時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

ロシア、北方領土の基地化へと邁進中

2016-07-11 22:09:39 | ロシア・ウクライナ
クリル諸島に防衛施設、試射場、弾薬貯蔵所建設へ
(http://jp.sputniknews.com/russia/20160711/2461746.html)


スプートニク紙が報じているように、今、北方領土はロシア軍による基地化が進んでいる。

当然、普段、北朝鮮の脅威なり中国の脅威なり、あるいは尖閣なり竹島なりに反応して
ギャーギャ―騒いでいるマスメディアや知識人、政治家、ネトウヨ等々は、
上の動きについても猛抗議する・・・はずなのだが、そういう現象は起きていない。


こういう点からも私は普段、安全保障だの固有の領土だのを唱えて
自国の軍拡を当然視する連中を一切、信用していない。


私自身はクリル諸島はロシアの土地でいいじゃんと考えている不届き者だが、
恐らく、ほとんどの日本人は北方領土は日本の土地だと考えているのではないだろうか?

ならばなぜ、その土地を勝手に軍事目的で開発しようとしている動きに対して一言も批判しないのだろう?

一般人なら単に知らないだけなのかもしれないが、政治家や官僚、記者は知っているだろう。
こういう点からも、何が脅威で何が脅威でないのかは権力者が構築するものであり、
大衆が追認・補強するものであることがわかるのではないかと思う。




池上彰氏が語ろうとしないこと(2016年参院選、その結果と意味について)

2016-07-11 21:48:26 | 日本政治
今回の参院選、最終的な投票率は54%だったらしい(昨日の時点では30%と報じられていた)。
まぁ、2人に1人の割合ならまだマシなほうなのかもしれない。


三原じゅん子を一刀両断 池上彰氏の“無双ぶり”今回も炸裂
(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/185469)

なんだか、2014年の衆院選の頃に書いた池上彰氏への批判記事が読まれているので、
今回の参院選の彼の報道スタイルについても、一応、文句を言っておこうと思う。


今回の特番でも、三原じゅん子だの今井えり子だの、タレント議員に対して
池上無双(笑)をしていたそうだが、正直、あまり意味のないことをしているように感じた。


参院選について、より正確に言えば今の自民党政権についてもっとも語られていないこと。
これを説明して、はじめて彼のようなジャーナリストは評価されるべきだと私は思う。


それは「北朝鮮の脅威など存在しない」でも良いし、
「アベノミクスはとっくの昔に破たんしている」でも良いが、
今回の参院選でもっとも語られなかったのが
安倍政権が年金の積立金を株式に運用し、5兆円もの大金を溶かした
ことだろう。


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「年金5兆円運用損!」
 参院選争点隠しの安倍政権の狡猾 - アベノリスク「消えた年金5兆円」の真実

6月23日(現地時間)に実施された国民投票で、EU離脱を是とした英国。

そこを震源に世界が大きく揺れている。
予想通り、スコットランドでは英国からの離脱のうねりが再燃し、
意表を突く形でロンドン市でも英国離脱の動きが浮上。他のEU主要国の離脱可能性まで囁かれ始めている。


最も懸念されているのが、世界的な株安の再発と連鎖だ。
6月24日の東京市場では、日経平均株価が前日の終値から1200円超の大暴落。
その後も国民投票前とはほど遠い水準にある。

これが国民の生活に直結するのが、
国民から預かった巨額の年金基金を株式に投資している
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用損である。

GPIFからの正式な公表は例年よりも先延ばしされているが、
漏れ伝わる情報で報じられた2015年度の運用損は約5兆円と見込まれている。

http://blogos.com/article/182767/
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安倍政権は2014年の10月から株価対策のために
年金積立金をリスクの高い株式へ運用し、結果として巨額の損失を発生させている。


