超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

懐疑論者たちは実験しないまま批判する

2008-03-31 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(8-0)>
第8章:懐疑論者たちの研究
(0)実験なしの批判

科学的研究は仮説を立て、実験(や観察)を企画し、データを集めて仮説と
見比べる、という繰り返しである。科学上の論争とは、このような科学的
研究を行なう研究者同士が、仮説(や実験やデータ)をめぐって議論する。

ところが、超心理の懐疑論争は奇妙である。懐疑論者たちのほとんどは、
実験をせずに批判だけをしているのである。

1983年に(サイコップのメンバーである)マーチン・ガードナーは、「超心理
実験の肯定的結果は一部の熱狂的人々によってもたらされているが、
否定的結果はそれより多くの懐疑論者からもたらされている」と書いている
が、それに対してホノートンは、「この話はまったくのでっちあげだ。どの
懐疑論者が実験して否定的結果を得ているのか、探し当ててみたまえ」と、
実際には実験はほとんどなされていないことを指摘している。

それでもこの章では、懐疑論者によってなされた例外的な実験研究を追う。

※先週出版された次の本にガードナーが「数術師」として紹介されている。
Make: Technology on Your Time Volume 04 オライリージャパン


ガンツフェルト懐疑論争:効果の大きさ

2008-03-30 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-10)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(10)効果の大きさ

ガンツフェルト実験の正答率は偶然25%のところ33%となっている。
この効果の大きさは小さくて取るに足らないという批判もあるが、本当に
そうだろうか。

たとえば、アスピリン(日本では商品名バッファリンなどに含まれている)
が心臓病のリスクを低減するという研究には6年前に肯定的な結論が出て、
もう追試は行なわれていない。あまりに確実なので、対照実験の被験者に
偽薬が処方されるのが倫理的に問題になったほどである。

しかし、その効果の大きさは、パーセントにして0.8ポイントであった。
つまり、ガンツフェルトの効果の10分の1なのである。アスピリンの治験
には、2万2千人が参加したが、2千2百人の規模では有意な差は
でなかったかもしれないのだ。(実際のところ25の研究報告のうち、
単独で有意になったのは5つに過ぎなかった)

ガンツフェルト実験の効果の大きさであれば、50セッションの実験を1回
やって、5%有意になる確率が3分の1、100セッションの実験で有意に
なる確率が2分の1である。よく再現性がないという批判があるが、効果の
大きさに見合うセッション数を重ねなければ有意にならず、重ねれば(相応
の確率で)有意になるということで、これは事実「再現性がある」と言う
べきである。


ガンツフェルト懐疑論争:成功の犠牲者

2008-03-29 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-9)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(9)成功の犠牲者

1999年、懐疑論者のミルトンとワイズマンは、1987年以降の新しい
ガンツフェルト実験のメタ分析を行なった。共同コミュニケ(86年)で
ガンツフェルトの標準手順が確立されたと思われたからである。7研究所
からの30報告1198セッションが集まった。ところがその結果は、27.5%
であり、十分に有意な結果とは言えなかった。追試は失敗したと騒がれた。

翌年、10の研究報告が増え、40のメタ分析をした結果は、30.1%で
有意になった。この追試結果の不安定さをめぐってインターネット上で
議論が巻き起こった。そこで気づいたのが、単なる追試と新しい企画の
区別である。ガンツフェルト実験には、あえて標準手順を踏まずに実験
結果に及ぶ影響を調べる実験が含まれていたからである。

ベムらは、ホノートンの論文にある標準手順に各報告がどの程度合致して
いるかを、7段階で評定させ、その結果にもとづいてグループ分けして
正答率を集計した。
 4未満の実験 ・・・ 24%
 5以上の実験 ・・・ 31%
 6や7の実験 ・・・ 33%(40のうち21の実験報告)

