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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

予知課題における遠隔視法とガンツフェルト法の比較

2013-01-07 | 論文ガイド2
<PA2012(18)>

●ロエ、ホドリアン&カークウッド
 「予知課題における遠隔視法とガンツフェルト法の比較」
(英ノーザンプトン大学)

40人の被験者について、遠隔視法とガンツフェルト法の各々に
ついて予知課題を行ない結果を比較した。ターゲットは世界各地の
40か所を選定したデータベースから4か所が選ばれ、被験者が
予知を口述したのちにランダムに決定され提示された。その口述
は記録され、4か所のどれと一番合致しているか外部ジャッジが
判定した。

その結果、偶然期待値25%のところ遠隔視法のほうの当たりは
30%でp=5.2%、ガンツフェルト法のほうは35%でp=3.8%で
あった。ガンツフェルト法のほうが効果が高かった。性格検査等
との顕著な相関は見られなかった。


心理社会的観点からの解離性と超常信奉の研究

2013-01-06 | 論文ガイド2
<PA2012(17)>

●マラルディ&ザンガリ
 「心理社会的観点からの解離性と超常信奉の研究」
(サオパウロ大学@ブラジル)

解離性の高さと超常現象信奉および体験頻度の間には大きな
相関があることが知られている。解離性は、抑圧・不安傾向、
身体的障害、幼少期のトラウマ、境界希薄性と関連している。
こうした特性は、文化や社会状況による影響が予想されるが、
そうした観点での研究はあまりない。

本研究では、多様な宗教的背景をもつブラジルの人々について、
こうした点のインタビューを行ない、相関の由来を明らかにする。

※ 研究の構想にとどまっており、結果は得られていない。


批判的心霊主義とオランダ超心理学の幕開け

2013-01-05 | 論文ガイド2
<PA2012(16)>

●イングリッド・クルーステルマン
 「批判的心霊主義とオランダ超心理学の幕開け」
(蘭ユトレヒト大学)

1914年にアムステルダムでアメリカの霊媒スザンナ・ハリス
による交霊会が行なわれた。彼女はメガホンを通して死者の霊が
大声で語る現象を得意にしていた。ジャンという観客に関する
メッセージを霊媒が得ようとしているときに、懐疑的な観客の
ひとりが、暗闇の中、床を這って彼女が用意した3つのメガホン
のひとつを奪った。その後10分間、霊媒も呼び出された霊も
メガホンが足りないことに気付かなかったので、その観客が
交霊は欺瞞だと叫び、交霊会は中止となった(霊媒は報酬を
持ったまま立ち去った)。心霊主義者は通常、観客のそうした
懐疑的ふるまいをよく思わないのだが、著名な心霊主義者で
あったアンリ・ニコラス・デ=フレメリ(1867-1940)は、その
ふるまいを擁護した。

19世紀末から20世紀にかけたオランダは超心理学の黎明期
にあり、心霊主義者は死後の霊の存在と霊媒による霊との対話
の可能性について肯定的ではあったが、ニセ霊媒の横行にも
悩まされていた。そのためデ=フレメリは、積極的にニセ霊媒
の告発を行なっていたが、その活動がオランダの心霊主義者
コミュニティを二分することにもなった。しかし、それが結果
としてオランダの超心理学を立ち上げる端緒となった。

フレデリック・ヴァン=エーデン(1860-1932)が、新興の心理学
理論から、霊媒の内的な欺瞞傾向を暴き、マルセラス・エマンツ
(1848-1923)が科学者による霊媒の評定集団を立ち上げ、
フロリス・ヤンセン(1881-1937)が仕掛けができない実験環境
を作りあげた。こうしてオランダの超心理学が幕を開けた。


意図しない予知の実験

2013-01-04 | 論文ガイド2
<PA2012(15)>

●ヒッチンソン、ロエ&シャーウッド
 「意図しない予知の実験」
(英ノーザンプトン大学)

将来呈示される画像を事前に選択できたら、好ましい
画像が表示されるESP実験を、ESPの実験とは
告げずに行なった。

被験者50人に15試行ずつ行なって、偶然期待値が
7.5回の当たりに対して7.96回の当たりに
なった。p値は片側6%で有意とはいかなかったが、
PMIR仮説に対して肯定的な結果であった。

音声識別の潜在抑制度合いと、実験に対する開放的
姿勢の度合いを各被験者について調べてあったが、
いずれも相関はなかった。

※無意識の実験およびPMIR仮説について
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/4-8.htm
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-3.htm


超心理と意識問題

2012-12-31 | 論文ガイド2
<PA2012(14)>

●ジョージ・ウィリアムズ
 「超心理と意識問題」
(米連邦通信会議)