例えば、2015年夏の世界同時株安の際には、7兆8899億円の損失を発生させた。

もう一度書こう。7兆8899億円の損失である。
この損失額は600万世帯の1年分の国民年金受給額に相当する。


年金の納付額が今年になって急に上がったと感じた人がいるかもしれないが、
その原因の一つには、政府が年金のために使うはずの資金を株で溶かしたことが挙げられる。


2016年に入り、日経平均株価は1万5000円台に下落したが、その際に10兆円の損失が起きたとみられている。
こういう情報が選挙前に新聞やテレビ番組からシャットダウンされたのは書くまでもない。


この記事を読んでいる人の多くは年金保険料を毎月、納めていると思うが、
そのうちの数兆円分は、すでに安倍政権が株で溶かした。



そのくせ、福祉のための資金が足りないと語り消費税を上げようとしている。
資金が足りないのではなく、資金の運用が杜撰なのである。



こういうことを池上彰氏は今回の参院選の解説で少しでも触れただろうか?
私の知る限りでは、触れていないと思う。



今回の参院選、血税を溶かした連中にほとんどの人間が票を入れたわけだが、
これは自民党なら血税を株で溶かしてもOKということを意味してはいないだろう。

どうも、あまりよく考えずに自民党に入れたのではないかと感じてならない。

この「あまりよく考えず」というのは結構重要なことで、
世論調査でも半数以上が改憲に反対・アベノミクス成功を疑問視している今、
国民が「なんとなく」で選ぶ理由として、北朝鮮や中国に対する不安感があるのではないだろうか?

この両国に対しては、自民党は断固とした対決姿勢を見せている。
折しも先月末には北朝鮮が中距離弾道ミサイルを発射した。

この発射は先月中旬にグアムで行った北朝鮮への先制攻撃を想定した
アメリカの軍事演習に対するレスポンスなのであるが、まぁメディアはこういう肝心の情報は知らせない。


右翼も左翼も北朝鮮や中国を責め立てている現状、
「話し合いで解決を」などという答えになっていない答えを出す野党に対して
「断固とした制裁・非難」を強調する与党。この辺が参院選の結果に響いているような気がするのだが……


やはり、どこかで「北朝鮮や中国の脅威など存在しない」と言わなければいけない気がするが、
今や北朝鮮あるいは中国へのバッシングに加わらないだけでブーイングを受けるわけで、
このまま外国に向けて意味のない不安と敵意を見せながら
自分たちの生活を現在進行形で破壊している連中に唯々諾々と従っていくのではないかとふと不安に思う。

参院選結果について一言

2016-07-11 00:47:51 | 日本政治
夜も遅いので少しだけ。

数時間前の情報では、投票率が3割しかなかったようなのだが、
10人のうち7人も投票所に行かないというのは、どうなのだろうか?

世論調査によると、アベノミクスが成功したと信じている人間は
自民党の支持者の中ですら少数派にとどまるし、実際にアベノミクスは失敗したと外国でも思われている。


経済政策の失敗、無謀な軍拡、消費税増税、オリンピックを巡る政府の黒いスキャンダル。
もはや自民党に入れる理由などどこにもないはずなのだが、それでも入れるというのは、
結局のところ、この10人のうち7人が棄権したことで政府への反対票が激減したということなのか。

あるいは、投票率が上がっても結果は変わらなかったのだろうか。

共産党は少しだけ議席を増やして11議席から14議席へと一応、躍進した。
とはいえ、おおさか維新も健闘しているわけで、これに自民や公明、民進を含めれば
国会議員のほとんどが右翼になってしまったと考えられる。これで本当に上手くいくのだろうか?

安倍政権の致命的な欠陥は、政府の無謬をひたすらに信じぬくことにある。
とっくの昔に失敗したアベノミクスもひたすらに成功していると言い張っているし、
消費税増税にしても猶予期間が伸びただけで、懲りずに実施しようと画策している。


すでに失策と判明した手段を意固地に続ける、
つまり自民党や安倍政権に間違いなど絶対にないと現実を無視して突っ走るのが今の与党。


反省する、軌道を修正するという考えを持たない点、このまま転がり落ちるしかない。
投票しないのは本人の自由だが、せめて結果に対しては責任を持ってほしいと思う。