薬屋のおやじのボヤキ

公的健康情報にはあまりにも嘘が多くて、それがためにストレスを抱え、ボヤキながら真の健康情報をつかみ取り、発信しています。

今月の笑い話ベスト5<チャイナ版>(5月)

2012年05月31日 | 笑い話&回文物語

 <笑話:850>夫の意味

勘定を払うとき、夫が払うのはなぜか、知っていますか?

ちょっとばかり夫の反対を考えてみましょう。あなたは分かりましたか?

夫が金を稼いで家族を養わねばならないのはなぜか、あなたは知っていますか?

夫の文字を逆さまにして見てください。分かりましたね。

(選者注:中国のお金の単位「元」も、英語表記では「¥」となるとのことです。)

 

<笑話:855>写真は何を物語る?

妻が部屋を整理していたとき、夫と見知らぬ女性のツーショットを発見しました。

これはなに?と夫に聞きました。すると夫は言いました:

「5年前に女友達と移した写真さ。もう彼女とは別れたけどね」

妻は大声で言いました:

「去年あなたに編んであげたセーターを5年前に来ていたとでも言うの?」

 

<笑話:851>娘の洗顔

怠け者の洗顔を見たことありますか?

水道の蛇口をひねって、気の向くまま顔に水をあてて、それでお終い。

私の娘の洗顔を見たことありますか?

水道の蛇口をひねって、水の流れを2秒間直視して、それでお終い。

 

<笑話:857>恋愛の感慨

若者がバーでおしゃべりしています。

AがBに聞きました:「君は長い間恋愛しているけど、何か感じるところがあるかい?」

B:「彼女と離れていると心が痛い。彼女といると頭が痛い」

 

<笑話:864>母犬がメンドリに聞く

たった今、子供を生んだばかりの母犬がメンドリに聞きました:

「あなた達には、どうして乳房がないの?」

すると、メンドリが答えました:

「オンドリには足しかなくて、手がないからよ」

 以上、「一日一笑:おもしろ情報館」から選出した今月の笑い話ベスト5、お楽しみいただけたでしょうか。
 番外として、次の笑話は、日本人には、これがなぜ面白いか分からないのですが、中国の今日事情を風刺した傑作ですので、紹介することにします。

<笑話:863>ハエだって文化人だ

北京のハエ 甲:
「ひとつ言っておくことがある。われわれは、これから便所では並ばないといけない!」

北京のハエ 乙:「え、本当? どうして?」

北京のハエ 甲:
「最新の“公衆便所管理基準”の規定によれば、トイレには二匹以上のハエがいてはならないことになったんだ。超えたら生命の危険がある」

※舜子曰く:「この規定は本当の話です。中国の公衆便所は汚い、ハエがいる、人びとは並ばない。中国は文化国家になるためにテレビや立て看板を使って盛んにマナーキャンペーンをやっています。それを皮肉った笑話でしょう、これは」
※編者から一言:日本ほど公衆便所があちこちに整備され、清掃が行き届いている国は少ないのではないでしょうか。中国は、日本に見習えと言っているのでしょうね。20年近く前になりますが、小生が西欧を旅したとき、公衆便所が少ないうえに、ある国の首都の公衆便所の汚かったこと。これが先進国と言えるのかと疑ったところです。便所に限らず、公共財への接し方は、日本人が一番なのではないでしょうか。

 今月も、他にまだまだ傑作が多いです。左サイドバーのブックマークの一番最後にある「一日一笑:おもしろ情報館」をクリックしてアクセスなさってください。最近は、「笑話」以外に「笑画」がたくさん登場し、小生も楽しませてもらっています。

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砂糖過剰摂取の落とし穴は“砂糖入り飲料”

2012年05月31日 | 正しい栄養学

砂糖過剰摂取の落とし穴は“砂糖入り飲料”

 「 “三白害”からの脱却を」、そして「砂糖は健康に悪いのか良いのか」に続いて、三度「砂糖」を取り上げることにします。
 前回の記事で、多少の誤りがありましたので、まずそれを訂正しておきましょう。
 砂糖の消費量ですが、戦前は格別に少なかったわけではなく、下記データに示すように、まあまあの量でした。訂正し、お詫び申します。

  国民1人当たりの年間消費量 1900年 約 5kg
                1940年 約12㎏
                1960年 約16kg
                1973年 約29kg(最大消費年)
                2011年 約18kg(近年は横ばい)

 1973年(昭和48年)当時は、コーラや無果汁炭酸飲料の全盛時代でしたし、そして、リポビタンDなどの栄養ドリンクが大きく普及した頃です。
 小生25歳のときで、コーラをよく飲みましたし、また、薬店を開業したばかりの時期で、親父はリポビタンDを愛飲していました。
 このデータを比較してみますと、現在は戦前(1940年)の5割増しの量を取っている勘定になります。大して増えていないから、さほど心配することはない、と思ってしまいますが、決してそうではありません。
 現代と戦前では、生活習慣が大きく違っています。
 戦前は、移動は徒歩か自転車、炊事の燃料はまきを割って作り、洗濯は手足をフル動員、といった具合に、体を良く動かしました。よって、エネルギー消費が多かったです。
 例えば、おやつに甘いお菓子を食べたら、その直ぐ後で体を動かすのですから、吸収された砂糖はダイレクトにエネルギー消費されてしまいます。
 それに比べ、現在は、甘いケーキを食べながらテレビを見て、じっとしているのですから、砂糖は直ぐにはエネルギー消費されることなく、血糖値は上昇してしまいます。
 現在の生活習慣を続けるのであれば、明治時代(1900年)の摂取量に落とす必要があるのではないでしょうか。

