植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

園芸のススメ

2023年06月05日 | 植物
のっけから壮大な話でありますが、地球の重さは、5.972×10²¹トン だそうであります。たとえようのない重さなので、とにかくとてつもなく重いのでしょう。それでもあの太陽に比べたら1/30万の重さというのですから、どれだけこの宇宙で太陽が巨大なのか、想像もつきませんね。ワタシの日常が、ちまちました2㎝角程度の石に数文字の漢字を彫るという篆刻の極狭の世界にいるのでたまには解放されないと、と思いますね。

昨日見ていたテレビで(NHK)、地球上、地上の生命体の総重量に占める植物の割合は96%位だという説明がありました。人間やら家畜などがどんなに重くても、植物の質量に比べたらほんのわずかなのであります。残念ながら、その割合が千年位前から変わったのかいないのかを聞き漏らしました。農耕や牧畜で生計を立て山野や草地と共生していた時代から、徐々に人口が増え産業革命などで植物の生息区域を徐々に減らしてきたこの数千年で、植物の占める割合がだんだん減っているのだろうか、と想像しているのです。

さて、そんなことを考えつつも、マイガーデンに蔓延る雑草を抜く、を再開しました。
「雨降りには畑に入らない」が昔から伝わる教訓だと聞きました。雨が降っているときはお百姓さんは休日で、ほかの用を足したり静養にあてればいい、という意味と、畑が雨で濡れている時に、踏み込んでいくとせっかくのふかふかの土が、固くなるからであります。

一方、「雨が降った翌日は草取りをしろ」とも言います。好天に回復したら、雑草の根元は雨で柔らかく湿った土なので、抜きやすくなるのです。がつがつとねじり鎌で土をほじくるより、草の根元をつかんで、根っこごと抜くのが理想形であります。

雑草を除いてマイガーデンには千種類ほどの植物が植わっていて、その全部の重さはせいぜいワタシの体重の数倍でありましょう。植物は二酸化酸素を吸収して光合成をおこない酸素を発生させる、という基本的な働きによって地球上のほとんどの動物が永らえ、恩恵に浴しているのです。のみならず、その植物の何割かは食用になり、安心して生活を送ることができます。

それなので大変微力ながら、ワタシは、雑草を除く植物を育てる、という使命感の中で暮らしているのであります。

園芸・ガーデニングを生活の中で常態化して行うということは、地球環境の維持改善に役立つというのは表向きで、実は個人にとって大変なメリットがあるのです。
①年取って大した趣味もなくやることが無い、という人にとって大変手軽な趣味・暇つぶしになる。
②初期費用はともかく、ほとんどお金をかけないでも成り立つ。
③草ぼうぼうの戸建てに比べて、手入れが出来ていれば、その住人がまともでちゃんとした人に見られる。
④緑に囲まれて、のんびり安穏な気持ちになり精神衛生上のメリットが大きい
⑤花の美しさ、芳香に包まれれば癒され、幸せな気持ちになる
⑥果実の多くは食用になるので、おやつや食後のフルーツを買わずに済む
⑦菜園をやれば、いくらでも野菜を作ることができて、家計の助けになる
⑧余った収穫物の野菜や果実を、隣近所におすそ分けして良好な関係を保つだけでなく、物々交換として思わぬお返しも頂戴できる。
⑨気候変動を身近に感じ、自然とともに暮らしているという実感を得られる。
⑩太陽光を浴びて健康的な生活になるだけでなく、体に負担が無い程度の軽作業によって健康や体力の維持に役立つ。

とまぁ、ちょっと考えただけで多くのメリットがあります。手が荒れる、傷だらけになる、爪が割れるなどから腰が痛い、筋肉痛になる、というマイナス要素もあります。また、炎天下の作業で体調を崩す、過労になる(笑)人もいるでしょう。虫が嫌いな人には向きません。いくらか使う農薬・薬品による健康被害も全くないとは言い切れませんね。それらは、ほとんどが「注意していれば」回避できるリスクでありますし、全体のメリットデメリットを考えたら、プラスの方がはるかに多いのです。

庭のない人はどうすんだ?アパート暮らしはできないよ、と仰います。その通り、土地が無ければ制約が大きく、育てられる植物はわずかでしょう。

しかし、その気になれば一間の部屋に暮らす若者でも、窓際に鉢植えの3個もあれば、心豊かになれるかもしれません。草花や小木の成長を愉しみつつ育てる喜びはやってみないとわかりませんね。

かく言うワタシは、若いころどうしても時間や心のゆとりが無くて、ちゃんと向き合うことが出来ませんでした。マンションのベランダでトマトや万能ねぎなどのプランターを置いていましたが、ほったらかしにして階下の住民から苦情を貰いました。
それが定年間際になり、本格的にガーデニングに取り組むようになって10年足らずです。園芸にせよ篆刻にせよ、こうして自分が手がけることができて幸せなのであります。
 
おっともうひとつ大事なメリットがありました
⑪誰とも口をきかずに済む であります。

みなさん、悪いことは言いません。「雨が降っても降らなくても植物は育てるべし」であります。

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