう。
 そして、そうした冷え込んだ日の夕食にお勧めなのが、鍋物です。外からも中からも体を温めてくれますからね。

 芋類で一番最後に旬がくる里芋。イカを入れた芋の煮っ転がしが、ことのほか美味いですね。その里芋、けっこう体にいいんです。ガラクタンとムチンがいっぱい含まれています。ガラクタンは、動脈硬化の予防、免疫力強化、脳細胞の活性化などに効果がありますし、ムチンは唾液の分泌を促進して消化を助け、便秘を改善します
(2018.8.9追記:ムチンにはこのような効果はないことが判明しましたので削除します。)
(2018.11.22追記:ガラクタンについて、脳細胞活性化効果は立証されておらず、動脈硬化予防や免疫力強化に関しても一部に期待できる程度の研究途中にあります。)

 また、漢方では、腎陰虚(手足がほてる、頭のふらつきやのぼせ、イライラ、不眠、耳鳴り、口渇、腰がだるい)に、芋類では山芋と並んで里芋が良いとされています。
 これから旬となる里芋を食卓に飾っていただきたいものです。

 冬は、海の幸があれこれ旬になります。何がいいかとなると小生も分かりかねます。
 ここは、魚屋さんに聞いて買うのが一番。
 今年はサンマの水揚げがまずまずで、
もう1回ぐらいは食したいものです。サンマのはらわたは、けっこううまいです。小生は、はらわたと腹周りの小骨も肉と一緒に口に放り込み、よく噛んで食べるようにしています。肝は小さいですが、少なくともこれだけは食べていただきたいものです。また、サンマの骨は冷凍保存しておき、まとめてフライパンで炒って酒の肴にする、これもけっこううまいです。

 果物では、リンゴが本格的に出回っています。前にも書きましたが“リンゴが赤くなれば、医者が青くなる”という言葉があり、それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょう。リンゴは平性の食品に分類されていますが、食べ過ぎるとやはり体を冷やすようですから、ほどほどの分量としたいです。
 そして、みかんが旬となります。こちらは温性の食品に分類され、体を冷やすようなことはなさそうです。みかんは風邪に対する抵抗力を付けてくれましょうし、特に皮は漢方では陳皮(チンピ)と呼ばれ、風邪に薬効ありとなっています。みかんの皮を料理に入れたり、漬物に加えたりしていただきたいものです。七味唐辛子にも加えられています。

 次回は、「大雪」(12月7日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:立冬から小雪まで

2019年11月07日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:立冬から小雪まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。

 立冬 初候 山茶始開(つばき はじめて ひらく)山茶花(さざんか)が咲き始める
       次候 地始凍(ち はじめて こおる)大地が凍り始める
       末候 金盞香(きんせんか さく)水仙の花が咲く

 霜降の次にやってくる24節気が立冬で、毎年11月7日頃(2019年は11月8日)になります。これより季節は冬となります。
 漢方の世界では、通常の感覚より1か月前倒しされています。
 外気温からすると、“これはおかしい”となりますが、通常の植物は、これがぴったり当てはまります。草は種を残し、木は葉を枯らして立春の頃まで冬眠するのです。
 植物を食べる動物も、この時期は食べられるものが少なくなりますから、生体は休眠状態になり、あまり体を動かさなくなってきます。ヒトも動物ですから、生体反応は活発さが弱まってきます。

 ところが、今日的感覚では、この節気は晩秋として捉えられ、五穀豊穣を迎え、今年採れた穀類、芋類、豆類がわんさと入手できるようになり、それらは皆とてもおいしいです。こうして食欲の秋がまだまだ続きます。
 しかし、五穀豊穣のお祝い、新嘗祭は一つ先の節気、小雪の頃に行われ、神社では今年採れた稲穂が新嘗祭で供えられ、新米が出回るのはもっと先のことです。
 でも、今日では早々に稲刈りが行われ、1節気か2節気早く新米が出回りますし、春夏秋冬、あらゆる農作物が早期育成、早期出荷の傾向にあります。早ければ早いほど高値で売れるという経済活動がこぞってそうさせてしまうのですが、もう少しスローライフで行きたいものですね。
 こうしたこともあって、本来なら立冬の頃は、味が落ちた古米を食べ、冬野菜もまだ出回らず、食材に美味しそうなものはなくて、自然と少食へと向かっていったのでしょうが、現在は立冬の頃に五穀と冬野菜がどっと市場に出ますから、つい飽食してしまいます。