 砂糖の消費で、戦前と最大消費年(1973年)の違いは、砂糖入り飲料の摂取量でしょうね。戦前においても、ラムネやサイダーがあったものの、真夏に時折口にするだけのことだったでしょうが、戦後の高度成長期にはアメリカナイズされてコーラ全盛時代となり、これに日本特有の栄養ドリンクが加わって、夏のみならず冬でも毎日砂糖入り飲料を飲む文化ができてしまったのです。
 ちなみに、砂糖入り飲料に含まれる砂糖の量は、概ね次のとおりです。
 参考までに、お菓子に含まれる概ねの
砂糖の量も掲げました。

  炭酸飲料(350ml) 35g       ショートケーキ(100g)29g
  100%果汁ジュース(250ml) 35g  カステラ(100g)  38g
  スポーツドリンク(500ml)  30g  あんぱん(1個)  29g
  缶コーヒー(190ml)  45~15g  大福もち(70g) 11g

  栄養ドリンク(100ml) 20~15g

 日本人の現在の砂糖消費量は1日50g程度ですから、これらは驚きの数値です。
 1日1本リポビタンD、とばかり
TVコマーシャルどおりにリポビタンDを飲むのは、TV画面に映し出されるような重労働をする方に止めたいものです。また、喉が渇いたらスポーツドリンクというのも、これまた、激しいスポーツをする方に限りましょう。
 また、ビタミン・ミネラル補給に100%果汁ジュース(たいていは砂糖を添加)というのも、砂糖の害が上回ってしまいます。そして、1日1回缶コーヒーが飲みたいというのであれば、微糖でも15g程度の砂糖が入っていますから、無糖にすべきでしょう。無糖は飲めたものではないという方は、自分はコーヒーが好きなのではなくて、砂糖水が好きなのだということをしっかり認識なさってください。

 こうした砂糖入り飲料は、その後、お茶のペットボトル、そしてミネラルウオーターの登場で、順次消費量が減って来て、現在に至っているように思われます。
 でも、缶コーヒーや栄養ドリンクは根強い人気があり、こうしたことが、戦前の5割増しの砂糖消費を維持し続ける要因になっているのではないでしょうか。

 甘いお菓子やケーキと砂糖入り飲料の違いは、固体か液体かの違いであり、これにより甘味を楽しむ時間が1桁違ってしまいます。
 固体であれば、ゆっくりと口に含んで味を楽しみますから、舌の甘味センサーが長時間反応し続け、脳は甘い物が十分に食べられたと納得します。ところが、液体ですと、口の中の滞留時間は数秒で、あっという間に胃に流し込まれてしまいますから、甘味センサーの反応時間が短く、脳はさほど甘い物が楽しめなかったと感知するのです。
 なお、冷たいものや炭酸を含んだものは甘味を弱く感じさせますから、なおさらです。
 こうして、砂糖入り飲料は、砂糖の過剰摂取を引き起こしてしまうのです。
 よって、砂糖入り飲料は、チビチビと口に含み、少なくとも2、3分かけて飲むべきでしょうね。そうすると、きっと、甘味が強すぎて、全部は飲みきれないことでしょう。

 これから暑くなる時節です。毎日、頻繁に砂糖入り飲料を飲んでいると、ペットボトル症候群に陥ります。つまり、急性の糖尿病です。その発症の仕組みは、前号で説明したことと同じです。くれぐれもご用心ください。
 喉が渇いたら番茶を飲み、大汗をかいたら梅干を舐めるという昔ながらの水分・塩分補給の方法が一番です。なお、梅干にはクエン酸が大量に含まれ、これが血液をサラサラにするとともにエネルギー生産回路を円滑に動かしますから、理にかなっています。
 

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砂糖は健康に悪いのか良いのか

2012年05月26日 | 正しい栄養学

砂糖は健康に悪いのか良いのか

 先の記事で「三白害」の一つとして「砂糖=精製糖」を取り上げ、ビタミン・ミネラルが除去されているから、健康に悪いと書きました。
 じゃあ、粗製糖であれば健康に良いと言えるのか。どうやら、粗製糖であっても健康に悪いようです。もっとも、これは程度問題であって、砂糖にしろ粗製糖にしろ、ほどほどであれば良いというのが一般的な説明になっている感がします。
 一説には、粗製糖であれば、砂糖の2倍量まで摂っても良いと言われますが、して、その根拠は? 1日何グラムまでか? という点については、触れられていないようです。

 砂糖の良し悪しについては、ほどほどであっても害があるからダメだと主張されたり、逆に、脳を円滑に働かせるから必要だと主張されたりしています。
 有害説の論拠は、砂糖の摂取によってカルシウムが奪われて歯を脆くし、また、ビタミンB1を消耗させてエネルギー代謝を悪くするといったところでしょう。
 しかし、これらが科学的に証明されているかとなると、甚だ疑問です。
 有益説の論拠は、砂糖は速やかに吸収され、脳細胞の栄養となるといったところでしょう。
たしかに、砂糖は簡単にブドウ糖と果糖に分解され、ブドウ糖が脳細胞の主たる栄養になっていますから、低血糖ぎみの時には脳の働きを助けてくれることでしょうが、健康体であれば低血糖になることは本質的に有り得ず、どこかおかしいと言わざるを得ません。

