10月26日 NHK海外ネットワーク
開幕まであと100日余りとなった冬のオリンピック。
その開催地であるロシア南部のソチ。
黒海に面した保養地である。
10年ほど前のソチ一帯は緑が目立っていたが今では近代的な街並みに様変わりした。
競技施設が外国メディアに公開された。
スピードスケート会場やスキーのジャンプ台などの建設は終わり組織委員会は作業は順調に進んでいると紹介している。
しかし開会式が行われるメインスタジアムは一部で骨組がむき出しで今も工事中である。
準備の遅れが懸念されている。
建設費用の当初の見込みの4倍以上に膨れ上がった。
9月に現地を視察したプーチン大統領。
「私が頻繁に来て自分でチェックする。
全員が急ピッチで取り組むように。」
自らソチへの招致を実現させたプーチン大統領は
今回のオリンピックを絶対に成功させたいという強い思いがある。
措置のあるロシア南部は貧しい地域が多くイスラム過激派によるテロの温床にもなっている。
措置オリンピックをきっかけに地域を発展させ
雇用の確保と貧困の解消につなげることで治安の安定をはかる狙いがあるのである。
ロシア南部では10月21日にも自爆テロが起き6人が死亡した。
テロを封じ込めることも大きな課題になっている。
プーチン政権主導で準備が進められてきた今回のオリンピック。
6年前に開催が決まって以来措置の中心部では建設ラッシュが続いている。
新築マンションの価格もロシアの地方都市としては異例の高さになっている。
ソチ市内ではマンション価格が高騰する中で一部屋当たりの価格が日本円にして1億を超える物件も出てきている。
地価は開催決定前と比べて30%上昇。
不動産業者はどんなに高い物件でも売れ行きは良くオリンピック後も人気は衰えないと強気である。
(地元の不動産業者)
「オリンピック後もマンションの需要は伸び続けるだろう。」
さらに食料品などの消費者物価は開催決定直後に15%ほど上昇。
その後も物価は上がり続け住民の暮らしに大きな影を落としている。
(ソチの住民)
「物価は上がっている。
もともと高かったのに。」
「ひどいです。
この町では普通の暮らしができない。」
長年ソチで暮らすアンナ・プーラシンスカヤさん(55)。
物価の高騰で一つの仕事だけでは生活が成り立たなくなりかけもちでビルの清掃をするようになった。
生活にかかる費用はこの5年間で6割増しになった。
品質は多少悪くても安い野菜を選ぶなど生活費を切り詰めざるを得ない。
ソチオリンピックの恩恵を感じるどころか今ではソチを離れることを考えている。
(アンナ・プーラシンスカヤさん)
「何でもかんでも物価が上がりこれからもっと高くなると言われている。
安いものを買うにはどこへ行けばいいのか見当もつかない。
オリンピックのせいで生活は苦しくなった。」
リオデジャネイロでのオリンピックは南米で初めての開催とあって
ブラジル政府は大会を成功させようと国を挙げて取り組んでいる。
スタジアムの建設など総事業費は約1兆3,000億円。
街ではその準備の真っ最中。
そうしたなか国民もオリンピックに沸いているかといえば・・・。
10月にリオデジャネイロで起きた政府への抗議デモには約5万人が参加した。
ブラジルでは今年6月以降 各地でデモが続いている。
「国はオリンピックやワールドカップを開催するお金があるというのに
教育や医療サービスのためのお金はどこにいったのよ。」
競技施設に税金を使うぐらいなら生活を良くしてほしいと訴えている。
経済成長著しいブラジルではここ数年 物価は毎年6%ほどの上昇を続けている。
さらに不動産価格も高騰。
リオデジャネイロでは3年間でほぼ倍になった。
デモの規模は縮小しつつあるが国民の不満はくすぶり続けていて政府は批判をかわすための政策を進めている。
オリンピックに向けてとくに重要視しているのが暮らしやすい環境づくりである。
“ファベーラ”と呼ばれる貧しい人たちが住む地域。
かつては麻薬犯罪組織に支配され警察ですら入ることができない地域だった。
オリンピック開催が決まり治安対策を最優先課題に掲げたブラジル。
3年前 リオデジャネイロ最大のファベーラに警察官3000人を動員し犯罪組織との全面対決に踏み切った。
その結果 約200人を逮捕。
地域から犯罪組織を一掃したのである。
「歴史的なこと。
警察が介入するのは初めて。
すばらしいです。」
現在も警察官が常駐してパトロールを行うなど治安維持にあたっている。
殺人や強盗などこの地域での犯罪は大幅に減少した。
2年前にはロープウェイも開通。
観光客も訪れるようになった。
(観光客)
「強盗など安全面の不安がなくなったのでここに来た。
素敵な観光コースです。」
こうした変化の波に目をつけた人もいる。
ワグナー・ダシルバさんはファベーラにある宿泊施設のオーナーである。
3年前 400万円ほどかけて住宅を改造しオープンにこぎつけた。
以前は考えられなかったファベーラでの観光客の宿泊。
オリンピックの開催が街を様変わりさせたのである。
(宿泊施設オーナー ワグナー・ダシルバさん)
「人々のファベーラを見る目ががらりと変わった。
私たちにとってはありがたいチャンスだ。」
オリンピックの本番まであと3年。
人々の期待や不満が入り混じるなか準備が進む。
