超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

超能力の実在をめぐる懐疑論争

2012-08-15 | 封印された科学
封印された科学(3)
紀伊國屋書店『超心理学~封印された超常現象の科学』

この本の第3章では、超能力の実在をめぐる論争が紹介される。
良質な懐疑論争は少なく、あるかなしかの水かけ論に終始しがち
である。懐疑論者を自称する人々の中には、実態を十分に調べず
古いデータや他人の粗い議論を引用して、超能力の否定論を展開
している。

そのかたくなな否定論者は、超能力はありえないとか、超能力の
主張者は虚偽か幻覚にとらわれているなどの、固定観念にとらわ
れている。否定論議のどこが問題かを、文献を具体的に引用して
指摘している。

統計を駆使したまともな議論を展開する文献は目立たず(そうした
本は売れず)、やみくもの肯定論やかたくなな否定論を展開する
文献が幅を利かす状態が、研究実態を社会から隠す(封印する)
傾向を生んでいる。



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3 コメント

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Unknown (衒学鬼)
2012-08-26 18:40:35
『超心理学 封印された超常現象の科学』刊行おめでとうございます。

>懐疑論者を自称する人々の中には、実態を十分に調べず古いデータや他人の粗い議論を引用して、超能力の否定論を展開している。

タレントの松尾貴史が書いた『なぜ宇宙人は地球に来ない? 笑う超常現象入門』(PHP研究所、2009)もその典型でした。
ラインによる透視実験の杜撰さはコントのようだと笑い者にして、さらにはC・E・M・ハンセルによるピアース=プラット実験への反論を引用するという体たらく。
勿論、フィオナ・スタインカンプによるライン実験のメタ分析や、イアン・スティーブンソンによるハンセルへの反論は完全無視です。
出典は明らかにされていませんが、『ハインズ博士「超科学」をきる』のPart1と『アーサー・C・クラーク 超常現象の謎を解く』のPart2を書き写しただけなのは明白でした。
自称懐疑論者さんから車を買うのはやめた方が良さそうです。
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Unknown (Matt Ishikawa)
2012-08-26 21:59:50
『ハインズ博士「超科学」をきる』のPart1は、問題ですね。
第3章にも、そこからの引用が多くありました。
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まだわからない (Unknown)
2016-04-06 21:30:32
心からあって欲しいと願う者です。が、物心つき30年、いまだ確証がありません。客観的に見てトリックや不備の部分が見えてしまいます。生きてるうちに本物を見たい。
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