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ベトナム 国への思い サンダルに込めて

2015-10-12 07:15:00 | 報道/ニュース

10月3日 おはよう日本


ベトナムの首都ハノイ。
狭い路地を抜けた先に
市内でただ1人
タイヤを使ったサンダル作りを続けている職人がいる。
ファム・クアン・スアンさん(73)。
数十種類の工具を駆使し50年以上変わらないやり方で作ってきた。
このサンダルが広く使われるようになったのはベトナム戦争である。
物資が乏しく良い靴が充分になかった時代。
うっそうとしたジャングルや沼地など過酷な環境で戦う兵士たちの足を守るため
どこにでもあった古タイヤを利用した作られた。
建国の父 ホー・チ・ミン主席も愛用。
質素倹約を重んじたホー主席は
このサンダルを履いて外国での公式行事に臨んだり国内各地をめぐったりした。
いつからか「ホー・チ・ミンサンダル」とも呼ばれ
祖国を守り抜いた闘争のシンボルとなった。
(ファム・クアン・スアンさん)
「昔は靴がなかったから兵士だけでなくみんながゴムサンダルを履いていた。
 1にt500足作ったこともあった。」
しかし戦後 経済成長に伴い国民に愛されたサンダルは見向きもされないようになった。
(ハノイ市民)
「見た目が貧乏臭く使い勝手が悪い。」
「僕の世代はもうはきませんよ。」
ベトナムの歴史が込められたサンダルをなんとか後世に伝えたい。
スアンさんの娘婿のグエン・ティエン・クオンさん(36)は
10年間勤めていたIT企業の副社長の座をなげうってサンダル作りを手伝い始めた。
(グエン・ティエン・クオンさん)
「歴史的にも文化的にも世界に類を見ないとても価値のあるものだと思う。
 この伝統が途切れないようなんとか守っていきたい。」
クオンさんがまず手掛けたのがデザインの改良である。
若者向けのサンダルを創作
飛行機で使われている特殊なタイヤを使うなど素材も工夫した。
また情報の発信にも力を入れている。
ホームページを起ち上げ
戦時中に使われたものから最新のものまでさまざまな種類を紹介。
さらに週末にはホー・チ・ミン氏の業績を紹介する博物館で
訪れた学生らにサンダルがつくられた歴史的な背景を説明している。
(学生)
「職人の巧みな技で作られていることや
 歴史についてもよく知ることができた。」
クオンさんの取り組みによってタイヤを使ったサンダルに再び注目が集まり始めている。
IT業界の有望な経営者として国民に広く知られる男性も愛用するようになった。
「以前のサンダルはあまり加工よくなかったが今のデザインはいい。」
戦争の記憶が薄れていくなか
サンダルに込められたベトナムの誇りを伝えていきたいとクオンさんは考えている。
(グエン・ティエン・クオンさん)
「このサンダルには歴史のものが足りた詰まっていて
 とても価値がある。
 サンダル作りを発展させる重い責任があると感じている。」

クオンさんはベトナム政府に対し
スオンさんをいわば「現代の名工」の1人に認定するよう働きかけ
政府も前向きに検討しているということである。


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