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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

漢字を使った形態形成場実験

2009-09-29 | 論文ガイド
<PA2008(14)>

イギリスより
●ロビンズ&ロエ
 「漢字を使った形態形成場実験」

中国人の手によって、正しい漢字とそれに似た二セの漢字を
つくり、60人のイギリスの被験者に、正しい漢字と二セの漢字
を5つずつランダムに混ぜて覚えさせる。その後、すでに見せた
漢字10文字と、別な正しい漢字と二セの漢字を5つずつ、計
20文字をランダムに混ぜて、どの10文字が以前に見た文字か
を思い出して指定してもらう。

形態形成場(形態共鳴)理論によれば、使われている正しい漢字
は覚えやすいし、思い出しやすいと考えられる。正しい漢字の
正答率はニセ漢字の正答率より高く、p値は2%で有意であった。
さらに、正しい漢字の誤答率(覚えたはずの漢字ではないのに
覚えていたものにあったと指摘した)はニセ漢字の誤答率より高く、
p値は0.1%未満できわめて有意であった。

被験者の境界超越性(自己の身体の広がりの曖昧性)を質問紙
調査して、相関を調べたところ、正しい漢字と有意な相関があり、
一方でニセ漢字とは相関が見られなかった。

形態形成場理論を強く支持する結果が得られた。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-5.htm


幻覚体験としてのオーラ視

2009-09-27 | 論文ガイド
<PA2008(13)>

アルゼンチンより
●アレジャンドラ・パラ
 「幻覚体験としてのオーラ視」

586名の学生に質問紙調査をして、オーラが見えるかどうかと、
イメージ(視覚および触覚)の鮮明度、幻覚(視覚および触覚)の
強さ、創造的体験度合い(幻想傾向度)、熱中傾向度、解離性
体験度合い、知覚的分裂傾向度、の相関を調べた。

その結果、幻覚を除いたすべての指標と、有意な相関が得られた。
オーラ視は、よく言われるような、精神病理による幻覚では、必ず
しもなく、想像力に富むことに関連して現れる現象のようだ。


予知かそれとも特異的期待効果か

2009-09-25 | 論文ガイド
<PA2008(12)>

ライン研究センターより
●ジョン・パーマー
 「予知かそれとも特異的期待効果か」

特異的期待効果とは、超能力ではないのに、超能力らしい
結果をもたらす通常認知能力である。ターゲットに偏りが
あり、ターゲットが逐一なんであったかフィードバックする
実験において発生する。たとえば、1番のターゲットが多く
選ばれる実験をしてしまったとき、被験者は無意識に、1番
が多いことを感知し、超能力を信じる場合は1番を答える
頻度が増し、超能力を信じない場合は1番を答えない頻度が
増す。その結果、羊・山羊効果と同様の現象が見られる。
また、この効果はフィードバックをサブリミナルで行なうと、
より強い効果が出ると予想される。

特異的期待効果が起きやすい実験設定で、通常認知能力か
それとも超能力かを判定する実験を行なった。被験者には
超能力の強い信奉者と、強い懐疑論者をポスターで募集した。

実験の結果、全体として有意な特異的期待効果は見られ
なかったが、フィードバックをサブリミナルで行なった場合に
かぎれば、有意な特異的期待効果が見られた。

合わせて、特異的期待効果が起きないはずの実験設定で
行なった実験では、予知効果(DAT)が起きていた。それは、
信奉者において、大きく有意に出ていた。つまり、特異的
期待効果でなく、真に予知が起きているという仮説が支持
された。

DAT⇒http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-4.htm

関連項目:<PA2006(10)>


心霊体験研究の発展とアラン・カルデック

2009-09-23 | 論文ガイド
<PA2008(11)>

ブラジルより
●アレクサンダー・アルメイダ
 「心霊体験研究の発展とアラン・カルデック」

アラン・カルデックは、スピリティズムによって、思い込みや
虚偽を排して、科学的に心霊体験を研究する道を提案した。
心霊体験のもっとも妥当な説明は霊魂仮説だとした。
今日の超心理学が基盤とする方法論の原型を、すでに
19世紀に確立していたとも考えられる。