 砂糖の有害説を最も強く主張しているのは、小生(薬屋)思うに、同業者です。特に相談薬局です。甘い物好きで体調を悪くしている、多くのお客様に接していますから、砂糖の摂りすぎに対し、口を酸っぱくして注意喚起しています。
 虫歯になるだけでなく、食生活が乱れて栄養バランスが崩れますし、免疫力も低下しますし、何一ついいことがないことが経験上分かっているからです。
 そして、お客様に対する、その説明として、砂糖は「一物全体の法則」に反するから、ミネラル・ビタミンを欠乏させるてしまう、これを強調してしまいます。小生とて、そうです。
 何せ、簡単にお客様を説得するには、これが一番手っ取り早いですからね。
 こうして、砂糖の有害説が定着しているように思えます。

 一方の有益説ですが、これは、砂糖関連業界の御用学者が言っているだけのことでしょう。よって、小生は、これを完全に無視しています。
 朝、甘い物を食べるとよろしい。これが御用学者の決まり文句になっていますが、健康的な食生活をしていれば、朝、低血糖ぎみになることは有り得ず、むしろ夕食に摂った炭水化物が消化されて、これが朝にはブドウ糖になり、高血糖気味になっているのです。
 朝、低血糖ぎみになる方は、四六時中甘い物を摂っていて、夕食にご飯を食べず、炭水化物からブドウ糖が作られていないからであって、そうした方は、“治療のために”、朝、砂糖ではなく、さほど甘くないブドウ糖を少々補給すべきです。
 なぜ、ブドウ糖だけかと言いますと、果糖は脳が受け付けないからです。血液の脳関門で果糖はブロックされ、ブドウ糖しか通してもらえないのですからね。
 ここで少々横道にそれますが、脳の働きを円滑にするためには、ブドウ糖を絶えず供給する体制を整えておかねばならず、ブドウ糖の供給を絶つ長期断食を行なうと脳が働かなくなると考えてしまいがちです。しかし、逆に、頭が冴えます。
 これは、ブドウ糖に代わって、脂肪を分解してできたケトン体が脳細胞の栄養になるからで、脳細胞はブドウ糖よりもケトン体を欲しているのです。ちなみに、母乳には、これがかなり含まれていて、赤ちゃんの記憶力強化に大いに役立っていると考えられています。

 さて、砂糖有害説に立つ小生です。なぜに砂糖は有害なのか。それを説明しましょう。
 先ずはヒトの食性です。ヒトは類人猿と近縁で原猿類から進化しました。原猿類は最初は夜行性であったのですが、昼行性のものが登場し、果物を食べるようになりました。
 そして、類人猿は主食を果物としたのです。現生の類人猿で果物を主食にするのはチンパンジーぐらいのもので、通常、果物は十分に手に入らず、やむを得ずゴリラは草を、テナガザルは樹木の若芽を主食にしています。
 ヒトは、約1万年前から順次穀類を主食にしだしたのですが、それまでは芋を主食にしていたと考えられます。でも、果物が得られれば、先ず果物を食べるという食性であったろうことは、ゴリラやテナガザルの例から明らかなことでしょう。
 ただし、自然界には原種の果物しかなく、今日の品種改良されたような甘い果物は滅多にありません。そうしたものは、まれに少々口にするだけのことだったでしょう。現生のチンパンジーとて、甘くて美味しい果物となると、せいぜい一部のイチジク程度のことです。
 なお、その甘みは、砂糖によるものではなく、果糖が主です。
 いずれにしても、ヒトは何千万年も前の太古の祖先から、果物食によって甘味に敏感に反応する味覚を持つに至ったことでしょうから、甘味に対する欲求が強く、人類は文明の発展と科学技術の進歩によって、甘味という味覚を満足させる砂糖なるものをだんだん安価に作れるようになり、そして、広く流通させるようになったのです。
 でも、砂糖をふんだんに口にできたのはごく一部の上流階級だけで、一般庶民に十分に行き渡るようになったのは、戦後暫くしてからのことです。そして、爆発的に砂糖が多用されることになって、現在に至っています。(この記述には誤りがあり、次号で統計データを元にして訂正させていただきました。申し訳ありません。)

 さて、砂糖をふんだんに摂ると、膵臓はどう反応するか。
 砂糖は、即効的に吸収され、ブドウ糖と果糖に分解されることは、先に述べました。
 一気に、ドッと、ブドウ糖と果糖が血液に入り、膵臓のセンサーで高血糖を察知し、インスリンをフルパワーで分泌します。たっぷりとインスリンが分泌されますから、過剰な糖は順次細胞に押し込まれて高血糖が解消され、血糖値は正常になります。
 これが日常茶飯事となると、膵臓のインスリン分泌に異常をきたすようになります。
 先ずは必要量以上にインスリンを分泌しだし、低血糖に陥ります。
 そうなると、甘い物…手っ取り早く手に入る砂糖…が欲しくなり、これを必要量以上に摂ってしまいます。こうなると、悪循環を繰り返すだけです。
 また、そうなる前に、間食で甘い物を摂るでしょうから、食事時には空腹感(=血糖値が低くなると脳がそう感じます)が湧かず、嗜好に合ったものだけを食べ、ご飯などのでんぷん質(ゆっくりブドウ糖に分解される)を食べないですから、過ぐにまた低血糖になります。
 これが繰り返されれば、当然にして膵臓は疲れ果て、インスリンの分泌力が落ちて高血糖状態が長く続くようになり、つまり糖尿病になってしまいます。
 