開幕まであと100日余りとなった冬のオリンピック。
その開催地であるロシア南部のソチ。
黒海に面した保養地である。
10年ほど前のソチ一帯は緑が目立っていたが今では近代的な街並みに様変わりした。
競技施設が外国メディアに公開された。
スピードスケート会場やスキーのジャンプ台などの建設は終わり組織委員会は作業は順調に進んでいると紹介している。
しかし開会式が行われるメインスタジアムは一部で骨組がむき出しで今も工事中である。
準備の遅れが懸念されている。
建設費用の当初の見込みの4倍以上に膨れ上がった。
9月に現地を視察したプーチン大統領。
「私が頻繁に来て自分でチェックする。
全員が急ピッチで取り組むように。」
自らソチへの招致を実現させたプーチン大統領は
今回のオリンピックを絶対に成功させたいという強い思いがある。
措置のあるロシア南部は貧しい地域が多くイスラム過激派によるテロの温床にもなっている。
措置オリンピックをきっかけに地域を発展させ
雇用の確保と貧困の解消につなげることで治安の安定をはかる狙いがあるのである。
ロシア南部では10月21日にも自爆テロが起き6人が死亡した。
テロを封じ込めることも大きな課題になっている。
プーチン政権主導で準備が進められてきた今回のオリンピック。
6年前に開催が決まって以来措置の中心部では建設ラッシュが続いている。
新築マンションの価格もロシアの地方都市としては異例の高さになっている。
ソチ市内ではマンション価格が高騰する中で一部屋当たりの価格が日本円にして1億を超える物件も出てきている。
地価は開催決定前と比べて30%上昇。
不動産業者はどんなに高い物件でも売れ行きは良くオリンピック後も人気は衰えないと強気である。
(地元の不動産業者)
「オリンピック後もマンションの需要は伸び続けるだろう。」
さらに食料品などの消費者物価は開催決定直後に15%ほど上昇。
その後も物価は上がり続け住民の暮らしに大きな影を落としている。
(ソチの住民)
「物価は上がっている。
もともと高かったのに。」
「ひどいです。
この町では普通の暮らしができない。」
長年ソチで暮らすアンナ・プーラシンスカヤさん(55)。
物価の高騰で一つの仕事だけでは生活が成り立たなくなりかけもちでビルの清掃をするようになった。
生活にかかる費用はこの5年間で6割増しになった。
品質は多少悪くても安い野菜を選ぶなど生活費を切り詰めざるを得ない。
ソチオリンピックの恩恵を感じるどころか今ではソチを離れることを考えている。
(アンナ・プーラシンスカヤさん)
「何でもかんでも物価が上がりこれからもっと高くなると言われている。
安いものを買うにはどこへ行けばいいのか見当もつかない。
オリンピックのせいで生活は苦しくなった。」
リオデジャネイロでのオリンピックは南米で初めての開催とあって
ブラジル政府は大会を成功させようと国を挙げて取り組んでいる。
スタジアムの建設など総事業費は約1兆3,000億円。
街ではその準備の真っ最中。
そうしたなか国民もオリンピックに沸いているかといえば・・・。
10月にリオデジャネイロで起きた政府への抗議デモには約5万人が参加した。
ブラジルでは今年6月以降 各地でデモが続いている。
「国はオリンピックやワールドカップを開催するお金があるというのに
教育や医療サービスのためのお金はどこにいったのよ。」
競技施設に税金を使うぐらいなら生活を良くしてほしいと訴えている。
経済成長著しいブラジルではここ数年 物価は毎年6%ほどの上昇を続けている。
さらに不動産価格も高騰。
リオデジャネイロでは3年間でほぼ倍になった。
デモの規模は縮小しつつあるが国民の不満はくすぶり続けていて政府は批判をかわすための政策を進めている。
オリンピックに向けてとくに重要視しているのが暮らしやすい環境づくりである。
“ファベーラ”と呼ばれる貧しい人たちが住む地域。
かつては麻薬犯罪組織に支配され警察ですら入ることができない地域だった。
オリンピック開催が決まり治安対策を最優先課題に掲げたブラジル。
3年前 リオデジャネイロ最大のファベーラに警察官3000人を動員し犯罪組織との全面対決に踏み切った。
その結果 約200人を逮捕。
地域から犯罪組織を一掃したのである。
「歴史的なこと。
警察が介入するのは初めて。
すばらしいです。」
現在も警察官が常駐してパトロールを行うなど治安維持にあたっている。
殺人や強盗などこの地域での犯罪は大幅に減少した。
2年前にはロープウェイも開通。
観光客も訪れるようになった。
(観光客)
「強盗など安全面の不安がなくなったのでここに来た。
素敵な観光コースです。」
こうした変化の波に目をつけた人もいる。
ワグナー・ダシルバさんはファベーラにある宿泊施設のオーナーである。
3年前 400万円ほどかけて住宅を改造しオープンにこぎつけた。
以前は考えられなかったファベーラでの観光客の宿泊。
オリンピックの開催が街を様変わりさせたのである。
(宿泊施設オーナー ワグナー・ダシルバさん)
「人々のファベーラを見る目ががらりと変わった。
私たちにとってはありがたいチャンスだ。」
オリンピックの本番まであと3年。
人々の期待や不満が入り混じるなか準備が進む。