超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

超心理の応用技術

2007-08-29 | からみあう心たち
からみあう心たち(36)・・・徳間書店より近刊

統計的な誤り訂正技術を適用すると、超心理の効果をあげられる
ことが知られている。1998年プリンストン大学が中心になって
出願された人間の意図作用を検出して働くスイッチに米国特許が
認可された(第5830064番)。←WEBで明細書検索可

将来の超心理は、新種のコミュニケーションと予知の中核技術に
使われていることだろう。

いつの日か超心理研究は、今日の経済学や生物学の入門と同様
に、大学で教えられるようになるだろう。もはや論争の的とされる
こともなく、自然についての諸学問と同様、よく整備された教育
課程の一部として学ばれるのだ。そのときはもう、超心理は
かつて科学から遠い辺境に追いやられていたなどと、覚えている
者はだれもいないだろう。新たに、今では想像もできないことが、
論争の的になっているにちがいない。(終わり)


超心理と進化

2007-08-28 | からみあう心たち
からみあう心たち(35)・・・徳間書店より近刊

超能力があったほうが生物進化上有利に思えるが、私たち
みなが超能力を身につけていないのはなぜだろう。

ひとつの仮説は、超能力には膨大な情報処理が必要で、
認知的負荷が高く、やみくもに能力発揮しようとすると
精神錯乱状態になるというもの。天才は進化上有利だが
私たちの多くは、それほど天才でないのはそのためか。

あるいは、私たちの気づいていないところで、進化はもう
それを利用しているのかもしれない。物理学者ヨハン・
ズムハマーは、量子的からみあいにある昆虫は、共同作業
の効率が何割も向上すると論じている。私たちのコミュニ
ケーションの隅々には超能力が潜んでいるということか。


超心理の特性

2007-08-27 | からみあう心たち
からみあう心たち(34)・・・徳間書店より近刊

ミッシング:正しいターゲットを有意に避ける傾向
否定論者は超心理の証拠を目にしたくないので、その願望にあわせた
かたちで現象がおきる。(実験では事前に否定論者であることを確認
した被験者を対象にこの傾向が検証されている)

転移(転置)効果:時空間上で近接した別のターゲットを当てる傾向
指定のターゲットよりも別の魅力的なものに心を奪われてしまう結果
であろう。(ESPを働かせること自体よりも、それを所定のターゲット
に焦点化させるほうが、一般に難しいのではないかと思われる)

下降効果:繰りかえしているうちに効果が低下する傾向
被験者が退屈してきて、集中力を欠いてくることが原因のようである。

実験者効果:特定の実験者がよい成績を得やすい傾向
これは実験者の技能の現れであり、弁護士やエンジニア、経営者など、
高度な仕事には、一様に見られる現象である。

傍観者効果:誰が見ているかで成績が変わってくる傾向
スポーツの試合でもアウェイよりホームで勝率が高い傾向がある。
精神集中が必要な仕事には、当然ありえる傾向である。




超心理と意識

2007-08-26 | からみあう心たち
からみあう心たち(33)・・・徳間書店より近刊

超心理現象は夢見や瞑想などの変性意識状態のほうが
おきやすい。これは、日常の覚醒状態は、通常の感覚に
意識が向かう傾向になっているために、超心理の知覚が
さまたげられているからに違いない。

フランスの哲学者アンリ・ベルグソンは、意識が過剰な
刺激で圧倒されないように脳がフィルターをかけ、その
結果、私たちが身体的な生存に注力できていると考えた。

私たち一般が自覚する意識は、超心理現象を排除する
ように働いている可能性がある。(さらにいうと、排除する
ことで成立している可能性さえもある。)


超心理の理論―量子力学的理論

2007-08-25 | からみあう心たち
からみあう心たち(32)・・・徳間書店より近刊

量子力学は、現代の「物の理論」の最先端であり、
かつ、奇妙な世界観を与えるものであるため、
超心理学の理論に活用が模索されている。代表的
なところでは、次の観点から試みがなされている。

・観測理論(観測による波束の収縮を利用)
・情報システムモデル(ルカドウによる特殊理論)
・弱い量子論(相補性の活用)
・ボームの暗在系/明在系
・スタップ=ノイマンの理論