ここで注目すべきことは、膵臓のセンサーは、果糖には反応せず、ブドウ糖にのみ反応するということです。甘い物のうち、砂糖はブドウ糖を含んでいるから厄介な糖なのです。
 じゃあ、果糖(甘い果物は主にこれです。)ばかりで甘味を摂ればよいかというと、こんどは肝臓に負担を掛けますし、脂質異常(高中性脂肪)をきたします。
 こうして、砂糖をふんだんに摂ると、急速に血液中に入ってきたブドウ糖と果糖によって、膵臓と肝臓が痛めつけられ、血液を糖でベトベト、中性脂肪でドロドロにして、血流を悪化させてしまうのですから、実に厄介なものです。

 甘味の欲求が強いという先天的な体質を持ったヒトですから、常時、砂糖を摂っていると、必然的に砂糖中毒になってしまうことでしょう。毎日甘い物が欲しくなるのです。
 ということは、砂糖は麻薬であるとも言えます。
 習慣性があって、それを断つと禁断症状がでてくるものを麻薬と言うのですからね。

 甘味なくしては生きていけないという味覚の持ち主の方は、どうしたらよいでしょうか。
 一番お勧めなのが、オリゴ糖です。ブドウ糖が数個から10個程度つながったもので、砂糖に比べて甘みは3分の1程度ですが、これは消化不能で腸内細菌のかっこうの餌となり、腸内環境を改善してくれますから、一石二鳥です。
 オリゴ糖の甘味では満足できないとなれば、人工甘味料に頼るしかありません。化学合成されたものは、どんなものでも大なり小なり毒性がありますが、砂糖に比べれば、うんと弱い毒性と言えますからね。
 そして、強い甘味を避け、弱い甘味で満足できるように順次体を慣らすことです。
 最終的には、ご飯を良くかんで唾液ででんぷんを消化し、口の中でブドウ糖の甘味を楽しむことができるようになりたいものです。
 戦前の庶民の食生活に戻せば、砂糖中毒も起きませんし、膵臓も肝臓も元気ですし、血液もサラサラ。健康生活がエンジョイできるのですがねえ。

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“三白害”(白米、白砂糖、精製塩)から脱却を。でも、塩は粗製塩でなくていいです。

2012年05月22日 | 食養

“三白害”(白米、白砂糖、精製塩)から脱却を。でも、塩は粗製塩でなくていいです。

(2012.8.5追記)誠に申し訳ありませんが、この記事に誤りがあることが分かりました。誤っている部分は文字を色変えして表示し、正しい内容を途中で追記しました。
 なお、詳細は、2012.8.4の“粗製塩が良いのか?「にがり」の功罪を考える”で記事にしましたから、そちらをご覧いただけるとありがたいです。

 毎日必ずと言ってよいほどに口にする“3つの真っ白なものに害がある”というものです。その3つとは、白米、白砂糖、精製塩です。
 先ずは白米。玄米から糠を除去した粕(かす:米白)です。糠(ぬか)という健康に良い部分を捨てて、カスを食べているのです。読んで字のごとくです。
 白米には日頃摂り過ぎている糖質とたんぱく質が多い上に、不足気味のビタミンやミネラルが多い糠の部分を捨て去っているのですから、体に良いわけがありません。
 白米は、前号で書きました「一物全体の法則」に反した食品の代表です。

 2つ目が白砂糖。粗製糖は茶色っぽいですが、これを精製してショ糖(ブドウ糖と果糖が化合したもの)にされるのですが、この過程でビタミン・ミネラルが完全に除去されます。
 これも、「一物全体の法則」に反した食品です。
 味を調え、使い勝手が良い白砂糖ですから、汎用されていますが、食品としては望ましいものではありません。
 加えて、白砂糖は、防腐剤として使われているのです。砂糖漬けのドライフルーツがそうで、白砂糖はミネラルが除去されていますから、これを求める細菌が増殖できず、保存が利くのです。粗製糖で漬けますと腐りが来ます。

 3つ目が精製塩です。普通、食塩と呼ばれます。精製する段階で「にがり」が除去されます。「にがり」は各種ミネラルからなり、白砂糖と同様のことになります。
 単に塩化ナトリウムを析出させただけの粗製塩は、「にがり」が付着していて湿気を呼び、また、調理に使うと、すっきりした味が出せず、使いにくいから敬遠されます。
 そして、精製塩は、防腐剤の代表です。塩漬けは、これが一番。梅干も粗製塩を使うと腐ります。ミネラルがあるから雑菌が繁殖しやすいからです。多目に使えば防げますが、減塩がやかましい世の中ですから、あまり塩っ辛いものは作れませんしね。
(2012.8.5追記)
 粗製塩に含まれるミネラルはマグネシウムが多少含まれる程度で、他のミネラルはわずかなものです。よって、ミネラルバランスを整えるのに役立つものではないです。バランスはナトリウム・カリウム間、カルシウム・マグネシウム間で整えねばなりませんが、粗製塩であってナトリウム・カリウムのバランスは全く整いませんし、カルシウム・マグネシウムはともに量が少ないですから、バランスを論ずるほどの量には至りません。
 
また、主要な微量ミネラルはゼロに等しい量しか含まれていませんから、塩から微量ミネラルを得ることは不可能なのです。
 逆に、「にがり」には、有害な重金属イオンなど健康を害する恐れのある元素イオンが含まれていますので、塩に付着した程度の「にがり」であれば心配ないですが、製塩残液の「にがり」をわざと添加した塩は問題がありそうです。

 真っ白な、これら3つとも、その食材の全部を使わないから害があるのです。極力、これらを避け、玄米、粗製糖、粗製塩を使いたいものです。

 “四白害”という言葉もあります。第4番目は何かと言うと、それは「牛乳」です。
 牛乳は、栄養バランスが極端に偏った食品です。骨の成長が甚だしい乳児には適しているのですが、離乳後は子供であってもカルシウムとマグネシウムのミネラルバランスを崩してしまいます。

