And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

夢の精神分析

2015-01-29 21:27:44 | 日記
この間DVDで「死海殺人事件」を観た。LD持っているから観ているはずだが、内容は忘れていた。最初からいきなり二流映画らしい派手な映画音楽が観る気をそいだが、最後まで観た。クリスティの中でも普通に入るくらいの原作だと思うが、トリックが面白い「地中海殺人事件」(白昼の悪魔)やナイル殺人事件(ナイルに死す)に比べると暇つぶしにもならないような映画。ワイルダーのクリスティ原作「娼婦」のほうが数百倍面白い。原作通りにできないのわかっていても推理小説の映画化でこれはというのが一つもないどころか「そして誰もいなくなった」みたいに原作のよさも「いなくなった」という映画ばかり。清張なら「点と線」「ゼロの焦点」のように何度観ても面白いのがあるが。SFなら原作と多少離れていても結構面白いものがある。「スターウォーズ」のようなお子様映画もSFに入れてしまうと、どーんと偏差値は落ちてしまうのだが四流映画もあるのがSFだ。なら文学はどうかと考えると、すぐ思いつくのがヴィスコンティが映画化した「異邦人」なんの感情も入っていない本当につまらない映画だった。遺族から制限があったとはいえあれなら作らなかったほうがよかったのではという映画だったが、どういうわけか映像ソフト化されていない。ビデオからずっと。同じヴィスコンティなら「ベニスに死す」よくあんな短編をあれだけの映画に引き延ばせたと思う。「罪と罰」なんか腕のふるい所と思うのだが映画化は少なく、自分の知ってるのはソビエト映画だけ。何度も書いてるが、だらだら長いだけの小説の一部分を切り取って名画にした「エデンの東」。「怒りの葡萄」もそこそこだったと思う。「戦争と平和」は原作に魅力感じないから映画も興味なし。これも何度も書いてるが「ドクトルジバゴ」も原作先に読んでいたら映画観なかったのではというくらい映画がよかった。日本なら「夜明け前」「破戒」「こころ」「沈黙」など映画観る前に本読んでるが、抵抗なかったこと考えるとそれほど原作をいじってはいないのだろう。シェイクスピアはどう映画化しようと原作が面白いのだから変な映画になりっこない。印象に残ってるのはオリビエの「ハムレット」「リチャード三世」とソ連の「リア王」全くイメージと合わなかったのがキューブリックの「ロリータ」少女かわいくない。原作読まないで映画観たのが「裸者と死者」映画観たら読むことないかとやめてしまった。フランソワーズ・サガンの「悲しみよこんにちは」「ブラームスはお好き」あたりは別に原作がどう変えられようが関係ない。ただ「ブラームスはお好き」の映画化「さよならをもう一度」でブラームス交響曲3番3楽章に歌詞付けたのには驚いた。「失われた時を求めて」の一部を映画化した「スワンの恋」と「見出された時」はプルーストファンの自分にとっては面白かった。すべては自分の頭に作られた虚構と映画の違いを楽しんでいるだけなのだ。決して接することのない。


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