唯物論、汎心論、物心二元論について考える。

物しかないという世界観が唯物論であり、現在の
自然科学が前提とするものである。しかし、私たち
の自覚する意識は唯物論では説明がつかない。
これが「意識の難問」である。

物と心が各々別個に存在し、相互に影響するという
世界観が物心二元論であるが、超心理現象は唯物論
を否定し二元論を受入れる方向性を正当化する。

心は広く物に拠り合って存在するという世界観が
汎心論であるが、バートランド・ラッセルは、物質と
意識はそれほど違わず、物質の本質は意識のような
ものだと汎心論の世界観を唱えた。

フィールド乱数発生器の実験結果は、集合的意識の
特性が物理乱数と同調するという現象と見れば、
汎心論の世界観とよく合致するようである。

フィールド乱数実験:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-7.htm

夢のからみあい

2012-12-30 | 論文ガイド2
<PA2012(13)>

●ヴァンデ=キャスル&ピム
 「夢のからみあい」
(米アトランティック大学)

国際夢研究協会では、テレパシー夢コンテストを継続的に
実施している。これは、送り手がランダムに選択された
イメージを一晩かけて夢で繰り返し「送る」ことを努力し、
参加者が各自そのイメージを自分の夢で「受ける」ように
努力するものである。

本報告では、そのコンテストで報告された夢内容から、
送ることを課されたイメージは別にして、送り手の夢の
内容全般と、受け手の夢の内容の同調を調べた。

2009年のコンテストでは、明晰夢者エンジェル・モーガンが
送り手を行ない、一晩で8つの明晰夢を見て、それぞれ
自分で起きて記録した。その内容と酷似した夢を5人の
参加者が報告した。

2010年のコンテストでもモーガンが送り手を行ない、一晩
で12の明晰夢を見たが、その内容と酷似した夢を4人の
参加者が報告した。

2011年のオランダのコンテストでは、オランダ人のスザンヌ・
ウィルティンクが送り手を行ない、一晩で10の夢を見た。
その内容と酷似した夢を11人の参加者が報告した。

総じて同調が多く見られた。

※ 受け手の報告テキスト全文を年度がわからない状態にし、
 第三者の判定者が「どの年度の送り手の夢と近いか」を
 判定した結果が3分の1以上の確率で合致するかを調べて
 欲しいものである。


超常信奉と知覚傾向の関連

2012-11-23 | 論文ガイド2
<PA2012(12)>

●クリスティーン・シモンズ=ムーア
 「超常信奉と知覚傾向の関連」
(米ウエスト・ジョージア大学)

超常現象の信奉について質問紙調査をしたあとで、
視覚と聴覚におけるランダムパターン、弱い規則
パターンから規則を抽出するかどうかを調べた。

95人分のデータ集計で、超常現象を信じる者は
ランダムパターンにもかかわらず規則を抽出する
傾向、超常現象を信じない者は反対に、弱い規則
があるパターンにもかかわらず規則を抽出しない
傾向が現れた。しかしどれも有意には至らなかった。

また、超常現象を信じる者が規則を(誤って)抽出
したときは、判断も早く、そして確信をもつ傾向
も見られた。

加えてESPテストも行なったが、信奉による差異
は検出されなかった。


幽霊体験はいつどこでどんな人が

2012-11-22 | 論文ガイド2
<PA2012(11)>

●サイモン・シャーウッド
 「幽霊体験はいつどこでどんな人が」
(英ノーザンプトン大学)

幽霊体験の調査をしたところ、65%が午後7時から午前4時まで
に体験し、81%が家の中で体験している。また、体験する人は
体験しない人に比べ、境界性の障壁が低い(トランスリミナリティ
尺度が高い)ことが、これまでの研究と同様に示された。


遠隔ヒーリングのメタ分析

2012-11-10 | 論文ガイド2
<PA2012(10)>

●ロエ&ソネックス&ロクスブルグ
 「遠隔ヒーリングのメタ分析」
(英ノーザンプトン大学)

65の生体組織などへの遠隔ヒーリング効果の研究を
メタ分析した結果、効果サイズr=0.381で有意であった。
しかし、効果の研究ごとのバラツキが大きく外れ値225
を取り除いて分析するとr=0.283に低下するが、依然
として有意であった。研究の質査定と効果との相関は
なかった(つまり質の悪い研究が効果をあげているわけ
ではない)。

59の人体への遠隔ヒーリング効果の研究(ランダム化
比較対照実験)をメタ分析した結果、効果サイズはやや
小さくr=0.145であったが、それでも有意であった。


超常体験に対するグループ療法

2012-10-08 | 論文ガイド2
<PA2012(9)>

●パラ&コルベッタ
 「超常体験に対するグループ療法」
(超常心理学研究所@アルゼンチン)