 以上、真っ白な4つに共通するのは、ミネラル不足を引き起こすということです。
 海で誕生した生命です。細菌からヒトまで、バランスの取れたミネラルを摂取しないことには生きていけないのですからね。
 
「一物全体の法則」に反した食品や“三白害”・“四白害”食品が氾濫している今日、総合ミネラル剤の助けを借りるしかないですね。小生は毎日飲んでいます。皆さんにもお勧めします。体のだるさがスコンと抜けますよ。

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あなたは、豆腐派、おから派? ミネラルと食物繊維たっぷりのおからを食しましょう

2012年05月18日 | 食養

あなたは、豆腐派、おから派? ミネラルと食物繊維たっぷりのおからを食しましょう

♪ 卯の花の匂う垣根にホトトギス早も来鳴きてしのびー音もーらーすー夏ーは来ぬー ♪

 卯の花。純白の可憐な花です。旧暦の4月「卯月」は、“卯の花”月です。
 昔の日本人は、何と情緒豊かであったことか。
 ところが、小生ときたら、“「ウの花」の美味しそうな匂いを察知したホトトギスがヒソヒソ声で「ウの花」を食っていやがる”という意味に考えています!
 「ウの花」=「おから」がことのほか大好き人間である小生の食欲煩悩豊かな解釈です。
 何と卑しいことか。食欲という煩悩の塊!

 「おから」とは、豆腐を作った「から」に、単に敬語の「お」を付けただけ。
 これでは「おから」に失礼に当たるから、匂いも?色も似た高尚な「卯の花」の名を失敬して「ウの花」と呼ぼう、との先人の計らいです。
 小生、どういうわけか、この「ウの花」が餓鬼の頃から大好きです。
 なぜか。お祖母さんが、ニンジンやヒジキ、青菜を入れて、彩り良く料理してくれたからかなと、微かな記憶がありますが、お祖母ちゃん子だった小生ですから、懐かしい思い出もあって、好物になったのかも。

 ところで、「おから」は年間80万トンでき、その大半が産業廃棄物として捨てられているのが実態(2005年当時)です。
 実にもったいない。そのうち、バチが当たるぞ!
 豆腐は、たんぱく質が多く、健康食と言われます。
 でも、「おからを捨てた豆腐は体に悪い」と、小生は言いたいです。
 大豆から、たんぱく質と脂肪が豆腐に多く移行し、おからに食物繊維とミネラルが残ります。たんぱく質と脂肪は、あまりにも摂り過ぎです。
 今日の食生活で足りないのが食物繊維とミネラルであることは、皆さん良くご存知のことですよね。豆腐を食べたら、同時におからをたくさん食べる。
 これが、「一物全体の法則」に乗っかった正しい食事の仕方です。
 一つの食材は、その全てを食べることによって、はじめて栄養バランスが整うのです。
 ミネラル不足の今日、ミネラルの多い食品を努めて食材として使うことは当然に重要ですが、栄養バランスを考えたとき、一番皆さんに気を付けていただきたいのが、たんぱく質を摂り過ぎないことです。
 「一物全体の法則」に乗っかった「小魚の丸ごと食い」は、まだ良いのですが、肉だけを食べるのは極力控えてください。魚の切り身も同じことです。どちらもたんぱく質の塊で、ミネラルが少ないです。

 たんぱく質は、炭素、酸素、水素そして窒素という4つの元素からなる化合物です。細胞内で、いずれは全て燃やされ、全て体外に排出されます。
 炭素は二酸化炭素として肺から放出され、水素は水となり、ともに安全です。
 問題は窒素です。燃やせば窒素酸化物になります。自動車の排気ガスと同じ!人体に有害です。ヒトの細胞内で発生した窒素酸化物(正しくはアンモニアに変換)は、速やかに肝臓で毒性の弱い尿素に作り変えられて腎臓に運ばれます。
 この過程で、かなりの量のカルシウムが血液中に溶かし出されます。
 腎臓は、いくら選択透過性があるといっても、尿素の排出時に、カルシウムはじめ水に溶けている様々なミネラルの一部を排出してしまいます。
 つまり、摂取したたんぱく質が、姿を変えて、やがて排出されるときには、ミネラルを引っ張り出すのです。

 欧米では、「骨粗鬆症の原因は、たんぱく質の摂り過ぎである」と言われるようになり、たんぱく質の所要量も低く抑えられています。
 したがって、肉を食べないベジタリアンが増えつつあります。
 豆腐も、「畑の肉」と呼ばれるように、たんぱく質の塊です。ほどほどに。
 「産業廃棄物処理場反対!地球環境を守ろう!」と、声高に叫ぶ前に、「おからを産業廃棄物にしない」食生活を、先ず皆で実行したいものです。
 “おお、いい匂い!今晩は「ウの花」か。万歳!”