 さて、立冬から季節は冬となり、冬に共通する食養生をまずご説明しましょう。
 冬の食味は「塩味」です。塩っ辛すぎてはいけませんが、おいしいと感ずる程度に塩味をお楽しみください。減塩ブームが出てから久しいですが、その必要は全くありません。詳しくは、次の記事をご覧ください。
  立冬から冬、何を食しますか。まずは塩味が重要です。

 次に、「立冬から小雪まで」の節気の食養生について、特に留意すべき点を記すこととします。
 先ほど申しましたように、今日的感覚では、この節気は晩秋として捉えられ、
食欲の秋がまだまだ続き、無理に食欲を抑えるのは精神的ストレスが溜まりすぎますから、五穀豊穣にしっかりとした感謝の気持ちを持って、有り難くあれこれいただきましょう。感謝の気持ちがあれば、良く味わってゆっくり食べることになりますから、早食いに付きものの過食をけっこう防ぐことができます。

 穀類では、新米の出荷が始まり、御飯をお代わりしたくなりますし、蕎麦(ソバ)も新蕎麦が出回りますから、蕎麦料理もとてもおいしくなります。芋類では、サツマイモは既に出回っていますし、長芋や山芋もこれからが旬です。里芋はもう一つ先の小雪以降が本来の旬となりましょう。立冬の頃は芋がまだ成長中ですからね。
 こうして
出回りだした新物の穀類や芋類を有り難くいただきたいものです。

 これからの時期、海の幸があれこれ旬になります。何がいいかとなると小生も分かりかねます。ここは、魚屋さんに聞いて買うのが一番。
 
果物では、晩生の「富有柿」が終盤となります。そして、リンゴが本格的に出回り出します。前にも書きましたが“柿が赤くなれば、医者が青くなる”という言葉があり、りんごについても同様に言われます。それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょうが、毎日ほどほどの量を、ということになりましょう。特に、柿は冷性の食品ですから、食べ過ぎると体を冷やしますので、ご用心なさってください。リンゴは涼性ないし平性ですから、さほど体を冷やすものではないですが、ほどほどにしておきたいものです。

 さて、これからの時期、注意せねばならないのが「ノロウイルス」です。昔は、胃腸風邪と言われることが多かったです。
 通常、11月になってから罹患者数が急上昇し、年が明ける頃からダラダラと減り始め、暑くなった6月には沈静するといった傾向を示します。
 症状としては吐き気・嘔吐や下痢、腹痛などがみられ、発熱は軽度で、多くは1日から2日で改善するものの、ときに長引くことがあります。
 対症医療法的に吐き気を止める薬や下痢止めを使いたくなりますが、これではノロウイルスを胃腸の中で増殖させることになり、逆効果です。出すものは出すしか手がありません。そして、水分補給(白湯)だけにし、食を断つことです。あとは自然治癒力でもってノロウイルスを殲滅(せんめつ)するしかないのです。
 つまり、免疫力が高ければ、感染しても発症しなかったり、軽い発症で終ったり、早く治癒したりするのです。ノロウイルスに対する免疫力は特徴的なものがあり、腸免役が高ければ容易に対応できます。つまり、腸内環境が良ければいいのです。
 これについては、順天堂大学大学院医学研究科(2011年5月10日)の報告があります。その要旨は「介護老人保健施設に入所する高齢者にラクトバチルス カゼイ シロタ株を含む発酵乳を飲用してもらった結果、感染性胃腸炎(ノロウイルスによることを確認)に起因する発熱症状を緩和する効果を確認しました。」というものです。その詳細は、「ノロウイルスを原因とする感染性胃腸炎の発熱症状に対する乳酸菌飲料の軽減効果を確認」で報告されているのですが、ざっくばらんに申せば、“ヤクルトを毎日飲んでいると、ノロウイルスに感染しても治りが早い”というものです。
 “だからヤクルトを毎日飲むといい”となるのでしょうが、そんなことをしなくても、肉を控えて野菜のおかずを多くするという料理、
そして漬物(植物性の乳酸菌が特に効果的)を毎日食せば、腸内環境はグーンと良くなりますので、これに勝る対処法はないでしょうね。
 なお、ノロウイルスにやられてしまった場合に良く効く漢方薬があります。それは「柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)」です。長引く風邪にも効きますから冬季は1箱常備されるのをおすすめします。

