11月17日 BIZ+SUNDAY
今年度 大きく業績を伸ばしている自動車メーカーのひとつ富士重工業。
「売り上げ 1兆1,256億円
営業利益 1,507億円
すべて加工最高。」
北米市場で販売が伸びたことに加え円安の追い風を受けて
去年に比べ売り上げは25%増加した。
富士重工業が国内生産の拠点にしているのが群馬県太田市。
下請けの部品メーカーが集まるいわば企業城下町である。
そのひとつ富士重工業に直接部品をおさめているメーカー しげる工業。
従業員は約1000人。
車の内装パーツを作っている。
この会社では富士重工業からの発注に連動して部品を組み立てる。
注文から発送まで1時間以内。。
今年に入って受注が増え続け製造ラインは早朝から深夜までフル稼働している。
(しげる工業 太田稔課長代理)
「富士重工業の要求通りに作っている。
トラブルで30分動かないと富士重工業に物が治められないと言うシビアなライン。」
売り上げが約20%増えたことから来年の春闘ではベースアップを含め賃金の引き上げを検討している。
(しげる工業 正田寛会長)
「夜遅くまで残業をやってもらって対応したり土日も出てやってもらうこともある。
一部ベースアップも考えないといけない。」
賃上げの動きはこの町でどこまで広がったいるのか。
地元の信用金庫では取引先の中小企業のうち約600社に対し経営状況を調査している。
賃上げを行うかどうかを尋ねたところ依然厳しい状況にあることがわかった。
来年夏までに賃上げする予定があると答えた企業はわずか3%余。
据え置くと答えた企業は76%にのぼった
(桐生信用金庫韮川支店 佐藤賢支店長)
「まだまだ私どもの取引先では全部が全部賃上げできるという感じではない。」
なぜ賃上げは難しいのか。
この日訪ねたのは社員17人の金属部品メーカー 丸和製作所。
社長の平田茂さんは
部品の受注は以前よりは増えたものの利益がなかなか上がらないと言う。
(丸和製作所 平田茂社長)
「コストがギリギリだからなかなか給料引き上げるところまでいかない。
売り上げは富士重工業が好調なので売り上げは伸びるがそれが利益に直結しない。
なかなか利益を出すのが難しい。」
この会社ではマフラーを固定する小型の部品を作りより規模の大きい下請会社に納めている。
「これが1個15円ぐらい。」
受注は去年に比べて10%増えた。
しかし部品ひとつあたりの利益が1円にも満たないため賃上げはできない状況だと言う。
(丸和製作所 平田茂社長)
「生産はアップするけど利益が伴わないというか残りがない。
本当に難しい。
大変な中でやっている状態。」
一方かつての赤字が賃上げの足かせになっている企業がある。
バンパーなどの塗装を手掛ける社員30人のメーカー。
社長の竹内和敏さんがここ5年の業績を示す資料を見せてくれた。
リーマンショックが起きた2008年度 4598万円の赤字を計上。
賃金も大幅にカットした。
業績が回復した今年度は約600万円の利益を見込んでいる。
しかし賃金を以前の水準に戻すことは難しいと言う。
(プラネット工業 竹内和敏社長)
「赤字もほんの少しであればいいがかなりの額の赤字が出ていた。」
一方この会社は大きな設備投資を実施した。
今年8月 1700万円かけて新たな塗装設備を導入した。
受注の増加に対応するためである。
今は賃上げよりもまずは投資をするべきだと判断したのである。
(プラネット工業 竹内和敏社長)
「これは大きな投資だけど絶対にしなきゃいけない。
これから先 競争の社会だから競争に勝っていけない。」
調査を行った信用金庫は多くの中小企業では賃上げをどうしても後回しにせざるを得ないと言う。
(桐生信用金庫 高林支店 中澤栄一支店長)
「中小企業も財務体質がしっかりしてくれば人件費にも手をつけて
人件費をあげるとかそういう形になると思う。
ただまだ期間が短いから
中小企業まで波及してくるには相当時間がかかるのではないか。」
