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こんにちは江崎遊子です。

ちょっと言ってもいいですか。

「象は静かに座っている」

2021年02月20日 | お山の映画館
毎月、 WOWOWの番組表が来ると映画をチェックをするのはわたしの役目である。
しかし、わたしのチェックから漏れた映画を旦那が録画していた。
「4時間の映画だけど、ちょっとみてみろ」としつこく勧めるので
今朝、床の拭き掃除をモップで簡単に済ませて7時から映画を見始めた。

フーボーとかいう監督で、この一作を作って直後に自殺したらしい。
初め、暗いし、映像は悪いし、ブツブツ文句を言いながら見ていた。
エンタメとかけ離れているし、観客に本当に優しく無い。
だけど、だけど目が離せない。登場人物のそれぞれの生きている場に緊張感がある。
こちら、年寄りだし、目が悪くなっているし、
近頃の映画は画面が暗くて叶わないなんて思っている。
しかし、全く他のことを考える余裕を与えない。
画面に釘付けなのだ。善悪とかじゃなく生々しく
人々が生きていて、ちょっと愛おしい。
しかし、甘く無い。様々な状況で登場人物たちは追い詰められ
観客も登場人物も象に希望を抱いていく。
4時間があっという間だった。途中二回もトイレに行った。
参った。本当に参った。体にきた感じだった。ドーンと重いのだ。
本当に凄いと思った。
見終わって、涙が出てきた。


後で、ネットで調べたところによると、
なんとあの「ニーチェの馬」という映画を作ったハンガリーの監督サルベール氏のところで
フーボー氏はトレーニングキャンプに参加したとか。旦那からの情報によると、
サルベール氏がフーボー氏を気に入っていたらしい。
なんか頷ける気がした。「ニーチェの馬」と通ずるものがある。
撮影の方法なのかサルベール氏とフーボー氏の人間性なのかよく分からない。

右のほうでメガネを掛けているのがフーボー監督とか。もういないなんて残念だ。

「ニーチェの馬」もWOWOWで放送され、録画したもののダビングしなかった。
人に話をするので、ダビングしておけばよかった、と後悔している。
「象は静かに座っている」はすぐにダビングした。
人に見せたい。アメリカ映画の「グリーンブック」は誰彼となく見て見て、と勧めたけれど
この映画は人を選びそう。さて誰に勧めようかな。

観てしまったボンジュノ監督作品。

2020年12月06日 | お山の映画館
農閑期に入ってるし、NBAは始まってないし、
時間があるので映画を観よう、という感じ。

世間では大変なことになっている。
日本のコロナの状況、倒産などなど。
香港の民主化の問題。
世界のコロナの状況。
ニュースを見れば心が痛い。

有り難いのは、輪島でクラスターは発生していないし
感染者も少ない。でも、これからがインフルエンザの本番だとすれば、
いつまで、気をつけて暮らせばいいのか。先が見えない。

映画はありがたい。身始めれば、その世界に入っていく。
しかし、ボンジュノ作品は違和感が不快な通奏低音のように
静かに鳴っている。同時に正体不明な面白さもある。
「吠える犬は飼わない」を観た。

次に「母なる証明」を観た。原題は「母」だったと思う。

1日に1作品で、最後に「スノーピアーサー」を観た。

画面が暗くて見る気がしなかったけど、何故暗いかはあとでわかってくる。
なんていうか、凄いとしか言いようがない。

旦那が版画家でアーティストの端くれで、私自身アートが何か考えたことはないけれど
建築家の安藤忠雄は、責任感が創作源だと言ったらしい。
それはともかく、よくわからないから言っても仕方ない。
今はなき洲之内徹という現代画廊の主人だった人が本を書いている。
「気まぐれ美術館」と「絵の中の散歩」が我が家にもある。
その中で絵の評価について聞かれ、洲之内徹の答えが印象的だった。
「参った」と思えるような絵だと。
記憶が間違っていたならごめんなさい。多分そん感じだっったと思う。

ボンジュノ監督の映画を続けて4作観て、参りました、と心底思えたのである。
凄い。何が?と聞かれても困るけど、凄い、そう思う。


ちなみにその前に観たロシアの映画がある。
「 T−34レジェンドオブウォー」ボロいロシアの戦車がドイツに勝つのである。
ロシアで大ヒットしたらしい。好みで言えば、こっちの方が好きである。
私は単純なのである。

がしかし、ボンジュノ監督が世界的巨匠と言われても納得である。



「パラサイト」観た。

2020年11月11日 | お山の映画館
今日は雨だし、気温も低い。
畑の片付けもあるけれど、映画でしょ。

自分が何を面白いと感じるか、自分にとって謎だ。
たまたま昨日も雨模様で、昼ごはんの後に BSで放映されていた
「家族ゲーム」を観てしまった。以前見たものの
森田芳光のこの映画は面白い。
映画のリズム、タッチ。すごく好きな気がする。
何が面白いの?と言われても面白いんだもの、としか言えない。

