時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

台湾総統選挙、蔡英文の勝利~台湾は本当に民主化するのか?~

2016-01-16 23:26:15 | 中国(反共批判)

(台湾「左派」政党、民進党首席 蔡英文(さいえいぶん)※♀)

2014年春のひまわり学生運動は右翼・左翼関係なく日本では「民主化運動」と理解されている。
今回の民進党の勝利は台湾の「民主化」のメルクマークとして大手メディアは絶賛するだろう。

しかし、本当に台湾は民主化しているのだろうか?


まず、民進党と言う政党は植民地時代、宗主国である日本に協力した台湾人の末裔を
基盤とする政党で、彼らの先祖の多くは地主・商家などの地方有力者だった。蔡も旧家の出身で、
アメリカのコーネル大学、イギリスのロンドン・スクール・オブエコノミクスに留学した国際人だ。

国際人と言えば聞こえは良いが、どこの植民地国もそうだが、
要は宗主国の大学に留学し、現地のエリートから洗礼を受けて帰国し、
本国で支配する側として君臨する、つまり典型的な傀儡政治家
の一人であり、
実際、蔡は今回の選挙以前からアメリカや日本に向かい現地の政治家から歓待を受けている。

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台湾という名の「てこ」、米国にとっては未だ活用効果あり


蔡 英文氏は、台湾の大統領候補としては
史上初めて、米国務省の建物内で直接に米外交官らと会談を行った。

しかも、この会談を直々に執り行ったのは、
ジョン・ケリー国務長官に次ぐナンバー2の人物であるトニー・ブリンケン国務副長官だった。

中国が、来年1月に予定されている台湾大統領選挙で
中国国民党への支持に傾いていることを考慮すると、野党、民主進歩党の蔡英文氏の受け入れが
これ見よがしに高いレベルで実施されたのは、米国側からの政治的歩みだと捉えることができる。

というのも、蔡英文氏が主席を務める民主進歩党は中国との余計な急接近には反対する立場を
とっていることから、米国は台湾と中国の国益が固く一致することにはあまり関心を抱いていない。

米国は、台湾問題を長期にわたって
未解決に維持する現状維持をよしとしている。


米国側にとってはこれは、
近い将来、米国は台湾の安全の保証人の立場を演じ続けることを意味する。


中国抑止の可能性が低まったことに関連し、
米国は台湾の軍事的要求を満たしている自らの役割を強調しようとしている。

まさにこの要因から米台湾の軍人らの間の軍事コンタクトの拡大が図られているのだ。

2014年末に米国のペリー級フリゲート艦4隻、3億7千ドルの米国への供給が承認された。
2015年は米台湾の合同演習、合同トレーニングがいくつか予定されており、この中には台湾で
「心理作戦および情報戦争」に取り組む米軍部隊のラインでも同様の演習、トレーニングが行われる。

双方の関係にとってはかなり稀有なアプローチとなったのは、
ハリー・ハリス海軍大将が米軍太平洋司令官に就任するセレモニーの席に、
台湾の 厳徳友(ヤン・ゼフ)参謀本部長が参列していたことだ。

それまでは米国マスコミ報道にもあったように、台湾の軍人の代表は
ハワイでの海軍パラシュート作戦を記念したシンポジウムに参加したことはあった。

シンポジウムは太平洋司令部によって行われていたが、
今までは台湾の代表がこうした類の行事に参加したことは吹聴されてはこなかった。

仮に台湾向けの米国の軍事供給量が
以前より少なくなるとしても、やはり重要な象徴的な意味は持ち続ける。

こうした努力を受け取るのは中国や台湾のみならず、この地域における米国の連合国も同じだ。
南シナ海の状況が緊張化することを背景に、米国は台湾関係においては
路線維持にますます大きなアクセントを置いており、まさにこれによって
アジア太平洋地域における米国の連合国らに重要なシグナルが送られている。

米国の地域安全保障を維持する能力に対して疑問が高まるなかで、
連合国らには米国が「自分たちを捨てることはない」との確信を抱かせねばならない。

こうした場面で台湾は長年にわたる米国との軍事関係もあって、
目立った例として使うには好都合なのである。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20150618/467327.html
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こういう記事もある。