 次回は、 「小雪」(11月22日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:霜降から立冬まで

2019年10月24日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:霜降から立冬まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 霜降 初候 霜始降(しも はじめて ふる)霜が降り始める
      次候 霎時施(こさめ ときどき ふる)小雨がしとしと降る
      末候 楓蔦黄(もみじ つた きばむ)もみじや蔦(つた)が黄葉する

 寒露の次にやってくる24節気が霜降で、毎年10月23日頃(2019年は10月24日)になります。前節気の寒露もそうですが、今節気の霜降となると、日本の大半の地域の気候から随分とずれて感じます。10月下旬に霜が降りるとは、です。
 これは、24節気が作られたと言われる中国戦国時代(紀元前3~4世紀)の前の時代も後の時代も現在の西安(昔の長安)辺りが中国の中心地であり、温度差が大きい大陸性気候のその地域の気候でもって命名されたからでしょう。
 ちなみに西安の月別平均最低気温を東京と比べると次のとおりです。
  10月:9.3度(東京:14.2度)、11月:2.6度(東京:8.3度)
 霜降を過ぎると、朝の気温は、日本の大半の地域ではやっと寒露といったところでしょうが、それでも快晴の朝は放射冷却で気温が10度を軽く下回るようになり、秋が深まりつつあるな、と感じます。
 この時期は、後から説明しますが、季節の変わり目に相当するものの、晩秋という捉え方もでき、朝晩はカラッとした大陸の冷たい空気でもって、秋の臓器である肺が痛みつけられる恐れがあります。肺は乾燥を嫌いますから、肺が弱い方は肺に潤いを与えるべく、保湿器を引っ張り出したり、マスクなどを着装されるといいでしょう。

 さて、漢方5季(春夏秋冬と土用)の区分では、霜降から立冬までは、季節の変わり目である秋の土用(10月20日頃~立冬の前日まで)と概ね一致します。
 
よって、『24節気の食養:霜降から立冬まで』は、投稿済みの次の記事と大きく重複しますから、先ずはこれをご覧ください。
 
秋の土用は土用食を。先ずは甘味ですが、重労働をするときだけに。

 これに少々補足します。
 秋の土用の頃は、保存食糧の収穫シーズン真っ盛りとなります。日本では米の収穫がそうですか、畑では
サツマイモの収穫が始まり、山では栗の収穫が続いています。
 よって、秋の深まりを感ずると同時に、ますます
食欲が湧いてきます。この時期、食欲煩悩を抑えるのは至難の技ですから、旬のサツマイモや栗をおいしくいただきましょう。
 第一生命の「サラリーマン川柳」に次のものがあります。
 
やせてやる!! コレ食べてから やせてやる!! 栗饅頭之命くりまんじゅうのみこと]
 これは、ダイエットの失敗例ですが、“秋の土用が過ぎ、冬になったら、やせてやる!!” でいいのです。→冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し
 このことについては、前々回(秋分)、前回
(寒露)でも申しましたが、四季がある地域に住む動物は、冬の食糧不足と寒さ対策のために、この時期に限って飽食します。ヒトも同じ動物ですから、秋に飽食したくなる体質になっており、大いに食欲の秋を満喫していいのではないでしょうか。ただし、冬になったら腹八分かそれ以下にすべきですが。

 この時期、海の幸もいいですね。前にも取り上げましたが、サンマ、イワシ、サバがおいしい季節です。調理法は塩焼きが一番。これら青背の魚には体にいい油脂(DHAとEPA)がたくさん含まれ、大いに摂るとよいと言われますが、今の日本人は油脂全般にあまりにも摂りすぎですから、旬となって脂の乗った青背の魚は、昔の調理法のとおり十分に脂を切って食べるべきものなのです。油脂はバランスが重要ですから、「足りない油脂を足すのではなく、過剰摂取の油脂を引く」という食生活をなさってください。

