薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

生活習慣病に効く薬はあるの?(三宅薬品・生涯現役新聞N0.247)

2015年08月26日 | 当店毎月発刊の三宅薬品:生涯現役新聞

当店(三宅薬品)発行の生涯現役新聞N0.247:2015年8月25日発行。
表題:生活習慣病に効く薬はあるの?

副題:生活習慣病は生活習慣を正さないことには治らないのです

 いつまでも健康で超高齢まで生きて老衰で逝く道を選ぶとなると、生活習慣を全面的に改め、毎日たっぷり体を動かして、粗食に耐えるしかない。
 それができないとなると、ある程度の年で血管症でピンピンコロリと逝きたいのですが、直ぐに救急車が来て一命を取り止め、後遺症で苦しむことになりますから厄介です。
 寿命が伸びに伸びている日本。何とも難しい時代になりました。
 おふくろがたった10日間寝込んだだけで、何の苦しみもなく8月8日に自宅で老衰死しました。享年98。超高齢。その思いから今月号の記事にしたところです。

表面) ↓ 画面をクリック。読みにくければもう1回クリック。裏面も同様です。
 

(裏面)瓦版のボヤキ
表題:しかり役 と ほめ役
    おふくろの介護を行う上で、小生と女房が取り決めた役づくりの方法です。

コメント

入浴法あれこれ、自分に最も合った方法を探しましょう

2015年08月02日 | 健康情報一般

入浴法あれこれ、自分に最も合った方法を探しましょう

 様々な入浴法がありますが、これが体にいい、あれが一番だ、などなど紹介されていますが、万人向けの入浴法というものはなく、その人の年齢、体質によって変える必要があると思います。
 そこで、手持ちの文献やネット検索した結果を小生なりにまとめ、それに私見を付け加えて整理してみましたので、参考にしていただけたら幸いです。

<湯の温度>
 
快適なのは42度と言われますが、これは質実剛健な若者向きであって、たいていの方には熱すぎで、おすすめできません。
 一般的に、
体にやさしいのは、冬40度程度、夏38度程度の長湯です。
 
心身ともにリラックスしたいときは、冬は40~41度、夏は38~39度のややぬるい湯にじっくりつかりたいです。ぬるめの湯は副交感神経(体の緊張をほぐす神経で、睡眠中や食事中に働きが高まる)を刺激しますから、疲れを癒してくれます。
 逆に熱い湯は、交感神経(活動をエネルギッシュにする神経で、仕事をしているときに働きが高まる)を刺激しますから、風呂から出ると、心身ともにシャキッとします。
 ぬるい湯は内臓の血流を良くし、熱い湯は体表の血流を良くします。
 冷え症の方などは、体の芯をぬくめる、ぬるめの湯がベストです。滅多に汗をかく機会がない方は、熱い湯で汗をかき、老廃物の排出を促進させるのも一法です。

<入浴時間>
 
適正な入浴時間(連続してお湯に浸かり続ける)の目安は、次のとおりです。
  
 42度  5分
   41度 10分
   40度 15分
   39度 20分
 これは、
深部体温が概ね1度上がる時間です。自分が一番気持ちよく感ずるようになった状態と、だいたい一致します。ただし、ぬるい湯で長湯すると、知らず知らず深部体温が上がりすぎ、湯疲れ(のぼせたり、気分が悪くなる)することがあります。

 ここまでは、肩まで浸かる普通の入浴法=「全身浴」についての説明です。
 全身浴のデメリット・メリットは次のとおりです。
 お湯に浸かったときの
水圧は驚くほど大きいです。体全体で平均して水圧を受けるのであまり負担を感じませんが、肩までお湯に浸かると、心臓付近だけでも80kgの水圧を受けている計算になりますから、心臓への負担が大きいです。加えて、熱い湯ですと、皮膚の血管が急に縮んで血圧上昇を起こします。
 ですから、いきなりザブーンと浸かるのではなく、腰まで浸かって一呼吸、といった入り方が無難です。そして、急に浴槽から出ると、水圧から一気に開放されて血液が下半身側に集まるため、立ちくらみを起こしかねません。
 一方、メリットとして、入浴中の大きな水圧はマッサージ効果があり、最も気持ちよく感じられる入浴法です。つまり、普段は下半身に血液が停滞しやすいですが、入浴時は下半身への水圧が血液を心臓に押し上げる働きにより血流が正常化するのです。
 なお、銭湯や温泉場の「
寝湯」あるいは洋式バスで、ごろんと仰向けに浸かる方法は、 浅い分、水圧が少ないですし、同様のメリットもけっこう生じます。