この記事は、当店「生涯現役新聞」2005年4月号を再掲したものです。

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直立二足歩行する裸の猿・ヒトは人類水生進化説に基づき的確な健康対策を

2012年05月16日 | 人類水生進化に起因する疾病

直立二足歩行する裸の猿・ヒトは人類水生進化説に基づき的確な健康対策を

 人類は、きっと海または塩水湖という水生環境で進化し、その後は陸に上がったものの、まだどれだけも経っていないであろうがために、ヒトは様々な疾患を抱えている身体障害者であると、このブログで何度か書いてきました。
 その人類水生進化説は、あまりにも突飛すぎて、従前からある草原進化説を信奉する権威ある学者からは、異常と言えるほどに毛嫌いされ、そして無視されています。
 この説をまとめ上げたのがエレイン・モーガン女史(英国人)で、文系出のシナリオライターの職にある門外漢だったものですから、専門家からは、“素人のでしゃばり女め!”と怒りを買い、余計に評判の悪い説となってしまいました。

 ヒトは、チンパンジーとの共通の祖先から枝分かれしたことは、DNAの塩基配列の比較からはっきりしています。それも、高だか数百万年前のことです。
 それから今日までの間に、ヒトは体の形質を大きく変え、直立二足歩行・大きな頭・無毛症・犬歯の退化といった、チンパンジーにはない姿になってしまいました。それ以外にも、皮下脂肪を持つ、体温が1度ほど低いなど、目に見えない体質の違いもあります。
 これらの違いを説明するのに、ヒトはジャングルから草原に生活の本拠を移したとする草原進化説では、どだい無理な話であって、それに代わる水生進化説の立場に立てば、全てがスムーズに説明できてしまうのです。もっとも、犬歯の退化については、モーガン女史も触れていませんし、これについては、群社会の在り様の変化を持ち出さないことには説明できないと思われ、ここでは取り上げません。

 さて、人類水生進化説の詳細説明となると、モーガン女史が5冊もの本で書かれており、とても本ページで説明できかねます。これについては、小生の論文(人類水生進化説)、これは“犬歯の退化はなぜ起きたのか”を紐解くための入り口となるものですが、その第4章で概説していますので、お時間がありましたら、そちらを覗いて来てください。
 ここでは、ヒトの形質・体質変化によって、どのような疾患が生じているかを中心にして書くことにします。
 まず前提として、現生人類は数百万年の水生生活の後、十数万年前にやっと陸に上がっただけの、陸生生活経験が非常に浅いヒトであるということです。
 ヒトはアフリカ東部の大地溝帯で誕生し、当地の乾燥化に伴って、順次その地を後にし、ジャワ原人になったり、北京原人になったりしたのですが、彼らの生き残りであれば、陸生生活に随分と慣れて形質変化し、現生人類のような疾患を背負い込み続けることはなかったと思われるのですが、彼らはそうなる前に絶滅してしまいました。
 そうしたことから、現生人類は、陸ではまだよちよち歩きの生き物だと心得てください。

水生生活に随分と馴染んだことによって獲得した形質・体質と問題点
・直立二足歩行
 チンパンジーとは別種(実質は亜種)のボノボは、湿潤なコンゴ盆地に住み、雨期には水中歩行を強いられることが多く、その骨格はチンパンジーに比べてヒトに少々似ています。そして、ボノボは二足歩行が上手です。このことからだけでも、ヒトは水生生活をしていたと考えられます。
 でも、ボノボもチンパンジーも、地上を歩くときは、手があまりにも長いので、ナックル歩行します。これは、ニホンザルのような完全な四足歩行ではなく、手の甲を地面に軽く付けた歩き方で、二足と四足との中間型です。この姿勢であれば、両足首だけでバランスを取る必要はないですし、腰関節は四足に近い使い方になります。
 それが、現生人類となると、完全な直立二足歩行になりましたから、腰関節を限界いっぱいまで伸ばした姿で常時歩きますので、設計許容範囲から逸脱してしまったのです。
 只今、腰関節改造の工事中といったところです。加えて、腰回りの筋肉も増強中です。
 そして、幼少時代に走ることを覚えると、足首の亜脱臼を起こしてしまいます。大人に成長した後、これに気づいていない方が多いですが、常時軽い炎症を持った状態にありますから、冷え症になってしまいます。
 さらに、説明するまでもない膝痛を発症します。
 加えて、大きな頭や手の重みを背骨で支えねばなりませんから、脊椎に荷重が常時かかった状態を強いられます。これによる脊椎損傷はあまり多くはないでしょうが、骨の芯にある骨髄が圧迫され、造血が滞ります。日中は時々、そして夜はたっぷり「骨休め」のために横になり、地球の重力から開放してやらねばならなくなったのです。
 また、肩こりや首筋のこりも、手の重みと大きな頭を支える筋肉の疲労によるものです。これが高ずれば頭痛持ちにもなります。
 簡単に並べあげるだけで、直立二足歩行が元になっている疾患がこれだけあります。
 次に、直立二足歩行で内臓疾患を引き起こします。
 四足と二足の違いは、“洗濯物干し”に例えられます。四足ですと、洗濯竿に相当する背骨に、きれいに内臓が吊るされ、押し合うことも癒着もありません。それが、竿を垂直にすると、洗濯物が下に固まるように、背骨の役割が消えてしまい、内臓は押し合い、癒着し、垂れ下がる一方で、臓器はその能力を十分に発揮することができなくなるのです。
 胃下垂、脱腸、脱肛といった自覚症状に止まらず、一番上にある肺を除いて全ての臓器が常時圧迫され続け、そのために病んでいると言っても過言ではないでしょう。
 本格的な直立二足歩行を円滑にするための骨格や筋肉は遠い将来に設計改造できるでしょうが、四足動物にとって骨髄と内臓に掛かる重力方向の変更は想定外のことですから、はたしてこれがうまく設計変更できるかどうかは甚だ疑問です。
(参考記事:2012.2.3 人は病の器であり、その最大の原因は直立二足歩行

