《プチグレートジャーニー A区間・敦賀からマキノへ!!》
関野吉晴氏・・・アフリカに誕生した人類がユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸にまで
拡散していった約5万3千キロの行程を、自らの脚力と腕力だけをたよりに遡行する旅、それが
グレートジャーニーです。手段は、歩き、自転車、カヌーで・・・こんな壮大な旅を真似ることはできませんが、そのロマンのほんの一部だけでも味わいたくて、日本海の敦賀湾より琵琶湖を横断し、太平洋の伊勢湾までをつなぐ旅を考えてみました。
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=ef99f2a653c37baaecebd7193b777283
旅の移動手段は、徒歩、歩くスキー(テレマーク)、カヤック、自転車・・・アクセスにはクルマを使いましたが、回収等には鉄道を利用したり、自転車の自走にて出発点に戻るなど、サポートを入れない形で進めました。
儀式?・・・日本海の海水を琵琶湖へ・・・琵琶湖の水を太平洋に!!フィルムケースに詰めて運ぶ。
『A区間・敦賀から黒河越えでマキノへ!』
スキー板を使っての峠越えのため、時期は積雪期・・・しかし、ヘタレなアウトドアマンであり、ソロで厳冬期の山を越えるのはリスクが多すぎる・・・よって、残雪期の3月に決行。時間の短縮(安全確保にはこれがポイントかと)のため、敦賀湾の浜辺より自転車→歩くスキー→スキー滑降→自転車にて琵琶湖畔へ。
朝、先ずは自転車のデポへ・・・滋賀県高島市マキノ町白谷、マキノ林道の降り口となる杉林にMTBを縛り付ける?放置自転車と間違えられないよう「登山に行っています」とメモを残す。
更に敦賀市へクルマで移動し、敦賀湾「気比の松原」の公園駐車場へ停める。いよいよここよりスタート。浜辺に立ち、手で海水をすくって旅の安全を祈る。MTBでスキー板を運ぶ・・・これが難儀で、ザックに縛り付け、担いでみるが結構重くて大変。見た目も格好悪い!??
(敦賀・気比の松原)
居合わせた若者に証拠写真?を撮ってもらい、松林の中を南進する。沿道の方々からの熱い視線!?が気になった。「何、あのオッさんのスタイルは!」かも・・・
市内を抜け、黒河川に沿ったサイクリングロードに入ると一息つく。「バカなことを始めてしまったな!」と、路面に映る自分の影を見て反省してみる。
(人影)
やがて林道に残雪が見え始める。釣りの連中であろうか・・・「魚は全然や!」と言っていた。ここで一台目の自転車をデポ・・・朝の自転車と同様に木に縛りつけ、メモを残す。
しばらくは、雪があったり、無かったりを繰り返すため、スキー板を背負った状態で先へ進む。雪は適度に締まっていて、靴が潜ることは無かった。周りの木々は冬の様相で、緑の葉っぱは見られない。沢を流れる水はどこまでも透明で、雪解けなのか水量は多い。鳥の鳴き声、沢の水音だけが聞こえてくる。
(林道のデブリ)
幾つもの橋を渡り、積雪が多くなったところより板を履く。テレマークスキーは優れもの・・・歩く、登れる、滑れるの三拍子が可能である。ただし、ステップソール(滑走面がウロコ状になったもの)ではないので、シールと呼ばれるものを貼り付ける。これがあれば斜面でも後ずさりをしない。ペタペタとペンギンの歩行のように前へ進んでゆく。
この時期の怖いものが雪崩れ・・・もう時期的には落ち切っているのだが、油断は出来ない。デブリと呼ばれる雪崩れの跡も緊張させられる。雪の塊の中に上手くルートを探し、谷底への転落を避ける。
(歩くスキー)
もう一つ怖いのが雪の斜面・・・林道は大量の雪で埋まり、雪の斜面と化している。そこをトラバースしてゆくのも神経を使う。スキーの山側エッジを効かせ、慎重に通過する。もし滑落すれば、数十メートル下の沢へ転落・・・水量の増した川を流される・・・想像すると怖い。
(峠・黒河越え)
林道・・・結構枝道が多く、ルートファインディングに悩む。無雪期には2度ほど自転車で走ったコースであり、多少の記憶があるが、残雪期には風景が一変するために悩む。地図と高度計とコンパスを駆使して方角を定める。