 部分浴が非常に効果を発揮することがありますので、それを説明しましょう。
<半身浴>
 みぞおち辺りまでしか浸からない入浴法です。心臓への負担がないから安心です。また、全身浴と違って、胸・肩・背中から放熱されますから、長湯できます。
 冬季に行うとき、上半身が寒いようなら、濡れタオルを肩にかけてかけ湯し、時々タオルを湯船で温め直してかけ湯を続ければ、そのうち体の深部が暖まってきて、かけ湯が不用になりましょう。
 なお、入浴後しばらくの間、こうして寒さに耐えるのは、のちほど述べます「温冷交替浴」に類した効果が期待できます。

腰湯>
 臍(へそ)辺りまでしか浸からない入浴法です。
 基本的には、たらいに腰だけを漬け、足を出し、上半身は着たままで行いますが、風呂に入って足を全部漬けてもかまいません。
 熱い湯(45~47度)とし、10分前後が目安で、お腹と腰をぬくめます。
 これは、
中医学での治療方法の1つで、主に月経不順、生理痛などの婦人病や不妊、冷えの改善療法です。本格的に行うには、薬草(例えば、天日干した大根の葉)を入れます。
 なお、汗をかくと効果がアップしますので、発汗促進のため、白湯を口に含むといいです。口に含んで3分程度したら吐き捨て、これをを2~3回繰り返します。
<真夏の変則腰湯>
 小生が真夏に行なっている入浴法で、だいたいイラストの格好ですが、半身浴より深く浸かっています。
                  
 真夏は体に熱がこもりがちで、半身浴であっても直ぐにのぼせてしまいます。ですから、足は湯船から出して、ぬくめないようにするのです。そして、熱中症ぎみであれば、水道の蛇口を少々開いて足先に水をかけながら行います。
 なお、後で述べます「温冷交替浴」(全身シャワー)を併用しています。
 これには、もう一つの効果があります。真夏はどうしても冷たい物を取り過ぎで胃腸が冷え気味ですから、胃腸を集中的にぬくめることができるというものです。 

<足湯>
 温泉場の所々で無料で利用できますが、自宅でも可能です。バケツを浴槽代わりにすればテレビを観ながら行えます。ただし、だんだん冷めてきますから、熱い湯を小まめに少量ずつ加えて湯温を一定に保つといいです。
 「足は第二の心臓」と言われ、足の筋肉が血液を押し上げる働きをしています。でも、運動不足で筋力が落ちていると、足の血液が心臓に戻りにくくなります。そこで、足湯して足をぬくめてあげると、血管が広がることとポンプアップ効果により、足に溜まりがちな血液がスムーズに押し上げられて全身の血行がよくなります。
 また、足がぬくめられれば足の血管を流れる血液もぬくめられ、体温アップにつながりますから、汗をかくほどになります。日頃めったに汗をかかない方は、足湯で発汗されてはいかがでしょうか。(発汗促進には腰湯と同様な白湯の口含みをなさるといいです。)
 なお、足湯の湯温は最高42度までで、40度前後がよさそうです。浸かる時間は湯温によって異なりますが、通常10~15分とし、十分に体がぬくまれば上がります。それ以上浸かると、汗もかきますし、湯疲れする恐れがあります。

<手浴>
 指先が異常に冷たくなっていて、手の血流が大きく滞っている場合に行うといい方法です。足湯と類似した効果がどれだけか得られますし、足湯と同時に行うのも手です。


 さて、小生が一番おすすめしたいのが「温冷交替浴」です。全身浴の場合だけでなく、半身浴、足湯といった方法を取る場合にも効果を発揮します。
<正統・温冷交替浴>
 既に戦前に、西式健康法を開発された西勝造氏によるもので、現在でも根強いファンが多いようです。その方法は次のとおりです。
 水風呂と湯の風呂と2つを備え、水は14~15度、湯は41~43度とする。
 まず水のほうへ1分間、次に湯に1分間、これを交互に繰り返し、最後は常に水浴で上がること。回数は水浴3回(湯浴2回)ないし水浴4回(湯浴3回)とし、なお数回(水浴・湯浴合計)やるのが理想である。
 初心者は最初の水浴を飛ばしてよいし、部分水浴でも良い。また、水の温度を初めは高くしてよい。慣れるに従って、順次理想の温度で全身浴とする。
 病弱者の場合は、初め全身入浴の後、一旦上がって上半身を拭って、例えば、次に太ももの付け根以下の湯浴1分間、水浴1分間と交互に各3回繰り返し、終わりは必ず水浴で終る、という交互部分浴でもよろしい。
 水風呂がない場合は、洗い桶でかけ水してよい。
 温泉などで水がない場合は、1分間肌を外気にさらしてもよい。また、水温があまり冷たいときは入っていられるだけとし、残りの時間はただ外で費やし、1分してから湯浴する。