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野党・民進党の候補者であるにもかかわらず、
蔡英文に対するアメリカの待遇は、驚くべきものだった。


マケイン上院軍事委員会委員長をはじめ、
メディロス国家安全保障会議アジア上級部長、ブリンケン国務省副長官ら、
錚々たるメンバーと会見し、多国間軍事演習への台湾の参加を促す意向まで示された。

蔡英文女史の顔が米『タイム』誌の表紙を飾るほどの反響を呼んだことは記憶に新しい。

そして、日本でも、安倍首相の実弟・岸信夫衆院議員の案内で、地元・山口を訪問し、帰京後、
自民党幹部と会談し、さらに安倍首相本人とも「密会」するなど、日本からも破格の厚遇を受けた。

蔡英文女史は、アメリカと日本のお墨付きをもらうことに成功したと言えるだろう。
これは、李登輝・元総統と、許世楷・元駐日代表という二人の大物の戦略が大いに関係している。

「民進党への“不安感”さえ減らせば、勝利は疑いない」という確固たる戦略によるものである。
 そして、それは見事に成功した。

中国の強引な“力による現状変更”に対抗するには、
アメリカ、日本、台湾が力を合わせるしかない。言いかえれば、

東アジアの安定のためには、「アメリカ―日本―台湾」の強固な結びつきが必須なのだ。

http://blogos.com/article/138627/
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はじめの記事はスプートニク紙、二番目の記事は極右の門田隆将氏の記事から引用した。
特に二番目の記事はお勧めで、日本の右翼から見ても蔡の訪米・訪日は
親分であるアメリカ人と日本人に挨拶に行ったものだと見える
わけだ。



両記事が示すとおり、蔡が率いる民進党は、
アメリカとの軍事・経済的結びつきを強めようとしている。


韓国は戦後、第二の主人であるアメリカに仕え続け、現与党セヌリ党は
北朝鮮の脅威を口実に日本やアメリカとの軍事同盟を強化しようとしているが、
民進党も同様に、中国の脅威を口実に日本やアメリカとの関係強化に努めようとしている。

その代償として失うものは大きい。

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台湾最大野党の蔡主席「TPPの理解深めたい」 訪日の狙い

来年1月の台湾総統選挙に出馬する最大野党・民進党の蔡英文主席は
1日の日本メディアとの懇談で、6~9日の訪日の主な狙いについて
「日本の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の経験を深く理解したい」と語った。

民進党は8年ぶりの政権奪回を視野に入れており、
蔡氏は主要政策の一つとしてTPPへの早期加入を掲げている。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM01H6Y_R01C15A0FF2000/
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極端な関税撤廃、自由貿易システムであるTPPには
日本でも農業関係者をはじめとして反対者が多い。



一言で言えば、これは新自由主義の一環であり、大国が弱国を支配する一つのスタイルだ。
2013年3月で安倍晋三は次のように述べている。


TPPの意義は、我が国への経済効果だけにとどまりません。
 日本が同盟国である米国とともに、新しい経済圏を作ります。

 そして、自由、民主主義、基本的人権、法の支配と言った普遍的価値を共有する国々とともに、
 アジア太平洋地域における新たなルールを作り上げていくことは、
 日本の国益となるだけではなくて、必ずや世界に繁栄をもたらすものと確信をしております。

 さらに、共通の経済秩序の下に、こうした国々の経済的な相互依存関係を深めていくことは
 我が国の安全保障にとっても、また、アジア・太平洋地域の安定にも大きく寄与することは
 間違いありません


横浜国立大学名誉教授の萩原伸次郎氏は、安倍政権がTPPを推進させる狙いは、
アジア圏に日米の多国籍企業を進出させることにあり、その副産物として
海外で活動する自国民の安全を保障するために、日米の軍拡、進出が生まれると指摘する。

現段階でもジェネリック医薬品を巡る対立が大国と弱国との間にあり、
アメリカは自国の製薬会社に独占的な販売期間を与えるために12年間の特許期間を主張したが、
安価なジェネリック医薬品の製造が困難になるため、マレーシアなどは5年を強く求めた。