正面に送電線の鉄塔が見えたころ、道が大きく左へカーブしている。稜線に見える鞍部が峠のようだ。ちょっと気が楽になり、板の歩みも心持早くなる。道が右にカーブし、雪が消えていた場所が峠であった。黒河越え・・・この先はマキノ林道という標柱が雪の中から顔を出していた。
板を外し、シールを剥がしてランチタイムとする。豪勢にレーズンロールを数個、かぶりつく。泡の出るジュースで乾杯と行きたいが、ソロツアーでは我慢・・・帰宅後の楽しみとする。峠の周りはブナの林・・・スギやヒノキの植林帯とは違い、伸びやかで明るいのが嬉しい。
(避難小屋)
滋賀県側を偵察に行くと見覚えのある屋根が雪の中に見える。赤坂山、三国山と縦走をし、下りたところにある避難小屋のようだ。よくよく雪面を見ると、数日前のスキーの跡も・・・バックカントリースキーを楽しむ連中も来てるようで、ちょっと安心する。
いよいよスキー滑降へ・・・午後よりは気温も上がり、雪質は腐り気味・・・林道といっても適度な傾斜があり、思ったよりスキーが走ってくれるのでありがたい。ただし、オーバースピードには注意・・・ガードレールも無い道端から転落すれば谷底へ一直線・・・もありうる。
(マキノ・琵琶湖畔へ)
ほぼ自転車のデポ地点まで滑り、スキーを終える。ここより自転車で・・・マキノスキー場を過ぎるとメタセコイヤの並木が現れた。結構な規模で、止まって写真を撮る。更に山裾を走り、湖西線まきの駅、高木浜にて琵琶湖畔へ。風も無く、穏やかな波打ち際に立って休憩を入れた。
沖に浮かぶ島は竹生島・・・その後方には白い伊吹山が遠望できた。次回はここよりカヤックにて琵琶湖横断・・・長浜沖より彦根までを計画している。
時間は午後2時・・・遅くなれば鉄道にて敦賀へ戻る予定であったが、自走で行くことに・・・トラックの多い国道161号を避け、海津大崎~大浦~(県道286号)~沓掛~(国道8号)~疋田~敦賀へ。明るいうちに帰ることが出来た。
今回のフォトアルバムです・・・
http://gallery.nikon-image.com/110885861/albums/2341087/
関野吉晴氏・・・アフリカに誕生した人類がユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸にまで
拡散していった約5万3千キロの行程を、自らの脚力と腕力だけをたよりに遡行する旅、それが
グレートジャーニーです。手段は、歩き、自転車、カヌーで・・・こんな壮大な旅を真似ることはできませんが、そのロマンのほんの一部だけでも味わいたくて、日本海の敦賀湾より琵琶湖を横断し、太平洋の伊勢湾までをつなぐ旅を考えてみました。
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=ef99f2a653c37baaecebd7193b777283
旅の移動手段は、徒歩、歩くスキー(テレマーク)、カヤック、自転車・・・アクセスにはクルマを使いましたが、回収等には鉄道を利用したり、自転車の自走にて出発点に戻るなど、サポートを入れない形で進めました。
儀式?・・・日本海の海水を琵琶湖へ・・・琵琶湖の水を太平洋に!!フィルムケースに詰めて運ぶ。
『A区間・敦賀から黒河越えでマキノへ!』
スキー板を使っての峠越えのため、時期は積雪期・・・しかし、ヘタレなアウトドアマンであり、ソロで厳冬期の山を越えるのはリスクが多すぎる・・・よって、残雪期の3月に決行。時間の短縮(安全確保にはこれがポイントかと)のため、敦賀湾の浜辺より自転車→歩くスキー→スキー滑降→自転車にて琵琶湖畔へ。
朝、先ずは自転車のデポへ・・・滋賀県高島市マキノ町白谷、マキノ林道の降り口となる杉林にMTBを縛り付ける?放置自転車と間違えられないよう「登山に行っています」とメモを残す。
更に敦賀市へクルマで移動し、敦賀湾「気比の松原」の公園駐車場へ停める。いよいよここよりスタート。浜辺に立ち、手で海水をすくって旅の安全を祈る。MTBでスキー板を運ぶ・・・これが難儀で、ザックに縛り付け、担いでみるが結構重くて大変。見た目も格好悪い!??