(効能)
 温冷浴は皮膚の鍛錬になり、神経痛、リウマチ、喘息(ぜんそく)、偏頭痛などは好結果を得る。血液、リンパ液の還流を促進して、これらを浄化するとともに、皮膚の収縮拡大を行わしめ、皮膚機能を増進するものである。結果、体質は改善されて、風邪を引きにくくなり、腺病質(虚弱体質)や皮膚病も改善するのである。
 温冷浴は皮膚の収縮拡大をやるので、垢がよく落ちるから、石鹸を使う必要はなく、露出部と股間、足先だけを洗う程度で十分である。

 以上が正統・温冷交替浴の概要です。近年になって増えてきた冷え症や低血圧にも効果的ですし、継続実施すれば疲労回復や疲労予防になりますし、筋肉痛予防にもなるなど、万病に効くと言っても過言ではないほどです。
 小生も10年来行なっていますが、とても正統・温冷交替浴はできず、初めに水シャワー(夏は1分以上、真冬は10秒程度<今年は止め>)とし、ゆったり湯船に浸かり、上がるときに水シャワー(1分、夏は2分程度)と簡略化しています。これであっても、滅多に風邪を引かなくなりましたし、体調がよくなったのを実感しています。
 なお、温泉では、温冷交替浴(湯浴10~15分、水浴は可能な限り長く)を繰り返し、1時間半程度(露天風呂で外気にさらす時間を含む)楽しんでいます。
 皆さんにもおすすめの温冷交替浴。初めて行われる方のために、別記事でやり方を書いておりますので、ご覧になってください。
 → 
今がチャンス!始めましょう、冷水シャワー。万病に効果あり。ただし、夏を過ぎても毎日実行。

 ネット検索したところ、もっと略式の温冷交替浴でも、次の効果があることが紹介されていましたので、参考までに以下に掲げておきます。
<朝起きてボーッとした感がなかなか抜けない>
 自律神経の働きが正常なら、朝起きれば活動モード、夜には休息モードとスムーズに切り替わるものです。しかし、“朝はお昼頃までエンジンがかからない”“夜は目が冴えて眠れない”といった人は、その切り替えがうまくいっていない証拠です。この状態では、外からいくら温めても体は冷えるばかり。意識的に切り替えてあげることが必要です。
 そこで、朝の温冷シャワー浴を試してみましょう。温水と冷水を交互に浴びると、交感神経のスイッチが入ります。寝ていたときに働いていた副交感神経から交感神経へと切り替わるので、シャキッと目が覚めて、心身ともに活動的になるわけです。
 ただし、体調のすぐれないときや心臓などに持病がある方、高齢者は行わないようにして下さい。逆に夜は、冷えに効くぬるめの半身浴で、副交感神経優位の状態にスイッチさせます。こうすることで、自律神経が正常に働き、冷えない体へとつながるのです。
<便秘症の方>
 便秘(何日も出ない)場合は、ぬるめの湯とし、腹を膨らませたり凹ませたりの運動を行い、円を描くマッサージも。湯船から出たら(腹部に)温冷交替シャワーをすると効果的。
 ただし、便秘(コロコロ)の場合は、最初はぬるめの湯とし、終わりは追い炊きで43度を5分。出たら高温シャワーで円マッサージをすると効果的。
<胃が悪い方>
 お湯の温度により、交感神経を刺激する場合と副交感神経を刺激する場合があります。42度以上の熱いお湯は交感神経を刺激し、胃の動きを緩めます。つまり、胃酸過多で空腹時に胃が痛くなるような場合は、熱いお風呂に入って、胃酸の分泌を抑えます。
一方、胃アトニーや胃弱、低酸症の場合は、40度未満のぬるめの湯で副交感神経を刺激することにより、胃の動きを活発にさせます。この場合、シャワーで熱いお湯と冷たい水で交互にお腹を刺激するのも効果的です。


 入浴剤の活用についても
紹介しておきましょう。
 
さら湯は熱の伝導がよく、血圧上昇、心臓への負担が大きく、年寄りは避けるべしと昔から言われており、最初に年寄りが風呂に浸かる場合は、塩をひとつかみ入れよ、と言われていました。
 今日では、いろいろな入浴剤が発売されていますので、特徴的な温泉を例にして、その効能を紹介されたサイトがありましたので、ここに掲げることにします。
ナトリウムー炭酸水素塩泉>
 この泉質は、旧泉質名では「重曹泉」です。温泉には色々な成分が入っているので、重曹をお風呂に入れても温泉そのものになるわけではありませんが、「炭酸水素塩泉」が持つ美肌効果には期待できます。
 また、お風呂に塩を入れることで、「塩化物泉」に準ずる効果もあります。塩による殺菌作用で、傷に効いたり、塩が肌に付着して水分の発散を抑えることから保温効果もあります。
 いずれも、手で一つかみ程度入れればよいでしょう。