・無毛症と皮下脂肪と低体温
 この3つは相互に関連があって、大型水生動物に共通するものです。
 無毛症は、皮膚が水によって冷やされて体表面への血流が滞り、体毛への酸素と栄養補給が止まり、毛が抜け落ちたものと思われます。
 また、水によって体熱が奪われて
体温が低下し、基礎代謝が落ちてエネルギー利用が減り、過栄養は脂肪細胞に溜め込まれ、これが皮下脂肪になったことでしょう。
 この皮下脂肪が育ってくれば、保温材として働き、体熱が奪われにくくなります。
 こうして、水生生活に慣れた後でも、無理やり元の体温まで上げることなく、低体温のままで暮らすことになったものと思われます。
 ちなみに哺乳類の体温ですが、陸生動物は38±0.5度、水生動物は36±0.5度といったところです。ヒトはどっちに入りますか?
 低体温ですと、免疫力が低下することが分かっています。白血球が免疫を担当するのですが、低体温ですと、その活性度が落ちるのです。ヒトが病原菌に感染しやすい大きな原因になっていると考えられます。
(参考記事:2012.2.28 人が病気しやすいのは、そもそも低体温動物だから

 これらにはメリットもあります。初めて出た、数少ないメリットではありますが。
 それは、皮下脂肪により体熱の放散が防げますから、エネルギー源となる食糧をあまり必要としないことです。体温も低いですから基礎代謝を抑えられ、この面からも少食で済みます。加えて、食糧が全く手に入らなくても、皮下脂肪で食い繋ぐことができます。
 飢餓にめっぽう強いのが現生人類なのです。もっとも、今の日本人は飽食を満喫していますから、何の役にも立ちませんけど…。
 ついでながら、メリットかどうか判断しかねますが、低体温だと長生きできることです。非常に近い種のチンパンジーよりずっと寿命が長いのはこれが原因していましょう。
(参考記事:2012.5.16 人はなぜ長寿なのか?

・口呼吸
 口から息を吸い、口から息を吐くという口呼吸、これをヒトはできます。一般の陸生動物は鼻呼吸です。口呼吸ができるのは水生動物に限られます。長く潜水して水面に浮上し、一気に息を吸うなかで、手に入れた技でしょう。
 よって、喉の構造が複雑になっており、ヒトもそうです。
 問題になるのは、口から息を吸うときです。鼻の中には立派な空気清浄器があって、雑菌はそこで補足されて殺菌されます。ところが、口から息を吸うと、喉がその役割をするのですが、不完全になりますし、喉は乾燥に弱いですから、乾いた空気ですと、その働きが落ち、雑菌の体内侵入を許してしまいます。
 風邪を引きやすくするだけでは済みません。体内侵入した雑菌が体中の細胞に寄生してエネルギーの横取りをし、低体温にしてしまって、アレルギー症を起こさせるのです。
 メリットとしては、口から息をゆっくり、そして随意に吐けますから、言葉が喋れることです。チンパンジーは随意呼吸ができませんし、口からゆっくり息を吐くこともできませんから、キャッとかウォッとかの叫び声しか出せないのと、大きく異なるのがヒトです。
(参考記事:2011.02.15 アトピーの本質的な原因について考える(その4)
(参考記事:2011.12.27 風邪を引かない“犬”に学ぶ) 

・塩分コントロール機能
 陸生動物は塩分をあまり必要としませんし、欠乏したときは塩分の高い湧き水を飲んだり、そうした泥を舐めるのですが、必要量が摂取できたら、そこでピタッと止めます。
 ところが、ヒトは、海または塩水湖での生活を長く続けたことでしょうから、塩分のある物を好みますし、必要量以上に摂取してしまいます。
 ヒトは、塩分コントロール機能が壊れてしまっていると考えてよいでしょう。
 それがために、塩分の過剰摂取で高血圧になる方があります。もっとも、代替機能が働いているからと思われるのですが、塩分過多でも高血圧にならない方の方が多いです。
(参考記事:2011.11.8 ヒトはなぜ塩っ辛い物を食べてしまうのでしょうか

陸生生活に戻ったことによって獲得した形質・体質と問題点
・発汗システムの変更
 チンパンジーの発汗は、体中にあるアポクリン腺から、ほんの少しずつ汗をかき、体毛に吸い取らせて効率良く体熱を放散します。ところがヒトは、アポクリン腺を脇の下など一部に残すものの、これを全身から無くしてしまいました。その代わりに、チンパンジーの掌にあるエクリン腺(滑り止めになる)を全身に展開し、体熱が溜まると、少々の時間差をもって一気にポタポタと汗を噴出させることになりました。
 何とも効率の悪い、大雑把な発汗の仕方で、これにより、脱水症状を引き起こす危険が高まり、暑いときには頻繁に水分補給せねばならない動物になってしまったのです。
(参考記事:2012.7.4 “裸の猿”ヒトには発汗の訓練が必要です

・皮脂分泌と皮膚常在菌との共生
 水生時代から皮脂分泌をしていたと思われるのですが、これによって陸生となってから皮膚の乾燥を防ぐことができました。でも、過剰に出る傾向にあり、ニキビ、吹き出物の原因になります。でも、こうしたデメリットよりもメリットが大きいと思われます。
 それは、皮脂に取り付いた細菌との共生です。細菌は皮膚の垢を食べつつ、酸性の液を分泌し、皮脂を弱酸性に保ってくれるのです。これにより、酸性を嫌う病原菌の増殖と体内侵入を防ぐことができるのです。
 平安時代のように入浴習慣がなければ、皮膚常在菌は1兆個も住んでいます。健康な皮膚は皮膚常在菌あってのことなのです。
 高度成長期にボディーシャンプーなるものが販売されるようになってから、皮膚病が急増した事実を忘れないようにしていただきたいものです。
 体を洗うとは、皮脂を落とすことなく、汗臭さだけを落とすことだと心得てください。江戸時代、入浴時には、米糠でもって脂を補給したくらいですからね。
(参考記事:2013.2.26 ヒトの皮膚呼吸、皮膚の吸収・排泄機能…

