―TSUREZUREGUSA―

つれづれと、日々のおもひをつづること。

気品と風格と

2009-07-24 00:13:12 | 和服
先日、着付けを習っている教室の関係で、
大島紬の展示会に行ってきた。
大島紬がずらっと並んでいる様は、まさに壮観
実際に織機で織る工程も体験出来た。

大島紬の作られる過程というのが、ほんとすごい

大島紬の糸の交点になるカスリ、
普通カスリは布を縛ってカスらせるのだけれど、
大島紬は図案通りに縦糸、横糸をカスリになるところを縛るように、まず織る。
仮に織ったところが糸でかがったようになるので、
縛られたところは染めた時に染まらずカスリになる仕組み。
次にその糸をテーチの樹液で染めて、奄美大島の泥で染める。
染めの工程を何度も繰り返すので、染めだけで2ヶ月以上かかるのだとか。
そのテーチのタンニンと泥の成分との科学反応で、
化学染料を使わずに、真っ黒な色合いを出せるのだという。
さらにすごいのが、織りの過程。
まず、図案通りに糸を先染めしているというのにも驚いたけれど、
仕上げの織りの工程は、もぅ、ただただ緻密。
先染めされた縦糸と横糸をきっちりと合わせて織り上げていく。
横糸の白い点と、縦糸の白い点が十字に重なって、初めて一つのカスリの点になる。
その点一つ一つが小さな方眼紙になったように並んで、
布地に図案通り模様が表れていく。
図案通りに縦糸と横糸のカスリを合わせる作業は、緻密さと、根気の作業。

奄美大島から実際に反物を扱っている職人さんが説明してくれたのも、とても良かった。
実直そうで、目がきらきらしていて、素朴な語り口で

織り体験をした後に、大島紬の反物をみると、
その作業の緻密さと工程に、
反物が神々しくみえて仕方なかった。
お値段にも、納得。
そりゃ高いのも当然だわ。
大島紬の実用性からしたら普段に気軽に着る着物、という位置づけだけれど、
お値段的には、私には悲しいことに全くお気軽でない
誰か買ってくれないかなぁ。

なんにせよ、いい着物というのはなかなか気軽に買うものではないけれど、
実物を見るのが何より、かなぁと思う。
変に頭でっかちになるよりも、実物を見て、触れて、見る目を養って。
機会があるごとに反物に触れて。
これからも、ちょくちょくそういう機会は持っていこう。

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