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フランス 日本へのまなざし ① フランスの今

2013-06-04 08:45:54 | 海外ネットワーク
6月2日 NHK海外ネットワーク

フランスで根をおろす日本の文化。
カンヌ映画祭では日本の映画が再び評価された。
「日本は文化活動が盛んな国で人々も尊敬できます。」
「経済大国で向上心の強い国ですよね。」
いまフランスでは景気が低迷し失業率が高止まりしている。
不況から抜け出すためにもオランド大統領が打ち出しているのが“日本重視”である。
(フランス オランド大統領)
“世界第3位の経済大国・日本はフランスの偉大なパートナーだ。”
今週そのオランド大統領が就任後初めて日本を訪れる。

「面白い文化がたくさんあって行ってみたいわ。」
「ハイテクだね!」
パリの巷で日本への好意的な声が聞かれる中 
地元の人たちを夢中にさせているのが日本食の店。
慣れない箸を使ってワインと一緒にうどんを味わうのがフランス流である。
「きょうのうどんは『とてもおいしい』。」
人気の武道ももはや柔道だけではなく剣道も。
「面うちが得意。」
「一目見たとたん やるしかないと思ったんだ。」
剣道の愛好家はこの10年で1,5倍に増えたともいわれる。
日本のものづくりへの評価も高まる一方である。
フランス北部にあるトヨタの工場では
フランス政府が認定する“メイド・イン・フランス”に選ばれたことを示すシールが
1台1台に貼られている。
部品を一定の割合で国内で調達し組み立てを国内の工場で行ったことが評価された。
フランスのメーカーが人件費の安いアフリカに生産拠点を移す中
国内の雇用の創出に貢献したと認められたのである。
メーカーでは販売に弾みがつくことを期待している。
(トヨタ現地生産法人社長 佐野真琴さん)
「ここで競争力 実力をつければ
 来たるべき時に大変良い成果を出せると思って従業員一同頑張っています。」
一方のフランス自動車業界。
景気の低迷による販売不振に加え競争力のある日本車が増えることを警戒している。
(プジョー 販売店代表 フィリップ・ボンノムさん)
「今も競争は厳しく今後さらに厳しくなるでしょう。
 各メーカーはもっと頻繁に新しいモデルを投入せざるを得ないでしょう。」

経済の不振は地方でさらに深刻である。
南部の都市ニーム。
「きのうのパン屋」と名付けられた店では前の日に売れ残ったパンを半額で売っている。
美食の国フランスで人々がこよなく愛するパン。
1日に4回焼く店も少なくない。
しかしこの店では売れ残ったパンを無料で譲り受けるため
早朝から他のパン屋をまわっている。
こうしたパンを格安で売り出したところ毎日ほとんど売り切れの状態。
少しでも食費を切り詰めようという人が増えているからである。
「悲しいけどパン代を削らないといけない。」
「冷凍やスーパーのものと比べればおいしい。」
町の競売所で行われたオークションで出品されていたものはどれも質流れ品。
ニーム公営質屋では十分な収入を得られない人たちが
暮らしの足しにするために身の回りの品を質に入れている。
1日で120人もの人が訪れた。
「よく利用しています。
 請求書の支払いのために。」
持ち込まれる品の大半は金やプラチナなどのアクセサリーだと言う。
(ニーム公営質屋代表 アンドレ・モリニエさん)
「ここに来られる人は値段がつくものを持っているだけまだ幸せです。
 売れる物すら持っていない人もたくさんいるのですから。」

フランスの人たちの価値観が変わってしまうほど景気の低迷は深刻な影響を与えている。
今のヨーロッパ経済を表す言葉として
rannce
Italy
Spain
Holland
FISHというのがある。
いずれもユーロ圏有数の経済規模の国でありながら景気の低迷が深刻である。
一時期危機的だった信用不安を抱える国々に変わって
いまはFISHが最大の懸念材料となっている。
なかでもユーロ圏第2の経済大国フランスはその筆頭格になるわけで
ドイツの経済が比較的好調なのとは対照的である。
1年前 オランド政権を誕生させた原動力となったのは経済の立て直しを望む有権者の声だった。
しかしこの1年で国民の期待は失望に変わりつつある。
支持率は5月には24%にまで下がり政権発足1年の時点で
歴代の大統領の中でも最低の水準に落ち込んである。
この不人気ぶりの最大の原因が一向に改善しない雇用である。
失業率は高止まりしこの15年間で最悪の水準になっている。
このためオランド政権はヨーロッパでも過去に例のない雇用対策を打ち出して
国民の信頼回復につなげようとしている。


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