今日見た「パラサイト」も初め警戒してたけど、
何せアメリカのアカデミー作品賞なのだから、
先入観に支配されそうだ。しかし、面白かった。
娘の勧めもあって、近頃韓国映画をよく見る。
韓国語が放つイントネーションなのか、リズムなのか
どこかコミカルで明るい。お互いに言いたいことを言い合う
明るさがどこかアメリカ人に似ている。
楽しく調子よく観ていると、その内、最後はどうするんだろう
と気になってきて、お尻がムズムズしてきて、
逃げ出したい気分になる。
わたし的には思いもよらなかった展開におーと思った。
物語の最後が肝心だ。
日本映画だったら、最後はああいう展開にはならなさそう。
バイオレンス映画は北野武にお任せだ。
最も、大きいことは言えない。最近は世界の映画を俯瞰して観ていないし、
たまたま観た映画が面白ければ、ラッキーて気分なのだ。

ソン・ガンホの映画はよく観ている。
「タクシー」「殺人者の記憶」もそうでしょ。

WOWOWで「パラサイト」を放映する事で、ボン・ジュノ監督特集があった。
若い頃は気に入った監督がいると、作品の全部を見るという勢いがあったけど
近頃はかなりその場次第で、次にアメリカのラブコメ映画なんて観たくなる。
ウィルスミスの「最後の恋の始め方」も面白かった。
肩がこらない。
でも、ボン・ジュノの映画は一応録画してある。
面白い、と思えることは自分にとっては重要で、だからってどってこともない。
「パラサイト」は面白かった。
かなり個人的意見だけど(今更?)説明が少ない映画が好きである。
映像だけで十分なのだ。
その分、なんかよく分からないけど、観ていて自由な気分になる。

「家族ゲーム」の松田優作のキャラクターは面白かったけど
どんな人物か謎とも言える。
お茶漬けの国とキムチの国では何か違うんだろうね。
娘はどうやら韓国語を勉強し始めたらしい。
わたしもやろうかな?




「ロードオブザリング」エクステッド版を観た。

2020年09月21日 | お山の映画館

以前しっかり観ている。
しかし、ワクワク感が弾けそうだったし、踊り出したい気分だった。何故ここまで。
その感じは「スターウォーズ」を観る時と似ている。
嬉しすぎる。
残念ながらアラゴルン役のビィゴモーテンセンの写真をゲットできなかった。
ガンダルフやドワーフやレグラスも写真が欲しい。
旅の始まりから二つの塔、王の帰還まで一気に見てしまった。
エクステッド版は長いにも関わらず、面白くて長いなんて思わないのだ。
何から何までお気に入りだけど、
とりわけ、フロド役のイライジャウッドとゴラム(小説ではゴクリ)がキーポイントと思った。
ゴラムは自分ととても近い。
ストーリー全体に人間の持つ闇の暗さで引っ張る。これ大きいね。
それと人間離れしたフロドの目の表情。
申し訳ないけど、この映画のために俳優になったとしか思えない。

感謝しちゃう。

わたし、エルフになりたい。

ここ裂け谷で暮らしたい。
ケイトブランシェットの低めの声がいい。

まだ若くて美しい。
ピータージャクソンさんとスタッフの皆さんに見ながら感謝に絶えなかった。
よくぞ、素晴らしい映画を作ってくれました。

エルフが西に向かって船で旅立つとき、ガンダルフもフロドもバギンズも一緒に行った。
想像したけど、一応小説で確かめた。
フロドの心の傷は容易に治すことができないのだ。
小説では、ホビット村で留守の間に無法者が村をメチャクチャにしていて
彼らは最後の戦いを強いられたのである。
やがてホビット村に平和が訪れる。
そしてフロドはサム、メリー、ピピンと別れて船で行くのでした。
後半でサムに何度泣かされたことか。いい奴だよね。
わたしは自分ではゴラムに近いと思っていたけど
サムみたいでありたい。


この人ら、「スターウォーズ」のダースベーダーがグループでやってくる感じ。
ドキドキしちゃうんだよね。
それにしても、額に収めておきたい素晴らしいシーンが山盛りだった。
あーもう一回観ようかな。

今朝、クラシックのCDを整理していたら、中に「ロードオブザリング」の
サントラ盤が出てきた。神の思し召しか。

映画「ジョーカー」その2

2020年07月27日 | お山の映画館
昨日のブログで
主人公の自分の悪行を「負の自己実現」と言ったけど、
考えてみると、ジョーカーと言うのは強力な仮面だと
気が付いた。マイケルジャクソンの白い顔も
強力な仮面かも知れない。
どっちにしても、違和感がある。

自分のことで言えば、
この歳になったら、仮面が剥げてきて
ある意味、楽になっている。
言いたいことを言えることはラッキーだと思っているけど 
誰かに迷惑がかかっているかも知れないと自覚しなくちゃね。

「ザ・マスター」観ました。
かなり以前観たのに、初めて観たみたいだった。
色々考えさせられる映画だけど、好きな映画では無い。
カルト、と言うのかなあ、新興宗教と言うのか。
微妙なズレがどっか気持ち悪いのは確か。
バランス感覚はどうしたら持っていられるのか。
考えちゃいました。
でも、こう言う映画を作るアメリカ映画界は懐が広い。
このところ、「ジョーカー」のお陰でフォアキンフェニックス週間です。
WOWOWでほぼ録画しておいたけど、
2作でもうお腹いっぱいかも。濃いんですもん。