標準手順を踏まない研究が低いことが決定的であった。とくにターゲット
に音楽を使用した実験は成功していなかったのが判明した。2001年に
ベムらがこの結果を発表した論文の副題は「自己の成功による犠牲者
なのか?」であった。ガンツフェルトはあまりに成功したので、研究者が
新たな発展を模索して、実験企画をいろいろ試行錯誤して変更したために、
メタ分析の集計結果が低下して正当性が疑われてしまった「犠牲者」だと
いうことだ。


間奏曲(40)人文死生学研究会開催

2008-03-28 | 間奏曲
明日午後、明治大学で、人文死生学研究会と心の科学の基礎論研究会の
合同研究会が開催されます。

(趣旨) かって死はタブーでしたが、近年は死生学の研究も盛んになって
おり、その多くは臨床死生学です。しかし、自分自身の死についての洞察が
臨床死生学の基礎には必要と思われます。人文死生学研究会は、そうした
一人称の死に焦点を当て、哲学、倫理学、宗教学、心理学、人類学、精神
医学から宇宙論にまで及ぶ、学際的な思索と研究の場として発足しました。
http://www.01.246.ne.jp/~koma2/kokoro/

1 宗教人類学特集
   話題提供「シャーマニズム、死、沖縄、平和学」
                佐藤壮広(東邦大学、宗教人類学)
   話題提供「一人称的実験心理学としてのフィールドワーク
        ~臨死体験と過去生記憶体験を例に~」
                 蛭川立(明治大学、宗教人類学)
2 合評会『多宇宙と輪廻転生』(三浦俊彦、青土社、2007年)
   話題提供(書評担当)       重久俊夫(西洋史、哲学)
   指定討論       三浦俊彦(和洋女子大、論理学、哲学)


ガンツフェルト懐疑論争:95年までの実績

2008-03-27 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-8)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(8)95年までの実績

今後のガンツフェルト実験によって様子が分かると言うハイマンの
主張に応じて、慎重な実験が重ねられた。

1995年までで、主要な研究所の実績は次のとおり。
 ホノートンのPRL研究所:     354セッションで34%の正答
 ビールマンのアムステルダム大学:124セッションで37%の正答
 モリスのエジンバラ大学:      97セッションで33%の正答
 ライン研究センター:         100セッションで33%の正答
 総計         :        675セッションで34%の正答

それを受けてカリフォルニア大学デイヴィス校の統計学者ジェシカ・
アッツは、科学的方法にのっとって実在する現象とみられる、また
実験の方法上の不備だけで、この一貫した現象を説明できない、
と主張している。


ガンツフェルト懐疑論争:自動ガンツフェルト

2008-03-25 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-7)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(7)ガンツフェルトの自動化実験

議論の残る問題を封じた厳密なガンツフェルト実験が、ホノートンらに
よって1983年に開発され、およそ89年まで続けられた。

この実験は、ターゲット選定から被験者への呈示が完全自動化されて
おり、80種の静止画像と80種の動画映像を備え、主に、静止画より
動画映像ターゲットのほうが成績がよいことを示す目的をもっていた。

さらに、被験者がインチキを働けないかを、2人の手品師が吟味して
お墨付きを与えた。ひとりはプロのマジシャンでサイキック・エンター
テイナー連盟のスタッフであるフォード・クロスであり、もうひとりは
同連盟会員のマジシャンでかつコーネル大学の心理学教授でもある
ダリル・べムであった。ベムはこの後、ホノートンと共著で論文を出す
など、超心理学の研究者となっていく。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-4.htm

6年間で、ホノートンを含め8人の実験者が別々に自動化実験を行い、
総計240人の受け手が354セッションを行なっていた。そのうち122
セッションが正答であり、偶然期待値の25%に対して34%の正答率
であった。それまでのガンツフェルト実験とほぼ同率であった。偶然比
は45000分の1である。また、静止画の正答率が27%に対して、
動画映像は40%の正答率であり、仮説は支持された。

また被験者の特性との関連では、外向性、超心理現象の体験経験、
創造性、芸術性が有意になった。なかでも、芸術性との関連を調べる
ジュリアード芸術院学生20人を対象とした実験では、正答率が50%
になった(そのうち1人の学生は8セッションのうち6セッションに正答)。