<炭酸水素塩泉>
 これは美肌泉質の代表格です。特に、以前は「重曹泉」と呼ばれていた「ナトリウムー炭酸水素塩泉」は美肌の湯としての名湯が少なくありません。
 入浴した瞬間に肌がツルツルするのがわかるくらいです。
 炭酸水素塩泉は石鹸のようなはたらきがあり、肌の不要な角質をとったり、毛穴の汚れをとったりする効果があります。
 この効果により、ツルツル肌をつくり、美白肌をつくってくれるのです。
 この皮膚の不要な角質をとるはたらきにより、入浴後は皮膚表面からの水分の発散を盛んにして清涼感が得られるため、「清涼の湯」と名づけました。
 一方、肌から水分が発散するために、「アルカリ性単純温泉」とともに、入浴後は乾燥肌になりやすいという“美肌の湯の落とし穴”もあります。
 入浴中の肌はツルツル、入浴後の肌はカサカサということにもなりかねません。
 そこで、「美肌の湯」ほど、特に「炭酸水素塩泉」ほど、入浴後は少しでも早く保湿剤を塗ることが大切です。

<塩化物泉>
 これ
は文字通り塩の成分が多い泉質で、以前は「食塩泉」と言っていました。
 自然湧出の温泉としては日本で一番多い泉質です。この塩化物泉の特長は、「湯冷めしにくい」ということと「傷に効く」ということが挙げられます。
 海に行き岩などでケガをしてもほとんど化膿することはありません。これは塩の殺菌作用によるものです。塩化物泉も同じ原理で傷に効くのです。
 また、塩の成分が皮膚に膜をつくり、「温泉パック」のような状態になります。この「温泉パック」が皮膚からの水分の発散を抑制するので、湯冷めしにくいのです。
 このことから塩化物泉は「温まりの湯」と呼ばれます。このようなことから、一般適応症にあたる「冷え性」には他の泉質以上の効果があります。

<二酸化炭素泉>
 これは、文字通り二酸化炭素つまり炭酸ガスを含む温泉です。
二酸化炭素泉は、温度が高くなると成分が気化するため、一般的には源泉温度が低いです。
 炭酸飲料を温めると「気が抜ける」のと同じ原理です。
 二酸化炭素泉の温泉に入浴すると、体に気泡が付着します。これが炭酸ガスです。
 炭酸ガスは皮膚から吸収され、血管を拡張し、血液の循環をよくするので温度が低くとも体があたたまるのです。
 心拍数を上げなくとも血液の循環が良くなるために、血圧を下げる作用もあります。
 高血圧や動脈硬化に効くのはこのためで、「心臓の湯」と呼ばれます。また、飲用すると消化器に良いです。
 二酸化炭素泉は大変珍しく、貴重な温泉です。
 そして、温めたり時間が経過したりすると成分が失われることから「鮮度が命」です。
 温泉が浴槽の下から注がれるのが理想的です。
 なお、二酸化炭素泉は、単純温泉に次ぎ「湯あたり」しにくい泉質なので、安心して入浴できます。


 
最後にサウナについて、温泉ソムリエの方のサイト記事を紹介しておきます。
 
サウナは室温80℃~90℃で湿度は10%くらいが理想とされています。
 しかし、日本のサウナはお風呂がメインで、サブとして併設されているため、入浴で体が濡れた人が利用して湿度が限りなく100%近くになっていたり、室温も100℃くらいに設定されているため、あまり環境がいいとは言いがたいのです。
 空気とお湯の比熱を考えても、正しい入浴法をすればお風呂の方が無理なく汗をかけますし、お風呂には浮力効果、水圧効果などの各種効果が加わるので、私自身は、お風呂の方が好きです。
 また、気になるのは、サウナには汗腺を引き締めるための水風呂が用意されており、サウナから出た後に入るように説明したものもありますが、急に冷たい水に体をつけるのは心臓に負担をかけ、好ましくありません。
 水風呂を利用するなら、足や手など末端を冷やすのみにとどめた方がいいです。
 とは言え、好条件が整ったサウナもありますし、心臓に水圧負担をかけずに体を温め、汗で老廃物を排泄するという良さもありますので、目的に応じて有効に利用しましょう。


 日本人は世界に類のない「お風呂文化」を持っています。
 お風呂の入り方一つで「心身ともに健康」になれると言っても過言ではないでしょう。
 また、心身ともに健康な方はよりいっそう健康になれるというものです。
 「たかが風呂、されど風呂」なのです。
 ここまで長々と書き綴ってきましたが、最後までお付き合いいただきまして有り難うございます。皆様方の入浴習慣の改善・改良にどれだけか参考になれば幸いです。

コメント