 以上、ヒトは水生生活に馴染んだことによって、たいそう厄介な問題を抱えざるを得なくなったことをよく承知していただいて、健康対策に取り組んでください。
 最後に、もう一つ重大な疾患をヒトは抱えています。それは、性行為を正常に行なえなくなったことです。これについては、人類水生進化説第5章をご覧ください。
 

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人はなぜ長寿なのか? 水生動物やゾウと同様に低体温だからです。

2012年05月16日 | 人類水生進化に起因する疾病

人はなぜ長寿なのか? 水生動物やゾウと同様に低体温だからです。

 “鶴は千年、亀は万年”と言います。長寿の代表選手が鶴と亀。でも、彼らは鳥類と爬虫類です。ヒトは哺乳類であり、哺乳類で長寿な種となると、クジラとゾウです。そして、ヒトも同程度に長寿です。哺乳類の寿命は種によって様々ですが、どうして種によって寿命の差がでるのでしょうね。

 心臓の脈動回数には限界があり、一生の脈動回数は哺乳類は皆同じで、脈拍が高い種は短命であるという説があります。これには、どれだけかの相関関係があるようです。
 でも、寿命は体温との相関関係が強いように思います。
 そのデータは、“人類水生進化説”の補強=ヒトの低体温 で示していますが、例を挙げれば次のとおりです。
            体温   寿命
  クジラ      35~37度    85歳
  ゾウ         36度    70歳
  ヒト        36.5度   100歳
  チンパンジー    37.5度   50歳
  イヌ        38.5度   14歳
  ネコ        38.5度   14歳
  ブタ         39度     10歳
  ヒツジ        39度     10歳
(注)寿命は、通常何歳まで生きられるか、といった経験に基づく値で不正確です。

 ヒトは、陸生動物としては例外的に皮下脂肪を持ち、これによって体熱の放散を防ぐことができますから、低い体温であっても暮らしていけると考えてよいのではないでしょうか。これは、人類水生進化説の一つの状況証拠となりましょう。
 そして、ヒトに極めて近い種のチンパンジーとは体温で1度もの違いがあり、寿命は倍半分の違いが生じています。
 水生動物のクジラや、かつて水生生活に馴染んだと考えられるゾウも低体温で長生きする動物です。
 それに比べて、ヒトより2度も体温が高いイヌやネコとなると寿命がグンと短くなりますし、さらに0.5度高いブタやヒツジとなると、より寿命が短くなります。
 こうしたことから、「長生きしたかったら、低体温を保つが良い」ということになりますが、事実、エネルギーがほとばしっているような元気な方…きっと体温が高いことでしょう…は、案外短命なことが多いように見受けられます。
 でも、平熱が36度を下回るようになると、免疫力が低下しますし、ガンにもかかりやすくなりますし、何よりも体が重だるく、気分も優れないですから、いいことは少ないです。

 ところで、体温が高まると、免疫機構の働きがグンと強まり、白血球が病原菌やウイルスをやっつけてくれて病気しない傾向にあるのですが、恒常的に体温が高いと、それほど免疫力は期待できないのかもしれません。
 
なぜならば、ヒトの場合、イヌやネコ並みの高熱が数日続けば、まず100%病原菌やウイルスを殺せますし、ガンの塊が大幅に縮小します。つまり、たいていの病気が治ってしまうのですが、常時高熱状態のイヌやネコも人並みに病気にかかりますからね。

 さて、体温が高い状態というのは、それだけ余計に体熱が生産されていると言えます。
 その体熱は、細胞内小器官のミトコンドリアが生み出します。
 動物が酸素を必要とするのは、そのミトコンドリアが働くために欠かせないのが酸素だからです。細胞そのものは酸素を嫌っているのですが、唯一ミトコンドリアだけが酸素を求めるのです。
 そして、ミトコンドリアが働いたときに、活性酸素が生じます。
 
その全部がエネルギー生産に使われれば良いのですが、どれだけかは細胞内に漏れ出し、これが他の細胞内小器官や細胞膜そして遺伝子を傷つけます。
 恒常的に体温が高い方ばかりでなく、過激な筋肉運動を長時間強いられる方は、これが加速されます。また、精神的ストレスは活性酸素を大量に発生させ、同様です。

 この猛毒の活性酸素を消す酵素は主として体内で作られ、また野菜などから抗酸化物質が取り入れられ、活性酸素の大半を消し去ってくれるのですが、完全消去とは参らず、遺伝子の傷が少しずつ増えてきて、新陳代謝によって細胞の作り直しを繰り返していると、だんだん不完全な細胞ばかりとなってきます。
 つまり、老化です。活性酸素による老化です。

 こうして、動物には、自ずと寿命というものがあると考えて良いでしょう。
 哺乳類の場合、体温によって寿命の差が出てくるということは、活性酸素を消す酵素の生産システムはどの種も同じと思われます。
 
その点、40度を超える体温を恒常的に維持している鳥類は、同程度の体温の哺乳類であれば寿命が1、2年で終わってしまうであろうに、随分と長生きできるのですから、生体の仕組みが哺乳類とは大きく違うことでしょう。
 不老長寿の妙薬は、案外“鶴の研究”で開発されるかもしれませんね。

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