関連項目
 <PA2007(1)>
 読書ガイドの75番


前項予知実験の2つの追試

2009-09-21 | 論文ガイド
<PA2008(10)>

イギリスより
●ルーク&ロエ&ダヴィソン
 「前項予知実験の2つの追試」

第1実験:
前項と同様の実験を行ない、期待値より多く当てた
被験者は、画面にユーモラスな漫画を提示し、はずれ
が多かった被験者には、数字を判定する単調な作業
が課される。これをA群とする。一方B群は、画像提示
や作業は課されない(つまり対照群)。

25人の被験者のうち、ランダムに13人がA群に、
12人がB群にわりあてられた。実験の結果、25人
分の得点はp値が1%で有意であった。予想に反して、
A群よりも、B群の得点のほうが高かった。

第2実験:
32人の被験者が、第1実験のA群に相当する実験を
行なった。点数に応じて画像提示や作業の時間に差を
つけた。また、幸運信奉、経験開放性、創造的認知の
質問紙への回答を行なってもらった。

実験の結果、得点はp値が2%で有意であった。得点
と回答の相関は、経験開放性でp値が1%で有意で
あった。他の回答は有意にならなかった。


予知実験と幸運感知や幸運信奉との関係

2009-09-19 | 論文ガイド
<PA2008(9)>

イギリスより
●ルーク&デラノイ&シャーウッド
 「予知実験と幸運感知や幸運信奉との関係」

超心理現象は、日常的には幸運としてとらえられる。とくに
PMIR理論が、それに裏付けを与えている。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-3.htm

今回は、予知実験のスコアが、質問紙による幸運感知や
幸運信奉の指標と、どの程度関係するかを調べた。

実験では、フラクタル図形の4パターンのうちから好きな
パターンを選ぶが、そのうちの1つがランダムに選ばれて
当たりとなる。当たりを選んでいた場合は、画面に性的
刺激画像が呈示され、はずれを選んでいた場合には、
数字を判定する単調な作業が課される。刺激や作業は
段階的に強まる。

男女各50人が、10試行ずつこの実験を行なった。全体で
期待値が25%のところ、28.5%の当たりであり、p値
が0.7%で高度に有意であった。

幸運感知(自分は幸運である)が高い人ほど実験の得点が
高く、また、幸運信奉(幸運は自分で引き寄せられる)が
高い人ほど実験の得点が高いことがわかった(ともにp値が
0.8%)。幸運感知よりも幸運信奉のほうが、得点の予測に
より貢献できることも判明した(調整済み決定係数0.06)。

ほかに、超心理信奉や超常信奉との相関も有意であった。
羊・山羊効果が支持されたことになる。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/4-1.htm


超心理の説明

2009-09-17 | 論文ガイド
<PA2008(8)>

オーストラリアのタスマニア大学哲学部より
●ハンナ・ジェンキンス
 「超心理の説明」

超心理学の進展にもかかわらず、その成果を、心の哲学や
意識研究における心のモデルに反映させようという動きは
十分にあらわれていない。本論文では、超心理を説明しよう
としてきた歴史に照らして、2つの議論を行なう。
1)科学哲学の法則理論の定立の観点から、秀でた超心理
 の文献を評価すること。
2)本質的に異なった説明の枠組みが提案されたときに、
 科学の限界が形成されること。

これらの議論により、超心理研究者にとっては、科学哲学の
観点から超心理の説明の歴史が理解でき、超心理研究を
擁護できる一方で、超心理の成果を知らない研究者の啓蒙を
行なえる効果がある。また同時に、現在支配的な物質還元
主義に対する脅威に、かならずしも超心理が相当するわけ
ではないことも理解できるのである。


分裂気質:超常信奉・創造性・知能・精神的健康との関係

2009-09-15 | 論文ガイド
<PA2008(7)>

イギリスより
●ホルト&シモンズ&ムーア
 「分裂気質:超常信奉・創造性・知能・精神的健康との関係」

分裂気質(統合失調症の傾向性)は、超常信奉の原因となっている
と言われる。たしかに、重篤な統合失調症には、幻覚をみるなどの
超常信奉を引き起こす事例が多い。しかし本論文では、分裂気質の
なかでも、精神的問題を伴わない幸福な人々がいるという仮説の
もとに質問紙調査を重ね、統計的分析した。その結果、幸福な分裂
気質のクラスターが抽出された。その群では、超常信奉の傾向が高く、
創造性が高いが、精神的には健康であった。知能との関連性は見い
出されなかった。