現段階では少なくとも8年となっているが、今後どうなるかはまだハッキリしない。

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マレーシアの人権活動家が、TPP・環太平洋パートナーシップ協定は、中国の経済成長を阻止し、
東南アジアにおけるアメリカの覇権拡大を阻止するための努力だ
としました。

イルナー通信によりますと、マレーシアの人権活動家が、サンデイリー紙の記事の中で、
TPPに反対する第一の理由は、アメリカによる各国の制限と東南アジア地域への
アメリカの覇権だとし、「この経済協定はアメリカの資本主義体制にとって重要であり、
それによって地域と中国の貿易関係の拡大を監視しようとしている
」としました。

この報告によりますと、マレーシアの中小企業へのマイナスの影響を、
この協定に反対する別の理由だとしました。

この報告によりますと、マレーシアの中小企業のおよそ38%が政府系機関の所有であり、
62%が独立系の企業だということです。

この人権活動家は、3つ目の反対の理由として、「民主化と人権の侵害」を挙げ、
この協定は民主主義と人権の点から、加盟国にとって良いものとは思えない、としました。

ノーベル経済学賞の受賞者ジョセフ・E・スティグリッツや
ノーム・チョムスキーといった世界的に著名な学者らも、TPPに反対しています。

東南アジアからはマレーシア、ブルネイ、ベトナムがTPPに加盟しており、
インドネシア、タイ、フィリピンが加盟の意向を示しています。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/61550
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TPPは別に強制ではないのだが、輸出産業に依存する国にとっては魅力的なわけで、
過度の自由化による経済格差や貧困の拡大も気にせず、輸出産業の発展を望む国も少なくない。

また、TPP参加国の多くが中国と南シナ海の諸島を巡って領土問題を抱えているように、
この経済協定は政治的・軍事的なものでもあることは先に述べたとおりである。


「USA!USA!」

韓国が日米韓の軍事同盟を強めるために、アメリカに発破をかけられながら
慰安婦本人や支援団体が強く否定する安易な解決を強行したように、
民進党も歴史問題について妥協する可能性が高い。


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台湾、他国に先駆け日本軍における
性奴隷を志願によるものと認める可能性あり



台湾教育省が先月27日、歴史の授業における第二次世界大戦および
中華民国政府の政権掌握に先立つ日本による統治の時期の教育方針を見直す
計画を示したことに対し、地元学生らが抗議デモを行った。


教育計画の見直しは一部台湾市民に「統一中国」という理念を推進する
「国民党の画策」と受け止められ
、蔡英文・民主進歩党党首らが抗議行動を組織した。

民主進歩党支持者の多数が日本による統治期、日本を支持し、日本から恩典を受けていた。
そうした人々は、通例、農民や大陸中国からの移住者と異なり
当時中国政府が行っていた土地再分配政策で損をする地主や商家だった。

現在民主進歩党は教育・外交政策で強い疑問を呼んでいる。
抗議行動で授業計画の見直しが停止すれば、台湾は事実上、第二次世界大戦時の
日本軍における性奴隷制が志願制であったことを認めるようなものだからである。

「日本軍で強制的に性的奴隷として働かされたお婆さんたちが可哀想だ。
 もし学生たちの抗議がこの奴隷制を志願制だったと認めることを目指すものなのだとしたら、
 そんな人たちを台湾人と認めることが恥ずかしい」。ある住人の言葉をCNNが伝えた。

3週間前ネット上に匿名の証言があった。
民主進歩党と教育計画見直し反対抗議デモを支持する
生徒一人一人が財政的な支援を受けている、との証言だ。

「息子よ、帰って来ておくれ!蔡英文のビッグ・ゲームにおける
 歩兵などに息子がなってしまうのではないかと恐れている。
 どうしてあの女自身が抗議に行かないのだ?!」
と自分の子供たちを守りたい生徒の母の言葉をCNNは伝えている。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/asia/20150812/731369.html#ixzz3xQQ62QsC
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日本軍の犯罪を書くとはけしからん!中国的だ!という
どこかの国Jのネトウヨと似たような思考回路


