植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

ビルマの竪琴 ひるまのたわごと

2021年04月04日 | 時事
 まだ子供の頃、「ビルマの竪琴」という白黒映画を観たのを覚えています。太平洋戦争末期、ビルマに進軍していた旧日本軍の兵士が撤退を余儀なくされる中、水嶋上等兵は残って僧侶になるといったストーリでしたか、肩に止まったインコ、のアレです。30年後中井貴一さんの主役でリメイクされました。
 日本ンとビルマとの関わりはそれよりちょっと早く、大英帝国占領下のビルマを軍事支援しイギリスを退けて「アウンサン」さんを立てて独立に持ち込んだのです。実際は世界的な帝国主義・後進国に対する列強による植民地支配の一つで、日本が占領統治しようとしたのですね。 

 その後、太平洋戦争で日本は各地で敗走し、ビルマでもせっかく協力して独立させたビルマ軍に追い立てられしまいました。いったん連合国の支配下になった後ビルマ連邦が樹立しましたが、クーデターで社会主義独裁政権に代わられました。それからアウンサン氏の娘スーチーさんが登場し民主化を進めようとした矢先12年後、今度は国軍がクーデターを起こし、軍事政権を作りました。

 2011年にようやく選挙によって民主勢力が大勝し、スーチーさんを顧問とした文民による国家「ミャンマー連邦共和国 」となりましたが、10年を経ずしてまたもや国軍のクーデター、逆戻りしてしまいました。軍事政権が作った国軍の議員が40%を占めるというルールで、憲法改正がままならず、国軍を解体し近代化できずにいたせいなのです。

 ミャンマーは7割のビルマ族以外の少数民族が多数いて、建国当初から民族紛争が続きました。スーチーさんがロヒンギャ難民迫害を黙認したと問題視されたこともありました。今でも、少数民族は武装し、軍部との軍事衝突があります。先日も空爆があって難民もまきこまれました。山岳地帯の少数民族と、タイやラオスの三角地帯は昔から「黄金の三角地帯 」として麻薬製造の政界的な拠点となっているのもいろいろ関係しているのです。

 そして、日本政府は軍事政権の時代からさまざまな協力をしており、いまや世界一のスポンサーになっています。木材輸入を皮切りに中国に続く大きなビジネスチャンスが生まれ、有力な商圏・工場立地として官民あわせて積極的にお金と人材をミャンマーに投入し、ODAは世界一です。一説には累計2兆円の資金協力をし、債権放棄も繰り返しています。最近では大規模商業施設建設にも巨額な資金が流れていますが、その敷地の所有者は国軍(名目は国防省)なのです。日本のODA資金の大半が、相手国の為政者とその周囲の懐に入るのは周知の事実であります。

 日本は、たった今も少数民族を迫害し民主化を断ち切ろうとして、市民を無差別に殺害している軍部に資金援助を続けているに等しいのです。

 いまだに、日本政府の「はっきりしない」姿勢が国際的にもミャンマー国民にも反発を買うようになっています。主要国の軍政に対する非難にも加担せず、クーデター政権のたてた「外務大臣」を認めるような不用意な発言をしています。「人権問題を憂慮する」というような生ぬるい見解しか出せません。

 すでにミャンマーは軍部による民衆の弾圧・殺傷、少数民族などの殺戮がおき、内乱・内戦状態に陥るような緊迫した状況なのです。旗幟を鮮明に出すことが出来ない日本政府の優柔不断ぶりには日本人として情けないとしか言えません。ワタシが外務大臣だったら即刻大使や現地の日本人を帰国させ、すべての資金協力を停止します。国際社会全体でも、軍部を除くミャンマーの国民の意思は明白で、クーデターを完全に否定すべき、国連軍を派遣して少なくとも軍事衝突や市民の発砲をやめさせるべきなのです。

 そこで例によってその妨げが「中国」です。国連の常任理事国ある中国とロシアは「民主的国家」を好みません。今回も国軍を非難する強い決議を拒否しました。両国ともに社会主義・共産主義を隠れ蓑にした「独裁国家」であります。ミャンマーが独裁政権になって中国が恩を売り後ろ盾になることが中国の国益にもかなうのです。「北朝鮮」がそのいい例です。

 かつて、日本が国際連盟を脱退したのを思い出します。いまの国際連合が世界平和に寄与できる余地がだんだん減っているのです。中・ロによって国連が変質し、むしろ世界の平和や国家同士の融和も損なわれゆがめられています。

 昼間からたわ言と言うなかれ。ワタシはバイデンさんやEUの指導者に会う機会があったら(無いけど)、国連を解体し新しい世界連合を作るよう助言いたします。常任理事国内に世界の安寧を乱す国がとどまって「拒否権」を行使する以上、中国の覇権主義は増長する一方なのですから。

 日本政府が国軍の指名者を「外相」と呼び 、昼間から「事態の推移や関係国の対応を注視し、検討する」などとたわごとを繰り返しています。腰抜けで様子見、どこにでもすり寄る土下座外交Japan。だからロシア・中国や韓国になめられ、欧米からもまったく頼りにされません。
  日本の政府、外務省のみなさんには、頭を丸めて出家するよう進言します。竪琴ひいて肩にインコを止まらせ山にこもれと。

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