時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

北朝鮮はなぜミサイルを持つようになったのか?

2016-04-24 00:39:34 | 北朝鮮
今宵もまた合法詐欺師池上彰の洗脳番組が行われた模様。


テレビ朝日は先日、古舘一郎を政府批判を理由に降板させているが、
人気クイズ番組『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』でも

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「学力王No.1決定戦」橋下徹も!池上彰も!
 知識人・博士・先生が選んだ“スゴい指導者BEST30”から出題
 坂本龍馬・田中角栄チャーチル…歴代偉人1位は誰?
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というキャッチコピーで合法詐欺師や脱税弁護士兼不倫政治家を宣伝に利用している。

極右政治家とメディアの癒着が騒がれて久しい。
メディアが積極的に右翼・極右の活動家をテレビに登場させる文化が出来上がっている。

正常な国なら田原総一朗や古市憲寿や池上のような合法詐欺師どもは門前払いにされているはずだ。
ところが、現実では田原が小林よしのりや古市をプロデュースして連中のキャリア形成に貢献している。

(ちなみに『朝まで生テレビ』もテレビ朝日の番組だ)


話題がそれたが、今日(正確には昨日)のプロパガンダでは
「北朝鮮はなぜミサイルを持つようになったのか?」がテーマになっていたらしい。


池上と言えば、北朝鮮と日本がストックホルム合意により若干、関係が改善されるや否や、
池田大作を崇拝している佐藤優と一緒になって「食い逃げ」「金が目当て」と合唱をしている男だ。



関係が悪化すればすればで文句を言い、良くなればそれはそれで文句を言う。
「北朝鮮をぶっ潰す」という極右思想がなければ不可能な言動である。


北朝鮮がどのようなアクションをしても悪意をこめて誹謗中傷をすることしか出来ない輩が
はたして、冷静な解説を行えるのだろうか?すこぶる怪しいものだ。


そういうわけなので、この記事では当てつけの意味も込めて、
最近、書かれたタチヤナ・フロム氏のオピニオンを紹介したいと思う。


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北朝鮮:罪なき罰は真の犯罪を誘発する

韓国国防省(国防部)の文尚均(ムン・サンギュン)報道官は
「北朝鮮は、弾道ミサイル用の熱核弾頭の実験に向け準備している」と述べた。


ロシアのコリア問題専門家アレクサンドル・ヴォロンツォフ氏は、
このムン報道官の発言の中の「北朝鮮は準備している」という部分が、重要だと見ている。

以下ヴォロンツォフ氏の見解を抜粋して、皆さんにお伝えしたい。

実際これまで、北朝鮮は、彼らがしなかったことに対する制裁によって罰せられてきた。
長距離戦略弾道ミサイルの打上げ実験は、まだ行われていない。
打上げられたのは、人工衛星で、それも一回目は失敗、二度目にやっと成功した。

人工衛星打上げに対し罰を課すのは、国連の権威を台無しにする。

なぜなら、宇宙空間の平和的開発は、国際法により、
例外なくすべての主権国家に保証されているからだ。北朝鮮以外、すべての国が可能なことなのだ。


ミサイルの専門家らは、
人工衛星の打上げと長距離弾道ミサイル実験の間の違いを非常に良く理解している。

人工衛星は、運搬ロケットにより軌道上に投入されるが、
地球表面のあるポイントから別のポイントに『貨物』を運ばなければならない弾道ミサイルは、
衛星よりも大変複雑で高価なものを沢山搭載している。

特に、地球に戻る際に厚い大気圏の中で燃え尽きないように特別の防護カバーを備えている。
そして標的に誘導するシステムもついている。人工衛星の動きは、一方向のロケットの動きだ。
地球上へは、何も戻ってこない。軌道までの距離は、せいぜい100キロから150キロに過ぎない。
一方、大陸間弾道ミサイルの場合は、何千キロも飛行しなければならない。

あらゆる事から判断して、
北朝鮮は『自分達がしなかったことに対しても、やはり罰せられるのなら、してしまう必要がある』
と決めたようだ。今も北朝鮮国内では、大陸間弾道ミサイル製造に向けた措置が講じられている。

これは、今後北朝鮮が核実験を放棄するつもりのない事を考慮するなら、不安を呼び起こす。
北朝鮮は今や、何らかの実験を、事実上ノンストップで行っているからだ。」


北朝鮮は、自分達がなぜそうした行動をとるのかについて、
米国の側からの敵対的政策、そして絶えず繰り返される脅威を理由として挙げている。

大規模な米韓合同軍事演習を見ても、
北朝鮮の最高指導部殲滅に向けた宣戦布告なき先制攻撃が仕上げの段階に入っている事は明らかだ。


制裁と合わせ、米国や同盟国のこうした行為は、
北朝鮮を核ミサイルプログラム発展の道にますます追いやっている。

北朝鮮は、
 何度となく米国に対し、
 新たな平和合意調印の開始を提案してきた。


なぜなら1953年の臨時停戦合意は、すでに古くなってしまったからだ。

昨年北朝鮮は、全く抜本的な提案を出した。
米国は軍事演習を凍結し、北朝鮮は核実験を凍結するというものだ。

しかし米国とその同盟諸国は、
北朝鮮が一方的に、自国の核プログラムを放棄すべきだとの要求を持ち出した。
これは、事実上、何の保証もない北朝鮮の降伏を意味するものだ。