 果物では、何と言っても柿が旬です。前回(寒露)でも申しましたが、“柿が赤くなれば、医者が青くなる”という言葉があります。それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょうが、毎日ほどほどの量を、ということになりましょう。特に、柿は冷性の食品ですから、食べ過ぎると体を冷やしますので、ご用心を。

 次回は、「立冬」(11月7日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:寒露から霜降まで

2019年10月08日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:寒露から霜降まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 寒露 初候 鴻雁来(こうがん きたる)雁が飛来し始める
      次候 菊花開(きくの はな ひらく)菊の花が咲く
      末候 蟋蟀在戸(きりぎりす とに あり)蟋蟀が戸の辺りで鳴く

 秋分の次にやってくる24節気が寒露で、毎年10月8日頃(2019年は10月8日)になります。朝は冷気により寒々とした露がたくさん結ぶようになり、秋もいよいよ本番となります。1年で一番過ごしやすい時期ではないでしょうか。
 
でも、日中に汗をかいて日が落ちるとスコッと肌寒く感じて風邪を引いいてしまう、ということになりやすいですから、十分に用心なさってください。

 さて、前回(秋分)で申しましたが、朝晩の涼しさを感ずると同時に、体のけだるさを感ずるようになることがあります。これが本来の「夏バテ」で、秋本番となっても残ることが往々にしてあります。その対処の仕方は、「何でも“夏バテ”にされては困りもの。暑気当たり=“夏負け”とは区別して対処しましょう。」で詳細に記しましたが、ミネラル不足が原因であることが多いです。
 ミネラルの補給には、まずもって緑黄色野菜や小魚を丸ごといただくということが重要です。前々回紹介しました秋刀魚(サンマ)(今年はチョウ不漁でだめですが)、前回紹介しましたイワシが旬になっています。焼き魚にして脂を切ってはらわたや骨まで食べるのが理想的です。もっともサンマの場合は骨は硬いですから焼き直す必要がありますが。
 野菜を多く摂ってミネラル不足を解消するのが一番ですが、市場に出回る野菜は昔に比べてミネラルが随分と減っていますから、不十分になりがちです。まだ夏バテしている方は総合ミネラル剤で不足分を充足させる必要がありましょう。

 本格的な涼しさの訪れとともに食欲がぐんと出てきます。食欲の秋の到来です。馬肥ゆる秋です。前回(秋分)にも申しましたが、四季がある地域に住む動物は、冬の食糧不足と寒さ対策のために、この時期に限って飽食します。ヒトも同じ動物ですから、秋に飽食したくなる体質になっており、大いに食欲の秋を満喫していいのではないでしょうか。
 ただし、冬になったら、そして夏も、腹八分かそれ以下にすべきですが。
 参考までに、飽食して太ったらその後はダイエットして一時的に痩せると健康にとてもいいです。それはどうしてか。「
冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し」をご覧ください。

 この時期、小生が魚釣りに行った帰りに時々買い求めるのが「サバの浜焼き」です。サバのうち「マサバ」は日本近海で獲れる代表的なサバの種類。「秋さば」「寒さば」などと呼ばれるように、秋から冬にかけてが脂がのり、美味です。串刺しし、脂を切るため斜めに立てて炭火でじっくりと焼いた「浜焼き」ほど美味しいものはありません。でも、この正統な焼き方はほとんど姿を消してしまい、残念です。味が落ちます。
 ところで、“秋サバは嫁に食わすな”ということわざがあります。2説ありますが、ここは、“サバは非常に痛みやすいものだから食中毒でも起こしたらお腹の子にさわる”ということにしておきましょう。詳しくは、「秋ナスと秋サバは嫁に食わすな!」をご覧ください。

