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各種ミネラルの相互関係は人間社会と同じ。元素の周期律表を見てみましょう。

2012年09月17日 | ミネラルが最重要

各種ミネラルの相互関係は人間社会と同じ。元素の周期律表を見てみましょう。

 同族であっても良きライバル関係にあったり、犬猿の仲であったりするのがミネラル
 
人間社会において、兄弟揃って仲良しというわけにはなかなか参りません。せいぜい良きライバルになるくらいのもので、中には犬猿の仲というケースも少なくないです。
 こうした人間社会と同様にミネラル(元素)の関係も、そうですから、また面白いです。
 高校の化学で元素の周期律表を勉強しましたよね。この周期律表は、集合住宅のようなもので、お隣とはほとんど無縁ですが、なぜか上下の階は似たもの同士の同族で兄弟の関係にあります。
           
 例えば、一番左端の縦の階、第1族は、電子を1つ放出して1価のプラスイオンになります。水素、ナトリウム、カリウムがそうです。そのお隣の縦の階、第2族は、電子を2つ放出して2価のプラスイオンになります。マグネシウムとカルシウムがそうです。真ん中当たりは、両隣とも金属という縁で結ばれていますが、縦の階はやはり強い同族関係にあり、亜鉛、カドミウム、水銀が3兄弟の関係にあります。

 この予備知識を元にして、これよりミネラルの関係をお話しましょう。
 ミネラルとは、人の体を構成する主要な元素(水素、炭素、窒素、酸素)、これらで有機物を作るのですが、これら以外の元素を言い、主要4元素に比べて、桁違いに少量を摂取するだけで十分な元素のことです。
 ミネラルの最大の役割は、生体内での化学反応です。たんぱく質を合成したり、プラスイオンをたんぱく質に順次受け渡して電気信号に変換し、情報を伝えたりします。

 ここで、代表的な3つの例を紹介しましょう。
 まずは、同族で兄弟のナトリウム
とカリウムです。両者は良きライバルです。水に非常に溶けやすく1価のプラスイオンになり、脳の神経細胞のスイッチをオン・オフさせる重要な役割をしています。細胞外液にナトリウムが、細胞内にカリウムが、極端に偏在する形をとってバランスを取っています。ですから、ナトリウムとカリウムは、一定の比率、濃度を保っていないと、脳の回路のみならず全身の細胞の働きに支障が生じます。
 塩っ辛い物が好きで、野菜や果物が嫌いな方は、ナトリウムが多くなり過ぎ、カリウムが不足してしまい、大変厄介なことになりますし、血圧も高くなります。高血圧の方は、野菜や果物でカリウムを補給する必要が、ここにあるのです。

 次に、マグネシウムとカルシウム。これも、同族の兄弟で、両者は良きライバルです。水にある程度溶けて2価のプラスイオンになり、筋肉を収縮・弛緩させる重要な働きを持っています。細胞外液にカルシウムが、細胞内にマグネシウムが、極端に偏在する形をとってバランスを取っています。ですから、マグネシウムとカルシウムは、一定の比率、濃度を保っていないと、筋肉のみならず全身の細胞の働きに支障が生じます。 特に、マグネシウムが不足すると、筋肉の弛緩に支障をきたして、足がつる大きな原因になります。また、マグネシウムは細胞内に偏在して様々な生合成に関わるのですから、絶対に不足させてはならないミネラルです。日本人はカルシウム不足だからカルシウムを毎日補給しなさいと声高に言われていますが、過去記事で書きましたように通常の食事でカルシウムは十分に摂取できています。心配せねばならないのはマグネシウムの方で、こちらは摂取不足ですから、カルシウムじゃなくてマグネシウムを毎日補給しなさいと言いたいところです。

 最後に、亜鉛、カドミウム、水銀の3兄弟。カドミウムと水銀は、“チョーワル”の悪友で、亜鉛とは犬猿の仲。亜鉛が進めようとする細胞の新陳代謝を阻止しようとする、困り者の兄貴分たちです。日本の農地がカドミウムと水銀に汚染されており、必要量の亜鉛を摂取しても、亜鉛欠乏と同じ状態になってしまいます。亜鉛は、牡蠣(かき)に濃厚に含まれていますが、海洋汚染でカドミウムと水銀も多いですから、それを差し引いて計算しなければいけないでしょうね。

 このように周期律表からミネラルを眺めてみると、面白いものです。
 人間、兄弟は、お互いに助けあい、良きライバルになりたいものですね。

(この記事は、当店「生涯現役新聞」2009年10月号に一部補足して再掲したものです。)


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