HOBNOBlog

ロンドンから徒然に

ロンドンの大火

2009-07-26 | 旅・イベント
 ロンドンの街並み、特に中心部のシティなどの建物を見ていると、その石造りの荘厳さに圧倒されることがあります。ずっと何百年前の人もこれと同じ姿を見ていたのかと思うと感慨深くもあります。
 日本は殆どの家屋が木造だったので、当然同じものは残っていないわけですよね。

 なんてことを思いながらシティの建築物を改めて辿ると、面白い事実が見えてきます。
 ここは1666年にPudding Laneという通りにあったパン屋(プリン通りのパン屋というのも何だか出来過ぎの気もするのですが)からの出火で歴史に残る大火災に遭っているのです。



 火災は何日間も続き、シティのおよそ5分の4を焼き尽くしたというのですから、その大きさは想像できる(いや大きすぎて想像できない?)でしょう。1万戸以上の家屋が焼失した割には、死者の数が数人と言われていますので、それがせめてもの救いだったのかもしれません。

 実はこの時のロンドンは殆どが木造家屋で街路も狭く、それが大火事の原因になったのです。そこでそれを教訓に、再建に当たっては石もしくは煉瓦での建物しか認めないという“再建法”が制定されています。
 したがって、今シティにある建築物はこの時の法律に基づいて再建されたものばかりなんですね。

 その再建法の制定に尽力した建築家クリストファー・レンの設計になるThe Monumentが大火の後にそれを忘れないよう記念碑として建てられました。
 62mのこの塔、上の方に外に出られるスペースがあります。いつかここに昇って今のシティの姿を見渡してみたいとは思っているのですが、311段の階段(リフトがあるのかな?)と高所恐怖症が2つの難関です(笑)