 気象は、これも前回(秋分)にも申しましたが、カラッとした大陸の空気が入り込むことが恒常化し、空気は乾いています。秋の臓器は肺で、肺は乾燥を嫌います。肺に潤いを与えてあげねばなりません。それには、食が大いに関係します。もっとも重要なのが「辛味」で、これが肺を潤してくれます。詳しくは、「立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。まずは辛味が重要です。」をご覧ください。
 畑では露地物のピーマンやシシトウの収穫がピーク終盤となり、これからの時期は昔であればピリッと辛いピーマンやシシトウが多くなったのですが、今はすっかり品種改良されてしまい、これら皆、辛くないものばかりになりましたから、残念です。食卓に乗った料理には、唐辛子なり胡椒を気持ち多めに振りたいものです。
 また、これから旬となったショウガが採れはじめますから、料理に使いたいものです。
 そして、これも前回(秋分)で申しましたが、秋はカレーライスの季節です。この時期、辛いカレーライスがますますおいしく感じられます。でも、過ぎたるは及ばざるが如しでして、激辛は度が過ぎて肺を痛めつけることになりますから、ほどほどになさってください。
 ところで、カレーに入れる肉は、鶏、豚、牛、羊といったものがあげられますが、お年寄りの場合は牛、できれば羊がおすすめです。というのは、肉に含まれるカルニチンの量がこの順番でぐんと多くなるからです。カルニチンは、エネルギー代謝向上のほか「脳力」アップにとてもいいものです。詳しくは別立てブログの『アミノ酸誘導体「カルニチン」に意外な効能あり、それは「脳力」アップ』をご覧ください。

 果物では、梨、ブドウ、イチジクが終りかけ、これから旬となるのが柿です。
 “柿が赤くなれば、医者が青くなる”という言葉がありますが、トマトやリンゴも同様の言い方がされます。それだけ栄養価が高く、抗酸化力があったり、免疫力を付けたり、ということになりましょうが、毎日ほどほどの量を、ということになりましょう。特に、柿は冷性の食品ですから、食べ過ぎると体を冷やしますので、ご用心を。

 次回は、「霜降」(10月23日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:秋分から寒露まで

2019年09月23日 | 24節気の健康と食養

24節気の健康と食養:秋分から寒露まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 秋分 初候 雷乃収声(かみなり すなわち こえを おさむ)雷が鳴り響かなくなる
      次候 蟄虫坏戸(むし かくれて とを ふさぐ)虫が土中に掘った穴をふさぐ
      末候 水始涸(みず はじめて かる)田畑の水を干し始める

 白露の次にやってくる24節気が秋分で、毎年9月23日頃(2018年は9月23日)。これより夜が昼より長くなる(厳密には異なりますが)のですから、秋も本番となります。「暑さ寒さも彼岸まで」と言います。過ごしやすい季節の到来です。
 
でも、朝晩は肌寒く感じ、風邪を引きやすくなってきますから、用心なさってください。
 (秋の彼岸:秋分の日を中日(ちゅうにち、おちゅうにち)といい、その前後3日間、計7日を言います。)

 さて、前回(白露)で申しましたが、朝晩の涼しさを感ずると同時に、体のけだるさを感ずるようになることがあります。これが本来の「夏バテ」です。その対処の仕方は、「何でも“夏バテ”にされては困りもの。暑気当たり=“夏負け”とは区別して対処しましょう。」で詳細に記しましたが、ミネラル不足が原因であることが多いです。
 ミネラルの補給には、まずもって緑黄色野菜や小魚を丸ごといただくということが重要です。前回紹介しました秋刀魚(サンマ)が旬の真っ只中となり、新鮮なものならミネラルたっぷりのはらわたも美味しく食べられます。しかし、ここ数年前から、中国、台湾、韓国の超大型漁船が日本の排他的経済水域外側の公海でゴッソリとサンマを捕獲してしまったり、海流の変化があったりして、三陸沖へ戻ってくる十分な大きさがあって脂が乗ったサンマが随分と減ってきています。特に今年はチョウ不漁で、サンマがだんだん高級魚になって、庶民の口に入りにくくなり、まことに残念なことです。
 サンマのほかに、秋はイワシが旬になっています。脂の乗ったイワシの丸干しを焼いて、脂を切って、丸ごと全部食べるのがベストです。ミネラル補給にとてもいいです。なお、青背の魚の脂(オメガ3)が体にいいからといって、残さず脂を全部摂るのは考えものです。油脂の摂取はバランスが重要で、高レベルでバランスを取るのではなく、低レベル(少ない摂取量)でバランスを取りたいものです。
 野菜を多く摂ってミネラル不足を解消するのが一番ですが、市場に出回る野菜は昔に比べてミネラルが随分と減っていますから、不十分になりがちです。夏バテした方は総合ミネラル剤で不足分を充足させる必要がありましょう。

