時事解説「ディストピア」

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輸送艦「おおすみ」の事故について

2014-01-16 00:40:04 | 日本政治
時間がないので取り急ぎ短文で。

「中国や北朝鮮は危ない!危ないんだ!」と
 メディアや知識人も協力してガーガーわめきたてていた折に
 他ならぬ日本の軍隊が人を殺しかけている不思議。



ニュースをみて清徳丸を思い出した。
この船も日本の軍艦「あたご」に激突されて海に沈んだのだ。

乗組員の漁師親子は共に死亡。
見張りの任務をサボっていた自衛官の責任が問われた・・・


はずだったのだが、死人に口なしとばかりに
あれよあれよと被告に有利に裁判が進んでいき
結果的に無罪となった。


こんなケースは一般の事故では見られない。
それだけ軍人に特権が与えられているということでもある。

冷静に考えれば手塩にかけて育てた人材を切り捨てるなど
経費を考えれば実にもったいないことだ。無理もない。


……この判決を受けて少なからぬ日本人が無罪を喜んだ。
だが、親子の遺体はまだ見つかっていない。

今の異常な中国・北朝鮮バッシングもそうだが、
現在の保守的行動は国民自らが率先して行っている気がする。

これの何がいけないかというと、
問題が眼前に明確に示されているにも関わらず、
「これはまやかしだ!幻想だー!」と無視して
考えることを放棄してしまう点にある。

これは簡単にいえば、
目の前に崖があるのに
目をつむって
全力疾走するようなものだ。



あたごの教訓を生かせば今回のような事故も起きなかっただろうに。
本当に残念だ。あたごの時は乗組員が全員死亡したことで結果的に
自衛官の言い分がすべて通ったわけだが(乗組員親子の不注意にされた)
今回は少なくとも2名生存者がいる。今度ばかりは言い逃れできまい。


あたごの折りに自衛官を擁護していた知識人やメディア、
軍事マニアたちは今回もまた悪いのは市民なのだと
まくしたてるがいいだろう。そうやって問題の本質が
そらされ続けた結果、より大きな事故が起きた時、
彼らがどんな顔をするのか。想像に難くない。