間奏曲(39)ストークスの記事をめぐって

2008-03-24 | 間奏曲
衒学鬼さんより、以下のお知らせがあり、
『新・トンデモ超常現象56の真相』によると、2001年にダグラス・
ストークスが「報告バイアスの計算式自体が間違っており、お蔵入りに
なった実験は423件ではなくて62件で十分」という論文がある。

その論文の出典をNICEさんに教えてもらいました。本日それを読んで、
事情がおよそわかりましたので、報告します。

まず前置き:
そのストークスのまともそうな論文が、まさかスケプティカル・インクワイ
アラーの記事だったとは思いませんでした。ダンボールをひっくり返したら
その号、所有してました。該当記事の挿絵には、手品師がウォンド(杖)
を振ってシルクハットからウサギを何匹も出しているイラストが描かれ、
その前の記事は有名な幽霊伝説の発端を追う、で、次の記事はポケモン
マンガで日本では数千人の児童が不調を訴えたのが集団ヒステリーじゃ
ないの、で、その次の記事は、無作為に作った詩がノストラダムスの予言
のような効果を持つか、でした。 体裁上は、論文ではなく記事です。
超心理学者がまともに反論をしなかったとしても、当然だと思いました。

で、内容です。第1段階:
ストークスの記事は2000年のSPR掲載の論文をとりあげます。この論文で
は、実験方法を広く告知し、実験結果を報告してきた12人のデータを集め、
それらを総計して2778分の1で有意になった、加えて12×2778人もが
この実験をやっているはずない(問い合わせの数からして)ので、選択的
報告も含めても有意だと主張しているのだそうです。ストークスはこの掛算
部分を批判し、組み合わせの統計計算をして異議を唱えます。このSPR
論文の論理は、ストークスの主張の通りだとすると、確かに奇妙です。

第2段階:
このような事態がガンツフェルト実験で起きているとして、ストークスは、
同様の計算をガンツフェルトにそのまま適用したと言います。上のような
荒っぽい推測は、ガンツフェルト実験の分析にはないはずです。が、彼は
論理的推論ではなく、コンピュータシミュレーションをして、無作為な
90実験分のデータを生成し、そのうちの上位28実験をとったら10億分
の1程度の有意性が出たので、お蔵入りは62でよい、と言っています。

問題の評価:
コンピュータシミュレーションの細部が書かれてないので、はっきり評価
できませんが、ガンツフェルト実験のデータは、今や上位をとった固まり
ではなく、じょうごプロットになだらかに分布していることが示されています
(『量子の宇宙でからみあう心たち』176ページ)。すなわち、同じ
10億分の1のデータでも、高いデータと低いデータがそこそこ分布して
いるものは、90実験などの少ないシミュレーションでは出てこないと
言えましょう。また、ストークスの主張は結果としてシミュレーションに
よるお蔵入り推定という、全然別の方式を提案していることになり、超心理
学者がメタ分析の計算を間違えたかどうかという水準でなく、メタ分析法に
対して新たな異論を唱えていることになるでしょう。これは私の推測ですが、
ストークスの方法は、「後付データ選択」(たくさんのデータから作為的に
いいものだけ選ぶ)が起きていると想定する試算で(この想定はほとんど
データ捏造を想定するに等しく)、メタ分析の研究家は賛成しないと思います。


ガンツフェルト懐疑論争:NRC報告

2008-03-23 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-6)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(6)NRC報告

「130年以上行われてきた研究には、超心理現象の実在を示す科学的
根拠はなかった」と述べるNRC(米国研究評議会)の1987年12月の
報告は超心理学分野では悪名高い。

その3年前にNRCは、人間の能力を高めるという多くの方法の調査を、
陸軍の要請によって開始していた。調査代表は懐疑論者として知られる
ジョージ・ローレンスであり、超心理学の調査部会長はレイ・ハイマンと
なったのである。超心理学で調査対象となったのは、ガンツフェルト実験
のみであり、ハイマンはその2年ほど前に出していた共同コミュニケに
反して「ガンツフェルト実験の品質は驚くほど低い」と発表したのである。