 夏バテせず、あるいは夏バテが解消すると、本格的な涼しさの訪れとともに食欲が出てきます。食欲の秋の到来です。馬肥ゆる秋です。
 四季がある地域に住む動物は、冬の食糧不足と寒さ対策のために、この時期に限って飽食します。ヒトも同じ動物ですから、秋に飽食したくなる体質になっており、大いに食欲の秋を満喫していいのではないでしょうか。
 ただし、冬になったら、そして夏も、腹八分かそれ以下にすべきですが。
 参考までに、飽食して太ったら、その後はダイエットして、一時的に痩せると健康にとてもいいです。それはどうしてか。「
冬ヤセ、夏ヤセで毒だし!おすすめします1日断食の繰り返し」をご覧ください。

 気象は、秋雨前線が(今年は随分と長く居座っていましたが)終わり、カラッとした大陸の空気が入り込むことが恒常化し、空気は乾いてきます。秋の臓器は肺で、肺は乾燥を嫌います。肺に潤いを与えてあげねばなりません。それには、食が大いに関係します。もっとも重要なのが「辛味」で、これが肺を潤してくれます。詳しくは、「立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。まずは辛味が重要です。」をご覧ください。
 この時期、露地物のピーマンやシシトウの収穫がピークとなり、ピリッと辛いピーマンやシシトウが求められるのですが、すっかり品種改良されてしまい、これら皆、辛くないものばかりになりましたから、残念です。食卓に乗った料理には、唐辛子なり胡椒を気持ち多めに振りたいものです。また、これから旬となるショウガが採れはじめます。
 そして、秋はカレーライスの季節です。この時期、辛いカレーライスがますますおいしく感じられます。でも、過ぎたるは及ばざるが如しでして、激辛は度が過ぎて、逆に肺を痛めつけることになりますから、ほどほどになさってください。

 果物では、梨が終りかけ、ブドウはマスカット系が旬となり、イチジクが今しばらく続いています。食味は梨が寒性で食べ過ぎると体を冷やしますが、ブドウとイチジクは平性で、さほど体を冷やすものではないです。食欲の秋ですから、食後に何かこうした旬の果物を少々いただきたいものです。
 これからの時期、体を冷やす(寒性の食べ物)ことで有名なのが「秋ナス」です
。“秋ナスは嫁に食わすな”ということわざがあります。2説ありますが、ここは、姑が秋ナスの調理を嫁に任せて諭した言葉、“もうじき、お腹に子が宿るじゃろうよ。秋ナスは体を冷やしてしまうから、子にさわる。食べるのは遠慮しときなされ。”ということにしておきましょう。
 詳しくは、秋ナスと秋サバは嫁に食わすな!をご覧ください。

 次回は、「寒露」(10月8日頃)からの健康と食養です。

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24節気の健康と食養:白露から秋分まで

2019年09月07日 | 24節気の健康と食養

 24節気の健康と食養:白露から秋分まで

 24節気を約5日ずつ3区分した「七十二候」というものがあり、気象の動きや動植物の変化を知らせています。「略本暦」に掲載された七十二候で、本節気は次のとおり。
 白露 初候 草露白(くさの つゆ しろし)草に降りた露が白く光る
      次候 鶺鴒鳴(せきれい なく)鶺鴒(せきれい)が鳴き始める
      末候 玄鳥去(つばめ さる)燕が南へ帰って行く

 処暑の次にやってくる24節気が白露で、毎年9月7、8日頃(2019年は9月8日)になります。大気が冷えてきて露が多くでき、白色となることから、白露と呼ばれます。
 残暑を感ずることは大幅に減り、乾いた涼しい風が吹き、秋になったことを実感できるようになります。また、白露から秋分にかけて夜は一晩ごとに涼しくなるとも言われ、本格的な秋の訪れを感ずるようになります。