慰安婦問題については国民党はかなり力を入れて取り組んでおり、
去年の12月には国が出資した資料館もオープンしている。

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<台湾の教科書問題>与党立法委員、「脱皇民化」訴え

日本の学習指導要領にあたる「課程綱要」の改定をめぐる問題。
与党・国民党の蔡正元立法委員(国会議員)は1日、会員制交流サイト上で
「(日本的な)皇民化の概念を取り払うべきだ」と発言し、反対派を牽制した。

蔡氏は李登輝元総統や陳水扁前総統らが
「台湾化」の名を借りて台湾史を「皇民化させた」と指摘。
改定は「大きな意義がある」とした上で、正しさを取り戻すものだとした。

また、台湾大学歴史学科の教授2人を名指して批判。
「厚顔無恥の皇民をごみだめに捨ててやる」と語った。

http://japan.cna.com.tw/search/201508020003.aspx?q=%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6

馬総統、日本の台湾統治を植民統治と強調 「安倍首相の謝罪が証拠」

馬英九総統は25日、「日本の台湾統治は植民統治であり、安倍晋三首相が先月行った謝罪が
何よりの証拠だ」と語り、加害者が謝っているのに、被害者がこれを隠し、
美化するのは国際社会から日本に媚びる行為として捉えられかねないと述べた。

馬総統は、台湾は日本の植民地だったが、
反侵略、反植民地主義の辛い戦いである抗日戦争には参加していたと指摘。

また、台湾の抗日は中国大陸より早く始まっており、1895年の乙未戦争(台湾平定作戦)から
1915(大正4)年の西来庵事件までの約20年間に多数の死者が出たとした。

この日、教育関係者などに対し、中華民国の総統として、
国家と国民に関する重要な歴史を正しい方法で後世へ伝える責任があると語った馬総統。

慰安婦問題については、国連人権委員会や台湾の研究機関などが行った調査から、
日本政府が女性らを強制的に連行し、慰安婦にしていたのは明らかだと強調した。

http://japan.cna.com.tw/search/201509260008.aspx?q=%E6%85%B0%E5%AE%89%E5%A9%A6

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そもそも、蔡英文は、あの李登輝(日本の極右と懇意の仲であり、
「日本の植民地支配は正しかった」と主張している政治家)からの覚えがめでたく、
「台湾は日本に統治された期間があり、日本が台湾を統治した期間について一定の評価がある。
 つまり、日本人には誤りもあったが、台湾に対する貢献もあった」と述べているような人物だ。

2015年の8月には李登輝元総統を擁護する態度も見せている。


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李登輝元総統が日本の月刊誌で、「台湾が日本と戦った(抗日)という事実はない」、
第2次大戦では兄と共に「日本人として祖国のために戦った」などと主張し、
与党・国民党などから批判が出ていることについて、野党・民進党の主席(党首)で
総統候補の蔡英文氏は21日、李氏の意見は過去の出来事に対する個人の経験であり、
「我々はお互いを受け入れる態度を持つべきだ」と訴えた。

蔡氏は、台湾には、歴史について異なる記憶や解釈があると指摘。
その上で、台湾の人々にとっての最大の悲劇は、過去数百年の間、
自分たちの運命を自分たちで決められなかったことだと述べた。

李氏の主張をめぐっては、馬英九総統が20日、「台湾を売り国民を辱めた」として
撤回と謝罪を求めているほか、国民党の総統候補の洪秀柱氏も同日、
李氏を恩義を忘れ義理に背いた「老いぼれ」「彼は日本人」などと強く批判した。

http://japan.cna.com.tw/news/apol/201508210009.aspx
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馬英九は、李登輝が日本の月刊誌への寄稿の中で
「台湾が日本と戦った(抗日)という事実はない」などと主張していることについて
「台湾を売り国民を辱めた」と厳しく批判し、発言の撤回と謝罪を求めている。
(参照元)

対して民進党は「そういう見方もある」「お互いを受け入れるべき」と語っているが、
同政党を支持する在日台湾同郷会の次のメッセージを読めば、その真意はお察しだろう。


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安倍総理の靖国神社参拝を支持する声明


靖国神社に多くの台湾人英霊が安らかに眠っています。
彼らは、70年前南方前線に赴き、日本人戦友とジャングルに、
河に、海岸に、山岳にともに戦って血を流し、遂に戦場に散った勇敢な戦士であります。
彼らが流した尊い血は我々の心を震えさせる日本と台湾の絆の永遠に消えない証であります。