NRCは外部の専門家にもいくつかの報告書を依頼していた。関係者から
超心理学者はいっさい排除されていた。外部専門家には、ジェームズ・
オルコック(ハイマンと同様サイコップのメンバー)などが当てられていた。

しかし、ハーバード大学の心理学者ロバート・ローゼンタールが外部専門
家に含まれており、計略にほころびができた。彼は、人間の能力を高める
という多くの方法のうちで、科学的に妥当なのはガンツフェルト実験だけだ
と報告し、加えて偶然では1/4の正答率のところ、ガンツフェルト実験
では1/3の正答率が得られていると結論したのである。ローゼンタールの
ところには、委員長から報告のとりさげを依頼する電話がかかってきたが、
彼は拒否したところ、彼の報告は、超心理学の部分には引用されない扱い
となった。超心理学者のパーマーらが内幕をあばく反論を展開したところ、
上院議員クレイボーン・ペルの目に留まり、国会技術査定部会で関係者を
集めたワークショップが88年9月30日に催された。その報告では「感情的
なことが実験結果の客観的な査定を妨げないように、広範囲の科学分野
のメンバーによって、公平に評価するべきである」とされている。

翌年ジョン・アレクサンダー陸軍大佐はNRCにブリーフィングした立場から、
NRC報告の偏りを指摘した。NRCは何を恐れて、証拠を否定しかつ対抗
意見を抑圧したのか、そういう見方をすべきと提唱している。


ガンツフェルト懐疑論争:共同コミュニケ

2008-03-22 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-5)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(5)共同コミュニケ

ガンツフェルト実験の論争をくりひろげていたハイマンとホノートンは、
1986年に論争を続ける代わりに、共同コミュニケを連名で発表した。
それによると、実験の有意性は、これまでの批判にあがっていた
ような実験上の不備では説明がつかない。しかし、その有意性を
ホノートンのように超心理で説明することにハイマンは同意しない。
この決着は将来の、より厳密な実験の結果に委ねられるとした。

メタ分析を確立した心理学者のリチャード・ローゼンタールは、共同
コミュニケのもとになった分析がいかに正当なものであるか、同年の
超心理学論文誌に寄稿し、両者の成果をたたえている。

※共同コミュニケの翻訳あり⇒読書ガイド33


ガンツフェルト懐疑論争:不完全なランダム化

2008-03-20 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-4)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(4)不完全なランダム化

ガンツフェルトの実験上の不備について次に指摘されたのは、
ターゲットの選定が完全にランダムにはなっていない、とする
ものである。実験上で重要な点は、ターゲット候補から等確率に
ターゲットが選ばれることと、ターゲット候補が受け手に提示
されるときにその提示順におけるターゲットの位置に偏りがない
ことである。

ランダム化の不備をめぐってハイマンとホノートンの意見は対立
し、その対立は他の研究者もハイマン側とホノートン側に2分した。
最終的には、ハイマンがランダム化の不備で結果全体を説明
することはできない、と認める(共同コミュニケ)のであるが、
ハイマン側の研究者はほとんど認めることはなかった。唯一、
英国の数学者クリストファー・スコットが、ホノートンの議論は
ESPの存在を確信させる議論だったと評するのである。


ガンツフェルト懐疑論争:情報の漏洩

2008-03-19 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-3)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(3)情報の漏洩

ガンツフェルト実験に対する次の批判には、実験上の不備がある。
その代表的なものは、ターゲットの情報が、通常の感覚で感知
できるかたちに漏洩しているとするものである。

ガンツフェルト実験では、受け手をシールドルーム内に感覚情報
を遮蔽した状態でおくので、情報漏洩の可能性は低い。しかし、
懐疑的批判では、実験者がターゲットを知っていることで、被験
者の選択に間接的に影響を与えているとしている。ひとつの実験
において、この問題があることが発覚したが、この実験結果は
平均期待値以下の成績だった(標準方法では実験者もターゲット
を知らないダブルブラインドで行なう)。