歴史は、前提条件の遂行が誰かを助けた例は少ない事を物語っている。
北朝鮮指導部は、リビアのカダフィ政権の悲しい二の舞を踏みたくはない。
彼らは、自分達の条件で交渉する用意ができている。 

まずは平和条約を結ぶ。信頼の雰囲気ができれば、
核ミサイルプログラムのようなデリケートな問題も話し合う事は容易だろう。」

とはいえ米朝交渉の為の秘密のチャンネルについて、そうしたものはないと断言する事は出来ない。 
世界が、思いもかけず、米朝が何らかの合意に達したと知ることもよくあることだ。

例えば1994年、米国と北朝鮮は枠組み合意に達し、
それにより北朝鮮の核プログラムは凍結された例がある。
合意が効力を発していた8年の間、朝鮮半島は実際、最も穏やかな時代だったと言ってよい。

http://jp.sputniknews.com/opinion/20160419/1988355.html
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池上彰をはじめ、多くの人間はミサイルとロケットが違うものであることは理解している。
にも拘わらず、なぜ「ミサイル」と称して話を進めようとするのだろうか?

言うまでもなく、北朝鮮の脅威が日本の軍拡の口実になるからに他ならない。


では、この脅威とやらは本当に実在するのだろうか?
この点について、同じくフロニ氏が別の日に書いた記事を見てみたい。


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アメリカと北朝鮮 核戦争と交渉対話の間

中谷元防衛大臣は、記者会見で
「北朝鮮が自らの核兵器や、弾道ミサイル能力の増強を企図している。
 対米抑止力を過信している」と述べた。


北朝鮮の発射場で、新型のICBMのエンジンの燃焼実験を行い、
それが成功したと北朝鮮メディアが伝えた情報に対し、中谷防衛大臣は
「仮に北朝鮮がこうした弾道ミサイルの長射程化、技術の向上をさせると
 同時に核兵器の小型化・弾頭化を実現した場合は、
 北朝鮮が、米国に対する戦略的抑止力を確保したという認識を、一方的に持つ可能性がある。
 仮に、北朝鮮がそのような抑止力に対する過信、誤認をすれば、
 北朝鮮による、地域における軍事的挑発行為の増加、重大化につながる可能性もある」
と述べた。

朝鮮半島の問題に詳しいロシア人専門家のゲオルギー・トロラヤ氏によれば、
今日、北朝鮮の指導部では、アメリカは北朝鮮との関係を、
昔のソ連との関係をモデルにして構築しようとしているという理論が支配的
である。


それはつまり、お互いを滅亡させることが確実である、という危険性を基にしている。
そして北朝鮮は、自国の核弾頭の威力増大をデモンストレーションするという戦略を選んだ。

これは、アメリカに交渉のテーブルにつかせるためであり、
アメリカと何らかの妥協点を見出したいためである。

このようにして北朝鮮当局は、他国が侵略・干渉をしてきた際、
北朝鮮には自国を守るに十分な能力があり、単に圧力をかけるだけでは無意味である
という内容のシグナルを世界に向けて発している。


しかしながら、このような政策をとるにあたっては、北朝鮮自身にも
大きな危険性が及ぶとトロラヤ氏は指摘している。北朝鮮の核弾頭プログラムについて
討議が行われたアメリカから帰国したばかりのトロラヤ氏に見解は次のようなものである。


「危険性とはつまり、北朝鮮がアメリカを実際に攻撃できる能力がない、
 見せかけ状態であるうちに、アメリカ人が現行の状況に甘んじることができず、
 北朝鮮の核施設に対して、先制攻撃を与えるかもしれないということだ。
 このことにおいて、私と会話した専門家たちの大部分の意見というのは一致している。

 しかし、日本の防衛大臣の言及からは、
 北朝鮮が選んだロケット核弾頭による「恐喝戦略」というのは、
 ある程度の効果があるということが見えてくる。問題はこういうことだ。

 アメリカ人というのは病的なまでに、世界の中の誰かがアメリカに攻撃を仕掛けて
 被害を及ぼすことを、技術的に可能にしてしまうのではないかと憂慮している。
 このことは深くアメリカ人の精神の中に植えつけられている。
 なぜならアメリカ人は未だかつて一度も、自分たちの領土で戦ったことがないし、
 自分たちのことを「守られた大洋」だと見なしてきたからだ。
 そして北朝鮮は今、この痛い所に明らかに圧力をかけている。
 アメリカに憂慮を呼び起こさせ、彼らに何らかの手段をとらせるためだ。

