時事解説「ディストピア」

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台湾選挙が終わって

2016-01-18 22:47:31 | 中国(反共批判)
選挙が終わり3日も経たないうちから民進党は日本との関係を強化する意向を見せた。

蔡英文次期総統、日本との自由貿易協定締結に意欲/台湾

民進党はアメリカ主導のTPPへの参加を公約に掲げている。
ひまわり学生運動は中国との自由貿易協定に抗議する運動だった。
中国とはまっぴらごめんだが、アメリカや日本となら是非ともということなのだろうか?

TPPは協議の時点で大国有利の経済同盟であることが指摘されているし、
単純な経済協定ではなく、軍事同盟にもつながるものだという意見もある。

そういう協定への参加をマニフェストにした政党が圧勝するのを見ると、
台湾社会の右傾化、この国が非道く歪んだ方向へと進んでいるような印象を受けるのだが。

週刊東洋経済によると、学生運動家の多くは自由貿易そのものに懐疑的らしい。
とはいえ、時代力量(運動家達が結党した政党)が民進党と選挙で協力し合ったということは、
自由貿易に反対といっても、中国に対するそれほど激しい怒りを覚えてはいないようである。

民進党は元々は文字通りの民主化運動家たちが立ち上げた政党で、初期メンバーはいずれも
政府に抗議するなり何なりして逮捕あるいはそれに近い弾圧を受けていた。

それが今では新旧宗主国に恭順し、植民地時代への回帰を望んでいるわけだから
随分と様変わりしたなと思うと同時に、元々そういう要素はあったのかもしれないとも感じる。

今回の選挙では蒋介石のひ孫も当選したらしい。
蒋介石といえば、台湾に逃れてきた後に元々住んでいた台湾人を虐殺し(二・二八事件)、
その後、アメリカや日本の庇護を受けながら専制政治を行った人物だ。

そういう人物のひ孫が選挙で勝つというのは、
パク・チョン・ヒの娘が韓国大統領に当選するのと同じくらいの無気味さを感じる。

ひまわり学生運動に参加していた連中は、今回の選挙をどう評価しているのだろう?

民進党の圧勝など世も末だと憤りを覚えているならばともかく、
国民党を倒せたことに満足して、民主主義の勝利だと浮かれていたら大いに問題がある。


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