臨死体験、霊視、ポルターガイストなどの超常体験に
よって引き起こされた心理状態を良好な状態にする
グループ療法が検討されてきた。

今回そうした20人の参加者に対して、週2時間の
セッションを行ない、感情的支援、認知的支援、
体験解釈の支援の面で、いずれも肯定的な効果が
見られた。


特異的遠隔診断

2012-09-22 | 論文ガイド2
<PA2012(8)>

●パラ&アルジバイ
 「特異的遠隔診断」
(超常心理学研究所@アルゼンチン)

健康人4名の写真と病人4名の写真を混ぜて起き、
そこから病人を選ぶ課題を実験した。224人で
偶然期待値を上回りp値は0.1%で高度に有意で
あった。

振り子などの道具を使ったダウジングでも行なった
が、p値は1.6%でこれも有意であった。

※ そもそも病人は顔色などでわかるので実験の
 意義が不明である。


自動書記霊媒の心理社会的構造のモデル化

2012-09-19 | 論文ガイド2
<PA2012(7)>

●エヴァートン・ダ・オリヴェイラ・マラルディ
 「自動書記霊媒の心理社会的構造のモデル化」
(サオパウロ大学@ブラジル)

解離性心理状態になって、自動書記をする霊媒が見られるが、
それは霊界通信ではなく、単なる創作なのではないか。

今回、2つの自動書記事例の質的分析から、心理社会的構造の
モデル化を試みた。それによると、儀式の解離性心理状態を
誘導する実践によって、注意散漫で直情的な幼少体験が際立った
と考えられる。その幼少期では、愛情の希薄さ、抑圧的教育、
貧困といった自尊心が傷つけられる要因があり、自我の発達を
促進する刺激が不足していた。そのため、自身の潜在的創造性が
自我から遊離し、解離的心理状態における霊的存在の仕業として、
その創造性が発揮されるという表現をとるようになったのだろう。


蛍光測定法による生体PK検出

2012-09-17 | 論文ガイド2
<PA2012(6)>

●小久保秀之&小山悟史
 「蛍光測定法による生体PK検出」
(国際総合研究機構@千葉)

著者らは2006年以来、キュウリをセンサーとした生体PK
(ヒーリング)の研究を行ない、バイオフォトン検知や
ガス検出の手段で、生体PKの大きさを定量的に測定する
ことに成功してきた。しかし、冬季にはキュウリの性質が
劣化し、これまでの方法での測定は難しかった。

今回、冬季のキュウリでも測定可能な方法を確立するため
蛍光測定(438nm, 483nm, 535nm, 562nm)に着目した。

8人の施術者の実験群についてJ値(手かざし試料と近傍
試料の差)を平均し、施術前後の対照群のJ値の平均と
比較したところ、蛍光測定において有意な差異が見られた。
蛍光測定が有効に利用できるとの感触が得られた。

同時に旧来のガス測定も行なったのだが、蛍光測定の対照
群のJ値がほとんどゼロだったのに対して、奇妙なことに、
ガス測定の対照群のJ値は、なぜか実験群と同様に大きな
値だった。


意識集中時の人体からの電磁放射

2012-09-15 | 論文ガイド2
<PA2012(5)>

●ジョインズ&バウマン&クヌース
 「意識集中時の人体からの電磁放射」
(米ライン研究センター)

意識集中時に人体から放射される光を、赤外線と紫外線に
分けて100人ほど調べた。

赤外線は、熟練したヒーラーが意識集中時に、手の平と
額の中央から放射されるのが見られた。これは熱の影響
に相当する。

紫外線は、瞑想家の瞑想時に放射の増加かが見られた。
3人の熟練した瞑想家やヒーラーについては、とくに強い
放射が見られ、同時に意志による放射の増減が可能である
ことがわかった。


子どもの超心理体験の逸話的報告

2012-09-13 | 論文ガイド2
<PA2012(4)>

●アテナ・ドリュース
 「子どもの超心理体験の逸話的報告」
(米ライン研究センター)

ホームページ上で、子どもの超心理体験の報告を募集したところ、
1年間で150件の報告(一部複数事例を含み全体験数では172)
が集まった。体験者は7割近くが女児で、平均年齢は8.8歳であった。

この体験報告の多くは幽霊の目撃であった。見たとされる幽霊の
ほとんどは見知らぬ人であったが、4分の1は死んだ家族の人で
あった。また幽霊の姿とともにオーブが頻繁に目撃されている。

かつて、ルイザ・ラインが収集・分析した体験報告の手紙集の中では、
子どもの超心理体験というと、圧倒的に虫の知らせなどの「予知」が
多かった。それと比べると、今回の結果は際立った違いが見られる。