高さの低い安価なベッドを買ったけれど、設置を躊躇している。
おばあちゃんは、今のベッドが高いから転けるのではないかも知れない。
一応、すぐに設置出来るように今のベッドを隣の北側の部屋に移動した。
ポータブルトイレの近くである。
ベッドを移動するにあたって、北側の部屋の押し入れを片づけた。
必要のないシーツやカバーの衣装ケースを下の段に入れた。
おばあちゃんは破壊的で、恐らく力が以前程強くなくて、乱暴になってしまうのだろう。
押し入れの襖も滅茶苦茶にしてしまい、カーテンを設置しておいたけれど
起き上がる時にカーテンを引っぱったのか、カーテンレールが壊れてしまった。
なので、今は押し入れはむき出しとも言える。
下の段なら、いじる事もないだろうと思っていたら、
移動したその日の夜、狭いスペースから衣装ケースの蓋をどけてシーツ類が引っぱりだされ、
ベッドの上に散乱していた。
アチャーと思った。
おばあちゃんは腰が曲がっていて、普通では上の段のプラスティックの引き出しは殆ど見ない。
しかし、ベッドが設置されて、今まで高くて触らなかった引き出しから
夏の衣類を引きずり出してしまった。
ある程度予測していたけれど、衣類の移動がおばちゃんの仕事であるからそこは静観している。
かなり処分したし、必要の無さそうな衣類は袋に入れてそっと持ち出し、二階に置いてる。
そうでないと、部屋は滅茶苦茶になる。
「おなあちゃん、出すのはいいけど、仕舞う事もしなくちゃね」というけど
そこはアハハで済まされる。
南の部屋は明るくて温かい。なのでおばあちゃんが窓から落ちて歩けなかったとき、
ベッドを南の部屋に移動した。今回結局、北側の部屋に戻した感じである。
昨日来客があって、かなり長い事おばあちゃんの部屋を覗かなかった。
夜、おばあちゃんの部屋に入ってびっくり。
北側の窓を開けたまま、北を枕にして寝ていた。
慌てて起こし、衣類を着替えさせた。
テレビの前で、いつも着替えさすのであるが、足にウンコがついていて
タオルをお湯で濡らして持って来て拭いた。
おばあちゃんは自分が脱いだ濡れたズボン下を手に取るので
「おばあちゃん、それは汚れているの」と取り上げた。
すると
「誰か男が見ている」と言う。
「あれはテレビでしょ、誰にも見えないよ」
「みているよ」と言い張った。
そして「恥ずかしい」と言うのだ。
なにがやねん、と思った。いつもテレビの前で着替えているのである。
それに何を今更、という感じであるけれど、おばあちゃんはまだまだ人間ポイ。
今日も実感した、キヨ子おばあちゃんはまだまだまだ？なのだ。