 この時期になりますと、時に朝晩の急な冷え込みがありますから、風邪や下痢から身を護るため、身体を露出した服装は避けたほうがいいことになりましょう。
 一方で、日中は35度を超えるような猛暑日もあり、熱中症対策もおろそかにできません。→熱中症と夏ばての原因は一緒(三宅薬品・生涯現役新聞N0.295)
 そうした日には、まだまだ冷たい物が欲しくなることが多いです。冷蔵庫で冷やし過ぎた飲食物の摂取は、再々記事にしていますが、「冷たい物中毒」の恐れがあり、要注意です。暑いときは暖かいお湯がおすすめなのは当店新聞で解説したとおりです。→ 暑い時期はお湯を飲むべし(三宅薬品発行の生涯現役新聞N0.271)

 さて、朝晩の涼しさを感ずると同時に、体のけだるさを感ずるようになることがあります。これが本来の「夏バテ」です。その対処の仕方は、「何でも“夏バテ”にされては困りもの。暑気当たり=“夏負け”とは区別して対処しましょう。」で詳細に記しましたが、ミネラル不足が原因であることも多いです。

 ミネラルの補給には、まずもって緑黄色野菜や小魚を丸ごといただくということが重要です。前回(処暑)紹介しました、そろそろ旬になる魚、秋刀魚(サンマ)が白露の頃から本格的に出回ります。スタミナ食にもなるサンマですから、この時期大いに食していただきたいですし、新鮮なものであれば、はらわた、これはミネラルたっぷりですから、これも食べていただきたいです。ところで、サンマはここ何年か不漁続きで、特に今年はチョウ不漁でなんともなりませんが。
 なお、市場に出回る野菜は昔に比べてミネラルが随分と減っていますから、夏バテした方は総合ミネラル剤をお飲みになることをおすすめします。

 涼しさの訪れとともに食欲もだんだん出てきます。食欲の秋の到来です。
 前回(処暑)紹介しましたが、
野菜では立秋以降が旬となるカボチャが一押しです。保存が利き、栄養価が高いですから、大いに食していただきたいです。
 それ以外の野菜となると、皆、夏野菜の類となりますが、ピーマンやシシトウがピークとなります。これも前回説明しましたが、秋には辛味の食材を大いに食していただきたいですから、ピリッと辛いシシトウなどが求められます。

 果物も夏物の晩生のものとなりますが、この時期に多く出回るものがあります。
 梨は旬が続いており、食味は寒性で、体を冷やしますから、食べすぎには注意したいですが、体を潤してくれますから、この時期の食後のフルーツに最適でしょう。
 イチジクは旬が長いですから秋果の最盛期となり、出回っています。女性ホルモン様成分を含むことから更年期障害にいいですし、食物繊維は不溶性と水溶性の両方ともたっぷり含まれ便秘にいいです。一言で申せば「女性保健薬、それはイチジク」なのです。

 海産物では、秋刀魚(サンマ)の他にカツオがあります。三陸沖で捕れる戻りカツオが旬となります。北の豊かなプランクトンを食べて肥え、脂がのっていて美味しいです。カツオのタタキが一般的ですが、薬味をたっぷり添えたいです。刻みネギ、ミョウガ、青シソに、おろしショウガとおろしニンニクです。具沢山といわれるほどに薬味をたっぷり添えると、美味しくもあり、野菜もたっぷり摂取できるというものです。うちでは、こうした食べ方をしています。

 またまた前回の繰り返しになりますが、立秋以降、体は秋モードに変化しています。その秋は、五臓では肺の季節。肺が活動的になります。その肺が好む味が辛味です。詳しくは、「立秋は秋の入り、五味を上手に秋食に取り入れましょう。まずは辛味が重要です。」をご覧ください。
 この時期、まだまだ暑いですが、熱いカレーライスを食べるのもいいです。汗をかくほどに熱いカレーライスは、冷えた胃を温めてくれますから、初秋の料理としては効果的です。そして、料理には意識的に唐辛子を振っていただきたいです。

 次回は、「秋分」(9月23日頃)からの健康と食養です。

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