去年12月月26日、台湾人英霊がかつての戦友の英霊とともに
安倍総理の参拝を受けられたことに我々は感動し、感謝の念を禁じえません。

しかし案の定、朝鮮と中国は安倍総理の参拝を理不尽に非難してきた。
傲慢かつ幼稚で偽善に満ちた罵りに我々は強く憤りを覚えます。

日本人の心の深奥にある清らかなる生死観に基づいた靖国神社参拝を歪曲し、
侮辱することに怒りを抑えきれません。
また日本人の独特な宗教観に無理解、不勉強のアメリカ政府に失望せざるを得ません。

我々は安倍総理に決して少数国家からの不義の圧力に屈せずに、
日本を尊敬される美しい国に導いてくれるよう靖国神社の参拝を引き続き
行われるよう心から支持し、願っています。

日本台湾医師連合
日本台医人協会
在日台湾同郷会
在日台湾婦女会
台湾の声

平成26年1月29日

http://taioan.web.fc2.com/a/20140129.htm
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安倍が2013年12月に靖国に参拝した直後の声明文だ。
こういう連中に支持されているのが蔡英文。

中国的だとして日本軍の犯罪を強調する教科書を非難したのは偶然ではないのである。

馬総統は「慰安婦問題は解決済み」とする李元総統の言葉に対して、
「問題はまだ終わっていない。これ以上慰安婦を傷つけてほしくない」と反論した。
「そういう見方もある」「植民地支配には良い面もある」と説く蔡英文とは対照的である。

非民主的政党であるはずの国民党党首が慰安婦問題で被害者側に立ち、
民主的政党であるはずの民進党党首が同問題で加害者との「和解」を望む。この矛盾よ。

彼女のスポンサーのアメリカは慰安婦問題については早期の解決、その後の同盟強化を望んでいる。
台湾市民の多くも慰安婦問題に関しては民進党いわく親中(笑)的な態度を取っている。

そのことを察してか、
さすがに蔡英文もその後、態度を変え、慰安婦に同情しているポーズを見せているが、
彼女がパククネ式の解決方法(※)を今後目論むのは容易に想像できることである。
(※形ばかりの謝罪と金銭による「解決」)

「蔡主席、反教科書改訂運動の時あなたはなぜ声を上げなかった、
 今になってやっとFacebookに文をupしたのは、婦人票のためか? 
 あなたの党が施政している県市で使っている改訂前の教科書では
 慰安婦の部分はどう対応しているのか?」

「反教科書改訂運動の学生が強制的に慰安婦にさせられたという意見に、
 『証拠はあるのか?』と反論したが、蔡英文が学生に指図して言わせたのか?」

等々の嫌味を言われていたのだが、こういう人物が総統になった意味を考えて欲しい。


蔡「右翼も左翼も皆なかよくアメリカの手下になろうぜ!」

問題は、今回の選挙で「ひまわり学生運動」系列の人間が
民進党と協力関係にあったということである。


私は民進党ほど反共親米が露骨な政党はないと思うのだが、
中国との関係改善、日本との対決を望む国民党に勝たせないために、今回、
両者は同盟を組み、民進党は立法院選の自党空白区では新政党「時代力量」の支援に回っていた。

先述の在日台湾同郷会も時代力量やひまわり学生運動を強く支持している。
逆に学生運動家たちは民進党と対決姿勢をとろうとはしない。
政策も民進党とあまり差がないため「民進党との違いがわからない」という批判を受けていた。

民主化運動として評価されるひまわり学生運動だが、
実際には、「民主化」というよりも「反中国」が同運動の原動力であり、
その本質は民主化と言うよりは保護国化(日米に庇護される存在となること)である。


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【新唐人2014年10月02日】10月1日の夜、台北市の自由広場では
およそ4千人が集会を開き、香港の平和的な民主化デモに声援を送りました。