今年度 大きく業績を伸ばしている自動車メーカーのひとつ富士重工業。
「売り上げ 1兆1,256億円
営業利益 1,507億円
すべて加工最高。」
北米市場で販売が伸びたことに加え円安の追い風を受けて
去年に比べ売り上げは25%増加した。
富士重工業が国内生産の拠点にしているのが群馬県太田市。
下請けの部品メーカーが集まるいわば企業城下町である。
そのひとつ富士重工業に直接部品をおさめているメーカー しげる工業。
従業員は約1000人。
車の内装パーツを作っている。
この会社では富士重工業からの発注に連動して部品を組み立てる。
注文から発送まで1時間以内。。
今年に入って受注が増え続け製造ラインは早朝から深夜までフル稼働している。
(しげる工業 太田稔課長代理)
「富士重工業の要求通りに作っている。
トラブルで30分動かないと富士重工業に物が治められないと言うシビアなライン。」
売り上げが約20%増えたことから来年の春闘ではベースアップを含め賃金の引き上げを検討している。
(しげる工業 正田寛会長)
「夜遅くまで残業をやってもらって対応したり土日も出てやってもらうこともある。
一部ベースアップも考えないといけない。」
賃上げの動きはこの町でどこまで広がったいるのか。
地元の信用金庫では取引先の中小企業のうち約600社に対し経営状況を調査している。
賃上げを行うかどうかを尋ねたところ依然厳しい状況にあることがわかった。
来年夏までに賃上げする予定があると答えた企業はわずか3%余。
据え置くと答えた企業は76%にのぼった
(桐生信用金庫韮川支店 佐藤賢支店長)
「まだまだ私どもの取引先では全部が全部賃上げできるという感じではない。」
なぜ賃上げは難しいのか。
この日訪ねたのは社員17人の金属部品メーカー 丸和製作所。
社長の平田茂さんは
部品の受注は以前よりは増えたものの利益がなかなか上がらないと言う。
(丸和製作所 平田茂社長)
「コストがギリギリだからなかなか給料引き上げるところまでいかない。
売り上げは富士重工業が好調なので売り上げは伸びるがそれが利益に直結しない。
なかなか利益を出すのが難しい。」
この会社ではマフラーを固定する小型の部品を作りより規模の大きい下請会社に納めている。
「これが1個15円ぐらい。」
受注は去年に比べて10%増えた。
しかし部品ひとつあたりの利益が1円にも満たないため賃上げはできない状況だと言う。
(丸和製作所 平田茂社長)
「生産はアップするけど利益が伴わないというか残りがない。
本当に難しい。
大変な中でやっている状態。」
一方かつての赤字が賃上げの足かせになっている企業がある。
バンパーなどの塗装を手掛ける社員30人のメーカー。
社長の竹内和敏さんがここ5年の業績を示す資料を見せてくれた。
リーマンショックが起きた2008年度 4598万円の赤字を計上。
賃金も大幅にカットした。
業績が回復した今年度は約600万円の利益を見込んでいる。
しかし賃金を以前の水準に戻すことは難しいと言う。
(プラネット工業 竹内和敏社長)
「赤字もほんの少しであればいいがかなりの額の赤字が出ていた。」
一方この会社は大きな設備投資を実施した。
今年8月 1700万円かけて新たな塗装設備を導入した。
受注の増加に対応するためである。
今は賃上げよりもまずは投資をするべきだと判断したのである。
(プラネット工業 竹内和敏社長)
「これは大きな投資だけど絶対にしなきゃいけない。
これから先 競争の社会だから競争に勝っていけない。」
調査を行った信用金庫は多くの中小企業では賃上げをどうしても後回しにせざるを得ないと言う。
(桐生信用金庫 高林支店 中澤栄一支店長)
「中小企業も財務体質がしっかりしてくれば人件費にも手をつけて
人件費をあげるとかそういう形になると思う。
ただまだ期間が短いから
中小企業まで波及してくるには相当時間がかかるのではないか。」