goo blog サービス終了のお知らせ 

日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

ノーベル賞経済学者スティグリッツ氏に聞く アメリカと日本の今

2013-11-15 07:03:52 | ビズ プラス
11月3日 BIZ+SUNDAY


ノーベル経済学賞受賞(2001年) アメリカコロンビア大学教授 ジョセフ・スティグリッツ氏。
行き過ぎた市場主義が格差の拡大を呼んだと批判をして政府の役割が重要だとする立場である。
教授はアベノミクス支持の立場でもある。
来日したスティグリッツ教授は今のアメリカと日本をどう見るのか。

Q.世界経済最大の懸念は以前は日本と言われていたが今やアメリカのようだ。
(コロンビア大学 ジョセフ・スティグリッツ教授)
「アメリカ政府の機能不全は政治問題と同時に社会問題が根底にある。
 共和党と民主党の対立があまりに激しくなっている。
 両社の世界観が違いすぎる。
 アメリカは貧富の格差で二極化した。
 わずか1%の階層に富が集中し巨大な政治力を持つようになった。」

2011年10月 全米で広がったウォール街への抗議運動“オキュパイ・ウォール・ストリート”。
一般市民の失業が増えるなか一部の富裕層だけが優遇されていると抗議の声が上がった。
スティグリッツ教授はこの運動を支持し現場に足を運んでいた。

(コロンビア大学 スティグリッツ教授)
「大多数99%の市民の状況は何も変わっていない。
 それでもあの運動はアメリカ全体に不平等の現状を直視させる効果があった。
 今 運動はなくなったが問題が解決したからではない。
 2009年以降アメリカが新たに生み出した富のほとんどがトップ1%の富裕層に流れた。
 問題はむしろ悪化している。」

来年2月 アメリカ中央銀行FRBの議長に就任する予定のジャネット・イエレン氏。
金融政策に変化はあるのか。

(コロンビア大学 スティグリッツ教授)
「彼女は教え子だった。」
Q.どんな学生だった?
(コロンビア大学 スティグリッツ教授)
「すばらしい学生だった。
 私がイエール大学の教壇に立った最初の年の学生だった。
 発想が豊かでとても良い論文を書いた。
 彼女は素晴らしいFRB議長になるだろう。」
Q.家蓮議長のもとで金融政策は変わる?
(コロンビア大学 スティグリッツ教授)
「これまでの政策を継続するだろう。
 私は今の量的緩和の効果はそもそも大きくないと考えている。
 今後 量的緩和を縮小してもさほど大した影響は出ないだろう。
 アメリカで量的緩和があまり効果がなかったのは金融機関の問題を解決していなかったからだ。
 蛇口をひねって大量の水を出しながら水が全体に流れるよう配管が整備されていなかった。
 このためお金が全米の必要なところに行きわたらなかった。
 中小企業に対する貸し出しはリーマンショック前と比べ今なお20%下回っている。
 FRBがあれだけ緩和しても期待された効果が出ていない。」

Q.現時点でアベノミクスをどう評価する?
(コロンビア大学 スティグリッツ教授)
「依然期待している。
 第1の矢=金融政策は多くの人が予測したよりも成功したと思う。
 第2の矢=財政政策も効果をあげているが問題は消費税率が引き上げられた後どうなるのかという不透明感だ。
 カギは第3の矢=成長戦略の実行だがもっとも政治的に難しいだろう。」
Q.アベノミクスが成功すれば安倍首相はあなたのようにノーベル賞を受賞できる?
(コロンビア大学 スティグリッツ教授)
「成功する経済政策とは何かを考えるときにアベノミクスは重要になってくるだろう。
 単純に
 金融政策だけ 財政政策だけ 構造改革だけ
 という政策は過去のものになるだろう。
 同時に実行する包括的な政策が必要だ。
 構造改革が大事なのは言うまでもない。
 規制の撤廃や雇用のセーフティネットを外すことが議論されがちだがそれでは社会はどん底に落ちてしまう。
 女性が働きやすい社会を作り経済のグローバル化を進める。
 安倍首相がそうした前向きな構造改革を実行することを期待している。」
コメント