ひまわり学生運動のリーダー、林飛帆(りんひはん)さんが先頭に立ち、
「天は中共を滅ぼす」と、ローガンを叫びました。

ひまわり学生運動リーダー 林飛帆さん

「皆さん、 一緒にスローガンを叫びましょう。
『天滅中共』(天は中共を滅ぼす)。

我々が望むのは香港の皆さんと一緒に、
 東アジアの中国の周辺国と一緒に、
 対中共聯合戦線を作る事です。
いかがですか」

「すばらしい!」


ひまわり学生運動リーダー 陳為廷さん

「我々が目にしている香港の状況は、今年3月に我々が経験したことです。
 当局は正面から向き合わず、引き延ばし作戦を行っています。
 これが典型的な689(国民党)の引き延ばし戦術です」

香港の民主化デモを支持する台湾の人々が、
ロックバンド、BEYOND(ビヨンド)の「海濶天空」(遥かなる夢に)を合唱し、
香港にエールを送りました。

新唐人テレビがお伝えしました。 

http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/10/01/a1142850.html (中国語)
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「周辺諸国」とは間違いなく日本とアメリカ、フィリピンであろう。

台湾は冷戦期、中国共産党が統治する中華人民共和国に対抗する手駒として
アメリカや日本の保守派政治家と親しくしてきた歴史がある。

この関係は1972年に日中、米中の関係が改善されると共に終わりを告げるのだが、
以降も中国と台湾との対立、中国に対する台湾人の反感・敵意は一貫して存在し続けてきた。


「台湾が中国の一部にならないで」議場占拠1年 
 中台接近に歯止め、「第三勢力」台頭はならず


なお、「天(神)は中共(中国共産党)を滅ぼす」を合言葉にしようと呼びかける
学生運動のリーダー、林飛帆氏も中国に対する嫌悪感が民進党圧勝の背景だと考えている。

「中国への嫌悪感」が台湾民進党圧勝の背景 台湾学生運動のリーダー・林飛帆氏に聞く

今、台湾で吹き荒れているのは民主化ではなく、再植民地化の風だろう。

日本の知識人の多くは民進党や学生運動家を進歩派と語るが、
歴史的に見れば、蒋介石時代の反共・親米親日路線に逆戻りしている。

民進党の党首および同政党は歴史的には確かに台湾の内政を民主化させようとしてきたが、
国際政治の視点から見れば、過去の植民地時代への回帰を目指しているのである。

植民地時代に甘い蜜を吸っていた連中の子孫が昔を偲び、元宗主国の日本や
新宗主国のアメリカとの関係を密にしようとしていることは別におかしなことではない。

植民地経営というものは現地の有力者と本国の有力者が協力して統治・開発に臨むものだ。
日本で言えば、親米保守の立場に近い。TPPの締結、アメリカとの軍事的協力関係の強化。
日本の自民党と何ら変わらないではないか。

このような輩に対して、反共であるがために簡単に協力関係を結んでしまう時代力量や
元ひまわり学生運動のメンバーたちは大いに問題があるだろう。
(それは彼ら学生に限らず、民進党支持者全般にも言えることだが)


「民進(民主進歩)」とは「自民(自由民主)」なみに胡散臭い言葉である。
民主化といいながら、その実、アメリカ化を目指しているだけとなってはどうしようもない。
今回の台湾選挙で民進党が勝利した背景には馬政権時の中国との接近と経済の低迷が挙げられる。
そういう意味では民進党も時代力量も民衆の絶対的な支持を受けたというよりも、
現政権に対する抗議の意味合いが大きい(日本の民主党政権誕生の時と事情が似通っている)

しかし、よくよく考えれば、80年代までは真の意味で国の民主化を目指していたはずの政党が、
ここまで露骨な新自由主義の支持を掲げるようになったというのは凄まじいことである。

「天は中共を滅ぼす」という言葉によく表れているように、台湾もまた日本と同様、
 冷戦期から反共というイデオロギーを維持したまま現在に至り、
 歪んだナショナリズムとなって民主化を属国化にすり替えさせている。

このような事態を軽視して民主化勢力の勝利と浮かれてはいけないのだろう。多分。


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