また、ターゲット候補の絵のうちの1枚をターゲットに選択して
送り手に渡したうえ、実験終了時にその絵そのものを他の候補と
ともに被験者に見せている問題が指摘された。送り手にわたった
ことで傷や指紋がついていて判明してしまう可能性である。確かに
初期のガンツフェルト実験ではこの問題があり、のちにターゲット
候補は、同じ絵が2組準備され、送り手と受け手に別々に使われる
ようになった。ホノートンは問題のある実験を除去して、残りの実験
をメタ分析したところ、それでも10万分の1の有意性であった。

ハイマンは、情報漏洩と実験の有意性の間に体系的な関連性は
見られないと結論した。


ガンツフェルト懐疑論争:選択的報告

2008-03-18 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-2)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(2)選択的報告

ガンツフェルト実験に対するハイマンの次の批判は、選択的報告に
関してであった。うまくいった実験のみを報告しているとか、うまく
いったところで、実験を恣意的に打ち切っているといったものだった。

選択的報告は今日さまざまな分野で大きな問題となっているが、
超心理学協会(PA)は、1975年にいちはやく、失敗実験も
すべて報告する取り決めとした。1980年には、懐疑論で名高い
スーザン・ブラックモアが未報告実験がないか調査したところ、
19実験が見つかったが、そのうちの7実験は有意な結果であった。

それでも未報告のお蔵入り実験は問題が残るので、ホノートンは
メタ分析の方法で、報告された28実験に対して、それを有意で
なくするには、有意でないいくつの実験がお蔵入りになってないと
いけないかを計算した。その結果は423実験となり、ガンツフェルト
の実験時間と設備からして、とうてい考えられない。ハイマンも
選択的報告ではガンツフェルト実験の有意性を説明できないと
認めるに至った(1986年の共同コミュニケ)。


ガンツフェルト懐疑論争:評価基準の変動

2008-03-17 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(7-1)>
第7章:ガンツフェルト懐疑論争
(1)評価基準の変動

ガンツフェルト実験に対する最初の懐疑的批判は、サイコップの設立メンバー
である心理学者レイ・ハイマンによって1985年になされた。ガンツフェルト
研究者であるホノートンが行なった、メタ分析に対する批判であった。それを
受けてホノートンは反論をする。

ハイマンの最初の指摘は、実験の評価基準が一定でないというものであった。
ホノートンは、実験の評価を一定にし、過去の論文も全体のデータが書かれて
いるものについては、評価をやりなおした。その結果、評価対象が28の研究
に減ったが、そのうち23は依然として有意な結果であった。これらは10の
異なる研究室の成果であるので、研究室ごとに評価しても6研究室の成果が
有意になっていた。これは、上位2研究室の成果を取り除いて8研究室で
評価しても、1万分の1の有意性であった。


テレパシー実験の始まり

2008-03-16 | 懐疑論争
<超心理学と懐疑論者たち(6)>
第6章:テレパシー実験の始まり

ESPの強制選択実験に代わり、1970年代には自由応答実験が
始まる、としてドリーム・テレパシー実験とガンツフェルト実験を解説
している。この章には懐疑論の話は書かれていない。

これらの実験はもうおなじみだろうが、念のため:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-1.htm
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-2.htm


間奏曲(38)ヒーリング効果指標の開発

2008-03-15 | 間奏曲
間奏曲(38)ヒーリング効果指標の開発

本日と明日、東京電機大学で国際生命情報科学会シンポジウム
が開催される。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/islis/sjis/islis.htm

小久保秀之氏の研究:
きゅうりに光続けるようにヒーリングしたもののバイオフォトンを
対照測定することで、J値という指標を算出すると、ヒーラーの
熟練度とよく相関するそうだ。統計値ではないので、一回の
実験でヒーラーの能力を査定できる可能性が出てくる。

#参加した方は感想を教えてください。