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気配への感度

2013-11-30 07:00:00 | 編集手帳
11月24日 編集手帳

野外の虫捕りに必要な要素の一つに、
気配を感じ取ることがあるという。
5年前に出版された「虫捕る子だけが生き残る」(小学館)の中で、
虫好きの仏文学者、奥本大三郎さんが書いていた。

子供の時分に虫を捕らなかったせいだろうか、
近頃の若者は、
人の気配を察する能力が衰えている。
そう感じるようになったのは、
スマートフォンが普及する少し前だったと記憶している。

書店に入るとよくわかる。
目当ての本のコーナーに若者がいると、
すぐ近くに立っても、なかなか場所をあけてくれない。
わざとではなく気づかないのである。
同じもどかしさを、
雑踏や駅のホームで味わうことも少なくない。

われわれオヤジ世代は違ったと言い切る自信もないが、
もどかしさを感じる頻度がスマホの普及後に増えたといえば、
どなたからも異論はなかろう。
歩きながらスマホを使う「歩きスマホ」を標的にしたひったくり事件が東京で起き、
容疑者が逮捕されたという記事を読んだ。

自分を守るためにも気配への感度を取り戻したい。
お子さんを連れて、
冬ごもりの準備を始めた虫を枯れ枝に訪ねるのもいいだろう。
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