うしろの2つは本流物理学の理論であるが、そこに
超心理の観点をもりこめるという指摘である。しかし
どれも、決定的な理論化には至っていない。

「からみあう心たち」もこうした量子理論の延長にあり、
「私たちの心と脳の一体システムは量子物体のように
ふるまう」という全体論的ヴィジョンを提案している。




超心理の理論―多次元理論

2007-08-24 | からみあう心たち
からみあう心たち(31)・・・徳間書店より近刊

時空間に次元を付け加えるだけで、これまでの物理学を
そのままにして、超心理現象が「容易に説明」できてしまう。

たとえば、ラウシャーとターグの複素時空間理論がある。

ところが、どんなときに超心理現象が起きるか起きないか、
心とどのような関係になっているか、などの具体的な説明
がなされていない。


超心理の理論―場の理論

2007-08-23 | からみあう心たち
からみあう心たち(30)・・・徳間書店より近刊

ユングの集合無意識
シェルドレイクの形態形成場
パーシンガーの地球磁場理論

これらの理論では時空を超えて広がる、ある種の非局所的な
「記憶」が仮定されており、それに私たちが同調し共鳴する
としている。

ほかにもジェームズやマイヤーズの「精神の場」理論がある。

新しいところでは、ハーディが意味論的場の理論を提唱して
いる。その説では、心を「経験と遺伝子と文化状況からくる
意味論的布置が集まった構造」としてとらえる。この布置の
集まりは、ダイナミックにからみあった自己組織化ネットワーク
であり、超心理現象は、その意味論的ネットワークをつなぎ
あわせる手段とされる。

超心理の理論―目的指向理論

2007-08-22 | からみあう心たち
からみあう心たち(29)・・・徳間書店より近刊

超心理現象は、実験機器がどんな物理システムでできているかや、
どの程度複雑かであるかによらないとみられている。

シュミットの量子論の拡張
スタンフォードの適合行動理論
ソルボーンのサイコプラクシア
メイの決定増大理論

これらはみな、超心理の目的指向の特性を説明できるような要素を
含めて理論を構築した試みと考えられる。

超心理の理論―信号伝達理論

2007-08-21 | からみあう心たち
からみあう心たち(28)・・・徳間書店より近刊

信号伝達理論は、ある種の物理的な波が超心理情報を運ぶ、
とするものである。昔はこの種の立場で超心理を究明しよう
という試みが多かったが、問題が多く、現在は人気がない。

問題は第1に、物理的な波は距離や障害物に応じた低下が
起きるが、実験では遠隔地のシールドルームでも効果が出て
いる。第2に、予知や過去知などの時間を越えた効果が説明
できない。第3に、その波から被験者がどのように超心理情報
を引きだすかが、少なくともこれまでは説明されてないのである。

地球意識プロジェクト

2007-08-19 | からみあう心たち
からみあう心たち(27)・・・徳間書店より近刊

フィールド意識実験を地球規模に拡大し、人々の地球規模の感情的な
同調が起きたときに、世界各地の乱数発生器に起きる組織的な変化
の現れをみようと、プリンストン大学を拠点として地球意識プロジェクト
が発足した。

http://noosphere.princeton.edu/のprimary resultsページによると
先日のペルー地震に至るまで234の世界的イベントの総計で
百万分の1規模の有意な片寄りが見られている。(なかでも特異的
なのは9・11テロである。上述のページの該当日のリンク参照)

これらは、インターネットを通じて世界数十箇所の乱数発生器の
データをプリンストンに一元的に自動収集している。データは常時
公開されており、誰でもダウンロードして分析できる。

日本からは明治大学が本プロジェクトに参画している。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-7.htm


フィールド意識実験

2007-08-18 | からみあう心たち
からみあう心たち(26)・・・徳間書店より近刊

もし心と物とが連関しているならば、心と物との一方が高度に組織化
しているときには、もう一方にも奇妙な組織的変化が見られるはずだ。

人々の一体感にあふれた場(瞑想の会や宗教的儀式など)に設置した
乱数発生器のランダムさが減少すれば、同調した心がそのフィールドを
秩序づけたのでは、と推測できる。