 この何らかの手段というのは、北朝鮮が思い描いているところで言えば、交渉し、妥協を見出すことだ。
 ある程度、この理論は生きている。1月初旬から、
 アメリカは静かに北朝鮮と対話を始める道を探しているのだから。

 ここにおいては、以前のように、核を放棄することに関しての前提条件さえも設けられていない。
 これはアメリカの立場において、肯定的な変化、雪解けといえる。

 北朝鮮が核の盾を利用して行うことができただろう挑発について言えば、
 これはむしろ、政治家と一般の人々を驚かせるためのものだ。



 ここ数年、北朝鮮はどのような扇動行為もしていない。

 そう、北朝鮮はプロパガンダ的な言動をしたり、プロパガンダ映像を流したりして、
 デモンストレーションとも言える練習射撃とテストをしているだけなのだ。
 まあしかしこれは、PR行動によって、広く注意を集めようとしているだけなのだ。
 実際には、世界や安全保障体制を脅かすような行動には出ていない。

 しかし北朝鮮への様々な場所の攻撃を想定した
 アメリカと韓国の合同軍事演習はこれとは事情が違う。


 米韓合同部隊は、陸上部隊を北朝鮮に上陸させる想定演習をしているし、
 物理的に北朝鮮の上層部を排除するトレーニングもしている。」

朝鮮半島にアメリカ軍が最新軍備を配置していること、
そして戦略的に爆撃機や航空母艦を配備していることは、
北朝鮮のプロパガンダ風のおしゃべりに比べれば、
朝鮮半島の安定化のためには全く容易ならぬ、重大なことだとトロラヤ氏は見なしている。


http://jp.sputniknews.com/opinion/20160412/1949364.html
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目の前で自分の家を強盗しようと練習を行っている人間を目の当たりにすれば、
自然、それなりの対策を立てるのは当然の帰結である。


北朝鮮は現在、アメリカや韓国の正真正銘の挑発行為に対して、対抗措置を取っている。
池上をはじめ、合法詐欺師の連中は、このことを確かに伝えるだろうか?違うと思う。

実際、主流の知識人やメディアは北朝鮮の外交を「脅迫外交」と呼ぶ。
だが、北朝鮮はこれまで一度もアメリカや韓国に対して制裁を下してはいない。

両国の経済活動を妨害してもいない。ホワイトハウスを攻撃する演習も行っていない。
逆にアメリカや韓国は軍事力や経済力といったハード・パワーで北朝鮮を屈服させようとしている。
ちなみに北朝鮮の2010~2015年の核実験の回数は1回であるのに対してアメリカは15回だ

客観的に見て、挑発行為や脅迫を行っているのはアメリカや韓国のほうだ。
我々に従わねば、経済制裁を下すぞ、武力の行使も厭わないぞ。これはどう考えても脅迫である。
(現在、北朝鮮はアメリカの核攻撃対象国になっている)


つまり、順番があべこべになっていて、アメリカや韓国の軍事的挑発に対して、
「仮に我が国を攻撃するならば、それ以上の攻撃をもって応戦するぞ」と北朝鮮は述べているし、
 それは朝鮮中央通信を主とした北朝鮮のメディアでもはっきりと述べられているのだが、
 なぜか北朝鮮がアメリカを脅迫して言うことを聞かせようとしていると語られている。


かつて、アメリカは幕末のころ、
浦賀に黒船をズラリと並べて日本に開国を迫った。

こういうのを脅迫と言うのである。


現在、アメリカはB52戦闘機を主とした現代の黒船を北朝鮮の領海付近に展開し、
演習を行いながら経済制裁を下している。これに反撃・抗議することのどこが脅迫なのだろうか?


ロシアでは上のような見解はごく普通に発言されている。その逆の意見もしかり。
佐藤優いわく、国内ではドイツやイタリアのファシスト政権と似た政策が取られているはずの
ロシアでは、どちら側の人間もメディアに露出できる権利を有しているのに日本ではそれが出来ない。

思えば、北朝鮮が脅迫外交をしているというレッテルはもう20年近く行われている。
右も左も北朝鮮の「脅迫外交」を非難するというのは、なかなか凄いことだ。

連中の理屈に従えば、ペリーが黒船を並べて大砲を撃ってきたのは「交渉」で、
それに対して、何らかの対抗措置を講じることは「挑発」になるらしい。

そういう見解を持つ人間があらゆる所で時事問題を解説している。
思うに、私たちは知らず知らずのうちに戦時の状態に立ち返っているのではないだろうか?

自分たちが当たり前と思っていた考えが実はそうではないと知らずに生きているのではないだろうか?

北朝鮮に限らず、ウクライナ、シリア、イラン、キューバ、イエメン、中国、
その他諸々の海外情勢は言うに及ばず、国内の経済や政治すら歪められて伝わっている。

もちろん、戦時とは違い、それはおかしいという声を挙げる権利は保障されている。
ただし、それはごく小さなメディアでのみ発言が許されており、
さしずめ、口をパクパク動かすといった程度の自由でしかない。


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