5月30日 おはよう日本
FAO国連食糧農業機関が認定する世界農業遺産。
5月29日に日本から新たに熊本、静岡、大分の3つの県の地域が認定された。
一昨年認定されたのが美しい棚田が広がる能登の里山里里海である。
認定をきっかけに保存活動が大きく広がって
貴重な景観や文化を守っていく先進事例として注目されている。
29日に開かれた世界農業遺産の会議で能登半島の代表は
千枚田を含む里山と里海を維持するためにも多くの人の支えが必要だと強調した。
(能登半島の代表 泉谷満寿裕珠洲市市長)
「消費者やサポーターの支援を得ることによって持続可能なのとの実現を目指す。」
なぜ消費者やサポーターの力が必要なのか。
平地が少ないこの地域では江戸時代中期から斜面に田んぼが作られてきた。
その後明治時代の開拓活動で約千枚の田んぼが並ぶ現在の姿になったとされている。
地元の人が田んぼの神様をもてなし豊作を祈願する2月に行われる伝統行事。
こうした独特の文化も育まれている。
美しい景観と文化が評価されて世界農業遺産に認定された千枚田を含む能登の里山里海。
高齢化や後継者不足で耕作を放棄する農家が相次ぎ
千枚田を所有する農家17軒のうち実際に耕作を続けているのはわずか3軒。
そのままでは維持できない状況に追い込まれていた。
認定前のピーク時には荒れた田んぼが全体の40%を占めていた。
そこで動いたのが地域のサポーターたちだった。
作業にあたったのは周辺地域の農家が作るグループである。
世界農業遺産認定をきっかけに去年から競作放棄地を復活させる活動を始めたのである。
(周辺農家のグループ代表 堂前助之新さん)
「日本の原風景ともいえるこの千枚田を今まで以上に丁寧に耕作していかなければならない。
強い思いに駆られた。」
参加メンバーも当初の4人から30人ほどに増え
この2年で24枚の田んぼを復活させ田植えから収穫まで管理にあたっている。
地域以外の人たちからも支援が広がった。
世界農業遺産に認定されたこと千枚田を一目見ようと
去年は認定前に比べて約40パーセント多い46万人が訪れた。
「すばらしいなと思う。」
「迫力がある。
残ってほしい景色。」
知名度が上がったことで
平成19年から行なっている棚田のオーナー制度に参加する人が大幅に増えた。
オーナーが払う会費は地元の農家などが田んぼを管理維持していく費用に使われ
オーナーには収穫された米が届けられる。
世界農業遺産になって今年は去年のオーナーの1,6倍にあたる121組に増えた。
こうした取り組みの結果
今年耕作されなかった田んぼは全体の2%程度の25枚を残すのみとなった。
しかし課題も残っている。
輪島市では基金を作って保存活動を支援しているが
世界農業遺産ではFAOや国からは財政的な支援は一切ない。
耕作を続ける農家は減る一方で厳しい状況に変わりはなく
景観と文化を守るためにも消費者やサポーターの支えは欠かせない。
(堂前さん)
「育成していく 教えていくことが重要。
未来の子どもたちに残していきたい。」
世界農業遺産への認定をきっかけにかつての姿を取り戻しつつある千枚田。
どう後世に引き継いでいくか
挑戦が続いている。
FAO国連食糧農業機関が認定する世界農業遺産。
5月29日に日本から新たに熊本、静岡、大分の3つの県の地域が認定された。
一昨年認定されたのが美しい棚田が広がる能登の里山里里海である。
認定をきっかけに保存活動が大きく広がって
貴重な景観や文化を守っていく先進事例として注目されている。
29日に開かれた世界農業遺産の会議で能登半島の代表は
千枚田を含む里山と里海を維持するためにも多くの人の支えが必要だと強調した。
(能登半島の代表 泉谷満寿裕珠洲市市長)
「消費者やサポーターの支援を得ることによって持続可能なのとの実現を目指す。」
なぜ消費者やサポーターの力が必要なのか。
平地が少ないこの地域では江戸時代中期から斜面に田んぼが作られてきた。
その後明治時代の開拓活動で約千枚の田んぼが並ぶ現在の姿になったとされている。
地元の人が田んぼの神様をもてなし豊作を祈願する2月に行われる伝統行事。
こうした独特の文化も育まれている。
美しい景観と文化が評価されて世界農業遺産に認定された千枚田を含む能登の里山里海。
高齢化や後継者不足で耕作を放棄する農家が相次ぎ
千枚田を所有する農家17軒のうち実際に耕作を続けているのはわずか3軒。
そのままでは維持できない状況に追い込まれていた。
認定前のピーク時には荒れた田んぼが全体の40%を占めていた。
そこで動いたのが地域のサポーターたちだった。
作業にあたったのは周辺地域の農家が作るグループである。
世界農業遺産認定をきっかけに去年から競作放棄地を復活させる活動を始めたのである。
(周辺農家のグループ代表 堂前助之新さん)
「日本の原風景ともいえるこの千枚田を今まで以上に丁寧に耕作していかなければならない。
強い思いに駆られた。」
参加メンバーも当初の4人から30人ほどに増え
この2年で24枚の田んぼを復活させ田植えから収穫まで管理にあたっている。
地域以外の人たちからも支援が広がった。
世界農業遺産に認定されたこと千枚田を一目見ようと
去年は認定前に比べて約40パーセント多い46万人が訪れた。
「すばらしいなと思う。」
「迫力がある。
残ってほしい景色。」
知名度が上がったことで
平成19年から行なっている棚田のオーナー制度に参加する人が大幅に増えた。
オーナーが払う会費は地元の農家などが田んぼを管理維持していく費用に使われ
オーナーには収穫された米が届けられる。
世界農業遺産になって今年は去年のオーナーの1,6倍にあたる121組に増えた。
こうした取り組みの結果
今年耕作されなかった田んぼは全体の2%程度の25枚を残すのみとなった。
しかし課題も残っている。
輪島市では基金を作って保存活動を支援しているが
世界農業遺産ではFAOや国からは財政的な支援は一切ない。
耕作を続ける農家は減る一方で厳しい状況に変わりはなく
景観と文化を守るためにも消費者やサポーターの支えは欠かせない。
(堂前さん)
「育成していく 教えていくことが重要。
未来の子どもたちに残していきたい。」
世界農業遺産への認定をきっかけにかつての姿を取り戻しつつある千枚田。
どう後世に引き継いでいくか
挑戦が続いている。