(敦賀・気比の松原)
居合わせた若者に証拠写真?を撮ってもらい、松林の中を南進する。沿道の方々からの熱い視線!?が気になった。「何、あのオッさんのスタイルは!」かも・・・
市内を抜け、黒河川に沿ったサイクリングロードに入ると一息つく。「バカなことを始めてしまったな!」と、路面に映る自分の影を見て反省してみる。
(人影)
やがて林道に残雪が見え始める。釣りの連中であろうか・・・「魚は全然や!」と言っていた。ここで一台目の自転車をデポ・・・朝の自転車と同様に木に縛りつけ、メモを残す。
しばらくは、雪があったり、無かったりを繰り返すため、スキー板を背負った状態で先へ進む。雪は適度に締まっていて、靴が潜ることは無かった。周りの木々は冬の様相で、緑の葉っぱは見られない。沢を流れる水はどこまでも透明で、雪解けなのか水量は多い。鳥の鳴き声、沢の水音だけが聞こえてくる。
(林道のデブリ)
幾つもの橋を渡り、積雪が多くなったところより板を履く。テレマークスキーは優れもの・・・歩く、登れる、滑れるの三拍子が可能である。ただし、ステップソール(滑走面がウロコ状になったもの)ではないので、シールと呼ばれるものを貼り付ける。これがあれば斜面でも後ずさりをしない。ペタペタとペンギンの歩行のように前へ進んでゆく。
この時期の怖いものが雪崩れ・・・もう時期的には落ち切っているのだが、油断は出来ない。デブリと呼ばれる雪崩れの跡も緊張させられる。雪の塊の中に上手くルートを探し、谷底への転落を避ける。
(歩くスキー)
もう一つ怖いのが雪の斜面・・・林道は大量の雪で埋まり、雪の斜面と化している。そこをトラバースしてゆくのも神経を使う。スキーの山側エッジを効かせ、慎重に通過する。もし滑落すれば、数十メートル下の沢へ転落・・・水量の増した川を流される・・・想像すると怖い。
(峠・黒河越え)
林道・・・結構枝道が多く、ルートファインディングに悩む。無雪期には2度ほど自転車で走ったコースであり、多少の記憶があるが、残雪期には風景が一変するために悩む。地図と高度計とコンパスを駆使して方角を定める。
正面に送電線の鉄塔が見えたころ、道が大きく左へカーブしている。稜線に見える鞍部が峠のようだ。ちょっと気が楽になり、板の歩みも心持早くなる。道が右にカーブし、雪が消えていた場所が峠であった。黒河越え・・・この先はマキノ林道という標柱が雪の中から顔を出していた。
板を外し、シールを剥がしてランチタイムとする。豪勢にレーズンロールを数個、かぶりつく。泡の出るジュースで乾杯と行きたいが、ソロツアーでは我慢・・・帰宅後の楽しみとする。峠の周りはブナの林・・・スギやヒノキの植林帯とは違い、伸びやかで明るいのが嬉しい。
(避難小屋)
滋賀県側を偵察に行くと見覚えのある屋根が雪の中に見える。赤坂山、三国山と縦走をし、下りたところにある避難小屋のようだ。よくよく雪面を見ると、数日前のスキーの跡も・・・バックカントリースキーを楽しむ連中も来てるようで、ちょっと安心する。
いよいよスキー滑降へ・・・午後よりは気温も上がり、雪質は腐り気味・・・林道といっても適度な傾斜があり、思ったよりスキーが走ってくれるのでありがたい。ただし、オーバースピードには注意・・・ガードレールも無い道端から転落すれば谷底へ一直線・・・もありうる。
(マキノ・琵琶湖畔へ)
ほぼ自転車のデポ地点まで滑り、スキーを終える。ここより自転車で・・・マキノスキー場を過ぎるとメタセコイヤの並木が現れた。結構な規模で、止まって写真を撮る。更に山裾を走り、湖西線まきの駅、高木浜にて琵琶湖畔へ。風も無く、穏やかな波打ち際に立って休憩を入れた。
沖に浮かぶ島は竹生島・・・その後方には白い伊吹山が遠望できた。次回はここよりカヤックにて琵琶湖横断・・・長浜沖より彦根までを計画している。
時間は午後2時・・・遅くなれば鉄道にて敦賀へ戻る予定であったが、自走で行くことに・・・トラックの多い国道161号を避け、海津大崎~大浦~(県道286号)~沓掛~(国道8号)~疋田~敦賀へ。明るいうちに帰ることが出来た。
今回のフォトアルバムです・・・
http://gallery.nikon-image.com/110885861/albums/2341087/