ウィリアム・ロウは、創造的な討議の場では、たびたび「人々が一体に
なったエネルギー」を感じることから実験を試みた。彼は、乱数発生器を
設置して、エネルギーを感じた討議と、乱数出力が一分以上偶然から
片寄った討議が一致するかを調べた。実験計画が事前に設定されたうえで、
11回の討議が行なわれ、参加者がエネルギーを感じた回は8回あり、
すべてで乱数出力が片寄り、残りの3回では片寄りは見られなかった。

2005年までに世界で100以上のフィールド意識実験が行なわれ、
全体として大人数の一体感にあふれた活動と、RNGの乱数出力の異常な
組織化とが同期する傾向が強く示されている。

予知実験のメタ分析

2007-08-17 | からみあう心たち
からみあう心たち(25)・・・徳間書店より近刊

ホノートンとフェラーリは1937年から87年までの、強制選択の
全予知実験をメタ分析し、89年に報告した。

62人の研究者による113の論文から309実験を集め、偶然比
10の25乗分の1であった。すべてを未報告で説明しようとすると、
14268の実験が必要である。

さらにエジンバラ大学では、透視(現在のターゲットの)と予知
(未来のターゲット)を同種の実験で行なっている実験に注目し、
両者を比較したメタ分析をした。

その結果、透視と予知では効果の大きさが同程度であった。
ESPは現在のできごとと未来のできごとを同程度に知覚できる
ことになる。

予知の効果は生理学指標でよく再現でき、予感実験として多くの
種類が行なわれている。予感仮説によれば、私たちの無意識は
つねに未来をスキャニングしており、未来のできごとに対する
準備をしているとされる。

乱数念力実験のメタ分析

2007-08-15 | からみあう心たち
からみあう心たち(24)・・・徳間書店より近刊

プリンストン大学で行なわれた、乱数ビットを0に偏らせたり1に偏らせたり
する念力実験は数々の追試が行なわれたが、2003年までの全報告を
ラディンはメタ分析した。

480の実験で、総計11億ビットが対象となっており、じょうごプロットでは
105の推定未報告実験をおぎなって、偶然比は3050分の1であった。
すべてを未報告で説明しようとすると、2610の実験が必要であり、1実験
あたり5実験以上をお蔵入りさせたことになる。

サイコロ念力と同様に1秒あたりの発生乱数を増やすと、念力検出率をあげ
られる傾向が見られている。ただし超高速乱数の実験例では否定的な
結果も報告されている。



サイコロ念力実験のメタ分析

2007-08-14 | からみあう心たち
からみあう心たち(23)・・・徳間書店より近刊

1930年代から1989年までに行なわれた、指定された目を念じながら
サイコロを(ときには複数)ふる実験について、1991年ラディンとフェラーリ
はメタ分析した。73の研究報告の総計148の実験で、実施実験や厳密性を
一覧表にして分析したところ、効果は小さいものの、結果は非常に顕著に、
厳密な状況下での念力の証拠が見られた。

もし成功実験が一部の研究者に偏っていたら、ねつ造やインチキが疑われる。
そこで、3つ以下の報告しかしていない研究者の実験(64%)だけで分析した
ところ1兆分の1で有意、高いスコアの成功実験(35%)を取り除いて分析
しても300万分の1で有意であった。また、じょうごプロットでお蔵入り効果
を補正したうえでもきわめて有意であった。なお、対照実験(念じずにサイコロを
ふる)の総計は偶然範囲にとどまっていた。

念力の働き方は、個々のサイコロをコントロールするのではなく、念じた目が出る
事前確率が一様にあがるように働くようであり、たくさんのサイコロを同時に
ふったほうが、1回あたりの念力の検出効果は高くなる。


無意識のレベルにあらわれる超心理

2007-08-13 | からみあう心たち
からみあう心たち(22)・・・徳間書店より近刊

ESPが本人に自覚されない状態で、生理学的指標に影響を
与えること、意識レベルに自覚したときよりも正確であること
が知られている。

送り手が感情的な画像を見たときに次のような測定を行なう
ことで、信号を測定できる。なかには、すでに別の目的で
発表された実験データでも、発見された例がある。
1)自律神経系:皮膚電気伝導度(発汗作用)、心拍
2)中枢神経系:脳波、MRI(脳の部位も特定)
3)内臓神経系:内臓電位