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ロンドンから徒然に

サッチャー(元)首相

2009-07-08 | 日常
 昨日のブログで触れたカウンティ・ホールを廃止したのが、実はマーガレット・サッチャーでした。
 “鉄の女”と呼ばれた保守党党首かつ英国首相が、改革の邪魔となる労働組合の影響力を取り除くための政策の一環だったと思われます。



 ところで、写真の病院はChelsea and Westminster Hospital という、うちの近くの総合病院です。先日この病院が何度もTVに映っていました。実は先月サッチャー氏が自宅で転倒して上腕を骨折し、この病院に長らく入院していたのです。

 彼女ももう83歳。娘のキャロルの回想録によると、もう何年も前から認知症が進み、首相時代の出来事も思い出せなくなっているとのことですが、それでも公の場への出席はよく見かけます。
 昨年国会議事堂を見学した際に、中程のホールに過去の首相経験者の銅像が置かれていましたが、その中でも彼女の銅像が印象的でした。(当然内部は写真撮影禁止です)



 それにしても、どん底だった“英国病”を克服したその手腕は、当然のように毀誉褒貶半ばするものでした。
 イギリスを立て直した人物として崇められる一方で、各種公共事業の民営化はサービスの低下を招き、所得税引き下げとセットの付加価値税(消費税)引き上げは金持ち優遇だと批判され、医療予算の大幅削減は医療制度を破壊したと批判されています。

 しかしながら、思想云々はともかく、ここまでの行動力は今のような不況時代にはもしかしたらまた渇望されるのかもしれません。どの国もいまいち思い切った政策を取れずに苦しんでいますものね。
 そろそろ日本も女性首相とか登場してもいい頃なのかも。(残念ながら今のところ該当するような人材はいませんが)

 そう言えばサッチャー語録の中に有名な一節があります。
 「もし演説をお望みなら男性に頼みなさい。でも行動して欲しいのなら女性に頼みなさい」