時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

雑考7(おまけ)

2015-02-28 00:00:02 | アベノミクス批判
共産党がアベノミクスや量的緩和に反対しているのは、
まさにこの経済政策が人間の生活を圧迫しているからだ。



これさえなければ実質賃金が低下することなく雇用が増えただろう。
(雇用量の増加自体は量的緩和と無関係に起きているので)


ところで、量的緩和がヨーロッパ経済にマイナス要素をもたらすと危惧しているのは
共産党の専売特許ではない。例えば、アルジャジーラに掲載された次の記事がある。


Quantitative easing won't cure Europe's economic woes

(邦題「量的緩和がヨーロッパ経済の悲しみを癒すことはないだろう」)


量的緩和はバブルを生みはするが、実体経済に歪みも生じさせる。
本当に必要なのは実体経済の成長と雇用創出が可能となる金融政策だと結論づけられている。

人によっては、EUでは量的緩和に好意的なのに日本の共産党ときたらと
ネガティブに評価することもあるが、量的緩和については雑考1で述べたように、
イギリスやアメリカでは成功しなかった事例もあり、無批判に受け入れるわけにはいかない。


冷静に考えれば、EUの労働者が必ず正しいという保障はない。
短期的なバブル経済で雇用が潤うことはあっても、
長期的には実体経済を成長させるかは定かではない。
それでもやるだけやればいいじゃんという意見ならわかるが、
日本は遅れていると語るだけでは、どこか歪んだ西洋中心主義を感じてしまう。


以上、あれこれと説明をしてきたが、○自身についての感想を言わせてもらえば、

量的緩和のおかげで雇用量が増えたという神話を口実に
中小企業の関係者に経営や生活の負担を強要する。
そういう人物に見える。


一応、救済策は提言しているが、それは向こうに尋ねられて初めて話したことであり、
しかも非現実的な内容だ。○本人が救済策の受け入れを政府に呼びかけている素振りもない。


さらに言えば、アベノミクスや量的緩和で利益を上げたのは
輸出産業を主とする大企業なのだから、○が本当に立っているのは向こう側ではないか?


本当にあるかどうか本人すら知らない未来の好況を理由に
現実に起きているアベノミクスの弊害への非難を自粛せよなんて無茶苦茶だ。


2年間を通して実体経済が改善されなかったのは事実。
酪農をはじめとして円安が経営に負担をかけたのも事実。
我々生活者、それも普通に生きている人間の暮らしに負担をかけているのも事実。
低所得者の生活における負担は、なおさらだというのも純然たる事実。


そうある以上、少なくとも、この2年の期間においては失敗したと言うのは当然の反応だ。
そういう自然な反応を否定的に捉えるのは、およそ右翼的な態度ではないだろうか。

彼の論法に対しては以前から、おかしさを漠然と感じていた。
そのおかしさは今回の炎上ではっきりとわかった。

彼は非正規の増加などのネガティブな現実は半ば認めているのだが、
いざそれを指摘されると、失業者などを持ち出して、彼らを盾に反論を封殺しようとする。

だが、それは雑考3や雑考5で述べたように非常勤講師や酪農農家などの
非正規増加あるいは量的緩和で苦しんでいる人々の声を完全に無視するもので、
これはいわば、ある被害者の窮状を別の被害者をもって隠蔽しているのである。

(しかも、その被害者が救われた背景にアベノミクスはほとんど寄与しない)

ところが、また別の場所では雇用規制の緩和に反対だと話している。

しかし、冷静に考えれば、雇用規制の緩和の結果は、
非正規社員の増加なのだから、結局は同じ話である。


つまり、ある場所では非正規の増加を失業よりはマシと語る一方で、
返す刃で規制緩和には反対だと真逆の姿勢を見せている。ここに私は矛盾を感じたのだ。


非正規増加の現状を全体的に高評価するための部分的な低評価に見える。
実際、○は別の箇所で非正規増加は少子化社会の自然現象の範疇であるかのように語っている。


こういう反対のフリをする左翼がマジョリティになったら、
本当に日本の政治は右翼と仮面左翼が連合した事実上の独裁制になるだろう。
(表面的には両者が対決している風を装う)


本来なら通常の批判記事同様、本名で書くべきところだが、
何者かは不明だが、炎上攻撃という名の言論テロを受けたので
対策として、よほど○を知っている彼の信者が読みでもしない限り、
彼を批判しているとは気づかないような構成にした。


そのため、引用文も出典は明記していない。
この文章だけでは、○自身に直接の何かしらの影響はないと断言できる。
(間接的にはリフレ派の評価が下がるのかもしれないが)


炎上を誰が仕組んだのかはわからないが、
仮に○の手によるものだったとすれば、これは相当に性質が悪いのではないだろうか?


それはないとしても、○の支持者か同胞に目をつけられたと言ったところか……


炎上を目論んだのがアベノミクス支持派の右翼ならば、
別に文句はない。だが、これを自称左翼がやったとするならば、
問題は深刻だろう。もはや今の左翼は安倍の尖兵となって動いていることになるのだから。



雑考1で言うとおり、用語の混同、それをもとにした非難は済まなかったと思うが、
それをレッドヘリングにして、根本的な論点をずらされたのは遺憾だ。


確かに、最初に書いた記事は読み返すと説明不足で、自分でも駄文に感じる。
よって、より詳しく、体系的に現状が把握できるように加筆・修正を行った。

結果的には、より鋭い批判の文になったと自負している。



・追記

炎上なんて、記事を消して謝罪文を書けば、2日もあれば、
別の敵を求めて教徒は消えてくれるものだが…と書いていたら、
本当にそうなっているので何ともいえない気持ちになった。まぁ、深くは言うまい。


○hihan


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